公開講座のプログラム

(社)日本薬理学会市民公開講座
生活習慣病とくすり
日 時/ 平成13年11月17日(土)
午後1時20分~3時50分
会 場/ 大阪市立大学医学部医学情報センター
あべのメディックス 6階ホール
主 催
(社)日本薬理学会
後 援
大阪市、(社)大阪府医師会
ご挨拶
(社)日本薬理学会広報委員会
委員長 橋本敬太郎
この度の市民公開講座の開催に当たり、日本薬理学会の広報活動を担当している者としてご挨
拶させていただきます。日本薬理学会は日本全国の薬に関する医学や薬学の研究者を中心に組
織され、薬の開発、体内での作用のメカニズムや病気への応用の研究、さらに医療関係の学生へ
の教育を充実するお手伝いをして参りました。この度、大阪市立大学の岩尾洋教授が、主に中部、
関西、山陽、四国地域の薬理学者の研究発表の場である近畿部会を開催されるにあたり、会員
以外の一般市民の方々に薬の正しい知識を普及すべく、大阪薬科大学の玄番宗一教授と市民公
開講座を計画されました。大阪近郊の皆様は、市民教育、啓蒙にも努力される大学も多く、薬に対
する理解は高いと考えられますが、地元に在り、国内外で活躍されている宮﨑先生、藤井先生に
御講演を賜り、21世紀の医療として、患者さんの理解や協力がないと効果が出ないために注目さ
れている生活習慣病に関して、最新の薬に対する情報を得る良いチャンスを作っていただきまし
た。患者さんやその患者さんを支える方々が薬に対する正しい知識を得ることは、薬の持つ利点
を最大限に活用し、副作用なく健康を維持するには重要なことだと思っています。こういった啓蒙
活動は我々薬理学会の21世紀における重要な使命の一つであり、皆様方からの御要望や御意見
もお寄せ頂けたら幸いです。
生活習慣病とくすり
1時20分~1時30分 開会挨拶
橋本敬太郎 (日本薬理学会広報委員長
山梨医科大学・教授)
1時30分~2時30分 司会 岡村富夫 (滋賀医科大学・教授)
「これからの高血圧のくすり」
宮﨑 瑞夫 (大阪医科大学・教授)
2時30分~2時40分 休 憩
2時40分~3時40分 司会 安部陽一 (香川医科大学・教授)
「これからの糖尿病治療戦略とくすり」
藤井 曉(大阪市立総合医療センター・病院長) 3時40分~3時50分 閉会挨拶
玄番宗一 (日本薬理学会広報委員、
大阪薬科大学・教授)
協力企業 扶桑薬品工業(株) 丸石製薬(株)
(レポート用紙 大日本製薬(株) 日本ベーリンガーインゲルハイム(株)
・ボールペン提供)
講演者の紹介
みや ざき みづ を
宮 﨑 瑞 夫
1940年2月29日生まれ
大阪医科大学 教授
ふじ い さとる
藤 井 曉
1938年11月22日生まれ
大阪市立総合医療センター 病院長
講演要旨
講演要旨
高血圧の治療薬が普及するのは戦後もしばらく経
ってのことです。その頃には、高血圧をほっておく
と死亡率がたかまることが広く理解されるようになっ
てきました。 今は、どの先生も血圧には敏感です。患者さんの
ほうもきわめて敏感になってきました。お薬の種類も
多く出回っています。さて、どれが良いのでしょう。こ
の薬に代えたら血圧がよく下がったから私にとって
良い薬だと思っていたのですが、どうも最近そうでも
ないことが解ってきました。それは、血圧を下げただ
けでは、必ずしも長生きに直結しないのでは、という
ような疑いが、これまでの降圧薬の使用経験の結
果を整理したことで解ってきたのです。だから、医者
は信用できないのだと怒らないでください。先生も血
圧を下げることこそ大事と習ってきたのです。 最近になって、より長生き出来そうな理屈が少しず
つ見えてきました。それでは、どんな薬がこれから
頼りになるのでしょう。うまくお伝えできればと思って
います。 近年食生活の欧米化とともに機械化文明の発達
に伴う運動不足は糖尿病の増加に一層の拍車が
かかり、わが国の糖尿病人口は690万人、予備軍
をあわせると1370万人とも推定されている。
糖尿病は膵臓から分泌されるインスリンの働き
が不十分なため糖質を中心とした代謝異常が起こ
り高血糖を来たす疾患であるが、一方で代謝障害
の持続は血管や神経などに種々の合併症を引き
起こしそれがQOLの低下につながる。 糖尿病戦略としては何といっても血糖をコントロー
ルすることにあり食事療法と運動療法が基本とな
る。しかしこれらで血糖調節が困難な場合には経
口血糖降下剤やインスリン製剤が使われるが、最
近では新しい製剤が次々に開発され病期・症状に
合わせたきめこまかい処方が可能となった。また、
合併症治療薬の開発も進み広く臨床応用されてい
る。 今後は治療のみならず発症をいかに予防できる
かが課題であり、生活習慣の是正とともに発症予
防のための投薬も試みられている。 学 歴
学 歴
1965年 3月 徳島大学医学部卒業
1970年 9月 大阪市立大学大学院
医学研究科博士課程修了
1964年 3月 大阪市立大学医学部卒業
1969年3月 大阪市立大学大学院医学研究科修了
資 格
1966年 5月 医師免許証交付
1970年 9月 医学博士(大阪市立大学)
職 歴
1970年 9月 Emory大学医学部Research Associate
1972年10月 大阪市立大学医学部 助手
1974年 4月 大阪市立大学医学部 講師
1976年 4月 滋賀医科大学 助教授
1987年 4月 大阪医科大学 教授
主要著書
「レニンーアンジオテンシン系と高血圧」
(先端医学社)
「高血圧を識る」(文光堂)
資 格
1965年 4月 医師免許証交付
1969年3月 医学博士(大阪市立大学)
職 歴
1969年 4月 大阪市立大学医学部第二内科 助手
1975年 4月 大阪市立大学医学部 講師
1993年 12月 大阪市立総合医療センター 副院長
1994年 4月 (大阪市立大学医学部客員教授)
1995年12月 大阪市環境保健局長
1999年 4月 大阪市立総合医療センター 病院長
主要著書
「糖尿病診療のポイント」 (金芳堂)
「糖尿病運動療法の実際」(金芳堂)
(社)日本薬理学会主催
近畿部会ーこれまでの市民公開講座
平成11年度 1999年11月5日 京都パークホテル
「くすりの作用と副作用」 (参加者約240名)
1.『くすり』はどのようにしてつくられるのか 池本文彦(萬有製薬(株)取締役)
2.なぜ『くすり』は効くのか副作用を起こすのか? 遠藤 仁(杏林大学医学部教授)
3.なぜ『くすり』の効き方がヒトにより違うのか? 東 純一(大阪大学大学院教授)
平成12年度
2000年10月27日 長良川国際会議場
「くすりの作用と副作用」 (参加者約200名)
1.薬草・生薬はなぜ効くのか 田中俊弘(岐阜薬科大学教授)
2.和漢薬と癌ー漢方薬は癌の転移を抑えられるか? 済木育夫
(富山医科薬科大学教授)
〒113-0032 東京都文京区弥生2-4-16 学会センタービル内
社団法人 日本薬理学会広報委員会
TEL 03-3814-4828
FAX 03-3814-4809