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統合国際深海掘削計画(IODP)乗船研究報告書 - J-DESC

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統合国際深海掘削計画(IODP)乗船研究報告書
提出年月日: 平成 19 年
(ふりがな)あきば
氏名:秋葉
6 月 20 日
ふみお
文雄
所属(職名)
:有限会社
乗船研究・会議名
研究期間
用務地(国・都市)
珪藻ミニラボ
代表取締役
IODP, Exp. 311 の 2ndPost-Expedition-Meetingおよび excursion
平成 19 年 5 月 22 日 ∼ 平成 19 年 5 月 27 日
フランス国・パリ市
JAMSTEC における関連研
究項目(別紙から選択)
及びそれに対する貢献
ホ.地球古環境変動研究
目的(200 字程度)
今回の会議は、2005 年秋に実施された IODP Exp. 311 (Cascadia Margin Gas Hydrate)の第 2
回目の Post-Expedition-Meeting(PEM)である。第1回目の PEM が船上結果(昨秋にウェブで
出版済み)としてまとめる為のごく限られた人々による会議であったのに対して、今回のそれ
は航海後の成果も含めた最終的なまとめを出版する為に、乗船研究者およびそのほか本航海に
関係する研究者が一堂に会して新たな成果も含む諸結果について有意義な議論が行なわれ、併
せて今後の分野毎の担当者指名と出版スケジュールが策定された。
研究実施内容及びその成果
カスカディア付加体における更新統タービダイト(IODP Exp. 311)の珪藻化石・有孔虫化石群集か
ら見た堆積環境と供給源:
はじめに: 深海掘削計画で利用される微化石の中で、珪藻は海水から淡水に及ぶ広域な水塊に
生息しているので、堆積盆に陸源物質の流入があった場合に珪藻化石でそれを認知できる可能
性がある。北米ヴァンクーバー沖のカスカディア付加体におけるガスハイドレートの賦存状況
把握と形成機構解明を目的として 2005 年に実施された IODP Exp. 311 では、付加体を構成する
更新統タービダイトに浅海性珪藻群集と淡水生珪藻群集がその産出頻度を大きく変化させて産
出することが分かった(Riedel et al., 2006)ので、その堆積環境や供給源などの意義につい
て検討・考察を行った。以下、その結果について略述する。
試料と方法:
IODP Exp. 311 で大陸斜面に掘削された 5 孔(U1325、U1326、U1327、U1328 お
よび U1329;水深 2195∼965m、掘削深度 300∼200m)の CC 試料と U1328 孔の core section
試料について珪藻化石分析を行なった。また、U1328 孔の CC 試料について有孔虫化石分析を実
施した。
結果と考察: 珪藻化石分析結果では、U1329 孔を除く4孔はすべて更新統からなり、U1329 孔
では上部中新統の上位に不整合で更新統が載ることが分かった。いずれの掘削孔でも更新統の
珪藻化石群集は、その産出量が大きく変化すると同時に、それぞれ 0∼100%の範囲で海生珪藻
群集と淡水生珪藻群集の相対的産出頻度が頻繁に大きく変化する。海生珪藻群集の頻度は
Chaetoceros 属の休眠胞子の頻度とほぼ対応しており、その大部分は浅海性珪藻で代表される。
また、淡水生珪藻群集のほとんどは浮遊性種からなっており、当該の堆積物は湖沼域に堆積し
たものと推定される。有孔虫化石分析結果では、U1328 孔は更新世全体を通じて掘削位置の水深
とほぼ同様の上部半深海の古水深であったことが推測された。
上記のような浅海性珪藻群集と淡水生珪藻群集の産出頻度の高周期の変化は、更新世におけ
る汎世界的な氷河性海水準面の変化を明瞭に反映しているものと推定される。特に、U1328 孔上
部における変化は標準的な海水準面変化曲線と良い一致を示すように思われる。ただし、有孔
虫化石群集が現地性群集であるのに対して、珪藻化石群集のほとんどが異地性群集であると推
定されるので、タービダイト堆積物の大部分は沈み込み帯に伴う間歇的な地震によって大陸棚
域から掘削点の大陸斜面へ運搬されたものであると考えられる。したがって、今回認められた
珪藻化石群集の変化と標準的な海水準面変化曲線との直接的かつ厳密な対比は困難である。
むすび:
今回の結果は、珪藻化石が一般に利用されている堆積物の形成年代の推定だけでな
く、もしかすると沈み込み帯で発生する地震の頻度を大局的に推定できるような古環境解析に
も使える可能性を示しているのかも知れない。
以上。
統合国際深海掘削計画(IODP)乗船研究報告書
提出年月日:
(ふりがな)
氏名:
平成19年
よしおか
吉岡
5月
2日
ひでよし
秀佳
所属(職名)
:産業技術総合研究所
乗船研究・会議名
(研究員)
IODP Exp 311 2nd postcruise meeting
研究期間
用務地(国・都市)
地圏資源環境研究部門
平成 19 年 4 月 23 日 ∼ 平成 19 年 4 月 25 日
フランス・パリ
JAMSTEC における関連研
究項目(別紙から選択)
及びそれに対する貢献
②−ハ.
