GCMSsolution Version 2.72 ソフトウェア リリースノート

225-28126
Jun. 2012
GCMSsolution Version 2.72
ソフトウェア リリースノート
株式会社 島津製作所
分析計測事業部
1.
はじめに ........................................................................................................................................1
2.
GCMSsolution をお使いになる上でのご注意................................................................................1
2.1 データ採取、およびチューニングでのご注意..........................................................................1
2.2 データ解析、および検量線作成でのご注意 .............................................................................2
2.3
Adobe® Acrobat® に関するご注意 ...........................................................................................4
2.4
その他の注意事項.....................................................................................................................4
1. はじめに
このたびは、島津ガスクロマトグラフ質量分析計 GCMS-QP2010 シリーズ用ワークステーションソフトウェア
GCMSsolution Ver.2.72 をご利用いただき、まことにありがとうございます。本書は、GCMSsolution
Ver.2.72 をお使いいただく上での注意事項に関してまとめたものです。
「2. GCMSsolution をお使いになる上でのご注意」に記載している現象が発生した場合は、該当項目の記
載内容に基づいて対処してくださいますよう、お願い申し上げます。
2. GCMSsolutionをお使いになる上でのご注意
2.1 データ採取、およびチューニングでのご注意
1. ピークモニタ画面で検出器電圧を設定していると、ソフトウェアが異常終了した
ピークモニタ画面の MS 制御パラメータで、検出器電圧の値を編集した後 Tab キーを押すと、ごく稀
にソフトウェアが異常終了することがあります。検出器電圧の値を編集した後に Tab キーは押さないで
ください。
2. カラムオーブンプログラムを設定する際のご注意
カラムオーブンプログラムの温度プログラムレートのソフトウェア上での設定範囲は、昇温時 0~250℃
/min、降温時-250~0℃/min となっていますが、実際に制御可能な範囲はオーブン温度によって変
わります。「ガスクロマトグラフ GC-2010 取扱説明書」の 11.2.3 を参照して、プログラムレートの値を設
定してください。
3. ヘッドスペースガスサンプラで使用したバイアルが GCMSsolution の指定と異なる
HS 制御ソフトウェアを利用して連続測定する場合、バッチテーブルの最初の測定行に指定されたバ
イアル番号に、必ずバイアルを置いてください。バイアルが存在しない状態で測定を開始すると、ヘッ
ドスペースで注入したバイアルと GCMSsolution で指定しているバイアル番号が一致しなくなる恐れ
があります。
4. ヘッドスペースガスサンプラが設定温度に到達しない
HS 制御ソフトウェアを利用する場合、ヘッドスペースの測定条件の[ゾーン温度設定]は、すべての測
定メソッドで[O/N/T]か[Auto]のどちらかに固定してください。メソッド間で異なる設定がされていると、
ヘッドスペースガスサンプラが正しく温度を制御できない場合があります。もしそのような状態になった
場合は、一旦測定を中止し、同じメソッドを使って改めて測定を開始してください。
1
5. チューニング画面を表示できない
アシスタントバーの[チューニング]アイコンをクリックすると、ごく稀にソフトウェアが異常終了することが
あります。チューニングファイルの内容が壊れているのが原因です。次の手順にて復旧させてくださ
い。
1) チ ュ ー ニ ン グ フ ァ イ ル を 別 の フ ォ ル ダ に 移 動 し ま す 。 チ ュ ー ニ ン グ フ ァ イ ル は 、
C:¥GCMSsolution¥System¥Tune1 フォルダにあります(C ドライブにインストールした場合)。
2) GCMS 分析を起動します。アシスタントバーの[チューニング]アイコンをクリックして、チューニング
画面を開きます。
3) オートチューニングを実行したあとチューニングファイルを保存します。
6. ピークモニタ画面からオートチューニングを行う場合のご注意
ピークモニタ画面からオートチューニングを実施すると、現在開いているチューニングファイルのプロフ
ァイルが自動的にクリアされます。
ピークモニタ画面からオートチューニングを実施して新たなチューニングファイルを残す場合は、一旦
チューニングファイルに名前をつけて保存してから、オートチューニングを実行してください。
7. 前の行の設定内容を利用してバッチテーブルを作成する場合のご注意
オプション設定で[前の行の設定内容を利用する]にチェックを入れてバッチテーブルを作成するとき、
バイアル番号に「-1」が設定されていると、バイアル番号に-1 未満のマイナス値が入った行が最終行に
追加されます。
そのままでは該当行は実施できませんので、バッチファイルを実行する前に、バイアル番号が-1 未満
の行を削除してくださいますよう、お願い致します。
2.2 データ解析、および検量線作成でのご注意
1. FASST 測定データファイルで、SIM のクロマトグラムの定性波形処理が実行できない
FASST 測定グループの SIM のクロマトグラムに対しては、定量波形処理のみ行うことができます。[定
性処理]メニューから波形処理、および手動波形処理を行うことはできません。
2. GC 検出器で測定したデータを GCMSsolution 上で読み込むと、エラーメッセージが出て開けない
GC 検出器で測定したデータファイルを GCMSsolution 上で取り扱う場合は、あらかじめ GCsolution
がインストールされていないと、エラーメッセージが出て読み込むことができません。
その際は、GCMSsolution をインストールしなおし、そのインストール手順の中の 「GC 検出器を使用
しますか」のダイアログでは 「はい」を選択して、GCsolution をインストールしてください。
2
3. 測定グループの境界に位置するピークを手動波形処理する場合のご注意
オプション設定で「クロマトグラムのベースを強度ゼロにして表示する」の設定が ON のときは、
測定グループの境界に位置するピークを手動波形処理する際に、「ベースラインの選択」画面で
「ベースラインを水平にする」を選択しても、ベースラインは水平に表示されません。
4.
