インダストリーコラム

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【コーヒ−ブレイク】 (第 101 回)
Mr. Device Sight が見た半導体、フラットパネルディスプレイ業界動向新オピニオンコラム。
最近発表されたものと思うが、米 SIA(半導体工業会)のホームページ・サイトで 2006 年の年次
レポート(Annual Report)に気がついた。我が国にも共通する感じをもつが、半導体業界という
かハイテク、ひいては理工系教育の米国のプレゼンス、あるいは競争力の低下を危惧して、昨
年前半から SIA 幹部がワシントン DC を訪れ、R&D 領域はじめ予算確保の働きかけを熱心に
行なっている。今回の Annual Report は、まさにその色合いが独占している内容となっている。
競争力強化一色の米 SIA 年次レポート
折りしも今週 SIA は、米国の競争力向上を推進する新しい Web サイト、"Choose to Compete"
の立ち上げを発表している。畳み掛けるような一連の行動というものを感じざるを得ないとこ
ろがあるが、以下に注目した部分を示してみる。
米 SIA 2006 年年次レポート(Annual Report)
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
※紙芝居風に、以下のメッセージが 1 ページごと目に入ってくる。効果的な演出である。
…準備 OK?
↓
□我々は世界の羨望の的である。
↓
□技術および革新の進展で我々はリーダーになった。
↓
□しかし今、我々は以前には無いような競合に直面している。
↓
◎我々は行動を起こさなければならない。
↓
◎我々は競争すると決めなければならない。
↓
…今や行動しよう
※続いて、キーマンのメッセージ。まさに国を挙げてのスタンスである。
∴George W. Bush 大統領の一般教書演説(2006 年 1 月 31 日):
「今夜、我々の経済全体に及ぶ革新を奮い立たせ、我が国家の子供たちに数学科学のしっかり
した基礎を与えるよう、私はアメリカの競争力イニシアティブを発表する。
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まず、向こう 10 年にわたる物理科学の最も肝要な基礎研究プログラムへの連邦政府の資金割
り当てを倍にすることを提案する。この出資は、ナノテク、supercomputing および代替エネ
ルギー源のような有望な領域を開拓するときに、
アメリカの最も創造的な知性をサポートする。
二番目に、技術におけるより果敢な民間のイニシアティブを起こさせるよう、研究開発税 credit
を永久にすることを提案する。公的および民間両方のさらに多くの研究により、我々の生活の
質が改善され、
アメリカが向こう何十年のチャンスおよび革新をリードすることが確かになる。
三番目に、数学科学をもっと自分のものにするよう、そしてその行程が他の国々と競い合うに
十分に厳密であることが確かなように、子供たちを奮起させる必要がある。小さい学年では
No Child Left Behind Act で良いスタートを切っており、我が国全体に標準を起こしてテスト
の点を上げてきている。今夜、以下を提案する。数学科学の advanced-placement コースを
導く 70,000 人の高校教師を訓練すること、数学科学の専門家 30,000 人を教室に入れること、
および数学と奮闘する学生たちに高賃金の良い仕事のチャンスが高まるよう早く助けを差し伸
べることである。アメリカの子供たちが人生で成功すれば、アメリカが世界で成功することが
確かになる。
我が国家が世界で競争できるよう備えることが、我々みんなが共有できる目標である。私はみ
なさんにアメリカの競争力イニシアティブをサポートするよう促す、そしていっしょになって
アメリカの人々が達成できるものを世界に示していこう。
」
∴Bush 大統領の一般教書演説に対して、下院民主党リーダー、Nancy Pelosi 氏(2006 年 2 月
2 日):
「大統領が、一般教書演説で、そして本日 Minnesota で、この重要な問題を方向付けたのは喜
ばしい。下院民主党は、我が国を前進させ何よりも重要であろうアメリカの競争力を守るため
に、大統領と共に働く用意がある。
我々は今や言葉や演説に留まらず、我々の国家が驚異的な国際競合に対して競争力を保ち、21
