長崎県地域医療再生臨時特例基金 医療教育開発

【中間報告書】
平成 24 年度 長崎県地域医療再生臨時特例基金事業補助金
医療教育開発センター構築事業について
中間報告会
日時:平成 25 年 8 月 29 日(木)15:00∼16:00
場所:長崎大学病院 第 3 会議室
【目次】
1.全体概要
・・・・・・
2
2.事業1)地域で育てる専門医の育成
・・・・・・
4
3.事業2)医学生等の地域実習促進
・・・・・・
9
4.事業3)後期研修医への学生支援
・・・・・・ 21
5.事業4)若手指導医への教育奨励
・・・・・・ 24
6.事業5)看護師のマグネットホスピタルでの研修
・・・・・・ 27
7.事業6)薬剤師のフィジカルアセスメント教育
・・・・・・ 41
8.事業7)女性医師・医療人のサポート
・・・・・・ 47
9.事業8)救命救急士等の育成
・・・・・・ 58
10.事業9)3拠点病院へ宿泊研修施設建設
・・・・・・ 62
長崎県地域医療再生臨時特例基金による
医療教育開発センター構築事業 全体概要
<コンセプト>
① 長崎県の医療職を対象とした人材育成とキャリア開発を行う。
② 各分野の継続可能な既存の萌芽的プロジェクトを発展させる。
③ 医師のキャリアの各段階を支援する。
④ 3拠点(国立大学法人 長崎大学(医学部,病院)、独立行政法人 国立
病院機構 長崎医療センター、佐世保市立総合病院)を中心に県内にお
ける教育ソフト実施のための、宿泊・研修施設までを含めた事業である。
2
【9つの事業】
長崎大学医学部
長崎大学病院
佐世保市立
総合病院
長崎医療センター
医師
7)女性医療人の
サポート
看護師
人材
1)地域で育てる専門医の育成
2)医学生等の地域医療教育促進
3)後期研修医への学習支援
4)若手指導医への教育奨励
薬剤師
育成
5)看護師のマグネット
ホスピタルでの研修
6)薬剤師のための
フィジカルアセスメント教育
救命士
8)救急救命士等の育成
9)長崎県の医療人が拠点病院で研修時に宿泊できる施設建設
3
事業責任者
事業 1)
長崎大学病院 医療教育開発センター
地域で育てる専門医の育成
センター長
浜田 久之
【事業概要】
長崎県の地域の医療機関で研修する研修医や若手医師に質の高い医学教育の機会を与
えるために、大学病院指導医と研修医を地域医療機関に派遣し、診療応援を兼ねた医療
人育成のための外来業務を行い将来の専門医を育成する。
さらに、受け入れ病院の大学でのリフレッシュ専門研修を促進し、大学専門医4名を
雇用する。
この事業の目的は、
① 研修医・若手医師が、地域で働く医療人となるために、大学指導医より専門外来及び
プライマリケア外来における技術、知識、態度を学ぶ。
② 大学指導医は教育者としてのキャリアアップのために、地域において医学教育を行う
経験を積む。
【平成 24 年度計画】
① 事業に協力する医師(地域診療応援)への支援
② 事業を推進する医師(地域担当)への支援
③ 専門シミュレータ教育に関する図書、消耗品の購入等を支援
④ 平成 23 年度以前はまったく実施していない
【平成 24 年度実績】
外来研修先
済生会長崎病院
上五島病院
長崎記念病院
島原病院
北松中央病院
総計
回数
33回
42回
35回
87回
45回
242回
研修医数
26人
42人
35人
83人
43人
229人
患者数
125人
164人
130人
208人
158人
785人
① 地域病院で、研修医 1 人あたり 4∼5 回の外来研修に臨み、大学病院では経験でき
ない専門外来及びプライマリケア外来における技術、知識、態度を学んだ。
また、医師を派遣することにより地域医療を支援した。各地域病院は今後も継続を希望
している。
② 大学指導医 5 名を派遣した。
指導医は、地域医療における医学教育を学ぶとともに、全員が指導医講習会を受講し、
教育者としてのスキルアップを図った。
③ 指導医1名は、平成 25 年度より川棚医療センターにて専門医として勤務した。
④ 平成 24 年度は 4 名の研修医がのべ5ヵ月間、外来研修先病院を地域研修病院とし
て選択し研修した。
(内訳:済生会長崎病院1名、北松中央病院 1 名、上五島病院 2 名)
4
① 基盤型外来研修
5
② 地域基盤型外来研修 指導医一覧
№ 外来研修先
曜日
指導医名
1
長崎記念病院
月
濵田 久之
2
長崎県島原病院
水
柴田 英貴
3
北松中央病院
水
原 信太郎
4
長崎県上五島病院
水
中田 るか
5
済生会長崎病院
木
濵田 久之
6
長崎県島原病院
金
中田 智夫
③ 地域基盤型外来研修
研修回数
平成24年度 外来研修回数 (指導医のみ診療を含む)
済生会長崎病院
33
長崎県上五島病院
42
長崎記念病院
35
回数
長崎県島原病院
87
北松中央病院
45
0
20
40
計 242 回
60
80
100
④ 地域基盤型外来研修 診療患者数
平成24年度 外来研修 診療患者数
済生会長崎病院
125
長崎県上五島病院
164
長崎記念病院
130
患者数
長崎県島原病院
208
北松中央病院
158
0
50
100
6
150
計 785人
200
250
⑤ 長崎大学病院 研修医の長崎県内の地域研修行き先
平成24年度
研修施設名
研修医数
述べ研修月数
井上病院
5
6
日本海員掖済会長崎病院
2
2
長崎市夜間急患センター
3
3
済生会長崎病院
1
1
長崎北病院
2
2
宮崎内科医院
2
2
諸熊内科医院
1
1
長崎腎病院
1
1
南長崎クリニック
2
2
白髭内科医院
2
2
三浦産婦人科医院
3
3
千住病院
4
4
北松中央病院
1
2
佐世保市立総合病院宇久診療所
5
5
平戸市民病院
2
2
平戸市立生月病院
2
2
長崎県上五島病院
2
2
長崎県五島中央病院
1
2
長崎県富江病院
3
3
長崎県奈留病院
2
2
小値賀町国民健康保険診療所
2
2
長崎県中対馬病院
2
3
長崎県対馬いづはら病院
3
4
53
58
合計
7
⑥ 長崎大学病院の研修医数
長崎大学病院 受験者数、マッチ者数、採用者数
160
141
140
受験者数
125
120
マッチ者数
123
採用者数
125
101
人数
100
80
77
66
60
40
90
77
65
53
52
38
34
20
0
105
86
73
69
49
104
51
53
45
44
56
55
48
49
40
36
H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25
⑦ 長崎県内の研修医の推移(マッチング・採用者数)
長崎県内
120
100
80
人数
60
マッチング・採用者数
107 108
99
105 89 103
74
85
88
85
71
96
91
73
79
68
89
95
79
81
70
マッチ者数
40
採用者数
20
0
H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25
8
事業責任者
事業2)
長崎大学 保健・医療推進センター
医学生等の地域実習促進
前田 隆浩
【事業概要】
医療系学部学生に質の高い地域医療教育の機会を提供するために、長崎県離島を中心に地
域包括医療の教育フィールドを整備し、低学年の early exposure から高学年の診療参加型
臨床実習に至るまで、学年に応じて段階的に学ぶことのできる教育環境をつくる。この教
育フィールドを活用して、地域医療の一貫教育と医・歯・薬学部の共修によるチーム医療
教育を推進し、地域のニーズに応え社会発展に貢献しうる将来の地域医療人を育成する。
【平成 24 年度計画】
① 地域医療教育体制の構築
保健・医療・福祉・介護の多分野の職域担当者を構成員として地域の教育組織を編成し、
要所に事務補佐員を配置して効率と連携を強化させる。
② 教育担当者への支援
③ 地域医療教育支援サーバーの更新・整備
④ 教育用資材の購入と資料の作成
⑤ 医・歯・薬学部生に対する地域医療教育の推進と実習支援
⑥ 地域医療教育に関する研究会・シンポジウム等の開催
⑦ 事業成果の発信
9
【平成 24 年度実績】
① 地域医療教育体制の構築
保健・医療・福祉・介護の多分野の職域担当者を構成員として地域の教育組織を編成し
たことで、実践的な地域医療教育とチーム医療教育が充実した。
② 教育担当事務補佐員の配置
事務補佐員を配置して各実習施設の指導者の事務作業を軽減させることで、担当者が指
導に専念できるようになり、実習内容の充実と実習満足度の向上につながった。
③ 地域医療教育支援サーバーの整備
地域医療教育に関連した情報をリアルタイムで共有できるようになったことで、大学、
地域、学生等との連携が強化されて、効率的な事業運営が可能となった。
④ 教育用資材の整備と資料の作成
地域医療に関する資料などの充実によって、教育の質が高まりより実践的な地域医療教
育が可能となった。
⑤ 医・歯・薬学部生に対する地域医療教育の推進と実習支援
地域の指導者や地域に赴く学生のサポート体制が充実したため、学習に集中できる環境
を提供することができ、学部を超えた地域医療の一貫教育が円滑に運営された。
⑥ 地域医療教育に関する研究会・シンポジウム等の開催
地域医療実習の実施地区毎(下五島、上五島、対馬)に研究会を行い、実習担当者らと
意見交換を行った。また、地域医療教育に先進的な取組を行っている大学や地域中核病
院の担当者を招いてシンポジウムを行い、新たな知見や他大学での取組を当事業に取り
入れることができた。
⑦ 事業成果の発信
当事業の成果を、関連学会等で発表するとともに、報告書を全国の大学医学部・医科大
学等へ配布した。
10
「医学生等の地域実習促進」
事業実績報告書 参考資料
長崎大学 保健・医療推進センター(医歯薬学総合研究科地域医療学分野) 前田隆浩
【事業の目的】
地域のニーズに答え社会発展に貢献しうる将来の地域医療人を育成する。
1.
地域包括医療の教育フィールドを整備し、医療系学部学生に質の高い地域医療教育の機会を提
供する。
2.
低学年の early exposure から高学年の診療参加型臨床実習に至るまで、学年に応じて段階的か
つ継続的に学ぶことのできる教育環境を作る。
3.
医・歯・薬学部の共修によるチーム医療教育を推進する。
地域医療教育
地域医療教育(実習)
①
【地域医療集中ゼミ】地域枠入学生
1年生
教養科目
基礎医学
【早期体験実習】
2年生
教養科目
基礎医学
【地域病院実習】
② 【離島医療・保健実習】 ③【高次臨床実習】
3年生
4年生
基礎・社会医学 社会医学、臨床各論
臨床前教育
臨床各論
5年生
6年生
臨床教育
臨床教育
【社会医学実習】 【離島医療講義】 【離島・へき地医療ゼミ】
①【地域医療ゼミ】【医学ゼミ】
③【高次臨床実習】
• 1 3年生の地域枠入学生が対象
• 離島で3泊4日の集中ゼミを行う。
•
•
•
•
②【地域病院実習】【離島医療・保健実習】
6年生の希望者が対象
地域中核病院で4週間実習を行う。
集中して高レベルの地域医療を学ぶ。
学生人気の高い実習プログラムとなっている。
• 5年生全員が対象
• 小グループ(2 4人)で1週間実習を行う。
【地域病院実習】
1.概要
平成 24 年度から、長崎市と諫早市の地域中核病院をフィールドとした「地域病院実習」を開始した。
11
これは長崎大学医学部医学科 5 年次の必須カリキュラムである臨床実習の一環である。長崎大学医学部
5 年生全員が 17 グループに分かれ、各々のグループが長崎市と諫早市の地域中核病院(長崎市立市民病
院・長崎原爆病院・健康保険諫早病院・済生会長崎病院)のいずれかの病院で 5 日間にわたって地域中
核病院の機能を学ぶ体験実習型教育プログラムである。
平成 24 年度受講学生 長崎大学医学部医学科 5 年次 97 名
受講期間 平成 24 年 5 月 28 日から平成 25 年 3 月 1 日までの連続する 5 日間
目的 ・地域中核病院の機能や役割を理解し体験する。
・病院の各部署(薬剤部・看護部・検査部など)の実際の業務を経験・見学することにより、ス
タッフ間のコミュニケーションの重要性を理解する。
・医療チームが、患者さんにどのように対応しているのかを学ぶ。
・急性期病院の役割と、院外医療機関との連携について理解する。
2.
