医療法人八重瀬会

医療法人八重瀬会
医局内規
平成8年7月改訂
平成9年6月改訂
平成14年4月改訂
平成19年7月改訂
平成24年4月改訂
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医療法人 八重瀬会 理念
我々は一視同仁(全ての人を平等に)の基
正確な診断
適切な治療
良質な対応
で地域に根ざした第一線の医療を目指します
行 動 基 準
一、患者様の人格を尊重し、積極的な声かけと優しい心で接します。
二、地域に開かれた信頼される施設として、地域連携と情報公開につとめます。
三、地域完結型医療を目指し、他医療施設との連携を強く推進します。
四、全員が自己向上につとめ、誇りの持てる職場作りに邁進します。
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目
次
同仁病院外観・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
八重瀬会の理念と行動基準・・・・・・・・・・・・・・・・2
目
次・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
医局心得・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
外来診療規定
入院診療規定
医局関連規定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
1.医局会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
1)医局会の構成
2)医局会の開催
3)医局長
2.朝礼・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
3.就業規則・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
1)勤務時間
4.欠勤・遅刻・早退及び外出・・・・・・・・・・・・・7
5.休暇について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
6.診療姿勢・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
7.ポケットベルの携帯・・・・・・・・・・・・・・・・8
8.医師学会の出張規定・・・・・・・・・・・・・・・・8
1)学会出席資格
2)学会出席回数
3)費用
4)業務免除
5)報告書の提出
6)奨励金
9.給与規定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
1)常勤医師
2)非常勤医師
10.当直心得・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
11.臓器移植医療に対する当院の基本方針・・・・・・12
12.災害及び暴風時勤務取扱要項・・・・・・・・・・14
医局心得
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<診療基本方針>
病院理念に基づき、常に医療内容の充実、向上に努める。医局員は病院組織の診療部門
の中核をなす事を自覚し、医師としての各職務に対し責任を持って遂行する事を常とし、
そのための研究、研鑽を怠らない。病院を訪れる患者様は医師個人ではなく、同仁病院全
体の患者様であることを忘れず、専門職としての自覚を持ち、自らの良心を基盤として自
らを律し、積極的に自主性を持って患者様の為に診療を行なう。
<目標>
1) 医師は病院診療部門の【中心的役割】を果たす専門職であることを十分認識し、
自らを律し、自らの姿勢を正して、全職員の模範となるよう職員の先頭に立って
職務を全うする。
2) 【十分なインフォームド・コンセント】を得ることは主治医並びに病院との良い
信頼関係を保つためにも不可欠である。診療を行なうに当たって、診療内容に応
じた十分で丁寧な説明を行い、患者様の自由意思に基づく同意を得るよう努力す
る。特別な理由がない限り、患者ご家族へも同様に、丁寧な心配りと十分な説明
を行い理解を得る。
3) 当院は【チーム医療】の確立を診療の目標とする。同僚医師、コ・メディカル、
他職員と診療内容の検討を含め、包括的な情報交換や連携を密にして、信頼され
る医師となるべく努力をする。
4) 主治医自ら解決できない診療上の疑問を持った際は、他の医師に情報を提供して