世紀を通して高品質の仕事を生み出すことを確固とするよう、技術革新および優れた教育への
投資を維持するために、来年の予算に資金を割り当てなければならない。アメリカの経済的な
指導力ほど問われているものはない。
」
∴前 USTR(United States Trade Representative)代表、Charlene Barshefsky 氏:
「どんな国も絶対的な権利で世界をリードできない。アメリカは、重大なグローバル通商およ
び財政の不均衡、アジアからの危険な乖離およびアメリカの競争力の弱体化に緊急に対処しな
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ければならない。米国は世界の技術リーダーであり続けるよう、自国での試合にもってこなけ
ればならない。
こういう目的で、革新を刺激するよう税制を改正すべきであり、ハイテクおよび従来のインフ
ラを改善するために公共投資を作り直さなければならず、特に物理および情報科学において基
礎研究への民間および公的投資を実質的に増やすべきである。特に物理科学での小中学校への
サポートと同様である。
」
※日米半導体交渉で米国の先頭に立った Barshefsky 氏が出てくると、あの時以来の半導体業
界の変貌ぶり、改めて考えるところがある。
以下、アピールするデータのいくつかから。
〓世界の半導体製造キャパ〓
2005 年の米国内の半導体製造キャパ ⇒ 25%
〃
米国外
〃
⇒ 75%
競争相手は差を詰めてきている。
・労働集約というより資本集約の業界で、半導体の研究、開発および製造キャパの世界投資に
ついてのアメリカの比率は、1998 年の 45%から、2005 年は 30%以下に低下している。
・世界半導体製造キャパの米国業界比率は、1999 年の約 28%から 2005 年は 25%以下に低下、
特に最先端のキャパが 1999 年の約 36%から 2005 年約 14%と急激な低下である。
・米国半導体メーカーは、世界市場の 47%を占めて依然リードしている。しかし、1998 年の
53%からは下がっている。
〓2004 年の engineering 系卒業生数〓
米国
⇒ 70K 人
インド
⇒350K 人
中国
⇒600K 人
※移民政策、中国の脅威など強調される所以である。
※最後に、今週の SIA 競争力 Web サイト立ち上げ記事から以下の通り。
□SIA が競争力 Web サイトを立ち上げ…3 月 23 日付け EE Times および Electronic News
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SIA が 23 日、米国の競争力向上を推進する新しい Web サイトを披露した。技術および革新に
おける米国の指導力を維持することに焦点を当てて立案された一連の活動の最新のもので、
"Choose to Compete" Web サイトである。
この Web サイトは当初は、基礎的研究および米国教育に対する連邦政府の支援および移民政策
に関する情報のセンターとして役に立つ。また競争力法制化の状況アップデートも提示する。
4 月には双方向ツールを加えると SIA は言う。
SIA などの団体は、基礎的研究並びに数学科学教育に向けた連邦政府の援助を増やすよう、何
ヶ月か国会議員に陳情活動を行っている。ここ WASHINGTON で米国ハイテク会社を代表す
る TechNet が、3 月 27 日に米国連邦議会で競争力フォーラムを主催するとのことである。
「50 年以上もの間、アメリカは革新と技術において世界のリーダーであり続けている。」SIA
President、George Scalise 氏がステートメントで言う。
「革新と技術における指導力は、米国
の生活水準の改善、生産性増加、米国労働者の賃金向上、および国家安全の確保を続けていく
のに非常に重要である。今日、他の国々は我々の成功モデルを模写しようと一生懸命活動して
いる。この Web サイトは、新しいグローバルな競合の課題に適合し、アメリカの革新と技術に
おける指導力を確かにするよう立案された、一連の広範に支持された公共政策イニシアティブ
を示している。
」
この Web サイトは、http://www.choosetocompete.org/である。
(作成 Mr. Device Sight)
(2006/03/27 セミコンダクタポータルにて編集)
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