「地域病院実習」の教育担当病院と代表者
教育担当病院名
代表者名
実習学生数
長崎市立市民病院
須山尚史
22
長崎原爆病院
木下郁夫
29
健康保険諫早病院
長郷国彦
22
済生会長崎病院
芦澤潔人
24
3.受講学生の感想(実習終了後の実習評価票(学生用)より抜粋)
・最初は学生のみで問診をとらせてもらったり、見学だけでなく簡単な作業を手伝わせてもらうこ
ともあり、短いポリクリにもかかわらず、○○病院の一員として扱って頂いた。特に病棟や訪問
看護では、それを強く感じた。
・医師と周辺の職業とのかかわり、医師以外の職の内容、病院と地域・家庭とのかかわりを間近で
見ることができた。
・訪問看護実習が長崎ならではの坂道や細い道や山の上へ訪問す
るという内容で大変印象に残りました。
・地域病院のしている事を知れてよかった。また、病院全体の説
明や医師以外の医療従事者業務の見学が多く、大学病院では学
べないことが多かった。
・大学病院にいてはわからない、市中病院の雰囲気や来る患者さ
外来の医療面接
んの違いなどを知るよい機会でした。
・多職種の連携が見れた。大学病院とは違う地域病院の役割がわかった。
・ 栄養部、リハビリテーション部、地域連携室などコメディカルの方々の業務内容の説明を受け、
実習できたことが最も印象に残っている。その理由は、医師以外の職種のかたがどのようにして
医療に関わっているか、いかに重要な役割をはたしているかが実感でき、チーム医療の重要性に
ついてリアリティをもって理解することができたためである。
12
・一つの診療科だけでなく、病院全体の働きや仕組みを見学できてよかったです。
・看護師の方は、患者さんの世話をされているというイメージが強いが、世話をされている中でも、
患者さんの状態、変化などを細かくチェックし、働かれているんだと感じた。
・地域中核病院ならではの医療システムのあり方などを病院全体を実際にみることによって学ぶこ
とができました。
【離島医療・保健実習】
1.概要
「離島医療・保健実習」は本県の特色である離島をフィールド
として、社会医学実習と総合診療科実習の一部を統合・再構築し
た教育カリキュラムである。長崎大学医学部医学科 5 年生全員が
17 グループに分かれ、各々のグループが長崎県離島(五島市、新
上五島町・小値賀町、対馬市)に滞在し、5 日間にわたって保健・
医療・福祉について地域包括ケアに関する体験実習を行う。離島・
へき地医療学講座が全体的なマネージメントを行い、同講座と地
域医療学分野、
総合診療科、
公衆衛生学教室とが共同で担当した。
指導医のもとでの乳児健診参加
平成 24 年度受講学生 長崎大学医学部医学科 5 年次 97 名
受講期間 平成 24 年 6 月 4 日から平成 25 年 3 月 1 日までの連続する 5 日間
目的 ・地域住民の健康や疾病と生活環境との関わりを理解し、健康に関わる問題を解決する考え方
の基本を身につける。
・地域医療・地域保健実践の場で必要とされる知識、情報収集方法、マネージメント法について
の基礎を身につける。
・保健・福祉・医療の役割を把握し、相互の連携について理解を深める。
・地域住民の心理・社会的背景を理解し、全人的医療実践の基礎を身につける。
・地域保健・医療の中での役割を理解し、積極的な自己学習の基盤となる態度を身につける。
2.
「離島医療・保健実習」の大学担当と教育担当施設及び代表者
1. 担当
講 座・教 室 名
代 表 者 名
総合診療科
大園 恵幸
公衆衛生学
青柳 潔
離島・へき地医療学講座、地域医療学分野
前田 隆浩
薬学部薬学科 病院薬学
塚元 和弘
歯学部歯学科 卒前・卒後歯学臨床教育
山邉 芳久
歯学部口腔保健学
齋藤 俊行
13
2. 教育担当施設
施 設 名
代 表 者 名
新上五島町健康保険課
富永 重利
長崎県五島中央病院
神田 哲郎
対馬市福祉保健部 健康保健課
財部 恭子
長崎県富江病院
津野 至孝
対馬市社会福祉協議会
木寺 和福
長崎県奈留病院
津田 俊彦
五島市社会福祉協議会
野原 寅男
聖マリア病院
梅木 公子
聖マリアの園 久賀島デイサービスセンター
長崎県上五島病院
八坂 貴宏
新上五島町社会福祉協議会
森藤 敏幸
有川医療センター
八坂 貴宏
幸生会 特別養護老人ホーム“わたづみ”
津屋 秀則
長崎県中対馬病院
村瀬 邦彦
訪問看護ステーション“鐙瀬”
塩塚 和子
川上 眞寿弘
訪問看護ステーション“福江”
柿森 悦子
長崎県対馬いづはら病院
中村 リリ子
医療法人 山内診療所
宮崎 昭行
あすか福祉会 あすか訪問看護ステーション
渡邊 徹夫
五島市国民健康保険三井楽診療所
松園 和久
小規模通所授産施設“ふれあい”
片山 伸子
五島市国民健康保険玉之浦診療所
山下 貴知男
地域活動支援センター“きらり”
築城 洋二
五島市国民健康保険伊福貴診療所
木村 雄二
地域活動所“いろえんぴつの家”
原 節子
医療法人 みどりが丘クリニック
神野浦 潔
福江薬局濠前店
五島市国民健康保険久賀診療所
甲斐 有司
あおぞら薬局
小値賀町国民健康保険診療所
豊玉診療所
大住元 秀明
升木 行雄
菅原 正典
香田 章
ニック調剤薬局ごとう店
井上 広平
あおかた調剤薬局
山中 國暉
長崎県五島保健所
後藤 尚
こまき歯科医院
小牧 憲明
長崎県上五島保健所
後藤 尚
近藤歯科医院
近藤 勝則
長崎県対馬保健所
緒方 敬子
よこやま歯科医院
横山 顕一
五島市健康政策課(保健センター)
吉谷 清光
岐宿町国保歯科診療所
溝口 勝令
五島市長寿介護課
川端 久章
五島医師会
浦 繁郎
3.受講学生の感想(実習レポートより抜粋)
・患者さんの多くは長年通っていて医師とも顔なじみであり、
医師と患者の垣根を越えて気軽に相談できるような環境であ
った。
・心の拠り所として医師の役割があることが理解できた。
・非常になごやかでアットホームな雰囲気が感じられました。
患者さんと医師の距離の近さに驚きました。
巡回診療に同行
・診療所実習は私が思い描いていた「僻地医療」そのもので、
気さくで優しい先生の姿を見ていると憧れずにはいられませんでした。
・自分も一度はこのような離島の医療に関わりたいと考えるようになった。
・離島では、患者さんの症状や簡単な検査、画像から重症疾患を鑑別することが大切だと感じた。
・日本の医療統計の縮図を経験したような実習で有意義であった。
・○○病院(地域中核病院)の医療レベルは大学病院や、地域実習を行ったに◎◎病院(長崎市内の病院)
と大きな差がなく、充実した実習となった。
14
【高次臨床実習】
長崎大学では医学部医学科 5 年次の臨床実習に続く 6 年次の臨床実習として「高次臨床実習」を行っ
ている。学生自らが興味ある診療科を選択し、長期間(4 週間)にわたってハイレベルな臨床実習を行う
プログラムである。平成 24 年度は本土 3 病院、離島 3 病院で行った。
平成 24 年度受講学生
長崎大学医学部医学科 6 年次 19 名
受講期間 平成 24 年 4 月 2 日から平成 24 年 6 月 29 日までの連続する 4 週間
内科
(系)
外科(一般)
整形外科
小児科
長崎県五島中央病院
5
長崎県上五島病院
3
長崎県対馬いづはら病院
2
2
長崎原爆病院
3
3
長崎市立市民病院
2
2
済生会長崎病院
1
1
合
16
1
計(人)
1
合計(人)
6
1
15
4
1
1
3
1
19
【医学ゼミ・地域医療ゼミ】
長崎大学医学部の地域枠・地域特別枠学生を対象として、夏季休暇中に 3 泊 4 日の学年別医学集中ゼ
ミを五島市において実施した。
1. 平成 24 年 8 月 8 日∼10 日:医学科 2 年 6 名
久賀診療所・久賀デイサービス実習、訪問看護実習、実習発表会
2. 平成 24 年 8 月 21 日∼24 日:医学科 3 年 9 名
医療面接法・身体診察法演習、病院・診療所実習、実習発表会
3. 平成 24 年 9 月 3 日∼5 日;医学科 1 年次 10 名
地域医療ワークショップ、デイサービス実習、診療所見学
セミナー光景
【他大学医学生の実習】
本学が整備した地域医療人教育フィールド(五島市、対馬市)において、他大学からの医学実習生を
受け入れている。平成 24 年度は 33 名(長崎家庭医療集中セミナー参加者を含む)の医学生に対して長
崎県離島での地域医療教育を行った。
福岡大学
13
新潟大学
3
東京慈恵会医科大学
2
徳島大学
3
自治医科大学
2
杏林大学
1
大阪大学
1
奈良医科大学
1
岐阜大学
1
群馬大学
2
兵庫医科大学
1
東京女子医科大学
1
東北大学
1
名古屋大学
1
合
計
実習での医療面接
33
【長崎大学他学部生の実習受け入れ】
長崎大学歯学部生を対象とした「離島歯科医療・地域保健福祉実習」を行い、平成 24 年度は 6 月から
平成 25 年 2 月にかけて 5 年次・6 年次学生 53 名を受け入れた。
また、長崎大学薬学部生を対象とした「離島医療・福祉・保健実習」を行い平成 24 年度は 6 月から 9
月にかけて 6 年次学生 30 名を受け入れた。
歯学部生・薬学部生ともに、主に保健と福祉分野において医学部 5 年生と共修を行った。
16
【第 6 回長崎家庭医療集中セミナーIN GOTO の開催】
主に家庭医療、総合医療に興味を持つ全国の医学生や研修医を対象に、日本の家庭医療の発展に寄与
し、離島やへき地での地域医療に貢献できる医療人の育成を目指した集中セミナーである。
1)
場所:さんさん富江キャンプ村(五島市富江町)
2)
日時:平成 24 年 8 月 18 日(土) 8 月 20 日(月)
3)
参加者:23 名(研修医 2 名、医学生 21 名)
4)
内容:講義、実技練習、特別講演、五島市長表敬訪問、五島市医療施設の見学ツアー
(1)講義
「家庭医療の理解 1」
(佐野 潔、森町家庭医療クリニック)
「家庭医療の理解 2」
(萩原裕也、サウスダコタ大学)
「訪問診療のノウハウ」
(中桶了太、保健・医療推進センター)
「アメリカの家庭医療と緩和医療」
(萩原裕也、サウスダコタ大学)
「整形外科のプライマリ・ケア」
(宮本俊之、長崎大学病院)
「急性腹症の診断と治療」
(永田康浩、長崎医療センター)
「ガイドラインに基づくファーストエイド」
(長谷敦子、長崎大学病院救急部)
「最近の医療機器の使用事故・安全管理とリスク管理」
(川添薫、長崎総合科学大学)
「症例検討」
(中里未央・関田孝晴、長崎大学離島・へき地医療学講座)
(2)特別講演
「医者と患者∼家族と家∼」
(中尾勘一郎、ホーム・ホスピス中尾クリニック)
(3)実技練習
「超リアル!高機能シミュレーターを使った緊急対応」
「眼底鏡・耳鏡を使った診察」
「婦人科内診、乳房診察」
「シーネ固定の実際と膝関節穿刺法」
(4)中尾郁子五島市長表敬訪問
(5)医療施設見学:長崎県五島中央病院、山内診療所
5)
指導者
氏
名
所 属・役 職
井上 圭太
長崎大学総合診療科・助教
牛尾 俊光
ウェルチ・アレン・ジャパン株式会社
浦 繁郎
五島医師会・会長
川添 薫
長崎総合科学大学電気電子工学科・教授
神田 哲郎
長崎県五島中央病院・病院長
木寺 健一
長崎大学整形外科・助教
相良 尚彦
五島市議会議員
佐野 潔
森町家庭医療クリニック・所長
関田 孝晴
長崎大学離島・へき地医療学講座・助教
17
辻尾 慶太郎
ウェルチ・アレン・ジャパン株式会社
中尾 郁子
五島市・市長
中桶 了太
長崎大学へき地病院再生支援 教育機構・准教授
中尾 勘一郎
ホーム・ホスピス中尾クリニック・院長
中里 未央
長崎大学離島・へき地医療学講座・准教授
永田 康浩
長崎医療センター・外科医療
長谷 敦子
長崎大学病院救命救急センター・准教授
萩原 裕也
サウスダコタ大学・Clinical Assistant Professor
浜脇 清市
五島医師会・事務局長
前田 隆浩