診察を求め意見を聞き、必要があれば他施設へも【対診、セカンドオピニオン】
を積極的に求めて、主治医の責任において、最も適切な治療方針を選択すべきで
ある。
5) カルテに含まれる【診療情報の記録】は、医師、患者様双方にとって重要な内容
である。種々の対応の為にも、指示、検査、処置、結果、所見等の方針を選択す
べきである。
6) 【患者サービスの推進】のため外来診療時間5分前には受け持ちの診察室で待機
すること。理由明確な自己都合や学会参加等の理由で外来診療にあたることがで
きない際は、職務に支障を来さないように、医局長及び管理運営局への報告・許
可と、代診の診療担当医師を手配する。
7) 患者様の入退院に関しては、各病棟スタッフや、各医局員の仕事量の負担を勘案
し、
【バランス】を考えながら、診療において病院理念が全うされるように、常
に協力し臨機応変で弾力的に職務を遂行する。
8) 【地域に根差した医療機関】を目指しており、地域や各団体からの講演・行事へ
の参加依頼や、地域医師会活動には積極的に応じていく。
9) 当院は民間病院であり、
【経営収支】を念頭に地域に愛される病院を目標とする。
そのため病院理念に基づいた上で、より多くの患者様の信頼を獲得し、処置・検
査、手術件数の増加に努め、また査定に対する再審査請求へ対応し、経営基盤強
化、経営の安定化へ向けての協力を率先して実行する。
<外来診療規定>
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1. 外来診療は地域と直接かかわる場であり、地域住民皆様が総合的、継続的医療
を受けられるよう外来担当医は努力する。
2. 当院外来を受診された患者様は原則として必ず診察する。但し、専門外診療に
なる場合、緊急性がないと判断されれば、他施設専門医受診を促し、緊急性の
ある際は専門医不在の旨を患者様に十分説明し同意を得た上で、救急処置を行
い適切に対応する。
3. 外来診療にあたって、患者様の生活歴、薬歴他、継続的な診療に必要な情報を
集めて記録し、必要に応じて専門医へ相談したり、介護、保険、福祉の医療以
外の社会資源利用ができる等、患者様の様々なニーズに対応できるよう研鑽す
る。
4. 外来診療と入院診療の連続性を維持し、患者様に安心して良質な医療を提供す
る目的で、可能な限り、外来の担当医が入院の際の主治医となるように努める。
<入院診療規定>
1. 入院患者様の診療については主治医制度をとり、入院患者様の当該傷病の診療
については主治医が一切の責任を負う。主治医は入院診療計画書他、必要書類
を速やかに作成しサインする。
2. 他の医師は、主治医の判断や立場を尊重しなければならない。ただし、患者様
のために必要があれば、同僚医師による主治医に対する助言、指導が行われる
べきである。
3. 原則として主治医は、回診を毎日行なうこととし、さらにチーム医療を適切に
行うために各職種を含めて、各科単位でのチーム回診を定期的に行なう。
4. 主治医が慶弔時、学会出席等、明確な理由で診療できない期間は、主治医に代
わって副主治医がその責任を負う。副主治医は「主治医以外の担当名」として
入院診療計画書に明記する。
5. 主治医の資格は初期臨床研修を終了し、病院認定の医師とする。
6. 副主治医の資格は初期臨床研修を終了し、病院認定の医師とする。
7. 初期臨床研修医は、担当医として主治医の指導・監督の下に入院患者を診療す
ることができる。
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医局関連規定
1.医局会
(始めに)
診療上のあらゆる問題について解決策を協議し、医療情報や病院内外各事項の連絡・調
整を行なう目的で医局会を設置する。各医師は、医局会において、協議後決定された事項
については、これを遵守する。
1)医局会の構成
1)院長
2)副院長
3)医局医師
4)看護部長
5)看護師長
6)薬剤科長
7)診療情報管理士
8)栄養科長
9)その他のスタッフ
4)から 9)の構成委員の内容及び
参加形態は下記に定める
2)医局会の開催
1.毎週、月曜日の13時より開催し、院長・副院長・医局医師は必ず参加す
る。
2.毎月第一月曜日は看護部長・看護師長・診療情報管理士・栄養科長が参加
し、協議する。
3.毎月第三月曜日は、薬剤科長参加の上、協議する。
4.その他、診療上の協議すべき内容に沿って、適宜、必要な部門のスタッフ
参加の上で会議を行い、問題解決を図る。
3)医局長
1.医局には、協議後、院長の任命した医局長を置く。
2.医局長は毎週月曜日に医局会を主宰し、また必要に応じて臨時に開催でき
る。