標準試料のデータの解析結果を検量線に反映する際のご注意
標準試料の測定データの化合物同定は、検量線画面だけでなく、データ解析画面でもおこなえます。
データ解析画面でのクロマトグラムの波形処理結果を用いて検量線を更新したい場合は、検量線を
再作成する必要があります。バッチ処理を用いて次の手順で再作成できます。
1) GCMS 再解析のバッチ処理画面を開き、バッチファイルを新規作成します。
2) アシスタントバーの[データファイルの選択]をクリックします。標準試料のデータを[選択されたデー
タファイル]に登録して、OK ボタンを押すと、バッチテーブルに該当データファイルの情報が自動で
入力されます。バッチテーブルの[メソッドファイル]項には、検量線を作成するメソッドファイルが設
定されていることを確認してください。
3) バッチテーブルの 1 行目の[サンプルタイプ]項をクリックし、[検量線の初期化]に設定し、OK ボタン
を押します。
4) バッチテーブルの全行に対し、[解析の種類]項に[定量計算]のみを選択します。テーブル上には、
「QT」のみ表示されていることを確認してください。
5) バッチ処理を実行します。データ解析画面でのクロマトグラムの波形処理結果を用いて検量線が作
成されます。
5.
検量線データツリーにデータファイルを追加する際のご注意
検量線画面のデータツリーにデータファイルを追加したとき、該当データファイルに対して波形処理が
事前におこなわれていると、各化合物のクロマトグラムの波形処理は行われません。事前におこなわ
れた波形処理の結果にもとづき、検量線が作成されます。あらためて波形処理を行いたい場合は、デ
ータツリーで追加したデータファイルをクリックした後、[処理]メニューの[波形処理]サブメニューにあ
る波形処理コマンドを選択してください。
6.
特定の検量点を除外して検量線を作成する際のご注意
検量線画面で化合物テーブル等のパラメータの編集や波形処理を行った後は、自動的に検量線を
更新します。このとき、データツリーに登録されたすべてのデータ(検量点)を用いて検量線が作成さ
れます。検量線に使用したくない検量点がある場合は、化合物テーブル等のパラメータの編集、及び
波形処理を行った後に、検量線テーブル内にある任意のレベルのチェックボックスを外し、検量点を
検量線から省いてください。
3
7.
最小面積/高さによる波形処理
テーリング、リーディング処理されたピークを波形処理パラメータの最小面積/高さの設定により除外し
た場合、これらのピーク面積はもとのメインピークの面積には加算されません。画面およびレポートで
はテーリング、リーディング処理されたピークともとのメインピークとの境界は表示されませんのでご注
意ください。
2.3 Adobe® Acrobat® に関するご注意
Adobe® Acrobat® 8、もしくはそれ以降のバージョンと組み合わせてGCMSsolutionのPDF出力機能を利用
する場合は、Acrobat Distiller®(通常モード)を利用してPDFファイルを出力してください。Acrobat PDF
Writer
TM
(高速モード)は使用できません。また、出力するPDFファイルに事前にセキュリティパスワードを設
定することができません。
PDF出力機能の設定画面については、GCMS分析もしくはGCMS再解析プログラムの[ツール]メニューの
[オプション]コマンドで表示されたウィンドウの[PDF出力]タブをご覧ください。
2.4 その他の注意事項
1.
ウィルスチェックソフトウェアを使用する際のご注意
リアルタイムのウィルススキャンを使用している場合は、GCMSsolution に関連するすべてのフォルダ、
サブディレクトリをウィルススキャンの対象から除外してください。リアルタイムウィルススキャナには、正
常な GCMSsolution の動作をウィルス活動と誤って判断してしまうものがあり、分析中に通信エラーが
発生するなどの障害を引き起こす可能性があります。
2.
「ハードディスクの最適化」に関するご注意
分析中に「ハードディスクの最適化」を実施しないでください。実施した場合、弊社の分析動作に影響
が出て、データの取りこぼしが発生する可能性があります。PC によっては自動的に「ハードディスクの
最適化」を実施する設定になっている場合がありますので、解除してから弊社ソフトウェアをご使用くだ
さい。
3.
サマータイムに関するご注意
データファイルに記録された日時は、サマータイムに対応していません。サマータイム期間外に作成、
あるいは更新したファイルをサマータイム期間中に表示すると、実際に作成、あるいは更新した日時と
サマータイムで加減した時間分ずれて表示されます。
4