長崎大学離島・へき地医療学講座・教授
宮崎 昭行
医療法人山内診療所・所長
宮本 俊之
長崎大学病院医療教育開発センター・助教
山下 和範
長崎大学救急部・助教
吉谷 清光
五島市健康政策課・課長
セミナーの様子
6)
協力:五島市、五島市議会、五島医師会、長崎県五島中央病院、長崎県富江病院、森町家庭医
療クリニック、山内診療所、長崎総合科学大学、サウスダコタ大学、国立病院機構長崎医療セ
ンター、ホームホスピス中尾クリニック、ウェルチ・アレン・ジャパン株式会社
7)
セミナー報告書作成:本セミナーの報告書を作成し、全国の大学医学部・医科大学等の教育機
関や関連機関へ配布した。
【離島医療教育研究会】
1. 概要
「離島医療・保健実習」をより充実したものとするため、長崎大学担当者と指導担当者、そして学生
の意見交換の場として対馬市、五島市、新上五島町で離島医療教育研究会を開催した。この研究会では
レポートやアンケートからまとめた学生の意見を指導担当者に提示し、逆に指導担当者の学生や実習に
対する意見を集約した。
日
時
開催場所
対
象
参加者数
平成 24 年 5 月 11 日
対馬グランドホテル
対馬市教育担当者
26 名
平成 25 年 3 月 8 日
長崎県五島中央病院
五島市教育担当者
44 名
平成 25 年 3 月 19 日
長崎県上五島病院
新上五島町教育担当者
小値賀町教育担当者
2. 特別講演
1) 対馬離島医療教育研究会
演題:
『コメディカルがキーとなる研修医教育!』
18
37 名
長崎大学病院 医療教育開発センター 教授 浜田 久之先生
2) 下五島離島医療教育研究会
演題:
『厚生労働省における地域医療の取組み』
厚生労働省 医政局 総務課 課長補佐 坂上 祐樹先生
3) 上五島離島医療教育研究会
演題:
『上五島の医療のこれまでとこれから』
上五島病院 院長 八坂 貴宏先生
特別講演の様子
【長崎地域医療フォーラム】
平成 24 年度から地域医療教育に先進的な取り組みを行っている大学や地域中核病院の担当者を招いて
シンポジウムを行った。新たな知見や他大学での取り組みを地域実習担当者や学生が学ぶことができ、
また当事業に取り入れることが出来た。
1. 第 1 回長崎地域医療フォーラム(平成 24 年 5 月 18 日 長崎大学医学部良順会館)
テーマ:
「地域中核病院での医療教育∼効果的・実践的な地域医療実習を目指して∼」
1) 演題:
「卒前医学教育における地域医療教育の位置づけ」
大分大学医学部地域医療学センター 教授
宮崎 英士 先生
准教授 阿部 航 先生
2) 演題:
「地域病院での臨床実習の取り組み∼大学病院ではやらない実習を!∼」
健康保険南海病院
副病院長 高倉 健 先生
2. 第 2 回長崎地域医療フォーラム(平成 24 年 12 月 14 日 長崎大学医学部良順会館)
1) 演題:
「
『新潟大学の医学生全員の受け入れをお願いします』
∼地域医療臨床実習の必須化を受けて∼」
新潟大学医学部 総合地域医療学講座 教授 井口 清太郎 先生
2) 演題:
「
『新潟大学の医学生がみんな小出に来るんだって』
∼2010 年、地域中核病院で地域医療実習がはじまった∼」
新潟県立小出病院
病院長 布施 克也 先生
【長崎地域医療研究会】
平成 24 年度に地域医療に関心のある医学生が中心となり、長崎地域医療研究会が発足した。臨床症例
や関心ある医療テーマについて検討する研究会である。
1. 第 1 回長崎地域医療研究会(平成 24 年 5 月 25 日)
症例検討・臨床推論、BLS トレーニング
2. 第 2 回長崎地域医療研究会(平成 24 年 6 月 29 日)
症例検討・臨床推論、
「長崎県の医師偏在の現状(前田隆浩、長崎大学)
」、医師偏在についてのディ
スカッション
19
3. 第 3 回長崎地域医療研究会(平成 24 年 10 月 5 日)
症例検討・臨床推論、
「女性医師とキャリア・結婚・育児(松尾信子、長崎市立市民病院)
」
4. 第 4 回長崎地域医療研究会(平成 24 年 11 月 2 日)
症例検討・臨床推論、
「地域で働く 女性医師のキャリア・結婚・育児(山口純子・山口卓哉、長崎
県上五島病院 )
」
5. 第 5 回長崎地域医療研究会(平成 25 年 1 月 11 日)
症例検討・臨床推論、
「離島での初期臨床研修∼離島の研究で学べたこと、そして今後の夢∼(三好
康広、長崎県上五島病院)
」
【地域医療教育支援体制】
1. 教育担当事務補佐員の雇用
長崎・下五島・上五島に教育担当事務補佐員を 1 名ずつ配置した。このことで地域医療教育が円滑
かつ効果的に進み、実習教育施設間での連携が強化された。また地域医療教育が効率化され、実習
指導担当者が指導に専念できるようになった。このため実習内容の充実と実習満足度の向上につな
がった。
2. 教育実習担当運転手の雇用
地域の各実習施設は広範囲に点在しており、効率的に実習を行うために実習学生の送迎を目的で、
下五島に運転手を 1 名配置した。このことで、学生は実習に専念でき、また限られた日程で多くの
施設で実習でき、地域医療の理解度の向上につながった。
3. 地域医療教育支援サーバーの整備
地域医療教育に関連した情報を、ICT を活用した教育支援サーバーでリアルタイムに共有できた。こ
のことで大学、地域、学生等における双方向で連携が強化でき、効率的で密度の濃い実習を行えた。
4. 宿泊施設の整備
地域に滞在して地域での生活を含めた地域教育実習を行うため、下五島・上五島に実習学生用の宿
泊施設を整備した。学生が不安なく地域に滞在できることで、効率的に実習を行うことができた。
また学生も地域医療実習に集中して取り組め内容も充実したことから実習満足度が向上した。
20
事業責任者
事業3)
長崎大学病院 医療教育開発センター
後期研修医への学習支援
センター長
浜田 久之
【事業概要】
長崎県で、初期研修を修了した卒後3年目の医師(毎年60−70名前後)が、後期
研修を開始する。後期研修は、診療科や病院により定義が明確ではないが、およそ3年
間を研修期間として、主に専門医資格等獲得を目指している。
おおよそ卒後5−15年に専門医資格等を取得する。また、資格を取得するには、学
会や講習会などへの参加が必要である。しかし、忙しさや学会等が遠方であるがために、
専門医修得への意欲が薄れることがみられる。この事業の目的は、専門医試験の受験を
促進することである。
【平成 24 年度計画】
① 専門医未取得者の専門医取得のための資格試験の旅費および資格登録費用支援。
② 専門医未取得者の専門医取得のための学会や講習会の参加費用及び旅費などを支援。
③ 研修病院が、専門医修得に役に立つ学習教材等の購入する費用等の支援。
【平成 24 年度実績】
長崎県内の後期研修医数(卒後3年目)は、平成23年度53名、平成24年度68名
で、前年比129%、平成25年度73名で前年比108%とアップした。
① 長崎県の後期研修医(卒後3年目)68名に対し、専門医修得コースを促した。
② 長崎大学病院後期研修医(卒後3年目)56名が専門医修得コースに登録した。
認定内科医養成コース…21名、外科専門医養成コース…7名、精神科専門医…4名、
小児科専門医…4名、産婦人科専門医…4名、整形外科専門医…3名、耳鼻咽喉科専門
医…3名、形成外科専門医…2名、整形外科専門医…1名、麻酔科認定医…1名、放射
線科専門医…1名、皮膚科専門医…1名、泌尿器科専門医…1名、脳神経外科専門医…
1名、産婦人科専門医…1名、眼科専門医…1名。
③ 全員がコースに登録し、約8割が関連学会に参加し、専門医修得へと学習を開始した。
④ ③に対し、学習支援を行い、平成24年度は41名合格した(平成24年 10 月現在)
。
認定内科医…22名、眼科専門医…5名、産婦人科専門医…3名、神経内科専門医…
2名、血液専門医…2名、消化器病専門医…1名、放射線科診断専門医…1名、放射線
科治療専門医…1名、超音波専門医…1名、皮膚科専門医…1名。
21
①
学習支援金の使用内訳
後期研修医学習支援金使用内訳
学習ツール
(パソコン,学習ソフト等)
4.0%
書籍購入
15.2%
45.6%
出張旅費
35.2%
学会会費
②
長崎大学病院の後期研修医推移(卒後3年目)
長崎大学病院
後期研修医推移
4年目∼
3年目
初期研修医マッチ者数
90
80
73
70
60
50
10
4
13
21
17
65
38
40
30
13
65
68
40
51
53
16
56
68
55
67
56
53
20
47
56
10
0
H18
③
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
長崎県内の後期研修医数推移(卒後3年目)
長崎県内の後期研修医数(卒後3年目)
87
79
76
68
62
58
75
53
後期研修医数
22
④
長崎大学病院の専門医合格者数
( H25.6 現 在 )
専門医名
認定内科医
リウマチ専門医
内分泌代謝専門医
糖尿病学会専門医
合格者数
H21年度
H 22 年度
H 2 3 年度
20
1
1
1
23
1
2
4
2
3
3
1
2
20
1
2
神経内科専門医
脳卒中専門医
肝臓専門医
消化器病専門医
消化器内視鏡専門医
アレルギー専門医
腎臓専門医
透析専門医
呼吸器専門医
気管支鏡専門医
感染症専門医
1
1
1
7
1
1
2
2
1
ICD
救急科専門医
総合内科専門医
1
1
1
3
1
1
5
1
13
1
8
2
1
12
1
2
1
2
1
2
1
1
2
1
2
1
3
2
4
4
1
1
6
5
2
1
3
1
5
2
1
3
皮膚科専門医
泌尿器科専門医
1
5
眼科専門医
2
外科専門医
消化器外科専門医
日本乳癌学会認定医
乳腺専門医
心臓血管外科専門医
小児科専門医
放射線科認定医
放射線科診断専門医
放射線科治療専門医
核医学専門医
産婦人科専門医
2
日本産婦人科腫瘍学会専門医
婦人科内視鏡学会技術認定医
超音波専門医
麻酔科認定医
麻酔科専門医
精神科専門医
整形外科専門医
日整会認定脊椎脊髄医
日整会認定リウマチ医
形成外科専門医
呼吸器外科専門医
6
2
1
1
1
3
4
がん薬物療法専門医
がん治療認定医
1
3
1
6
90
94
耳鼻咽喉科専門医
脳神経外科専門医
細胞診専門医
合計
23
1
2
1
3
1
1
1
家庭医療専門医
血液専門医
22
1
2
5
3
2
4
1
循環器専門医
計
H 24 年度
1
1
2
1
2
12
5
2
1
1
3
1
1
1
3
1
6
1
1
1
1
1
4
1
5
5
1
103
3
2
1
89
85
3
2
6
2
2
9
11
8
2
3
2
11
4
3
3
2
11
3
1
2
45
9
1
1
4
4
4
5
3
12
1
1
1
17
5
4
18
1
1
9
1
9
2
6
15
1
2
17
1
376
事業4)
若手指導医への教育奨励
事業責任者
長崎大学病院 医療教育開発センター
センター長
浜田 久之
【事業概要】
大学病院における若手医師が臨床を行う医師としてだけでなく、指導者として、学生
や研修を指導することは非常に重要である。屋根瓦のように、研修医が学生を教え、若
手医師が研修医を教えることは、非常に学習効果がある。また、教え方の質を高めるた
めに、指導医講習会等へ参加することが重要である。さらに、現在は、様々な学習ツー
ルがあり効果的に教えることができる。たとえば、iPad や小型パソコンを端末として利
用し、様々な医療教育ソフトを利用すれば、いつでもどこでも、視覚的に印象づけられ
る臨床教育ができる。この事業の目的は、
① 若手指導医が、指導医講習会等へ参加し、教育力を高めることを促進する。
② 若手指導医が、最新の教育ツールを使用して効果的な教育を促進する。
【平成 24 年度計画】