3.医局長は、必要に応じて各医師への連絡・報告を行い、情報共有に努める
とともに、医師幹の協力・連携・親睦の強化に率先して、積極的に関わる。
2.朝礼について
1.毎週木曜日(木曜日が祝祭日の場合はその翌日)
、8 時 20 分から 8 時 30 分
まで病院全体朝礼を行なう。
2.朝礼は全ての職種が参加した上で職員の連携強化を図り、また、診療に関
わる重要な情報や院内行事に関する事項を周知徹底する場である。
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3.診療に支障なければ、医師は率先して朝礼へ参加し他の職員に範を示すこ
と。
3.就業規則
1)勤務時間
平
日
8:30∼18:00
毎週木曜日
8:20∼18:00(朝礼あり)
毎週日曜日
8:30∼12:30
お昼休憩時間
12:30∼14:00
休
日
国民の休日、日曜日の午後。
(水曜日は縮小診療)
備
考
国民の休日が日曜の場合は出勤とする。
※ 出勤時及び退勤時には必ずタイムカードを打刻すること。
4.欠勤・遅刻・早退及び外出
1) 病気その他やむを得ない理由により、欠勤・遅刻・早退をしようとする場合
は、その日の診療に支障なきよう整えた上、あらかじめ所定の書式により管理運営
局か医局長に届け出ること。また、当日の予期せぬ遅刻に関しては、勤務開始時間
開始前に何らかの方法でその旨を管理運営局か医局長に連絡をすること。
2) 就業時間内の外出は原則として禁止とするが、やむを得ない場合に関しては、
行き先・帰院時間を事務局に伝えて必ず携帯電話を携帯すること。
5.休暇について
1)有給休暇
ア)就業規則に準ずる。
イ)就業規則に準ずる。
ウ)中途入局者についても就業規則に準ずる。
2)振り替え勤務
ア)原則として振り替え休暇は認めない。
イ)当直及び診療に関して、各々の先生方同士での都合により勤務を振り替える
場合は医局長と管理運営局の承諾を得ることとし、診療に支障をきたさない
ことを基本とする。
3)夏季休暇
夏季休暇は6月1日より10月31日までの間に4日間とする。
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4)慶弔休暇
ア)本人の結婚(結婚式当日を含む)
5日
イ)妻の出産 (出産の当日か翌日)
1日
ウ)忌引
ア.配偶者
7日
イ.父・母
血族5日
姻族3日
ウ.子
5日
エ.祖父母・兄弟姉妹
血族3日
姻族1日
オ.叔(伯)父・叔(伯)母
1日
※ いずれの休暇も、業務に支障がないように調整し、事前に医局長と管理運営局の方
へ申請用紙を提出し許可を得ることとする。
6.診療姿勢
1)外来診療時間の開始を厳守すること。診療5分前待機を基本とする。
2)一日一回以上の病棟回診を基本とする。
3)各検査開始時間等を厳守すること。
4)初診時の診療に際して、医師は自己紹介を行い、より良いパートナーシップの
構築を心掛ける。
7.携帯電話の携帯
1)休日及び院外にいる場合は携帯電話の携帯義務を基本とする。
8.医師学会出張規定
はじめに
学会への参加目的は自己研鑽をすることによって専門的な医療知識を習
得し、更には認定医・専門医を取得し、当院へ貢献することを目的と致しま
す。
学会への参加のため、診療体制の変更を余儀なくし、病院にいろいろな意
味で負担を強いることを十分医認識し、内容あるいは意義深い出張とするよ
う心がけるようにして下さい。
学会へ参加した後は、レポートや報告書を速やかに提出することを義務と
致します。その場合は、学会の案内文等を添付して下さい。
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1)学会参加資格(当院の費用負担)
ア)学会への参加は、理事長及び管理運営局の事前許可を原則とする。
イ)本規程の適用は基本的に常勤医師とするが、非常勤医師においてもその内容
が当院において有用でありなおかつ理事長の許可を得たものであれば適用
とする。
ウ)学会出張の申し込みは、学会開催 1 ヶ月前までに、伺い書にて発表者(共同
演者を含む)又は学会参加かを記載し、学会案内のコピーを、添付した上、
管理運営局へ提出すること。尚、発表・共同演者での参加時は、抄録コピー
提出が必要である。
エ)航空チケット、宿泊の手配に関しては「事務局」
、又は「本人」にて行う。
学会開催 1 ヶ月前までに参加申請し、その旨申し出があれば、往復・宿泊手
配は事務局で対応可能である。学会開催前 1 ヶ月以降であれば、事務局対応
は不可で、各自手配となる。
2)学会出席回数(当院の費用負担)
ア)発表者
