プラトン主義とプラトン対話篇

言語文化研究
2015
第 8 回講座 勉強会
西洋思想史(1)
プラトン主義とプラトン対話篇
私たちが通常耳にする「哲学」は明治時代にフィロソフィア(愛-智)から翻訳された言葉です。本来、フィロソ
フィアとは、「希賢学」という最初の訳があったように、賢くなるべくして必要な学識という事になります。哲学という
と沈思黙考して誰にも分らないことを一人で考えたり書いたり読んだり、そんなイメージの方も多いでしょう。しか
し古代ギリシアで最も栄えたフィロソフィ(哲学)は人々が対話しながら、もっとも相応な答えを見つけていく営
みでした。プラトンは対話篇という形でその考えを著しましたが、対話篇を読み解くにはコツがあります。ただ「プラ
トンはこう書いている、言っている」という受け取り方をしてはいけないのです。
今回は文庫でも手軽に読めるようになっているプラトンの対話篇から、具体的な命題である「勇気について(ラ
ケス)」と「国家(ポリティア/レプブリカ)」を取り上げます。対話篇を通して問題を見つけ出し、今日の世界・
社会でも問題となる事柄を参照しながら考えてみたいと思います。またプラトンといえば有名な「洞窟の比喩」
「線分の比喩」「エルの神話」などがありますが、線分の比喩について考えてみたいと思います。
プラトン対話篇は手軽に読めるだけに、知っておいたほうがよい基本的な事柄があります。哲学史、西洋思想
史の基本とともに、高校生、大学生が知っておいたほうがよいと思う事柄をいくつか考えてみたいと思います。
参加者は「ラケス」を文庫で購入し、一通り読んでみて下さい。また「国家」篇をできれば読んでみて下さい。
プラトン主義の特徴、論理的な考え方など基礎的なことから扱いたいと考えています。
また参考文献を紹介しますので、西洋思想、歴史、数学史、論理学、倫理学、美学など興味がある方の参
加をお待ちしています。
日時
2015 年 8 月 16 日
場所
費用
花田義塾 (言語文化研究) 東越谷言語研究分室
塾生(高校生以上)・塾生保護者無料
本塾卒業生 500 円
一般の方 600 円 (資料・紅茶代)
佐藤和泉 (花田義塾 英語小論文科 /イタリア学会員 /慶應義塾塾員)
担当
17:30-20:30
*資料作成のため前日までに申込をお願いします。ノート、筆記用具、『ラケス』を持参して下さい
参考文献 :
プラトン 『ラケス』 (講談社学術文庫)
納富信留 『哲学者の誕生』(ちくま新書)
納富信留 『プラトンとの哲学』(岩波新書)
熊田陽一郎 『プラトニズムの水脈』他
HANATAGIJYUKU 2015
DESCE GAUDERE