① 厚生労働省認定指導医講習会等への参加費及び参加旅費支援
② 学生や研修医教育に必要な図書・教育ソフト及び教育ツールの購入支援
③ 大学病院が臨床教育指導医に役に立つ図書や学習教材等の購入費用等を支援
【平成24年度実績】
①平成23年度は38名。平成24年度は、6月、8月そして11月に長崎大学病院
主催指導医講習会を開催し、合計で126名の参加があった。(前年比 330%UP)
参加者の内訳は、長崎大学病院80名、長崎医療センター13名、長崎市民病院7名、
佐世保市立総合病院5名、健康保険諫早総合病院4名、長崎原爆病院2名、上戸町病院
2名、長崎県島原病院2名、上五島病院2名、五島中央病院2名、十善会病院1名、長
崎記念病院1名、佐世保共済病院1名、北松中央病院1名、対馬いづはら病院1名、そ
して県外から北九州市立八幡病院と浜松医療センターより各1名ずつで、参加者全員が
指導医の資格を取得した。
②指導医の32名は iPad プロジェクト(電子教育システム)に参加し、教育に役立て
ている。
③指導医のほぼ全員が、Procedures(臨床手技データベース)や DynaMed(臨床医のた
めの診療サポートツール)等、ネット上の最新教育教材の使用の仕方を学び、実践して
いる。
今年度は、指導医講習会を修了した指導医に対し支援を行い、教育教材等の購入費用
として役立てることが出来た。
24
平成24年度「長崎大学病院群絵印象研修指導医養成のための講習会」を開催した。
本講習会は、長崎大学病院医療教育開発センター主催、長崎県医師臨床研修協議会(新・
鳴滝塾)を共催とし、厚生労働省の定める「医師の臨床研修に係る指導講習会の開催指針」
(平成16年3月18日付け医政発第0318008号)にのっとった内容で企画されて
いる。平成24年度より年3回の開催となり、研修修了者は合計126名である。
そのうち、80名から教育奨励金の申請を受けた。
受講医師数(所属は受講当時)
H22-長
H22合計
H22-医
H23
H24-1
H24-2
H24合計 3ヶ年合計
H24-3
長崎大学病院
18
18
25
22
30
28
80
123
長崎市立市民病院
1
1
2
2
4
1
7
10
長崎原爆病院
1
1
1
2
3
済生会長崎病院
2
2
1
上戸町病院
1
2
1
1
2
2
4
0
長崎北徳洲会病院
長崎医療センター
2
市立大村病院
1
健康保険諫早総合病院
17
19
7
2
4
13
1
32
1
1
1
1
1
長崎県島原病院
2
1
3
1
2
佐世保市立総合病院
4
4
8
2
1
1
2
2
2
4
6
2
6
5
15
長崎労災病院
0
佐世保中央病院
0
佐世保共済病院
長崎県五島中央病院
2
1
1
1
3
1
1
1
2
2
5
1
2
3
1
1
2
1
1
1
1
2
1
1
1
2
長崎県上五島病院
長崎県対馬いづはら病院
1
1
1
1
十善会病院
1
北九州市立八幡病院
北松中央病院
浜松医療センター
1
1
1
長崎記念病院
1
1
1
嬉野医療センター
2
2
大分県立病院
1
1
1
2
平戸市民病院
1
1
川棚医療センター
1
1
1
井上病院
1
37
1
63
1
合計
26
38
25
41
43
42
126
227
指導医講習会受講率
H22 (4/1現在) 指導医数 医師数
長崎大学病院
長崎市立市民病院
長崎原爆病院
済生会長崎病院
上戸町病院
長崎北徳洲会病院
長崎医療センター
市立大村病院
健康保険諫早総合病院
長崎県島原病院
佐世保市立総合病院
長崎労災病院
佐世保中央病院
佐世保共済病院
長崎県五島中央病院
長崎県上五島病院
長崎県対馬いづはら病院
合計
65
29
15
12
2
4
62
7
12
13
21
11
6
9
7
4
6
285
H23 (4/1現在)
指導医数 医師数
受講率
530 12.3%
58 50.0%
57 26.3%
35 34.3%
10 20.0%
8 50.0%
111 55.9%
26 26.9%
57 21.1%
24 54.2%
102 20.6%
47 23.4%
43 14.0%
50 18.0%
27 25.9%
17 23.5%
26 23.1%
1228 23.2%
72
26
15
13
3
5
63
7
13
14
28
12
7
9
9
4
6
306
H24 (4/1現在)
指導医数 医師数
受講率
498 14.5%
62 41.9%
57 26.3%
38 34.2%
11 27.3%
6 83.3%
119 52.9%
25 28.0%
58 22.4%
24 58.3%
117 23.9%
44 27.3%
47 14.9%
51 17.6%
29 31.0%
17 23.5%
22 27.3%
1225 25.0%
98
30
16
15
6
4
53
8
17
17
25
14
9
10
8
4
7
341
H25 (4/1現在)
指導医数 医師数
受講率
548 17.9%
63 47.6%
60 26.7%
39 38.5%
12 50.0%
4 100.0%
118 44.9%
29 27.6%
61 27.9%
26 65.4%
117 21.4%
49 28.6%
48 18.8%
53 18.9%
29 27.6%
21 19.0%
25 28.0%
1302 26.2%
168
31
15
14
6
4
68
9
17
18
29
16
8
13
7
5
4
432
579 29.0%
69 44.9%
60 25.0%
41 34.1%
11 54.5%
5 80.0%
114 59.6%
30 30.0%
63 27.0%
28 64.3%
119 24.4%
47 34.0%
50 16.0%
56 23.2%
28 25.0%
20 25.0%
24 16.7%
1344 32.1%
長崎県の指導医数推移
1600
35.0%
1400
1228
1225
1200
1000
32.1%
26.2%
25.0%
23.2%
1344
1302
30.0%
25.0%
20.0%
800
15.0%
600
432
400
341
306
285
10.0%
5.0%
200
0
0.0%
H22
H23
全医師数
(研修医除く)
H24
指導医数
26
H25
指導医講習会受講率
受講率
事業責任者
事業5)
長崎大学病院 看護部
看護師のマグネットホスピタルでの研修
副看護部長
貞方三枝子
【事業概要】
長崎県の地域の医療機関で勤務する看護師や新人看護師に、質の高い看護教育の機会を与え
るために、教育担当者・研修責任者らが中心となり、臨床の現場で実務研修を行う。受け入れ
病院において、新人看護師に対しては、新人看護職員研修のガイドラインに沿った研修を企
画・実施し、看護師等には指導者としてのキャリアアップを図るためにリフレッシュ研修を行
う。この事業のために、看護師1名・事務職員2名(パート)を雇用する。
<事業目的>
① 看護学生及び新人も含めた看護師が、長崎県下の病院など地域で働く看護職員となるため
に、マグネット病院の研修担当者や教育担当者らにより専門的知識や技術、態度を学ぶ。
② 大 学 病 院 の 指 導 者 ・ 研 修 担 当 者をは じ め 、 マグ ネッ ト 病院 の教育 担当 者と して の
キャリアアップのために、地域において看護教育を推進するための経験を積む。
【平成 24 年度計画】
① 事業を推進する看護師への支援(研修費用など)
② 事業に協力する事務への支援
③ 看護師、事務職員の作業環境の整備(周辺機器、机等の備品購入、消耗品などの購入)
④ 事業のための受け入れ病院(長崎大学病院・長崎医療センター・佐世保総合病院の 3 病院)
で担当者の実務者会議を行い、各病院独自もしくは受け入れ病院合同企画を構築。
⑤ 広報活動(地域の病院・長崎県看護協会等)
【平成 24 年度実績】
①事業を推進する看護師、研修会等の講師および担当者に対して、研修費用の支援を行った。
②事業を担当する看護師、事務職員の作業環境を整備(パソコン、机等購入)した。
③3 病院(長崎大学病院・長崎医療センター・佐世保総合病院)合同で実務者会議を 6 月より
1 回/2 月のペースで計 6 回実施し、次年度の事業内容(研修プログラム、講演会等)について
検討した。
④研修に対するニーズの把握および当事業の PR 活動を実施する目的で、長崎県内の医療機関
(146 病院)にアンケート調査を実施し、研修内容の検討を行った。
⑤研修の受け入れや出前研修への要望に応え、3 病院で長崎県下の担当地域を定めた。
⑥新人看護職員の教育の標準化を目指し、長崎版:新人看護職員研修プログラムを構築した。
⑦質の高い看護職員育成プランとして、3 病院のキャリアアップ研修プログラムを作成した。
⑧3 病院合同企画の講演会について検討し、2 つの講演会の計画を立案した。
⑨県内の 20 病院を紹介するリーフレット「長崎県 Nursing ガイドブック」を作成し、県内の
看護大学や看護協会へ配布した。
⑩広報活動として、3 病院各々のホームページや看護協会の協会だよりに当事業の内容を掲載
し、マスメディアへの取材を依頼した。
27
1.年度別看護師採用者数の推移
2.実務者会議 議事録概要(第 1 回∼第 8 回)
3.長崎県下 146 病院が希望する研修テーマについてのアンケート調査結果
4.1)長崎版:新人看護職員研修プログラム
2)長崎版:新人看護職員研修プログラムの開催状況および結果
5.1)キャリアアップ研修プログラム
2)キャリアアップ研修の開催状況および結果
6.2 つの地域で 2 つの講演会開催
7.広報
Ⅰ ①
②
③
④
長崎大学病院 ホームページ
長崎大学病院広報誌 ポンぺだより
長崎県看護協会 協会だより
長崎新聞
Ⅱ ① 長崎県看護協会 会報
②「あじさい塾☆NAGASAKI」ポスター
③「看護師募集」ポスター
④「あじさい塾☆NAGASAKI」封筒
⑤「あじさい塾☆NAGASAKI」ネーム入りファイル
Ⅲ 「長崎県 Nursing ガイドブック」リーフレット作成
28
1.年度別看護師採用者数の推移
140
人数
7:1看護体制開始
新人看護職員研修努力義務化
120
100
80
長崎大学病院
60
長崎医療センター
佐世保市立総合病院
40
20
0
長崎大学病院
平成15年度
平成16年度
平成17年度
平成18年度
平成19年度
平成20年度
平成21年度
平成22年度
平成23年度
平成24年度
平成25年度
長崎医療センター
佐世保市立総合病院
新卒
既卒
合計
新卒
既卒
合計
新卒
既卒
合計
41
49
29
49
66
53
62
86
95
62
41
18
12
27
27
40
29
18
18
20
29
25
59
61
56
76
106
82
80
104
115
91
66
32
23
41
63
77
55
42
32
77
42
62
3
2
4
5
7
5
4
3
6
4
13
35
25
45
68
84
60
46
35
83
46
75
12
12
16
16
46
23
18
4
17
18
38
10
12
18
22
31
17
4
8
20
21
10
22
24
34
38
77
40
22
12
37
39
48
29
2.実務者会議 議事録概要
H24 年 6 月 20 日(第 1 回)∼計 8 回の実務者会議を実施した。
第 1 回実務者会議(H24 年 6 月 20 日)
・本事業の概要について、貞方副看護部長より説明
・事業予算について、梅嶋管理課主査より説明
・意見交換
第 2 回実務者会議(H24 年 8 月 29 日)
・キックオフの写真撮影
・長崎版:新人研修プログラムの作成について検討
・中堅看護師研修、合同企画の研修について検討
・県内の 20 病院を紹介するリーフレット作成について検討
看護部門キックオフ!!
