No.56 スーダンのポリオが国際的感染拡大の危険性 3 月 2 日 WHO(CSR)情報 スーダン エチオピア ケニア ウガンダ スーダンにおける野生株ポリオウイルス 1 型(WPV1)による長期に及ぶポリオの 流行は国際的に拡大する危険性を示しています。このため、流行地域における速 やかな制圧活動と感染が拡大する危険性のある国々での監視体制の強化が必要 となっています。これまでスーダン南部とエチオピア西部に限局していた流行は、今 ではケニア、ウガンダ、スーダン北部(ハルツーム Khartoum およびポート・スーダ ン Port Sudan)に広がっています。2004~2006 年に、この地域から WPV1 がソマリ ア、イエメン、インドネシアなどの他の国に広がり、1,200 名以上の患者が出ました。 過去にこの地域から他の国へ感染が拡大したこと、スーダン南部からケニアとウ ガンダへの新たな感染拡大がみられること、そしてスーダンとエチオピア西部では、 30%以上の子供が経口ポリオ生ワクチン(OPV)が未接種、または 3 回投与を終え ていないことなどから、WHO はスーダンから他国への感染拡大の危険性は非常に 高いと推定しています。 スーダン北部では 2 月 15 日大規模な補足的予防接種活動(SIA)が開始され、次 いで追加的な接種活動が以後 2 回計画されています。またスーダン南部では SIA が 1 月 13 日と 2 月 23 日に実施され、追加的な接種活動が 3 月 23 日と 4 月下旬 に行われる予定です。 スーダンに呼応して、ケニアとウガンダの流行地域でも予防接種が行われる計画 です。新たなポリオ輸入例を迅速に発見し、速やかな対応をとるため、監視体制を とる必要があります。また、輸入例が発生する危険性のある地域と接種率が 80% 以下の地域を優先して予防接種を実施する必要があります。 厚生労働省 福岡検疫所
© Copyright 2024 Paperzz