目的(200 字程度)
IODP による航海 311「カスカディアマージンハイドレート」の第 2 回ポストクルーズミーテ
ィングがパリで行われた。航海 311 は平成 17 年 9 月から 10 月にかけて行われ、私は微生物研
究の目的で参加し、堆積物試料を採取して下船後、地下中に生息するメタン生成菌の特徴や活
性を評価する研究を行った。会議では、これまでの研究成果を発表し、他の乗船研究者と議論
し情報交換することが目的である。
研究実施内容及びその成果
IODP による航海 311「カスカディアマージンハイドレート」の第 2 回ポストクルーズミーテ
ィングは、フランス・パリで4月23日から25日の日程で行われた。始めの 2 日は、Societe
Geologoque de France において行われ、乗船研究者が乗船時および下船後に行った研究の報告
が行われた。但し、数名の onshore base の研究者(乗船はしなかったが、試料をリクエストし
た研究者)も参加し、報告した。参加者は、およそ 30 名ぐらいだった。
会議の目的は、各研究者の結果を開示し、お互いに意見を交わし議論することにあったが、
最終的には IODP のルールに従い、結果をまとめて出版することにあるので、会議の冒頭に、そ
のルールの確認と締め切りがスタッフサイエンティストからあった。それに引き続き、各研究
者の報告が行われた。航海 311 では、ファンデフカフカプレートが北米プレートに沈み込んで
形成された付加体構造を横断するラインに沿って 5 つのサイトにおいて物理探査およびボーリ
ング調査が行われた。手法は、物理探査、ロギング、堆積物の物性、地化学(間隙水およびガ
ス)、微生物、有機地化学、古生物学、堆積学、鉱物学等多岐にわたっており、それぞれ研究
者が自ら行った研究を報告する一方、他の分野の研究結果と比較し、お互いの結果をリンクし
総合的に評価することが行われた。様々な論点があったが、主だったものを挙げると、ガスハ
イドレートの分布(量的見積り)、間隙水の流れ、ガスの起源、微生物活動、堆積年代である。
私は、微生物グループに属し、地下中に生息するメタン生成菌の特徴や活性を評価する研究
をまとめて発表した。私個人は、メタン生成菌の活性の評価を行ったが、同じく微生物グルー
プとして乗船した東陽介氏(当時産業技術総合研究所所属)は、昨年所属が変わったため、会
議に出席できず、彼が行った研究結果も含めて報告した。結果は、ガスハイドレートの分布域
や、BSR より深い深度でもメタン生成菌の遺伝子が見つかり、活性もあったので、それらの証拠
は、ガスハイドレートの形成に密接に関係している可能性があり、注目された。他の研究者が、
間隙水中の酢酸の分析し、その結果も微生物活動があることを示唆しているので調和的である
と考えられる。しかし、一方で、ガスや間隙水の研究からは、主に表層でメタン生成活動があ
ると評価され、微生物研究の結果と一見矛盾しているように見えた。今後、両者のデータの詳
細な比較・検討が必要であると考えられる。
全体としては、論点が整理され、カスカディアマージンにおけるガスハイドレート形成メカ
ニズムの全体像が理解されつつあり、航海の目的は、今後の詰めの研究によって大きく進展す
ると思われる。最後に、今後の展開としてボアホールの観察を行う NEPTUNE というプログラム
について紹介され、その可能性が議論された。
25 日は、パリ郊外にある、Eocene-Oligocene に形成された石膏の採石場の巡検が行われ、現
場の見学とサンプリングが行われた。
備考
統合国際深海掘削計画(IODP)乗船研究報告書
提出年月日: 平成 19
(ふりがな)かねこ
氏名:金子
年
5
月 7
日
まさのり
雅紀
所属(職名)
:岡山大学大学院自然科学研究科先端基礎科学専攻
乗船研究・会議名
IODP exp311 2nd post cruse meeting
研究期間
用務地(国・都市)
博士後期課程第 1 学年
平成 19 年 4 月 22 日 ∼ 平成 19 年 4 月 26 日
フランス・パリ
JAMSTEC における関連研
究項目(別紙から選択)
及びそれに対する貢献
②−ハ
目的(200 字程度)
IODPexp311 研究航海に参加して採取したガスハイドレートを含む堆積物コア試料を用いてこれ
までに行った研究の成果(バイオマーカー及び全有機炭素、窒素の同位体組成)を本会議で報