第 3 回実務者会議(H24 年 10 月 30 日)
・
「長崎版:新人研修プログラム」ついて検討
・研修内容の検討および当事業の広報のため、県内の病院へアンケート調査実施について検討
・リーフレットの掲載病院、内容などについて検討
他
第 4 回実務者会議(H24 年 12 月 11 日)
・新人研修プログラムの内容、リーフレットの表紙デザインなどの検討
・当事業のネーミングを「あじさい塾☆NAGASAKI」に決定
・中堅看護師研修のネーミングを「キャリアアップ研修」に決定
・3 施設の合同企画として、2 つの講演会を実施することで決定
・事業費は、リーフレットや合同企画研修等の費用を除いた残金を 3 病院で均等分配する
(1 病院 400 万円程度)ことで決定
第 5 回実務者会議(H25 年 1 月 23 日)
・合同企画講演会の講師、日程、会場が決定
・研修内容について県内の病院からのアンケート結果により、出前研修の実施を検討。3 施設
の離島・へき地の担当地区を決定
・リーフレット、ホームページ掲載、研修・講演会の発信方法について検討
第 6 回実務者会議(H25 年 2 月 20 日)
・リーフレット、公開研修について検討
・講演会のポスターおよび費用などについて検討
・
「あじさい塾☆NAGASAKI」の封筒作成について検討
第 7 回実務者会議(H25 年 5 月 16 日)
・
「長崎版:新人看護職員研修プログラム」の公開後の評価
・
「キャリアアップ研修;○○編」の案内方法について検討
・合同企画の講演会のポスター、事前参加申込み、役割分担について検討
・クリアファイルの作成、看護師募集のポスター作成について検討
第 8 回実務者会議(H25 年 7 月 18 日)
・各病院の進捗状況について意見交換
・合同企画の講演会のスケジュール、役割分担、事前参加申込みについて検討
・中間報告会についての資料確認
・看護師募集のポスターのサイズ・作成枚数について検討
30
3.長崎県下146病院が希望する研修テーマについてのアンケート調査結果
※3病院が公開できる研修テーマ(新人研修:22項目、中堅研修:12項目)より選択してもらった (回収率:61%)
新人看護師研修
中堅看護師研修
15
18
19
20
22
22
22
23
24
24
血糖測定/インスリン注射
膀胱内留置カテーテル挿入演習
輸血管理
静脈注射演習(翼状針・留置針)
採血:基礎看護技術
与薬(内服):基礎看護技術
輸液ポンプ・シリンジポンプ:基礎看護技術
与薬(注射):基礎看護技術
麻薬管理
与薬(点滴):基礎看護技術
情報管理・個人情報保護
褥瘡対策の基本
28
糖尿病看護
29
43
実地指導者・教育担当者研修
31
40
42
45
46
47
49
50
51
薬剤の基礎知識(ハイリスク薬剤他)
看護記録
救急看護演習
身だしなみ・接遇
フィジカルアセスメント
感染管理
医療安全対策
救急看護
45
看護研究
46
摂食・嚥下リハビリテーション
46
40
50
感染管理
53
認知症看護
59
看護倫理
71
看護管理者育成研修
57
看護倫理
20
38
緩和ケア
心電図の基本
0
36
皮膚・排泄ケア
32
35
35
人工呼吸管理の基本
臨地実習指導者研修
60
<要望のまとめ>
①離島での研修開催希望や、へき地でも参加できるような研修場所や環境づくりを希望
②土曜日などで、何項目かのテーマをまとめて受講できるように希望
③講義だけでなく、実習をふまえた内容を希望
④経営参画における中堅看護師の役割などの研修を希望
⑤ポジショニング・スクウィージング等の実技・演習を希望
⑥中途採用者対象の研修を希望
⑦看護補助者対象の教育担当者研修を希望
0
20
40
60
80
100
4.1)長崎版:新人看護職員研修プログラム
研修
No
研修名
2
3
32
4
5
6
内容
看護者に必要な倫理に関する基礎知 1. 看護倫理を理解するために必要な概念
識を理解する。
2. 倫理的行動の 4 つの要素(倫理的感受性・倫理的推
論・態度表明・実現)
3. 倫理的意思決定を行う時に必要な考え方
4. 日本看護協会「看護者の倫理綱領」
身だしなみ・
社会人としての基本姿勢と態度を身 1. 看護師の身だしなみ
2. 接遇とは
接遇研修
につける。
3. 基本的な挨拶、言葉遣いなどの対応
医療安全対策
安全に業務が遂行できるよう、安全 1. 安全管理体制
管理に対する基本的な知識を学ぶ。 2. インシデント・アクシデントとは
3. インシデント事例
4. 5Right
5. 口頭指示
感染管理の基礎 感染対策の基本を学び、看護の実践 <講義>
知識、基礎技術
に活用する。
1. 感染症発生報告書
2. 標準予防策
3. 感染経路別予防策
4. 針刺し防止および針刺し時の対応
<演習>
1. 擦式アルコール手指消毒剤の擦り込み方法
2. 流水と石鹸による手指衛生法
3. 手袋の着脱法、サージカルマスクの着脱法、
プラスチックエプロンの着脱法
フィジカルアセ 呼吸・循環のフィジカルアセスメン 1. フィジカルアセスメントとは
スメント(呼吸・ トの方法を学び、看護ケアの提供に 2. 呼吸器系、循環器系の解剖・生理
循環)
活かす。
3. 呼吸器系のフィジカルアセスメントの実際
4. 循環器系のフィジカルアセスメントの実際
薬剤の基礎知識
静脈注射を安全に実施するために薬 1. 注射薬の分類
剤の基礎知識を学ぶ
2. 薬剤の保管と管理について
3. 注射薬の配合変化と回避
4. カリウム補給注射剤について
5. 急速静脈内注射が不可の注射薬
看護倫理の基礎
知識
1
目的
長崎大学病院
開催日
参加者数
11 人
4 月4 日
佐世保市立総合病院
開催日
参加者数
4 月 10 日 0 人
4 月5 日
8人
4 月9 日
0人
4 月2 日
7人
4 月 11 日
4人
4 月2 日
4人
4 月 11 日
4人
4 月4 日
10 人
4 月 25 日
4 月 26 日
5人
4 月 12 日
9人
研修
No
7
8
9
10
33
11
12
13
14
研修名
目的
内容
薬の管理につい 法的管理が義務付
1.法的管理が義務付けられている医薬品
て
けられている医薬品について理解す
麻薬・向精神薬・覚せい剤・毒薬・劇薬
る
特定生物由来製品
2.ハイリスク医薬品
情報管理・個人情 個人情報保護とは何かを学び、情報 1. 個人情報とは
2. 情報化の必要性
報保護
倫理に基づく看護実践につなげる
3. 個人情報保護の基本的考え方
看護記録
記録をなぜ書くのか、どのような記 1. 看護記録とは
録を書けばよいのか、記録の基本的 2. 看護記録の目的・定義
3. 看護実践の過程と記録
な考え方を学ぶ
4. 診療記録の開示と法的証拠能力
輸血管理
輸血療法とはどのような治療かを学 1. 輸血の目的
び、安全な輸血療法の実施につなげ 2. 血液製剤の種類、用途、取り扱い
3. 輸血過誤と防止対策
る
4. 輸血副作用
麻薬管理
麻薬管理に対する感性を高め、麻薬 1. 麻薬の種類と作用・副作用
事故を防げるように、麻薬の取り扱 2. 麻薬の管理
いと実際について学ぶ。
3. 麻薬事故の対応について(紛失、破損、返却忘れな
ど)
基礎看護技術
安全な看護実践を実施するために、 1.輸液ポンプの講義・演習
演習
起こりうるリスクを踏まえながら、 2.ミキシングの演習
基礎看護技術を身につけることがで 3.与薬管理の演習
4.筋肉注射の演習
きる。
5.シリンジポンプの講義・演習
6.プライミングの演習
基礎看護技術
安全な看護実践を実施するために、 1.採血
演習
起こりうるリスクを踏まえながら、 2.静脈・皮下・筋肉注射
注射
基礎看護技術を身につけることがで 3.プライミング
採血
きる。
輸液ポンプ・シリ 輸液ポンプ・シリンジポンプの取り 1.輸液ポンプの講義
ンジポンプの取 扱いの実際を学ぶ
2.輸液ポンプとシリンジポンプの違い
3.基本操作のデモンストレーション
り扱い
4.警報・アラームの意味や解除方法
5.演習
長崎大学病院
開催日
参加者数
4 月2 日
7人
4 月4 日
9人
4 月 12 日
7人
4 月 12 日
7人
4 月3 日
5人
佐世保市立総合病院
開催日
参加者数
4 月 10 日 0 人
4 月9 日
0人
4 月 11 日
4 月 12 日
1人
6 月 12 日
1人
研修
No
15
16
研修名
静脈注射
(翼状針)演習
静脈注射
(留置針)演習
18
34
19
20
21
22
23
内容
褥瘡対策の実際を理解し、基本的褥 1.褥瘡発生の機序
瘡対策の技術を習得する。
2.褥瘡の評価
3.褥瘡予防対策
1.褥瘡予防に必要な知識と技術
1.離床技術演習
褥瘡予防
離床技術
を身につける
2.褥瘡に関する講義
2.患者の安楽について正しい知識・
技術を身につける
3.正しい移動動作の技術を身につけ
る
マ ス タ ー し よ 1.救急看護の基本技術を身につける BLS 技術演習
う!!BLS
2.急変時の役割分担ができる
1.意識の確認
2.応援要請
3.心臓マッサージ
4.AED
5.他
心電図の基本
心電図の基礎知識を学び、心電図の 1. 心電図のしくみと正常心電図
正常・異常波形について理解する。 2. 危険な不整脈とその対応
3. 心電図モニターの装着の仕方
心電図
心電図の正しい取り方の実際が分か 講義と演習
る
人工呼吸器管理 人工呼吸器の基礎知識を学び、基本 1. 呼吸器系の解剖生理
の基本
構造について理解できる。
2. 人工呼吸器療法の適応
3. 人工呼吸器の基本的構造
4. 人工呼吸器の代表的なモード
5. 人工呼吸器のリスク
6. アラーム対応
口腔ケア
口腔ケアの必要性・重要性を学び、 口腔ケアの必要性・重要性について
口腔ケアの基本的な方法を知る
講義・演習
褥瘡対策の基本
17
長崎大学病院
開催日
参加者数
演習によって静脈注射(翼状針)を シミュレーターを用いた静脈注射(翼状針)手技の演習 9 月 10 日 6 人予定
安全に実施するための知識・技術の
習得を目指す。
演習によって静脈注射(留置針)を シミュレーターを用いた静脈注射(留置針)手技の演習 H26 年 2
安全に実施するための知識・技術の
月予定
習得を目指す。
目的
佐世保市立総合病院
開催日
参加者数
12 月予定
7 月 19 日
0人
9 月 18 日
8 人予定
4 月 15 日
1人
8 月2 日
0人
9 月4 日
1 人予定
6 月4 日
0人
H26 年 1
月予定
4.2)長崎版:新人看護職員研修プログラムの開催状況および結果
<長崎大学病院:4 月開催研修結果>
満足度
0
理解度
輸血管理
輸血管理
42.9
42.914.3
28.6
麻薬管理
42.9
14.3
薬剤の基礎知識
44.4
11.1
71.4
麻薬管理
55.6
薬剤の基礎知識
