雪下出麦

と しと くじ ん
そもそも、お正月とは「歳徳神」
「お正月さま」といった神さまを
お迎えするお祭りのこと。北国で
は大地を覆う雪の下で、じつは麦
が芽を出さんとしているのです。
たしな
と
そ
元旦に嗜む「お 蘇」は、これか
らはじまる一年の邪気を祓うため
に飲む薬酒なのです。
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January
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一月一日
お正月にみんなが集まれば
味わい深い肉みそで
晴れやかにおもてなし。
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雪下出麦
雪 下 出 麦 ︻ 月 ∼ 日︼
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冬至
冬至
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冬至
一月五日
一月四日
一月三日
一月二日
一月一日
冬至
伝説の講師
(きどさき・あい)
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(たつみ・はまこ)
(やなぎはら・としお)
(たつみ・よしこ)
「きょうの料理」誕生50年記念番組で
「雑煮は を主体にしたあつもので
くわいは芽が出ることから「めでた
出演歴42年の城戸崎さんから提案さ
ある」と始まり、4 つの条件、 の
い」
、また子いもがたくさんできる
「あつもの」
(熱いもの)と呼ばれる、
の基本ソース」
( 4 日間)に登場した、
れた
「未来への一品」
。その心は家族
形、だしの取り方、汁の仕立て方、
ことから「子孫繁栄」の象徴として、
日本のすぐれた具だくさんの熱い汁
デミグラスソースなどフランス料理
が減っても時には老若男女一緒に食
具の種類によって各地各家庭で独特
かつては正月料理にかかせないもの
の代表的料理です。
のソースのもととなるだし汁。番組
卓を囲んでほしい 心の味 集いの
の雑煮がつくられる等々。番組きっ
でした。
冬至の終わりのこの時期、まだまだ
としては異例の「でき上がり1ℓ3 0
味 。シンプルに蒸すだけの野菜と
ての博識者柳原さんによる食文化の
寒い北陸地方で、凍えた体を温めて
人分」となっています。
メインのソースは肉みそ。
うんちくも魅力でした。
主な材料 北陸・金沢の冬の郷土食です。
(おの・まさきち)
本物志向の一環「特集フランス料理
主な材料 主な材料
主な材料
子牛のすね肉、すねの骨、たまねぎ、
のし (角形)
、かまぼこ、車えび、
レシピ
鴨むね肉、すだれ麩、干ししいたけ、
にんじん、セロリ、リーク、トマト
がいも、卵、にんじん、ブロッコリ
鶏ささ身、ほうれんそう
くわいはおろしがねでおろし、卵黄
青菜
を加えてほぐす。くわいの水けと卵
レシピ
のゆるみがまとまる程度に小麦粉を
レシピ
子牛の骨をオーブンで茶褐色になる
車えびは頭をつけたまま背わたを抜
ふるいながら加えて塩を少量加える。
だしに煮切り酒、煮切りみりんとし
まで焼き、トマト以外の野菜と肉と
レシピ
いてゆで、尾 1 節を残して殻をむく。
油を熱して、くわいをさじですくい
ょうゆを加えて、鴨肉に小麦粉(砂
炒める。オーブンで野菜にも焼き色
蒸気の上がった蒸し器に火の通りに
ささ身はそぎ切りにして霜ふりする。
ながら油に落とし、中まで火が通る
糖を少し加えたもの)をはたき込み、
をつけてからブーケガルニ、にんに
くいものから時間差をつけて入れて
だしは塩、薄口しょうゆで味を調え、
ように黄金色のだんごに揚げる。
少量ずつ煮て保温する。別鍋ですだ
く、パセリ、粒こしょう、岩塩、ト
蒸す。
ささ身を入れてひと煮立ちさせる。
塩や天つゆで食べてもよいし、貝柱
れ麩、しいたけも同様にする。青菜
マトを混ぜ、ブイヨンか水を加え、
みじん切りのたまねぎとひき肉をご
椀に焼いた 、ゆでたほうれんそう、
やのりを混ぜたり、精進向きならぎ
は煮汁にくぐらせ、鴨肉、すだれ麩、
アクをとりながら 2 ∼ 3 時間コトコ
ま油でよく炒め、砂糖、赤みそ、ト
かまぼこ、ささ身、えびを盛り、の
んなん、ゆり根を混ぜて揚げるのも
しいたけとともに器に盛り、鴨肉の
ト煮る。水を足しながら常に同量を
成のため日本のフランス料理
マトケチャップ、しょうゆ、水を加
りと柚子をそえ、静かに清汁を張る。
よい。
煮汁を温めて注ぎ入れる。柚子とわ
保ち、かきまぜないこと。シノワで
シェフの会である「日本エス
えて、とろりとなるまで煮詰める。
●
さびを添える。
濾してでき上がり。
コフィエ協会」に遺産が寄付
(肉みそ)
●
平成19年放送
●
昭和44年放送
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ホテルオークラ総料理長を務
レシピ
昭和42年放送
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主な材料
大根、れんこん、さつまいも、じゃ
ねぎ、赤みそ
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くれるありがたい一品です。
くわい、卵黄
ー、カリフラワー、豚ひき肉、たま
雪 下 出 麦 ︻ 月 ∼ 日︼
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芸術と謳われたソースを
作り出す〝世界の小野〟の
﹁無愛想﹂と﹁優しさ﹂
雪 下 出 麦 ︻ 月 ∼ 日︼
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●
平成13年放送
●
昭和55年放送
め、
本家・フランスからも数々
の勲章を受けた
「世界の小野」
。
とっつきにくい印象で無愛想
な皮肉屋ではあったが、それ
はシャイの裏返しだったとい
う。遺言によって、後進の育
された。無愛想な世界的権威
が見せた、意外な優しい懐の
深さだった。
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