Contents №155/2013 我が国主要小売業態における ネット販売とリアル店舗販売 百貨店 月泉 博 家電量販店 堀田泰希 コンビニエンスストア ホームセンター 木村俊雄 高橋直樹 通信販売 日本通信販売協会 我が国主要小売業態におけるネット販売とリアル店舗販売 特別報告 注目される海外流通企業をレポートする 世界制覇を目指すオーシャン 二神康郎 国際流通標準の動き GS1 & EPCglobalレポート 国内の動き 流通政策の動き 産業界の動き Books 流通レーダー 小売業 総合政策 物流 海外 調査研究 新規出店訪問 酒々井プレミアム・アウトレットの開業 田中真理子 RDS データ活用研究 銅直 正 佐藤 聖 我が国主要小売業態における ネット販売とリアル店舗販売 インターネットを利用した通信販売が急速に普及拡大し価格競争 が新たな局面を迎えるなどリアル店舗販売にも大きな影響を与える ようになってきた。本号は我が国主要小売業態におけるネット販売 とリアル店舗販売の状況を紹介する。 百 貨 店」に お い て、ア ベ ノ ミ ク ス 景 気 と 消 費 の 行 方 に 言 及 し、 格差拡大で日本型百貨店はチャンスを迎えると指摘した後、米国と 我が国のネット販売の状況や百貨店のネット事業への取組み事例を 紹介し、我が国百貨店におけるネット通販シェアの低さは我が国百 貨店の業態特性を反映したもので、百貨店による物販そのものを目 的 と し た ネ ッ ト 事 業 は 歳 暮 や 中 元 等 百 貨 店 独 自 の MD と 暖 簾 が フ ルに生かせるカテゴリー以外基本的に馴染みづらいとし、ネット事 業は不可欠かつ最有力なツールであるが、百貨店に求められている のは都市型有店舗エンターテインメント業態の再構築であるとする。 家 電 量 販 店」に お い て、家 電 量 販 業 界 の 現 状 と ネ ッ ト 通 販 の 台 頭(①特需による需要の先取り、②売上高を確保する「出店戦略」、 ③「出店戦略」によってもたらされた弊害、④消費購買行動の変化 とネット通販の台頭)について解説した後、家電量販店のリアル販 売とネット販売の取組み(①アマゾンを迎え撃つ「ヤマダ、ヨドバ シ」の取組み、②アマゾンを利用する「ビックカメラ、上新電機、 エディオン等」の取組み)を具体的に紹介し、家電量販企業の今後 と課題に言及する。 コ ン ビ ニ エ ン ス ス ト ア」に お い て、コ ン ビ ニ を 巡 る 競 争 環 境 の 変化(大手コンビニチェーンの大量出店の状況とその背景、総合ス ーパーや食品スーパー等の量販業態での相次ぐ値下げ競争、コンビ ニの客層拡大、外食ニーズも取り込むコ ン ビ ニ の M D 、コ ン ビ ニ チ 2 流通とシステム No. 155 2013.7 ェーン間の格差の拡大)とコンビニで進むネットとリアルの融合の 状況(ネット購買により得たポイントをリアル店舗で利用するケー ス、コンビニをネット通販の受取り拠点として利用するケース、フ ェイスブックや LINE 等のコミュニケーションツールを介した 情 報 発信)を紹介する。 ホームセンター」において、 ナショナルチェ ー ン 型」ネ ッ ト 通 販と「ローカルチェーン型」ネット通販のそれぞれの特質を概説し た 後、 ナ シ ョ ナ ル チ ェ ー ン 型」ネ ッ ト 通 販 の 具 体 的 事 例 と し て (株)コ メ リ の 取 組 み 事 例(ネ ッ ト 通 販 導 入 の 背 景、自 社 店 舗 の 活 用―店舗の端末からの注文と店舗での商品の受渡し、自社物流の活 用―重量商品の物流等)、 ローカルチェーン型」ネッ ト 通 販 の 具 体 的事例として(株)アヤハディオの取組み事例(店舗在庫の活用、 楽天やアマゾンへの出店、宅配便の利用等)をそれぞれ紹介する。 通 信 販 売」に お い て、通 信 販 売 の 隆 盛 と 消 費 者 行 動 の 変 化、通 信販売利用者にみる媒体利用の特性を説明した 後、2012年 の 通 信 販 売 業 界 の 動 向(プ ラ ッ ト フ ォ ー ム 系 ネ ッ ト 通 販 の 成 長、B to B 通 販企業の堅調な伸び、食品系ネット通販の台頭、ネットスーパー、 コンビニ系ネットショッピング、メーカー系企業の事業参入、専門 店系の通販の取組み)を詳しく紹介し、アマゾンを軸としてのネッ ト販売市場、小売流通におけるネット通販が与える影響、ネット通 販の今後の展開に言及する。 総 括 と し て、 我 が 国 主 要 小 売 業 態 に お け る ネ ッ ト 販 売 と リ ア ル 店舗販売」において、リアル小売業によるバーチャル取引の取組み 方を類型化してその特徴を解説した後、小売業態ごとの各論文につ いて、それぞれのポイントを紹介しながら、全体を総括している。 流通とシステム No. 155 2013.7 3
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