25.0
接遇研修
70.0
60.0
看護倫理の基礎…
満足した
30.0
大体満足し
た
40.0
33.3
看護記録
44.4
50.0
フィジカルアセスメント
あまり満足
しなかった
66.7
16.7
66.7
28.6
医療安全総論
40.0
感染管理
0
20
40
60
接遇研修
50.0
25.0
フィジカルアセスメント
50.0
10.0
医療安全総論
60.0
感染管理
80
100
少し理解でき
た
10.0
あまり理解で
きなかった
全く理解でき
なかった
80.0
0.0 20.0
基礎看護技術演習
71.4
理解できた
22.2
44.4
42.9
個人情報保護
未記入
70.0
看護倫理の基礎…
看護記録
満足しな
かった
100.0
0.0
基礎看護技術演習
個人情報保護
85.7 14.3
28.6
14.3
未記入
57.1
90.0
10.0
0
50
100
<佐世保市立総合病院:4 月開催研修結果>
役立ち度
フィジカルアセ
スメント
褥瘡対策
採血・注射
80%
100%
100%
理解度
0%20%
0%
0%
フィジカルアセ
スメント
80%
0%20%
役立ちそう
どちらとも
いえない
0% 理解できた
100%
褥瘡対策
普通
100%
採血・注射
0% 難しい
いいえ
感染管理
100%
0%
感染管理
75%
25%0%
医療安全
75%
25%0%
無回答
無回答
医療安全
100%
0%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
【県事業についてのご意見】
・今後も多くの研修を行っていってほしいです。
・外部からの受け入れを取り入れて頂き、ありがとうございました。業務上などより、ゆっくり学ぶことや
実施が出来ない事もあり、不安いっぱいでの新人スタートでした。しかし、今回このような時間を提供し
て下さったことで、大変勉強になりました。是非これからも継続してほしいと思います。
・大学病院の新人研修に外部の病院も出席できるのは良いと思います。
35
5.1)キャリアアップ研修プログラム
キャリアアップ研修;長崎大学病院編
研修 No
1
研修名
専門コース
2
シリーズ研修
「集中ケア」
3
看護倫理
ビギナーズコース
4
看護倫理
アドバンスコース
5
6
看護の質を高めるための看護記
録 ∼その基本的な考え方∼
PNS(パートナーシップ・ナーシ
ングシステム)看護体制のシャド
ーイング研修
7
実地指導者研修・
教育担当者研修
8
9
10
臨地実習指導者研修
シリーズ研修「看護研究」
リーダーシップ研修
対象者
公開日程
・長崎県下の病院・診療所・訪問看護ス
テーションの看護職員
・コースにより経験年数の指定あり
・長崎県下の病院・診療所・訪問看護ス
テーションの看護職員
・卒後 3 年目以上
・長崎県下の病院・診療所・訪問看護ス
テーションの看護職員
・卒後 5 年目未満
・長崎県下の病院・診療所・訪問看護ス
テーションの看護職員
・卒後 5 年目以上
・長崎県下の病院・診療所・訪問看護ス
テーションの看護職員
・長崎県下の病院・診療所・訪問看護ス
テーションの看護職員
・看護師長・副看護師長・卒後 10 年目
以上のリーダー看護師
・長崎県下の病院・診療所・訪問看護ス
テーションの看護職員
・実地指導者・教育担当者および予定者
・長崎県下の病院・診療所・訪問看護ス
テーションの看護職員
・臨地実習指導者および予定者
・長崎県下の病院・診療所・訪問看護ス
テーションの看護職員
・卒後 3 年目以上
・長崎県下の病院・診療所・訪問看護ス
テーションの看護職員
・卒後 5 年目以上
各コースの詳細は、
「専門コースのご
案内」および当院看護部のホームペ
ージ参照
6 月∼10 月まで毎月 1 回 17:30∼開
催
キャリアアップ研修;長崎医療センター編
研修 No
研修名
1
看護管理候補者育成研修
2 回シリーズで 7 月と 10 月に開催
3 回シリーズで 6 月、9 月、11 月に
開催
7 月 27 日(土)9:00∼17:00
未定
7 月 9 日(火)9:00∼16:15
8 月 2 日(金)8:30∼16:40
未定
11 月 28 日(木)
対象者
施設の看護管理者として活躍を期待す
る者で概ね 4∼10 年の経験年数をもつ
看護師、あるいは施設長が推薦する者
キャリアアップ研修;佐世保市立総合病院編
研修 No
研修名
対象者
公開日程
未定
公開日程
病棟におけるリーダーの役割と
心得
高齢者のスキンケア・
正しいおむつの使い方
チーム医療における
看護管理者の役割
高齢者のスキンケア・
正しいおむつの使い方
臨死期のケア
県北全域の看護管理者及び中間管理者
6 月 1 日(土)14:00∼16:30
県北地区の看護師及び介護従事者
6 月 29 日(土)11:00∼15:00
県北全域の看護管理者及び中間管理者
7 月 5 日(金)19:00∼20:00
宇久地区の 看護師及び介護従事者
7 月 27 日(土)11:00∼15:00
佐世保市内の中堅看護師
7 月 27 日(土)11:00∼15:00
6
感染管理
宇久地区の 看護師及び介護従事者
8 月 24 日(土)11:00∼15:00
7
感染管理
県北地区の看護師及び介護従事者
9 月 28 日(土)11:00∼15:00
8
9
看護師長の病棟目標の立て方
県北全域の看護管理者及び中間管理者
10 月 11 日(金)19:00∼20:00
喪失・悲嘆・死別
佐世保市内の中堅看護師
11 月 9 日(土)14:00∼16:30
クレームのない組織つくりをめ
ざして
口腔ケア
痛みのマネージメント
県北全域の看護管理者及び中間管理者
11 月 8 日(金)19:00∼20:00
県北地区の看護師及び介護従事者
12 月 7 日(土)11:00∼15:00
1
2
3
4
5
10
11
36
5. 2) キャリアアップ研修の開催状況及び結果
参加者数のべ 350 名(H25 年 7 月末現在)
キャリアアップ研修:長崎大学病院編
理解度
満足度
40
継続看護:基礎
52.4
48.6
78.1
21.9
72.5
褥瘡対策
27.5
あまり満足
しなかった
27.9
満足しな
かった
100
看護倫理 アドバンス
72.1
集中ケア 危険な不…
教育担当者・実地指…
教育担当者・実地指…
60
60
53.8
集中ケア 呼吸管理
50
看護倫理 ビギナーズ
0%
19
40
未記入
40
62.5
第2回(高齢者のス
キンケア)
76%
第3回(チーム医療
における看護管理
者の役割)
59%
0%
37.5
59.4
40.6
褥瘡対策
62.5
35
100
看護倫理 アドバンス
集中ケア 危険な不…
39.5
55.8
教育担当者・実地指…
40
60
60
40
集中ケア 呼吸管理
42.3
57.7
看護倫理 ビギナーズ
50
50
0%
理解した
45.7
がん化学療法
大体理解した
2.5
あまり理解で
2.3 きなかった
理解できな
かった
20% 40% 60% 80% 100%
参加者数のべ 47 名(H25 年 7 月末現在)
理解度
満足度
69%
4.8
50
54.3
災害看護
20% 40% 60% 80% 100%
キャリアアップ研修:佐世保市立総合病院編
第1回(病棟におけ
るリーダーの役割
と心得)
76.2
教育担当者・実地指…
3.8
40.4
1.9
25
25
33.3 4.2
50
放射線看護
大体満足し
た
6.7
73.3
62.5
治験 0
37.5
51.4
がん化学療法
20
糖尿病ケア
満足した
50
62.5
災害看護
29.2 4.2
緩和ケア
47.6
50
治験
放射線看護
6.7
継続看護:基礎
53.3
66.7
緩和ケア
糖尿病ケア
100
継続看護:アドバンス
100
継続看護:アドバンス
31% 0%
24%0%
41%
0%
満足した
大体満足し
た
あまり満足
しなかった
満足しな
かった
その他
第1回(病棟におけ
るリーダーの役割
と心得)
理解した
54%
0%
大体理解した
第2回(高齢者のス
キンケア)
71%
第3回(チーム医療
における看護管理
者の役割)
47%
0%
20% 40% 60% 80% 100%
46%
29% 0%
53%
0%
あまり理解で
きなかった
理解できな
かった
その他
20% 40% 60% 80% 100%
【あじさい塾☆NAGASAKI に関するご意見・ご要望】
・興味のあるコースなどがあればどんどん参加したいと思います。
・今日初めて「あじさい塾 NAGASAKI」を聞き、どのようなものかわからずお恥ずかしい限りです。
・時間帯も良いため、受講しやすいです。
・少額でいろいろな研修を受けれることは大変ありがたい。今回初めて知りました。今後も参加できればと
思います。
・今後の継続を期待します。
・不整脈でペースメーカー挿入中の心電図の学習会をやってほしいです。植込みやテンポラリー中の看護も
一緒にあれば参加したいです。"
・DOADOB 使用中の管理もあわせてやってもらいたいです
・無料でよかった。
・近くで研修があれば、自分で興味を持ち参加しスキルアップにつなげていける。
・勉強会を継続してほしい。
・出前研修をたくさんして欲しい。
37
6. 2 つの地域で 2 つの講演会開催
38
7.広報Ⅰ
①長崎大学病院ホームページ
あじさい塾☆NAGASAKI のページ作成
(2013 年 7 月 29 日)
39
長崎大学病院ホームページトピックス
(2013 年 5 月 1 日)
長崎大学病院ホームページ 看護部インフォメーション
(2013 年 2 月 19 日、3 月 11 日、5 月 2 日、5 月 28 日、7 月 11 日、7 月 26 日)
④長崎新聞
②長崎大学病院広報誌 ポンぺだより
2013 年 4 月
Vol.63 に掲載
③長崎県看護協会 協会だより
2013 年 3 月∼毎月掲載
2013 年 5 月 6 日付け 新聞に掲載
7.広報Ⅱ
①長崎県看護協会 会報
②「あじさい塾☆NAGASAKI」ポスター
③「看護師募集」ポスター
40
④「あじさい塾☆NAGASAKI」封筒
⑤「あじさい塾☆NAGASAKI」ネーム入りファイル
広報Ⅲ:
「長崎県 Nursing ガイドブック」リーフレット作成
事業6)
薬剤師のフィジカルアセスメント教育
事業責任者
長崎大学病院 薬剤部
副薬剤部長
北原 隆志
【事業概要】
チーム医療の中で個々の患者に最適な薬物療法を進めるため、医薬品による副作用を防
止あるいは早期に発見し重篤化を防止するという目的で、薬剤師が「患者の状況を把握す
る」ことは重要であると考えられる。そのためには、カルテの閲覧など間接的な情報収集
を行うと共に、必要に応じて脈拍や血圧等のバイタルサインの測定や触診、視診といった
