世界最高効率の集光型太陽電池を開発へ -NEDO と EU が初の共同

2011.05.31
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
欧州連合欧州委員会
世界最高効率の集光型太陽電池を開発へ
-NEDO と EU が初の共同技術開発プロジェクトに着手NEDO は EU と共同で、世界最高水準となるセル変換効率(※1)45%以上を目指した集光型太陽
電池(※2)の技術開発に着手します。これは、日・EU エネルギー技術協力(※3)に基づく最初の共同
プロジェクトです。
この共同プロジェクトは、気候変動問題への対応およびエネルギー安全保障の確保に向け、
長期的視野に立って日本と EU が戦略的に連携して実施するもので、2014 年度までの約 4 年
間、日・EU から計 6 カ国の産学官の研究機関が共同で技術開発を行います。
この共同プロジェクトは、気候変動問題への対応およびエネルギー安全保障の確保に向け、長
期的視野に立って、日本と EU の技術・知見を結集し、戦略的に連携して世界最高水準となるセル
変換効率 45%以上の高効率な集光型太陽電池の実現を目指し技術開発を行うものです。具体的に
は、新材料・新構造の開発、セル・モジュールの開発・評価、さらには集光型太陽電池の測定技術
に関する標準化活動等を行います。
本プロジェクトでは、日・EU から計 6 カ国の産学官の研究機関が共同で技術開発を行います。日
本側は山口真史 豊田工業大学教授を研究開発責任者とし、シャープ(株)、大同特殊鋼(株)、東京
大学、(独)産業技術総合研究所等が参加します。また、EU 側は、アントニオ・ルケ マドリッド工科
大学教授(スペイン)を研究開発責任者として、フラウンホーファー太陽エネルギーシステム研究所
(ドイツ)、インペリアルカレッジロンドン(イギリス)、イタリア新技術・エネルギー・環境庁(イタリア)、
BSQ ソーラー(スペイン)、PSE(ドイツ)、CEA 国家太陽エネルギー研究所(フランス)が参加します。
本技術開発は、2014 年度までの約 4 年間実施され、予算規模は日本側が 4 年間で総額 6.5 億
円程度、EU 側は 4 年間で総額 500 万ユーロ(約 6 億円)程度が見込まれています。
(※1) セル変換効率
セル(太陽光パネルを構成する最小単位)一枚に当たった太陽光がどれだけ電気に変換されるかを数値化し
たもの。
(※2) 集光型太陽電池
太陽光をレンズや鏡を使って小面積の太陽電池に集光することにより、高い変換効率を実現する太陽電池。
小面積で済むことから、少ない材料で高効率に発電することができるメリットがある。現在、さらなる変換効率の
向上とコスト低減に向けた技術開発が進められている。
(※3) 日・EU エネルギー技術協力
日・EU 間でのエネルギー技術協力の強化について、日本と EU の閣僚級(経済産業大臣および EU 科学・研究
担当欧州委員)で合意。これを受け、エネルギー技術開発を推進する NEDO と、第 7 期枠組みプログラム(FP7)
を通じて研究開発を推進する欧州委員会との間で、エネルギー技術協力を進めることとし、今回の太陽光発電
分野が初の技術協力となる。