ア.遠距離(県外) 年3回
イ)共同演者
ア.遠距離(県外) 年 1 回
ウ)学会参加出席
ア.遠距離(県外) 年1回
3)費用(負担費用の内訳)
ア)遠距離(県外)の場合
・当院の負担費用は以下の通りとなり、各々を合算した料金を限度額内にて、
当院が負担することとする。
①航空運賃
②宿泊費
(朝食込み)
※宿泊費の上限額は 1 泊 1 万 3 千円を上限とする。
限度額一覧表(①航空運賃+②宿泊費(朝食込み)
)
1泊2日
2泊3日
3泊4日
北海道・東北地
70,000
区
83,000
96,000
関東・北陸地区
60,000
73,000
86,000
関西・東海地区
55,000
68,000
81,000
中国・四国地区
50,000
63,000
76,000
九州
45,000
58,000
71,000
※ 4泊以上、又は海外の学会参加については、別枠での検討支給となるが 1 回 12 万
円を上限とする。
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・その他の費用については自己負担となる。
(参加費、懇親会費、現地
交通費等)
・天変地異によるチケットの取り直し又は、延泊は、管理運営局承認の
上、原則、その費用は当院負担とする。
・自己の都合による、航空チケットの変更、宿泊の延長については自己
負担とするが、明確な理由がある場合は管理運営局にて検討を行うこ
ととする。
イ)近距離(県内)の場合
・係る費用は個人の負担とする。
4)出張時体制、報告及び精算
ア)業務免除
学会等出張に伴う欠勤については、業務免除の形式をとり承認休暇とする。
イ)出張時体制
学会等出張による欠勤時の、代診医や申し送りなど診療体制(入院、外来そ
の他)については、本人が責任を持って対応する。
※休診は、病院や他スタッフに損失負担がある事を自覚しなければならない。
ウ)学会出張後は 1 週間以内に事務局へ領収書を提出し精算を行うこと。領収書
等支払を証明するものがない場合は原則としてその支出は個人負担とする。
※当院支給金において、余剰金額が発生した際は、今後の全体の参加活動を
活発化するためにも、良心に基づいて返納しなければならない。
エ)報告書の提出
病院の費用もしくは診療に影響を与えての、学会・研修会・講演会・セミナ
ー・手術・講義等における参加の場合は、規定の書式の報告書を事務局に提
出すること。
9.給与規定(給与表は別紙参照)
1)常勤医師(以下税金込みとする)
ア)給与は年俸制とし、基本当直料を込みとする。
(当直:月に平日2回、休日
1回。日直1回)
イ)給与は税込とする。
ウ)退職金制度には該当しないとする。
エ)中途入職の場合は翌月より年俸制とし、当月は出勤日相当の報酬計算とする。
オ)給与の締め日は、15日とし、25日払いとする。但し、給与支払日の25
日が休日、土曜日の場合は、一日前か、二日後になります。
カ)業績に応じ特別奨励金を支給することがあります。
2)非常勤医師(以下税金込みとする)
ア)非常勤医師の給与締め日は毎月末日とし、翌月5日払いとする。但し、給与
支払日の5日が休日、土曜日の場合は、一日前か、二日後になります。
イ)協議により即日現金払いの形をとることがある。
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3)当直料
ア)日勤当直(午前 8時30分∼当日午後6時00分)
・・・・・3万5千円
イ)夜間当直(午後 6時00分∼翌日午前8時30分)
・・・・・3万5千円
ウ)日曜当直(午後12時30分∼翌日午前8時30分)
・・・・・・・5万円
10.当直心得
1)外来救急患者は原則として必ず診察して下さい。
(必要であれば入院加療すること。
)
・当院は一般病院を標榜しています。一般患者様の安易な他院紹介は機能を損
ねることになることをご理解ください。
・無論、次のような特殊ケースは除きます:産婦人科、脳外科症例、新生児な
ど。
・他医療機関へ紹介の際は医療機関紹介マップを参照にしてください。
2)必要な際は下記医師等に連絡を取り、対応して下さい(守衛か看護師に指示)
。
ア)外科系・・・・・各該当専門医師。
イ)内科系・・・・・各該当専門医師。
ウ)泌尿器科・・・・各該当専門医師。
エ)整形外科・・・・各該当専門医師。
オ)非常事態・・・・管理運営局。
3)歯科・歯科口腔外科の救急体制について
歯科及び口腔外科の患者様が時間外救急に来院した場合は、下記の連絡先へ
ご連絡下さい。
歯科口腔外科 吉田 誠
携帯090−1081−7512
4)投薬は原則として夜間セットを使用すること。処方は一日分、但し、連休の場