フィジカルアセスメントによって患者から直接的に情報を得る行為が不可欠である。
そこで長崎県下の病院・薬局の薬剤師を対象に、フィジカルアセスメントの意義と測
定・評価スキルを修得することを目的としてフィジカルアセスメント修得コース(12 回
シリーズ)を実施する。
【平成 24 年度計画】
① 事業を推進する薬剤師・医師への支援
通信費、会議費
② 事業に協力する医師等(研修講師)への支援
講師謝礼、アシスタント雇用経費、講習資材費
③ フィジカルアセスメント教育に関する書籍、消耗品の購入等の支援
テキスト購入費、聴診器等機器購入費
【平成 24 年度実績】
平成 24 年 5 月 15 日からフィジカルアセスメント修得コースを開始し、平成 25 年 3 月
12 日まで計 12 回の研修会を実施した(第 1 回;フィジカルアセスメントの概要、第 2∼4
回;フィジカルアセスメントの基礎、第 5 回;腹部のフィジカルアセスメント、第 6 回;
皮膚領域のフィジカルアセスメント、第 7 回;循環器のフィジカルアセスメント、第 8 回;
精神領域のフィジカルアセスメント、第 9 回;呼吸器のフィジカルアセスメント、第 10
回;医療機器の見方、第 11 回;嚥下のフィジカルアセスメント、第 12 回;総括)
。病院
勤務薬剤師 16 名、薬局勤務薬剤師 4 名、薬学部 5 年生 5 名が参加し、全員すべての研修
をクリアし、修了証書を授与した。研修には医学部 5 年生もアシスタントとして雇用した。
計画通り基金を講師費用、アシスタント雇用費、テキスト購入費、研修用医療機器購入等
に充て、研修コースを運営することができた。
41
チーム医療において、薬剤師は「薬の専門家」として患者の近くで個々の患者の
適正な薬物療法に貢献することが求められている。個々の患者に最適な薬物療法を
進める中で、薬剤師が「患者の状況を把握する」ことは、特にリスクの高い薬剤を
中心に医薬品による副作用を防止あるいは早期に発見し重篤化を防止するという点
から重要であると考えられる。そのためには、カルテの閲覧など間接的な情報収集
のみに終始するのでなく、必要に応じて脈拍や血圧等のバイタルサインの測定や触
診、視診といったフィジカルアセスメントによって患者から直接的に情報を得る行
為が不可欠となる。このような背景から当院あるいは長崎県においてもフィジカル
アセスメントが行える薬剤師を養成することは重要であると考え、フィジカルアセ
ス メ ン ト の 意 義 と 測 定 ・ 評 価 ス キ ル を 修 得 す る こ と を 目 的 と し て 、 平 成 24 年 5 月
15 日 か ら フ ィ ジ カ ル ア セ ス メ ン ト 修 得 コ ー ス を 開 始 し 、平 成 25 年 3 月 12 日 ま で 計
12 回 の 研 修 会 を 実 施 し た ( 表 1)。
表 1
平 成 24 年 度
薬剤師のためのフィジカルアセスメント研修会スケジュール
平成24年 薬剤師のためのフィジカルアセスメント講習会
日にち
時間 19:00∼
テーマ
学習方法
担当科
講師
1
5/15
開催式及び趣旨説明会
講習会の説明・聴診器展示会
河野病院長他
2
6/19
フィジカルアセスメントの基本1
講義・シミュレーターを用いて実技
医療教育開発センター
浜田 久之(教授)
3
7/3
フィジカルアセスメントの基本2
同上
医療教育開発センター
浜田 久之(教授)
4
7/17
フィジカルアセスメントの基本3
同上
医療教育開発センター
浜田 久之(教授)
5
8/21
検査値異常からの副作用の見方、腹部診察
同上
消化器内科
6
9/12 (水)
皮膚科の副作用の見方
講義(症状の画像スライド含む)・皮内反応テストの実技
皮膚科
7
10/16
循環器系の副作用の見方
講義(心電図、X線写真、心音含む)・シミュレーターを用いて
の聴診
循環器内科
池田 聡司(講師)
8
11/20
精神・神経系の副作用の見方
講義(症状の動画スライド・Q&A形式の内容を含む)
神経内科
辻野 彰(准教授)
角川 智之(助教)
MEセンター
林 誠(技術職員)
歯科(特殊歯科総合治療部)
石飛 進吾(講師)
9
12/18
呼吸器系の副作用の見方 (薬剤性肺障害の発見方法)
講義(X線写真の見方を含む)・シミュレーターを用いての聴診
呼吸器内科
(薬剤性肺障害特有の呼吸音の聴取)
10
1/15
ベッドサイドにある医療機器の見方 (モニター、シリンジポンプ、酸素吸
入、ネブライザー等)
実物の機器を見てその解説を受けながら体験
11
2/12
口腔・嚥下系の副作用の見方と嚥下レベルに合わせた服用形態に
講義(症状の動画スライドを含む)
ついて
12
3/12
修了式
講習会の総評・修了書授与
42
松島 加代子(助教)
鍬塚 大(助教)
河野病院長他
参 加 者 は 病 院 勤 務 薬 剤 師 16 名 、薬 局 勤 務 薬 剤 師 4 名 、薬 学 部 5 年 生 5 名 で あ っ た
( 表 2)。出 席 率 を 図 1 に 示 す 。全 て の 参 加 者 が 出 席 率 80% 以 上 で あ り 、本 研 修 の 出
席 率 合 格 ラ イ ン で あ る 75% 以 上 を ク リ ア し た 。
表 2
平 成 24 年 度 研 修 会 参 加 者 一 覧
所属
1 長崎大学病院
2 長崎大学病院
3 長崎大学病院
4 長崎大学病院
5 長崎大学病院
6 長崎大学病院
7 長崎大学病院
8 長崎大学病院
9 長崎医療センター
10 長崎医療センター
11 光晴会病院
12 光晴会病院
13 光晴会病院
14 佐世保中央病院
15 大久保病院
16 大久保病院
17 ななしま薬局
氏名
ヒグチ
性別
ノリヒデ
男
樋口 則英
ノグチ
フミエ
女
野口 扶美枝
ミヤナガ
ケイ
男
宮永 圭
アカ マツ
ハヤト
男
赤松 隼人
オオマ
ワカ コ
女
大間 稚子
カ ンダ
コウスケ
男
神田 紘介
サカ モト
トシアキ
男
坂元 利彰
ハシヅメ
ジュン ヤ
男
橋詰 淳哉
トリヤマ ヨウコ
女
鳥山 陽子
キシカ ワ ヨウコ
女
岸川 陽子
スギモト
ユウカ
女
杉本 悠花
ナガタ
リサ
女
永田 梨紗
ミズマチ
シン イ チロ ウ
男
水町 信一郎
コバヤシ
ケイ コ
女
小林 恵子
ノダ アキ
女
野田 有記
イ シマル
ユキ
女
石丸 之
ナナシマ カ ズタカ
男
七嶋 和孝
ミヤザキ アキノブ
男
18 パサージュしらぬひ薬局 宮崎 彰宣
ナカ ムラ ミキコ
19 ペンギン薬局
中村 美喜子
20 アクア薬局本店
21 長崎大学薬学部
22 長崎大学薬学部
23 長崎大学薬学部
24 長崎大学薬学部
25 長崎大学薬学部
女
サタ エツ コ
女
佐田 悦子
イ マムラ ハナエ
女
今村 英恵
ミナミ ユウ
女
南 悠
ヤマグチ アキコ
女
山口 明子
ヤマニシ ハルカ
女
山西 陽香
ワタナベ アリサ
女
渡邊 ありさ
43
図 1
平 成 24 年 度 研 修 会 出 席 率
本研修会では研修前後での習得度を参加者自身も確認するため毎回自己評価を実
施した。自己評価表の例を図 2 に示す。各回において評価項目を設定し実施した。
図 3 に研修前後での自己評価点数の平均値の変化を示した。全項目において自己評
価点数が上昇しており、本研修によりフィジカルアセスメントを習得できていると
感じていることが示された。
図 2
自己評価表(例)
44
図 3
研修前後における自己評価点数
45
また、受講者の満足度について調査した。満足度は各回および全体に対して尋ね
た。結果を図 4 に示す。全講習において高い満足度を得ており、本講習会の内容が
参加者のニーズに応えた充実したものであったことが明らかとなった。
図 4
平 成 24 年 度 講 習 会 の 満 足 度 調 査
今回、薬剤師がフィジカルアセスメントを実施するための知識・技能を習得する
ため、1 年間の研修コースを計画・実施した。参加者全員本コースの研修合格条件
で あ る 出 席 率 75% 以 上 、毎 回 の 宿 題 の 提 出 を ク リ ア し 修 了 す る こ と が で き た 。参 加
者の自己評価および満足度も高く本研修コースが当初の目的を達成できたと考えら
れる。長崎県下にフィジカルアセスメントを実施しチーム医療に貢献できる薬剤師
を 養 成 す る た め に 、 本 研 修 コ ー ス は 平 成 25 年 度 も 実 施 す る 予 定 で あ る 。
46
事業責任者
事業7)
長崎大学病院 メディカル・ワークライフバ
女性医師・医療人のサポート
ランスセンター 伊東昌子
【事業概要】
長崎県内の医療機関に勤務する医師にとって働きやすい環境を整えることを目的として、
女性医師(等)の就労維持・復帰支援をおこなう。まず、拠点病院として大学病院内センター
が事業を展開し、24 年度には長崎医療センター、25 年度には佐世保市立総合病院がホスピ
レート認証を取得するよう指導協力を行い、県内の医療機関で勤務する医師の働き方を支援
する 3 拠点病院体制を築く。
具体的な事業内容は、
①
キャリアサポート:キャリア支援のためのコンサルティング、復職トレーニング、講
演会や懇話会などのイベント案内
②
拠点病院支援情報:拠点病院支援システムを構築
③
地域就労支援情報:県内医療機関の就労支援情報についてホームページを通して案内、
就労希望などのコンサルティングに応じる。
④
mixi を使用した交流コミュニティーサイトを構築、活性化する。
【平成 24 年度計画】
①
メディカル・ワークライフバランスセンター体制作り
ワーキンググループ形成、復職トレーニングメニュー作成、コーディネーター依頼、
外部評価委員依頼
②
支援メニューの告知と推進
子育てタクシー、家事代行・シッター、WLBに関する講習会参加補助事業を確立し、
周知
③
長崎医療センターを拠点病院として確立
④
介護、ワークライフバランスに関するアンケート調査
⑤
医学部学生との懇話、カリキュラムにおいての講義
⑥
医療機関訪問と問題点検索
【平成 24 年度実績】
当初計画では、
「長崎県地域医療再生臨時特例基金事業」であったが、長崎県と別途受託契
約を結ぶこととなったため、再生基金での実績報告なし。
47
852-8501
1-7-1
http:/ / nagasaki-ajisai.jp/
48
(095) 819-7979
49
2012
4
50
AGORA
(synergy)
51
52
53
54
55
56
57
事業8)
救急救命士等の育成
事業責任者
長崎大学病院 救命救急センター
センター長
田崎 修
【事業概要】
近年、災害医療、蘇生医療、外傷診療等の高度化に伴い病院前救護の専門性も高まって
きた。本事業は、長崎県の救急医療を担う 3 拠点病院において救急救命士の育成を行うこ
