【タイ】 バンコックにおける北海道の知名度とイメージ

バンコックにおける北海道の知名度とイメージ
北海道海外貿易協力員 菊池 隆志
1)"北海道"の認知度、連想するもの
タイにて、当社社員他無差別に”北海道”を知っているか又は連想するものは?との問いか
けを何度か行ってみた。
残念ながら現状での認知度は未だかなり低い。知っている人の連想は”寒い、雪、ラベンダー、
スキー”であった。
ただし、HOKKAIDO ブランド商品は徐々に進出しており、工夫次第ではその知名度は年々
上がっていくであろう。
2)日本の認知度
一方、タイ人の日本に関する知識は豊富であり、かつその親日度は高く世界でも相当上位に
位置するであろう。
テレビアニメでは日本モノが大半(ドラえもん、一休さん、セーラー・ムーン、スラム・ダンクなど)
又最近では月曜日から金曜まで例の有名なNHKドラマ”おしん”がタイで再放送されている。
以前の放送で余りにも反響が強かったためだ。タイ人に感想を聞いたところ”毎日見ては泣い
ている、おしんは本当に可哀想だ、自分の田舎でも同じ境遇だ”。などなど特に年配者には絶
大な人気番組である。
日本への関心はやはり食べ物であろう。
バンコック市内には世界中のレストランがひしめいているが、中でも近年”日本食レストラン"
が大きな存在感を示している。”ZEN,FUJI,YAYOI,OISHI”など日本食レストラン・チェーン店
がデパート、商業ビル、街角にでも多く見られる。又お菓子類が特に興味深い。“おいし”、
“DOZO”など日本語ブランドが多く出回っている。平仮名、カタカナ表示で間違った日本語が
多く印刷されており、時には吹き出してしまう。
(例:スナック菓子;ジャパニIズ・オリツ”ナル、
”おたご?”など)。
日本語への関心も年々高くなっており、日本語学校も繁盛していると聞いている。
先日、我が家近くで”Ⅰ LOVE 日本”とプリントされた T-シャツを着ている女性が数名屋台で
食事をしていた。ついうれしくなって記念写真を撮り(無論断って)、そのプリントの意味を知っ
ているか聞いてみたが漢字(”日本”)は分からないとの意外な答え。
以前、当社社員から質問あり。”この帽子を昨日買ったんですが、なんて書いてありますか?
日本語が格好よいので買ったんです”とうれしそうに聞いてきた。読んでみて絶句。帽子の前
面に大きく”ぼうし”と平がなで書いてあった。どうやら、日本語そのものが流行であり、意味ま
では良く理解されていない状態なのであろう。
3)デパート等における道産品の状況
(8月26日から9月5日)
現在バンコック伊勢丹デパートが”北海道物産展を開催中。
28日土曜日当社社員数名を引き連れて”市場調査”に行って来た。
伊勢丹では九州フェア、東北フェアなど年間数回は、日本各地の物産展が開催されておりそ
の認知度もかなり高い。客層は在タイ日本人のみならず、最近ではタイ人客のほうが多い状
況。水産品(鮭、ほっけ、かに、いくら)、お菓子(スナック、ケーキ類、チョコレート)、果物(メロ
ン、りんご)など。試食後、当社社員に人気の順番を決めてもらった結果、いかめし、ほたて、
みそ・らーめんの順番であった。いかめし販売コーナーでは北海道から出張で来られていた。
”元気なおばちゃん”が大変愛想も良く、人気の秘密はそのせいでもあろう。
(8月24日から9月7日)
バンコック、サイアム・パラゴン・デパートが“NIPPON-ICHI(市)”を開催中。
食料品フロアの一角に、日本食品専門コーナーがオープン。たこやき、九州ラーメン、すし、さ
つまいも、海産珍味など多数展示販売。ここではたこ焼きが圧倒的な人気で、多くのタイ人が
列を作り15分以上並んで買い求めていた。たこ焼きの値段は10個で150バーツ(約280
円)。
このコーナーのすぐ近場で、”HOKKAIDO・MILK”および”HOKKAIDO・SOFT CREAM”名
の常設販売店があった。いずれも北海道直輸入の乳製品。ミルク店は高級な感じの店構え
で、かなりの人気で売れていた。”HOKKAIDO”から“北海道”を連想するまでには未だ時間
がかかると思う。しかし、ここタイでは”日本人気”の中で着実に”HOKKAIDO・ブランド”が浸
透しつつあると実感した次第。
HOKKAIDO-MILK(ミルク販売)
(バンコック、サイアム・パラゴン・デパート)
HOKKAIDOーSOFT(ソフト・クリーム販売)
(バンコック、サイアム・パラゴン・デパート)
“「NIPPON-ICHI(市)」
(バンコック、サイアム・パラゴン・デパート)