合は連休日数分とすること。
5)病棟申し送りは当該病棟において午後9時に必ず行い、必要に応じて回診をす
ること。その際に入院患者数を当直日誌に記入すること。
ア)4階・・・・A病棟 内線 400 or 401
イ)5階・・・・B病棟 内線 500 or 501
ウ)6階・・・ゆい病棟 内線 600 or 601
エ)1階・・・・守衛室 内線 199 or 不在の場合コードレス331
オ)3階・・・・事務局 内線 314(事務局長)
事務局長 照屋 一夫 携帯090−1943−1306
6)当直終了の際は当直日誌を記載し、担当の病棟看護師に終了を連絡し、引継ぎ
の医局員に申し送りをして 医師不在時間がないように 当直業務を終了とする。
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7)当直時の入院患者は翌日医局長が主治医を決定します。
8)就寝時に必ず、クーラーや電気ポット他各種機器の電源のoffを責任を持っ
て確認して下さい。
(コンピューター及び同室のクーラー)
11.臓器移植医療に対する当院の基本方針
1)基本方針
平成9年6月に「臓器移植に関する法律:が成立し、脳死後の臓器移植(心
臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、小腸、眼球等)が可能となった。
脳死判定基準に達するまでは、心臓死下での臓器移植(腎臓、眼球)を推進
していく事を基本姿勢とする。
また、当院では平成15年より生体腎移植を開始し、腎移植施行病院として
の役割も果たしているが、平成17年より臓器提供病院としての役割も担うた
めに、院内コーディネーター部門を置き、献腎移植のグループ勉強会を行って
きた。
さらに、病院全体として、臓器移植医療に対し高い意識を持つための院内勉
強会の開催や、臓器移植コーディネーターと関連部署が円滑に連携をはかれる
ように院内マニュアルを作成している。今後も、法律の定める中、臓器提供病
院として適正な臓器移植提供を行なえる事、そして臓器移植に関する理解を深
めるため正しい知識の啓発に努め、
「臓器提供意思カード」の普及など臓器移植
の一層の推進を図っていく事を基本方針とする。
1)心停止後の臓器提供の手順
次ページに記載
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心停止後の臓器提供の流れ
提供施設
Co=移植コーディネーター
主治医による医学的診断とその家族
への告知
家族がCoの説明を聞く意志があるか
どうかを確認し意思があれば連絡
Co来院
*臓器提供をするか否かの確認ではなく、移植Coの話を聞くか聞かないかの確認を行う。
もしくは、家族からの申し出
日本臓器移植ネットワーク ドナー情報専用フリーダイヤル
0120−22−0149
Coとの打ち合わせ 情報収集
*Coは院内体制の確認、医学的情報など必要な情報を収集し、腎臓提供の適応について
の評価を行う。
Coによる家族への説明 承諾書作成 *担当医師(担当看護師、院内Co)は家族にCoを紹介し、家族の希望に応じ、説明に立会う。
*Coは家族に対し、腎臓提供についての説明をする。
*家族が腎臓提供を希望した場合は、臓器摘出承諾書作成の手続きが行われる。
*スタッフとのミーティング→現状報告、今後の流れ、急変時の対応について
ドナー候補者採血
カテーテル挿入
ヘパリン注入
心停止・死亡宣告
*臓器提供承諾書についてCoより報告書がなされた後、担当医師、病院関係者およ
びCo以後の打ち合わせを行う。
*Coは感染症およびHLA検査用の採血(55ml)を依頼し、移植検査センターへ血液
を搬送する。
*循環動態が不安定になった時点を目安に、腎臓の摘出チームがカテーテルを挿入
する。その後は院内で待機する。
(提供施設と家族の承諾があり、脳死と判断されている場合)
*ヘパリン1∼2万単位を静脈内投与する。
(提供施設と家族の承諾があり、脳死と判断されている場合)
*担当医師が家族に死亡宣告した後、摘出医師は留置したカテーテルより灌流を 開始する。家族のお別れが終わった後に、ドナーを手術室へ搬送し腎臓の摘出 手術を開始する。
(カテーテルを挿入していない場合は死亡宣告後速やかにドナーを手術室に搬送
し摘出手術を行う。
検視(必要に応じて)
摘出手術
死後の処置・お見送り
*摘出は、摘出チームの医師が行う。摘出に使用する機材は摘出医が持参する。
*手術室では、吸引器・器械台・点滴スタンド・バックテーブルなどの借用の依頼に対応する。
