平成 28 年 5 ⽉ 31 ⽇ ⽇本図書館情報学会研究委員会 研究発表の審査・形態に係るアンケート結果のまとめ 研究発表の審査・形態について、今後の検討に資するため、平成 28 年度春季研究集会(5 ⽉ 28 ⽇)の参加者を対象として、アンケートを実施した。結果の概要は次のとおり。 1 回答者:37 名※(⼤会参加者 113 名、回収率 38%) ※⼀部の設問に対する回答が無いものも⼀律含む 2 結果 (1)審査⼿続きの⾒直しの⽅向性について 研究委員会において内容査読の上、採否を決定する変更もありえるが、懸念点はあるか 尋ねたところ、懸念点が「ない」とした回答者は 25 名、 「ある」とした回答者は 10 名とな った。「ある」とした回答で指摘された主な点をまとめると次のとおり。 懸念点 (参考)指摘数 発表機会の減少 5 査読の体制・基準 4 情報公開(採択率、査読基準) 2 発表指導・教育機会の提供 2 〆切の早期化 2 その他(例に挙げたもの全て) 1 なお、懸念点が「ない」としたもののうち、査読は設けるべきとの意⾒が数件⾒られた。 (2)ポスター発表枠への応募意思と発表経験の関係 ポスター発表枠が⼝頭発表枠と別に設けられた場合に応募する可能性があるか確認する とともに、ポスター発表の経験を尋ねた。結果、発表経験ありの⽅が応募の可能性があり、 発表経験なしの⽅が応募意思「なし」⼜は「不明」とする傾向が⾒られる。 ポスター発表枠への応募可能性 区分 ポスター発表経験 あり あり※ なし なし 不明 11 2 1 3 6 12 ※発表経験ありだが応募可能性の設問には無回答のもの(1 名のみ)は除外 (3)ポスター発表導⼊時の懸念点 ポスター発表を仮に導⼊する場合、懸念点はあるか尋ねたところ、懸念点が「ない」と した回答者は 22 名、「ある」とした回答者は 13 名となった。「ある」とした回答で指摘さ れた懸念点は次のとおり。 懸念点 ・発表⽇は1⽇のみにしてほしいです。2⽇とも発表は⼤変です。 ・発表の時間および査読の有無に関しては、ポスターと本発表の違いが出てくるのでその 対応をどうするかが気になります。 ・可能であれば「構造式抄録」を申込時に書いてもらい、それに基づく査読が望ましい(研 究⽅法などを発表者にきちんと意識してもらうため) ・⼝頭発表と同様に、「(最)優秀ポスター」の表彰も⾏なうのか。 ・ポスター発表の場合の研究上の評価 ・ポスター発表のノウハウ、意義などの情報はどこからかアクセスできるとうれしい。 ・ ポスターだと予稿がないので*備考欄 後からその研究がどんなものだったか他⼈が ⾒てわかり⾟い。(わかりやすく作れる⼈もいるがそうでない⼈もいるので。)引⽤も できない。 ・特に春季はポスター枠を別に設けるほど発表⼈数がいない。 ・運営側の負担は増える。 ・プログラムや会場によってみてもらえないこともある。⼯夫をお願いしたい。⾃然科学 で⾏なわれているようなライトニングトークとくみあわせた発表もよい。 ・多くの⼈に聞いてもらえなくなる。⼝頭発表はそれまであまり関⼼のなかった⼈にも⾃ 分の研究内容を知ってもらう機会になっていたと思うので。 ・例のすべて(本学会の発表における?頭発表とポスター発表の位置付け、発表時間の枠、 査読の有無、発表記録の形式、発表論?集への掲載の有無等) ・講演者が(近い分野がまとまることが多いので)、聴講したい講演を⾏けない事が増え てしまいます。(これは受け⼊れる必要がありますが) ・コンスタントにポスターが⾒込めるかどうか。 ・参加者に「発表」として説明できる時間の確保、かつそれが⼀定の数の⼈にきちんとき いてもらえるのかどうか。でも試してみることには賛成です。 ・⼝頭発表とポスター発表の位置づけ ・会場校に負担をさらにかけることになるので実施においては効率的な運営形態を⼯夫し て欲しい。 備考:研究委員会ではポスター発表においても⼝頭発表と同様、発表論⽂の発表論⽂集への掲載を想定 懸念点が「ある」とした回答のうち、ポスター発表導⼊に賛成の意⾒も次のとおり複数 あった。 好意的意⾒ ・申請後、⼝頭・ポスター発表形態の区分を研究委員会にて決定する⽅法は賛成。 ・ポスターは直接の質問や情報交換ができ、⼝頭発表の⼊⾨編としても歓迎。 ・議論はオーラルよりたくさんできるのはメリットです。 3 まとめ ・ 回答者に偏りがある可能性があるが、査読を求める声は多々ある。 ・ ポスター発表の経験がある会員は⼀定程度おり、応募の可能性が⾒込める。 ・ ポスター発表の導⼊に当たっては、賛成の声もあるものの、審査基準や運営に係る 懸念が⾒られる。 ・ 従って、ポスター発表については、本格導⼊の前に、試⾏を⾏い、課題等の整理が 必要と思われる。あわせて、審査⼿続きの⾒直しも必要となるだろう。
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