物体の加熱・冷却・凍結・融解・乾燥を制御する 身分証明書の 顔写真 本研究室では、マイクロ波を用いた物体の加熱制御(乾燥 や融解などを含む)、食品濃縮や汚泥処理に関連するコロイ ド溶液の凍結および凍土・凍上現象など、伝熱工学を基礎と しながら、電磁気学および化学を含めた広範囲な事象に対し て取り組んでいます。 赤堀匡俊 AKAHORI Masatoshi 機械工学科 准教授 博士(工学) TEL: 0154-57-7293 FAX: 0154-57-5360 E-mail: [email protected] キーワード マイクロ波加熱,多孔質体の伝熱,熱・物質移動,凍結,融解,乾燥 マイクロ波を用いた物体加熱の高効率化および最適化 【研究の背景および概要】 【マイクロ波の特徴】 マイクロ波加熱では,気・液・固 相による誘電物性の違いが加熱特性 に重要な意味を持ち、従来の表面か らの熱伝導による加熱とは大きく異 なる。 本研究室では、電波制御による導 波管方式および電波分散によるキャ ビティ方式の両加熱方式に対し、電 磁場と熱の複合解析による物体内部 の温度変化および温度制御の可能性 を理論的・実験的に追求している。 ●マイクロ波の反射・ 吸収・透過 マイ ク ロ 波によ る 液相の加熱 【水の場合】 媒質の境界面 Power 300W Elapsed time 60s 入射波 反射波 Depth z[mm] 10 被加熱物体 空気 透過波 反射波 20 30 P=300[W] t=60[s] 40 0 マイクロ波の吸収 40℃ 27.305 54.61 61 81.915 water 109.22 Width x[mm] Width x[mm] Waveguide 10 Depth z[mm] Electric Field Intensity Ey /Ey,in Waveguide 2 20+ 18 to 20 16 to 18 14 to 16 12 to 14 10 to 12 8 to 10 6 to 8 4 to 6 2 to 4 0 to 2 20 30 時 間 経 過 (a) t=30[s] 66℃ Packed Beds 50 0 27.305 54.61 Width x[mm] 81.915 water 109.22 Cavity (b)キャビティ方式 41℃ water 0 -1 (a)導波管方式 (a) t=30[s] (a)解析結果 -2 (b) t=60[s] 0 20 40 60 80 100 Depth z[mm] 0 27.305 54.61 81.915 (b) t=60[s] water 109.22 (b)実験結果 水層内温度分布の解析および実験結果の比較 49℃ water 融解過程が大きく 異なる (c) t=90[s] コロイド溶液の凍結 ice (c) t=90[s] 【粒子の掃き出しには】 水-ガラ ス粒子系の凝固過程 掃き出し・捕捉挙動】 微粒子を含む液体が凝固するとき、 Particle 条件によりその粒子が凝固層に捕捉 される場合と掃き出される場合が生 じる。この現象は、食品の凍結、粒 初期状態 Liquid 子強化複合材料の高品質化、凍結分 Solid Freezing 離、凍土・凍上など広い分野に関連 Freezing velocity する重要な問題である。 front V 本研究室では、凝固により生じる 凝固の進行に伴い 粒子の掃き出し・捕捉挙動を解明す Trapped state Swept state るため、微粒子を含む液体の一方向 凝固を行うとともに、粒子と凝固界 面の間に作用する分子間力や電気二 Liquid Liquid Solid Solid 重層力や粒子に作用する粘性力や重 力などを考慮したモデルによる解析 Freezing Freezing front front により、微粒子を含む液体の凝固過 粒子の捕捉 粒子の掃き出し 程を理論的・実験的に検討している。 凝固層と粒子の間に 何らかの斥力が必要 Particle Water Water Liquid Solid Freezing front 【凝固速度と粒子径を変化させた 【粒子の掃き出し・捕捉状況の観察結果】 ときの粒子の掃き出し・捕捉状況】 Particle Water Freezing velocity V [mm/h] 【研究の背景および概要】 【凝固界面上での粒子の ice ice 93℃ 120 導波管中央部における電界強度分布 (導波管の内部に被加熱物が存在する場合) ice ice 40 1 36℃ water 0 マイクロ波の反射により 定在波が形成される x=54.61mm ice 水層内の速度分布 (解析結果) 5[wt%]NaCl Water 50 マイ ク ロ 波加熱によ る 氷層の融解 【氷層の下部に水層を設置【氷層の上部に水層を設置 した場合の温度分布】 した場合の温度分布】 0 Trapped Swept Dc=a0 Dc=3a0 Dc=5a0 100 10 1 Swept Freezing front 1mm 0.1 0.01 0.1 凝固層と粒子の間に 常に液相が存在しな ければならない。 Ice 1 10 Particle diameter d [m] 図中の線はvan der Waals力, 粘性抵抗力,重力および浮力の 釣り合いより得られた理論値。 100 (a)粒子の掃き出し状況 (粒子の平均直径:1.65m,凝固速度:3.0mm/h) Water Ice Particle Trapped Freezing front 1mm (b)粒子の捕捉状況 (粒子の平均直径:1.65m,凝固速度:10.0mm/h) お役にたてること ・マイクロ波を用いた加熱制御(乾燥,融解を含む) ・コロイド溶液の凍結(食品濃縮,汚泥処理) ・電磁場および熱移動の数値シミュレーション ・多孔質体内熱・物質移動の数値シミュレーション
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