摘出後は、ご家族・提供施設にレシピエントの経過について報告いたします。
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12.災害時及び暴風時勤務取扱要項
平成 4年8月29日作成
平成 9年3月 3日改訂
平成13年9月29日改訂
平成19年 7月20日改訂
第1条 「災害時」の判定基準
消防署防災課より発表の災害情報にもとづくものとする。
第2条 「暴風時」の判定基準。
台風が発生し、気象台から暴風域突入の発表後、バスが運行を停止した時刻から運行
から運行再開又は、気象台から暴風域解除の発表があるまでの時間を「暴風域」とす
る。
第3条 「災害時及び暴風時」の勤務。
(1) 職員の出勤に関しては、当院が入院設備を有する医療機関であることをふまえ、医療
人としての職責から災害時及び暴風域においても基本的に出勤とする。
但し、
出勤に際し、
著しく困難、あるいは気象情報及び災害情報から大きな危険が予想される場合はそのかぎ
りではない。自己判断とする。
(2) 勤務時間内に暴風及び災害が発生した場合、勤務体制につき各所属長は管理運営局と
協議し了解を得たうえで、臨機応変に対処するものとする。基本的に必要最少人数体制と
し、危険回避を最優先に勤務体制を組む事とする。従って、平常時と異なり、勤務につい
ての不均衡が発生する事はやむを得ないものとする。
(3) 各部署における出勤者及び自宅待機者の調整は各所属長の判断において決定するもの
とし、自宅待機者の休暇の取り扱いに関しては年休扱いとし、年休がない職員に関しては
必要と判断された際は、理事長が特別休暇を与えるものとする。
(4) 第三条一の理由により出勤が不可能な場合は、前もって各所属長に連絡を取り自宅待
機の了解を得るものとする。また、同様に出勤時間が遅れる場合も事前に各所属長の許可
を得ることとする。
(5) 各所属長は管理運営局の了解を得たうえで、業務の状況及び暴風・災害の状況から非
勤務の職員に出勤の命令、勤務終了者に継続勤務の命令、勤務中途者に帰宅命令を出すこ
とができる。また、他施設において火災・人身事故等が発生し、人命救助活動の依頼があ
る場合等においても、同様の業務命令が行使できるものとする。
(6) 三条五の条項により業務命令を受けた職員は、正当な理由なくしてこれを拒否するこ
とはできない。
第4条 「災害時及び暴風時」の業務連絡。
(1) 「暴風時」及び「災害時」であっても、出勤者が正当な理由なくして、出勤時間前の
連絡を怠った場合は、
「事後」及び「欠勤」
、
「遅刻」の扱いとなる。
第5条 「災害時及び暴風域」の勤務手当。
(1) 「暴風時」及び「災害時」に勤務した職員には、
「緊急時勤務手当」を割増支給する。
ただし、契約社員及び医局員は契約内容によるものとする。
(2) 「暴風時」及び「災害時」に勤務のため止むを得ずタクシーを使用した場合は支払っ
たタクシー賃の実費よりバスの運賃を差し引いた額を支給する。その場合、基本的に管
理運営局又は所属長の事前許可を必要とする。契約社員は上記による。
第6条 外来診療に関する取り決め。
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(1) 基本的に第三条一の条項から一般診療に関して休診とせず平常もしくは規模を縮小して
の診療体制をとることとするが、電話対応に関してはバスの運休及び暴風時突入を目途に休診と
する。
(2) 外来患者様の診療に関してのお問い合わせがある際は、基本的に受け入れることとし、
その来院にかかる安全性については御本人の判断のもとに対応してもらうこととする。
第7条 浦添医院に関する規定
(1) 管理運営局の判断により決定する。
第8条その他の取り決め。
(1) その他上記にない事項に関しては、院長の承認を得て決定する。
連絡関連についてのフローチャート。
災害時及び暴風時の発生
・気象情報及び災害情報より確認
管理運営局会議 外来診療の規模の決定 院長の承認
・管理運営局会議の後、院長の承認を得て各
所属長に通知。
(管理運営局)
病棟職員の勤務状況確認 病棟 管理運営局
・病棟より被害状況を報告。
(病棟)
入院患者様の安全確認
・病棟より職員の勤務状況報告
及び連絡状況を報告。
(病棟)
職員の出勤状況確認 各部署 管理運営局
・病棟以外の部署より職員の出勤状況及び連
絡状況を報告。
(各所属長)
管理運営局会議 以後の方針決定 各部署通知
・方針通達。
(管理運営局)
◎ 災害時及び暴風時等の緊急時には全職員が積極的に協力し、入院患者様の安全確認とすべての危
険回避を第一優先とする。
