前線の通過と天気の変化

3章 前線の通過と天気の変化(教p256~)
1 高気圧・低気圧,気団,前線
高気圧と低気圧
天気図:各地で観測された気象の記録を図記号を使っ
て地図上に記入したもの
等圧線:同一時刻の気圧の等しいところを結んだ曲線
高気圧:周りよりも気圧が高いところ →雲が少ない
低気圧:周りよりも気圧が低いところ →雲が多い
風の吹き方
大気は気圧の高いほうから低いほうに向かって流れる
→これが風である
よって、等圧線の間隔が狭いほうが気圧差が大きい
ので、風は強く吹く
(実習1)天気図を完成させよう
15
18
19
27
24 22
キ高知:天気 晴れ 風向 北寄り
風力 1
気圧1025hPa
○低気圧
○高気圧
下降気流
高
上昇気流
低
時計回りに吹き出す
反時計回りに吹き込む
※いずれも北半球の場合
南半球では、高気圧は反時計回りに吹き出し、低気圧
では時計回りに吹き込む
(理由)コリオリの力がはたらくため
コリオリの力 :地球が自転しているためにはたらく
(転向力) みかけの力
運動している物体の進行方向に対して以下のように
※コリオリ実験映像1
はたらく
※コリオリ実験映像2
北半球
みかけの運動方向
※コリオリ実験映像3
南半球 ※コリオリアニメーション
みかけの運動方向
実際の
運動方
向
実際の
運動方
向
転向力
転向力
(直角右向き) (直角左向き)
※高気圧と低気圧
気団と前線
気団 :気温・湿度がほぼ一様な空気のかたまりのこと
大陸気団 :大陸上にできた気団
海洋気団 :海洋上にできた気団
暖気団:暖かい空気からなる気団
寒気団:冷たい空気からなる気団
○気団の性質
大陸気団
海洋気団
北方にできる 南方にできる
寒冷・乾燥
温暖・乾燥
寒冷・湿潤
温暖・湿潤
性質の異なる気団は、互いに接してもすぐには混じり
合わない
→よって、境界面が生じる
暖気と寒気の境界面を前線面といい、前線面と地表
との交わった部分を前線という
(注)暖かい空気は軽く、冷たい空気は重い
→暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へ
○雲の種類
(便覧82,83)
雲は大きく層状雲と対流雲の2つに分けられる
①層状雲:水平方向に広がりながら発達する
→発生する高さによって、上層雲・
中層雲・下層雲の3つに分けられる
上層雲
中層雲
下層雲
巻雲
高積雲
層積雲
巻積雲
高層雲
層雲
巻層雲
乱層雲
※「層」という字→水平に広がる
「積」という字→綿の塊のように見える
②対流雲 :鉛直に大きく広がってできる
積雲 :高度500~2,000mの比較的低い所にできる
更に発達すると雄大積雲(入道雲)と呼ば
れる
積乱雲 :雄大積雲が更に上空に発達し、圏界面付近
まで広がったもの
激しい雨や雪や雷を伴うことが多い
○前線の種類
①温暖前線
(便覧90-1B)
暖気が寒気の斜面を滑り上がる時にできる
前線面の勾配は小さく、乱層雲に伴って、弱い雨が
広く長時間降る。
通過後には気温が上がる
乱層雲
暖気
高層雲
巻雲
寒気 前線の進行方向
約300km
温暖前線の記号
寒気側
暖気側
※温暖前線
※温暖前線の動き
②寒冷前線
(便覧90-1B)
寒気が暖気の下に潜り込む時にできる
前線面の勾配は大きく、積乱雲に伴って、短時間に
強い雨が降る
通過後には気温が下がる
積乱雲
暖気
寒気
約70km
寒冷前線の記号
前線の進行方向
暖気側
寒気側
※寒冷前線 ※寒冷前線の動き
○温帯低気圧
寒気と暖気の間で発生し、中心の東側に温暖前線、
西側に寒冷前線を伴い、偏西風に吹かれて東進する
(経度約10°/日)
<温帯低気圧付近の風向>
(便覧91-2)
移動方向
A地点の風向は
南東→南西→北西と
変化する
×A地点
(温帯低気圧の発達段階)
①発生初期
寒気
暖気
(便覧91-2下)
②発達期
寒気
雨域
暖気
③最盛期
寒気
雨域
暖気
④閉塞期
⑤消滅期
寒気
寒気
雨域
暖気
雨域
暖気
※低気圧の一生と前線
※温帯低気圧のしくみ
③閉塞前線
低気圧の最盛期から閉塞期にかけて、寒冷前線が
温暖前線に追いついてできる
暖気
寒気
寒気
閉塞前線の記号
※閉塞前線
④停滞前線
寒気と暖気が接し、勢力がほぼ等しいときにできる
(例)梅雨前線、秋雨前線
暖気
寒気
停滞前線の記号
※停滞前線