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欧州同盟(European Union)における 寿命末期車(End-of

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NMCニュース
新技術・新素材
欧州同盟(European Union)における
寿命末期車(End-of-Life Vehicle)の
リサイクルと日本の自動車リサイクル法
21
ニューマテリアルセンター顧問
村上 陽太郎
1.はじめに
自動車の世界生産は過去 20 年間年々増加し、2000 年度の生産台
数は 5,800 万台に達している。E.U. においては 2002 年に 1,700 万台
が製造され、現在、約 1 億 8,000 万台が走っている。このため自動
車工業は還境インパクトに関連した多くの難問に直面している。エ
ネルギーと資源の消費、廃棄物の発生、危険物質の排出、寿命末期
車(ELV)の処理等が生産者と使用者の大きい負担になっている。
このような状況は日本においても全く同様で、2002 年 7 月には自
動車リサイクル法が公布されている。
2.E.U. における ELV の廃棄処理
自動車
用材料は
炭素銅
接着剤/ペイント 3.0%、ガラス 2.9%
18%
其の他
その軽量
繊維 0.9%、液体 0.9%、雑品 2%
9.7%
化のため
鋼板
プラスチックス
にアルミ
41%
9.3%
平均的な車に使用されるプラスチックス
ニウムや
亜鉛
アルミ
計器盤(例PP、ABS)14.2%、
銅
8%
座席(例PUR、PP、PVC)12.3%、
高分子の
マグネ
鋳鉄
バンパー(例PP)9.5%、
鉛
ゴム 6.4%
室内装飾品(例PVC、PUR)8%、
利用が増
2%
5.6%
内装(例PP、ABS)19%
その他部品 37%
えている。
図1 EU生産車の使用材料(1998)
100kg の軽
量化は 0.7L/100km の燃料を軽減し、排気量を減少させる。図 1 に
1998 年生産の E.U. 車の平均的な材料の割合を示す。アルミニウム
の利用は 8%に増加している。図には使用されている 9.3%プラス
チックスと 9.7%の其他の材料の種類と割合をも示す。自動車の寿
命は 12 ∼ 15 年と考えられるので、図 1 に示した材料は次の 10 年
でリサイクルされるだろう。又現在リサイクルされている車は 1980
∼ 90 年代に生産されたものである。車のリサイクルのメーカーか
らシュレッダー残滓(automobile shredder residue, ASR)までの
全体像を図 2 に示す。車のユーザーは ELV 連鎖の出発点である。登
録抹消車は中古車デーラーに渡る。(一部は後進国に輸出される)解
体業者を経てシュレッダー業者に行く。解体業者はエンジン、電池、
油及びエアバッグ等の価値の高いパーツを取得する。残りはハルク
(hulk)と呼ばれ、シュレッデングされ、鉄と非鉄金属に選別、回
収される。その残りが ASR で、ELV 重量の 20 ∼ 25%に当る。ASR
は埋立処理(landfilling)されるか、焼却、熱分解等の処理が行わ
シュレッデ
ング業者
ユーザー
プレス
中古車デ
ーラー等
約200万トン/年の自動車シュレッ
ダーの残滓が埋立てに廃棄される
(ヨーロッパに対する推定値)
残滓
寿命末期車
登録抹消車
3.ELV リサイクル処理の将来対策
E.U. における ELV のリサイクル処理に対して、1999 年末に加盟
の 10ヶ国は ELV の還境へのインパクトを軽減する方策を立案した。
ELV の廃棄物の低減、再利用、リサイクルを増進させ、ASR を減
少することを目指している。図 3 は E.U. 指令による ELV チェーン
における関係者の役割を概念図的に示したものである。製造業者、
車の生産者、ユーザー、収集、解体業者がかかわっている。図中に
示すように、生産業者は 4 つの目標;低エネルギー消費、解体容易、
リサイクル適合、毒性の少ない金属の使用をみたすことが求められ
る。解体業者は正式の認可が必要で、再使用可能な部品の取りはず
し、液体の抜取り、電池のような有害物の除去等を行ない、hulk の
シュレデングを容易にし、ASR の発生量を減少させる。シュレデ
ングの段階で選別された金属は回収再利用される。可燃物は別途に
処理され、ASR は廃棄物規制にかけた後、埋立(< 5%)に行く。
世界経済が増大する中で、還境インパクト軽減のための EU 指令
の目標は自動車生産の重要な問題点になっている。このような自動
車のリサイクル規制へのアプローチは、E.U. と同様な問題をかか
える日本でも同様である。表 1 に日本の自動車リサイクル法と E.U.