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参考資料
◆台風(typhoon)
〔気象用語〕
熱帯海域に発生する低気圧を熱帯低気圧(tropical cyclone)という。日本では、北西太平洋
の、域内の最大風速が17メートル以上の熱帯低気圧を台風、17メートル未満のものを弱い熱
帯低気圧(tropical depression)と呼んでいる。国際的には、域内の最大風速が17メートル以
上、33メートル未満の熱帯低気圧をトロピカル・ストーム(tropical storm)
、33メートル以
上で北西太平洋にあるものをタイフーン(typhoon)と区別する。また、域内の最大風速が33メ
ートル以上で東太平洋、大西洋にある熱帯低気圧をハリケーン(hurricane)という。インド洋の
熱帯低気圧はサイクロン(cyclone)と呼ばれる。
◆台風の「暴風域にはいる確率」
〔気象用語〕
気象庁では1992年(平成4)年4月1日から、台風接近時に日本の主な29の地点につい
て「24時間以内に暴風域に入る確率」を発表している。台風予想図に示されている暴風警戒域
は、暴風域に入り得る範囲を示しているのに対して、特定の場所が暴風域に入る可能性がどの程
度かを0∼100%まで10%きざみの数値で表したものである。暴風域を持った台風の中心が
日本からおおむね300キロメートル以内にある場合に、3時間ごとに発表される。
◆台風の大きさと強さ〔気象用語〕
大きさの階級分け
基準
ごく小さい
強さの階級分け
最大風速
15m/s以上の半径
200km未満
弱い
17m/s∼25m/s
小型(小さい)
200∼300km未満
並の強さ
25m/s∼33m/s
中型(並の大きさ)
300∼500km未満
強い
33m/s∼44m/s
大型(大きい)
500∼800km未満
非常に強い
44m/s∼54m/s
超大型(非常に大きい)
800km以上
猛烈な
54m/s以上
気象庁では「大型で並みの強さ」など「大きさ」と「強さ」のそれぞれに階級をもうけて表のように台
風の特徴を表現している。
◆台風の接近〔気象用語〕
気象庁は、
「台風の接近」を予報用語として次のように定義し、1991(平成3)年3月から
使いはじめた。
(1)ある地点への台風接近=台風の中心がその地点を中心とする半径300キロ
メートル以内の領域にはいること。
(2)ある広がりをもった地域への台風接近=台風の中心がそ
の地域の地理的な境界線(海岸線や県境など)から半径300キロメートル以内の領域にはいる
こと。ちなみに、各地における台風の年間接近数の平均は東京2∼3個、鹿児島2∼8個、那覇
3∼7個である。
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◆地震の震度(国土交通省・気象庁)
階級
震度0
震度1
震度2
震度3
震度4
震度5
説明
人体には感じない。地震計に記録される程度。
静止している人や、特に注意深い人のみが感じる。
大勢の人が感じる程度、戸障子がわずかに動く。
家屋が揺れ電灯等の吊下げものは相当揺れる。
家屋の揺れは相当激しく花瓶などは倒れ多くの人は戸外に飛び出す。
壁に亀裂が走り、煙突/石垣等が破損する程度。多くの人が強い恐怖を感じ、行動の支
障を感じる。棚においてある物、食器、本、TV が落ちたり、家具が倒れたりする。耐震
性の低い家屋は壁、柱に破損を生ずる。中程度の地震。
震度6 家屋の倒壊は30%以下で多くの人は立っていることができない。
固定していない重い家具が殆ど移動、転倒する。耐震性の低い家屋は倒壊する。極めて
大きい。関東大震災:震度6。
震度7 家屋の倒壊は30%以上で山崩れ/地割れ/断層を生ずる。
耐震性の高い建物でも傾いたり、大きな破壊を受ける。自分の意思では行動できないほ
ど揺れる。阪神淡路大震災:震度7 600∼800ガル400ガル以上
◆マグニチュード
地震計の記録から求めた地震の規模を表す単位。
(一つの地震について、各地の震度がさ
まざまな値を示すのに対して、マグニチュードは一つの値を示す。
)
地震そのものの大きさを表わす尺度。Mという記号で表わす。Mが1増加すると地震波
エネルギーは約32倍になる。マグニチュードは震度ように直接観測できないので、各
地の揺れの大きさなどから推定される。
M1∼3までを微小地震、M3∼5までを小地震、M5∼7を中地震、M7以上は大地
震、M8以上は巨大地震、というように分類している。
以上
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