とにより、病院前救護の質をさらに向上させるとともに、長崎で救急救命士を目指す人材
の増加を目的とする。
【平成 23 年度計画】
① シミュレータを用いた気道確保や静脈路確保のトレーニングを支援する。
気道確保シミュレータの購入等
② 最新の災害対応や蘇生法の講習会開催を支援する。
講師に対する謝礼、交通費等
③ 病院前救護の解析を支援する。
長崎県救急活動記録や心肺蘇生記録(ウツタイン様式)を用いた病院前救護の問題点の
抽出と解析に必要な費用等
【平成 24 年度計画】
平成 24 年度は、平成 23 年度の事業を継続するとともに、その評価や解析への支援を行
う。平成 23 年度の経験をもとに、救急救命士の更なる質の向上に資するために何が必要
かを明らかにする。
具体的には、シミュレータの効果の解析や、病院前救護の解析が必要となるため、これを
担当する救急救命士や指導医師の学会参加や論文発表等にかかる費用を援助する。
58
【平成 24 年度実績】
長崎大学病院 救命救急センターの実績
1.平成 24 年 11 月 30 日、救急医療研修会を開催し、救急救命士をはじめ医師、看護師等
81 名の参加を得た。特別講演には京都大学環境安全保健機構附属健康科学センターの石
見拓講師を迎え、
「病院前救急医療の現状と今後の展望∼心肺蘇生ガイドライン 2010 のポ
イントから胸骨圧迫のみの心肺蘇生を活かした普及の戦略まで∼」というタイトルで講演
を頂き、活発な討論を行った。
2.長崎市消防局から 23 名の救急救命士の研修を受け入れるとともに、救急救命士を目指
す 4 名の学生実習を受け入れた。従来よりシミュレータを用いて実習を行ってきたが、平
成 24 年度にはビデオ喉頭鏡と difficult airway trainer を購入した。このため今後の研
修がさらに充実する。
3.平成 24 年 5 月からはドクターカーの運用を開始し、平成 24 年度は 52 件の要請があり、
キャンセルを除く 36 件に出動した。ドクターカー出動時は研修中の救命士も同乗し医師
とともに病院前治療に参加した。
長崎医療センター 救命救急センターの実績
1. 救急救命士養成学校病院実習 学生指導 8 名、ELSTA 研修所病院実習 8 名、
消防 救
急救命士就業前研修 6 名、消防 救急救命士再教育 20 名
2.病院実習の一環として、薬剤投与認定救命士の評価時に、シミュレータを用いた薬剤
投与の総合評価を実施した。H24 年度末に、気管挿管や静脈路確保シミュレータが配置さ
れたので、H25 年度には病院実習中のトレーニングに利用可能となった。
佐世保総合病院 救命救急センターの実績
1.救命救急センターデータ管理システム構築事業
救命救急事業に関しては、検証等に係るデータ抽出・加工の依頼が多いが、電子カルテか
ら直接データ抽出するには手間がかかり汎用性が低かった。今回補助金を受け、独自のデ
ータ管理システムを組むことで汎用性を高めた。今後、データの活用により救急隊の病院
搬送前処置の傾向と対策分析を行い当院の救命士教育能力を高める予定である。
2.災害医療研修会の開催
日時:平成 24 年3月14日(木)18:30∼20:30
参加人数:当院職員 123名、外部(市消防局・米軍関係・自衛隊関係)36名
テーマ:
「大災害時の病院の心構え∼阪神淡路大震災・JR尼崎事故の経験から∼」
講師:加古川西市民病院 救急科部長 切田学先生
59
佐世保市立総合病院
災害医療研修会のご案内
時下、皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
当院では、下記の先生をお迎えして災害医療に関する研修会を開催します。
年度末の大変お忙しい中、誠に恐縮ですが、多数ご参加くださいますようご案内申し上
げます。
記
1日
時
平成 25 年 3 月 14 日(木)18 時 30 分
当院駐車場をご利用される方は、
2場
所
3講
演
佐世保市立総合病院 2 階 講堂
駐車券を会場までご持参下さい。
◇演者1 佐世保市立総合病院
3階東病棟 救命救急病床担当 濵松 大吾
総務課
災害対応担当 川口 恵子
テーマ「佐世保市立総合病院における災害時の対応について」
◇演者2 加古川西市民病院
救急科部長
切田 学 先生
テーマ「大災害時の病院の心構え
∼阪神淡路大地震・JR 尼崎事故の経験から∼」
∼講師紹介∼
神戸大学医学部卒業後、外科医としてスタート。その後外科的救急・集中治療へ特化。
2 次救急医療を約 10 年(六甲アイランド病院・東京警察病院で各 5 年)
、3 次救急医療を 11 年
(兵庫医科大学救命救急センター)と経験豊富な救急医療のエキスパート。
2012 年 4 月より加古川西市民病院へ着任。
阪神淡路大震災、JR 尼崎事故(現場トリアージ)
、東日本大震災の経験を基に、集団災害医療に
対応できるよう【スピーディーな緊急度判定と救急病態評価】
、
【迅速な応急処置】を診療方針に
掲げ、同時並列診察で救急診療を実践している。
佐世保市立総合病院 救急集中治療科 松平先生とは兵庫医科大学救命救急センターから旧知
の間柄で、松平先生が「お師匠さん」と仰がれています。
4主
催
佐世保市立総合病院 BLS委員会
【お問い合せ先】
佐世保市立総合病院総務課
担当:川口 〒857-8511 長崎県佐世保市平瀬町 9 番地 3
℡0956-24-1515(内線 6912)
Fax0956-22-4612
60
2012 11 30
1
18:10
18:40
FLAN
19:10
2010
61
事業9)
事業責任者
3拠点病院へ宿泊研修施設建設
佐世保市病院事業管理者 江口勝美
【事業概要】
佐世保地域の人口 10 万対医師数は、245.68 人で全国平均(215.3 人)を大幅に上回っている。しかしながら、
急性期病院における勤務医は、近年減少傾向にある。
この中で本院は、長崎大学病院との連携により、各診療科においてかろうじて医師が確保できている状況である。
本院としても基幹型臨床研修医を募集し、独自の医師育成システムを推進しているところであるが、
「新・鳴滝塾
構想」に基づき、長崎大学病院や長崎医療センターとの連携を更に深め、臨床研修医の増加を図り、安定的な医師
確保を実現する必要がある。
本院としては、初期研修医や後期研修医にとって「働きやすい・勉強しやすい」すなわち、
「研修医に、より選
ばれる病院(マグネットホスピタル)
」となることを目指し、運営・支援体制を充実していく。また、このことに
より長期的視点に立った、総合病院及び佐世保・県北地域の医療水準の向上を目指すことを目標とする。
長崎大学医療教育開発センター構想に基づき、長崎大学病院、長崎医療センター、佐世保市立総合病院の3病院
での連携した医療従事者研修を行うため、研修用の宿舎を整備する。
【平成24年度計画】
○3病院巡回研修プログラムの実務調整及び関連病院との連携
○夜間救急における病院見学受入の試験的実施
○宿舎建設スケジュール等の策定
○研修用宿舎と既存公宅との調整
○敷地利用計画の検討
○管理体制の確立
○実施設計
62
事業責任者
事業9)
独立行政法人国立病院機構
3拠点病院へ宿泊研修施設建設
長崎医療センタ− 院長 江崎 宏典
【事業概要】
離島を全国一抱える長崎県の離島及びへき地等への医療の提供及び医師の偏在化を解消
するための方策として当院の敷地内に総合地域医療センタ−の整備を行う。
本センタ−は4階建とし、1階部分を救急医療体制充実のために大村市、諫早市、雲仙
市で組織する県央地域広域市町村圏組合の消防分署を誘致し県央地域全体の消防体制及び
救急搬送ネットワ−クの構築を図る。2階部分は図書室とスキルラボ室、3階部分は会議
室とし研修医、後期研修医、看護師、救急救命士等の研修スペ−スとする。4階部分は研
修生の宿泊施設として活用する。
【平成 24 年度計画】
① 計入札
24年7月頃予定
② 基本設計
24年8月頃∼11月頃予定
③ 一団地申請と土地開発協議
24年12月頃∼25年3月末予定
63
事業責任者
事業9)
院長
3拠点病院へ宿泊研修施設建設
河野 茂
【事業概要】
長崎県の医療人の育成のために、長崎大学病院は、他施設に所属する医学生、看護学生、
研修医や看護師やコメディカルに関して、様々な種類の長期研修または短期研修を提供して
いる。研修の参加者は、離島をはじめ県内外、国外からもあり、宿泊に関するニーズが大き
い。このニーズに応え、長崎大学病院内に宿泊施設を建設する予定である。さらに、研修時
の講義等で使用されるスペースやシミュレーション実習が行われるスペースも完備したハ
ードが必要となってくる。しかしながら、長崎大学病院内に単独で宿舎建設できる土地の確
保が困難であり、あらたしく着工される新中央診療棟の中へ、その機能を上乗せしたスペー
スを確保する予定である。
【平成24年度計画】
①
建設スケジュールの提示 H24年4−7月
②
設計図の作成
H24年8月頃∼11月頃予定
(宿泊施設15個程度、講義室、シミュレーション実習室、事務室など)
64
◆佐世保市総合病院 宿泊研修施設建設について◆
<目的>
県北地域における医師確保が依然として厳しい状況の中、本院においては長崎大学病院
と連携・協力し、基幹型臨床研修医の募集や独自の医師育成システムを推進しているとこ
ろではあるが、県内の医療機関との連携を更に深め、臨床研修医の増加を図り、安定的な
医師確保を実現することが必要である。
県北地域の基幹病院である本院においても、長崎県地域医療再生臨時特例基金による医
療教育開発センター構築事業の一環として、長期的視点に立った地域全体の医療水準の向
上を目指し、離島を含むより広い範囲から実習生の受入を可能とし、多くの医療従事者や
学生がより良い研修環境の中で学習に臨めるよう研修用宿舎を整備する。
<用途>
本院で研修を行う初期臨床研修医・遠方の医療系の学生・医療従事者のための宿泊施設お
よび研修・会議施設。
<建設概要 予定>
項目
内容
所在地
長崎県佐世保市島地町 11 番地 45
居室数
35 室(バリアフリー対応 1 室含む)
多目的室
1室
階数
地上 5 階建
構造
鉄骨造
着工予定
平成 25 年度中
竣工予定
平成 26 年度中(繰越)
(以
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上)
佐世保市立総合病院
宿泊施設建設予定地
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完成予想図
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新中央診療棟(完成予想図)
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