告し、ガスハイドレートの生成と分解メカニズムの解明に貢献する。また、今後の研究を進め
る上で有益な情報を得る事を目的とする。
研究実施内容及びその成果
2005 年に IODP 第 311 次研究航海がカナダ・バンクーバー島沖 Cascadia Margin ガスハイドレ
ート地域にて実施され、計 5 サイトにおいてガスハイドレートを含む堆積物試料の掘削が行わ
れた。この研究航海に関する下船後の 2nd ポストクルーズミーティングがフランス・パリで開
催された。会議は 2007 年 4 月 23 日から 24 日の 2 日間で発表形式には口頭とポスター発表があ
った。口頭発表は質疑応答も含めて 15 分間であった。
報告者はこれまでに、U1327、U1328 掘削地点で採取した堆積物コア試料を用いて堆積物深度
300 m の範囲における有機・無機炭素、全窒素・全硫黄の存在量、同位体の深度分布と、両掘削
地点の表層堆積物中バイオマーカー分子の深度分布と炭素同位体組成からカナダ・バンクーバ
ー沖における堆積物中有機物の寄与を明らかにした。これに関する結果報告を本会議で口頭発
表により行った。
報告者はガスハイドレートの生成と分解に関与する微生物活動を有機地球化学的に解明する
事を目的としているが、他の研究者の報告からこの目的を遂行するのに重要な情報も得る事が
出来た。また、自分のこれまでの研究結果と調和的な報告も確認する事が出来た。
博士前期課程の 1 年次に未熟な英語能力とともに IODP の研究航海に参加し、他の乗船研究員
に強烈な印象を残したが、この 1 年半ぶりの再会で英語による口頭発表を行い、今度は英語能
力の成長ぶりという点で参加者に強烈な印象を与える事が出来た事も学生である報告者にとっ
ては大きな成果である。
備考
統合国際深海掘削計画(IODP)乗船研究報告書
提出年月日: 平成 19 年
(ふりがな)きたじま
氏名:北島
5月
4日
ひろこ
弘子
所属(職名): Department of Geology & Geophysics, Texas A&M University (graduate
student)
乗船研究・会議名
Exp. 311 2nd postcruise meeting
研究期間
平成 19 年
用務地(国・都市)
Paris, France
4 月 21 日 ∼ 平成 19 年 4 月 26 日
JAMSTEC における関連研
究項目(別紙から選択)
及びそれに対する貢献
①ーロ
ハイドレート発達域の堆積物の浸透率測定
目的(200 字程度)
IODP Expedition 311 の航海中に採取したコアサンプルを用いて、ハイドレードの発達しうる
堆積物の浸透率を室内実験から評価した。今回の Paris での post cruise meeting では、浸透
率の実験結果を発表し、他研究者の研究成果発表から有用な情報を入手し、また Expediion311
に続く、将来の航海へむけた議論を行うことを主な目的として参加した。
研究実施内容及びその成果
浸透率測定は、Expedition311 の各サイトから採取したサンプルを高圧下(<30MPa)において、
間隙媒体として窒素ガスと水を用いて行った。浸透率は堆積物の種類によって大きく異なると
いう結果が得られた(下図参照)。シルト質堆積物に比べて、砂質堆積物は2桁以上高い浸透
率を持つことが明らかになった。ハイドレートが砂質堆積物に多く観察されたことをふまえる
と、浸透率の違いがハイドレードの発達過程に大きく関係していると考えられる。
Meeting では、Co-chief をはじめ多くの研究者から、堆積物の浸透率を評価した研究を高く
評価していただいた。その理由としては、今までにこの Cascade 付加体における浸透率の結果
がほとんどなかったことと共に、Expedition311 では日程と費用の問題から実現できなかった、
CORK による浸透率のその場観測実験がハイドレードの発達過程を評価する上では不可欠である
ことを、次の航海のプロポーザルにおいて強調したいということがあげられる。
今後は、2次元の流体移動を評価するために、地層に平行な方向にくり抜いたコアを用いて
追加実験を行い、IODP の規定に基づいて、2008年夏までに論文にまとめる予定である。
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