の ELV 指令の要約を比較して示す。選択されている事項、即ちス
ケジュール、生産者の義務、コストの負担の内容はほぼ同様である。
車の生産者は廃棄物の抑制、ELV の収集・解体、基盤施設のシス
テムに重要な役割を果たすことが求められている。
5 4
線
20∼30%
7
選別
ガラス
紙2
木材 3
エンジン、
タイヤ、
トランスミッシオン、
電池、
鉄、非鉄金属
触媒、油、燃料、CFC、HFC、エアバッグ等
図2 寿命末期車の廃棄処理ルート
鉄
8
ゴム
7
ユーザー
供給業者
埋立へ
(<5%)
その他の利用
その他の利用
登録抹消
リサイクルされる金属
・アルミニウム
・その他の非鉄金属
・鉄鋼
・高分子
寿命末期車
収集業者
(要認可)
可燃物
廃棄物規制
嵩ば
る物
解体業者
(要認可)
スペヤ・
パーツ
セメント・
プラント
シュレッダー
リサイクル用に
解体したパーツ
液体
電池
無公害化
と処理
特殊工業用
廃棄物
破壊
リサイクル向き材料
図3 EU指令による寿命末期車のリサイクル処理の主なステップ
表1 日本のリサイクル法とEUにおけるELV指令
日本(自動車リサイクル法)
EU(ELV指令)
ス ケ ジ ュ ー ル
2002年7月公布、2005年1月迄に効 2000年10月より効力発生、2002年
力発生
に、EU加盟国で立法制定。
車
4輪乗用車及び商用車(ミニカーから 座席が9又はそれ以下の乗用車及び3.5
大型トラック、バス総べてを含む)
トン或いはそれ以下の総重量の商用車
の
範
囲
フッ化炭化水素及びエアバッグの回収 ELV回収及びリサイクル・ネットワー
と廃棄。シュレッデング屑の回収とリ クの確立:新規登録車には2002年7
サイクル。ユーザー料金の設定と刊行。 月1日より。2007年1月1日より総べ
自動車製造の義務
てのELVの危険物(鉛、銀、水銀、カ
ドミユウム、6価クロム)の使用禁止。
2003年7月1日から、総べての新規車
に適用、リサイクル率95%又はそれ以
上。
ス
環境及びリサイクルを考慮した車のモ コストの総べて或いは大部分は車の製
デルの設計と製作。
造者によって提供される。
ト ユーザーによる供託(基金管理会社に
よる管理)新車:販売時に供託、古車:
車検時に供託。
樹脂
33
不燃物
可燃物
織物
15
車両保証:
・低エネルギー消費
・解体容易
・リサイクル適合
・毒性の少ない金属
生産業者
コ
非鉄金属
8-9百万台/年
(ヨーロッパ)
中古車輸出
れる。解体部品や ASR 組成其他が図 2 に示されている。埋立費は
国によって異なり、ドイツ(60 ∼ 170 ドル/トン)では英国(30
∼ 35)の 2 倍も高くつく。日本でも 135 ∼ 160 ドル/トンで、高い。
ASR の減少と埋立による環境対策が重視されている。
シュレッダー残滓の組成(重量%)
50∼55%
部品解体
車両
ユーザー
自動車メーカー
解体業者
デーラー
第7号(7)
ウレタン
フォウム 16 参考文献:下記より多くを参考にした。深謝する。
N.Kanari, J-L.Pineau, and S.Shallari : End-of-Life Vehicle Recycling in the
European Union, JOM, Vol.55(2003),No.8, pp.15 ∼ 19.
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