Press Release |プレスリリース 2013 年 1 月 7 日 財団法人 Karuizawa New Art Museum 東京藝術大学デザイン科出身 ― ― 2013 年 2 月 8 日(金)~2013 年 3 月 31 日(日) 東京藝術大学美術学部工芸科は 1975 年に工芸科とデザイン科に分かれ、大藪雅孝はデザイン 科の主任教授として半世紀にわたり、画家活動と同時に後進の育成に邁進した。大藪の指導を受 けた学生は数百名におよび、現在も国内外のさまざまなジャンルで幅広く活躍している。 戦後の混乱が終息へ向かい、前衛美術運動が盛んだった 1960 年代には、真摯に新しい美術を 模索した熱い芸術家たちが各地に気炎をあげていた。関西の具体美術協会に所属していたアーテ ィストたちはその好例であるが、関東でも伝統的な日本のデザインの価値を見直し、世界的視野 でその復権を目指そうとした人々がいた。それが、大藪雅孝を中心とする東京藝術大学デザイン 科出身のアーティストたちである。 特に、東京藝術大学受験前から多摩川学園の大藪宅に通いつめ切磋琢磨していたのが、有元利 夫、澁澤卿、宮廽正明ら当時 20 歳前後の若者たちであった。有元、澁澤、宮廽は順に 2,3 歳 の年の差のほぼ同年代であるが、最年長の有元は 1985 年に 38 歳の若さで亡くなり、 澁澤も 2012 年 4 月に惜しくも鬼籍に入った。宮廽は現在、東京藝術大学社会連携センター長および日本美 術院理事の職責を負いながら国際的アーティストとして活躍中である。 この度 Karuizawa New Art Museum では、大藪雅孝のデザイン思想をそのルーツから照射し、 現代的意義をあきらかにするため、この有能な継承者 3 人を含めた 4 人の展覧会を開催する。 それぞれの個性を際立たせた 4 つの個展(展示室)は、軽井沢の地で美しい協和音を響かせる ことだろう。 主な出品作品 ① 宮廽正明 《Eternal Moment》2011 年 紙本絹本着色 130.3×162.1cm ② 澁澤卿 《久遠春光》1998 年 カンバス・ミクストメディア 97.0×162.2cm 身延山久遠寺蔵 ③ 有元利夫 《わたしにとっての ピエロ・デラ・フランチェスカ》 1973 年 アクリル・油彩・カンバス 53.0×65.2cm ※10 点連作 東京藝術大学大学美術館蔵 ④ 大藪雅孝 《流水光雲阿弥陀来迎圖》2012 年 カンバス・ミクストメディア 91.0×72.8cm 作家略歴 ◇宮廽正明 / Masaaki MIYASAKO(1951- ) 島根県生まれ。1975 年東京藝術大学美術学部デザイン科入学、大藪雅孝に師事、先輩の有 元利夫に影響を受ける。79 年同大卒、同年同大大学院美術研究科保存修復技術日本画に入 学し、裏彩色などの古典絵画の技法を習得。81 年同大を修了するとともに研究室の助手と なり、平山郁夫に師事。代表作に《水花火》 《協奏曲》など。裏彩色という古典技法を現代 によみがえらせ、和紙の表から以上に裏からも描き加えて、味わい深い画面を醸成するこ とに成功している。83 年より日本美術院展覧会で受賞を重ねる傍ら、96 年には黒部峡谷セ レネ美術館で個展「大地とともに」 、98 年今井美術館にて個展「刻の旋律」 、2000 年松江の 田部美術館にて個展「羅針盤」を開催。05 年には森鷗外訳オペラ「オルフエウス」 (東京藝 術大学奏楽堂)の舞台美術を担当するなど、活躍の幅を広げている。パブリックコレクシ ョンは足立美術館、今井美術館、セレネ美術館、成川美術館など。 ◇澁澤卿 / Kei SHIBUSAWA(1949-2012) 京都府生まれ。本名義丸。1967 年東京藝術大学美術学部工芸科デザイン専攻卒業。在学中、 大藪雅孝に師事。74 年初の個展開催を機に、雅号を卿とする。77 年出家得度して日蓮宗僧 侶となり、制作を中断して身延山久遠寺、鎌倉寺院にて修行に専念、名を瑩俊に改名。芸 術における宗教性を重視し、日本各地の寺社に取材した具象的な風景画を得意とした。90 年、東亜大学デザイン学部教授就任。99 年、浄土宗大本山増上寺会館大広間格天井絵を制 作。全国百貨店を中心に数多くの個展を開催したほか、98 年には近江商人博物館にて「― 近江・四季の移ろい―澁澤卿展」 、2002 年には上海美術館にて「日中国交正常化 30 周年記 念―日本画家 澁澤卿画展」開催。07 年、中国対外友好協会内友誼館(北京)での「日中 国交正常化 35 周年記念―日本画家 澁澤卿個展」を機に、中国政府より平和発展貢献賞を 授与される。代表作に、 《久遠春光》 (1998 年身延山久遠寺奉納)など。パブリックコレク ションとして、上海美術館に《浄界盛麗》が収蔵されている。 ◇有元利夫 / Toshio ARIMOTO(1946-1985) 疎開先の岡山県で生まれ、翌年戦前から実家のあった谷中に戻る。73 年東京藝術大学デザ イン科卒業。卒業制作《私にとってのピエロ・デラ・フランチェスカ》は、同大買上げ。 卒業後、電通に入社しデザイナーとして勤めるが、76 年同社を退職し、画業一筋の生活が 始まる。78 年《花降る日》により安井賞特別賞受賞。在学中のヨーロッパ旅行で実見した フレスコ画やポンペイの壁画などに大きな影響を受けた一方、日本の仏画をはじめとする 日本古来の絵画と西欧の古代絵画に共通点を見出し、悠久の時空間を漂うような神秘的な 人物像を多く描いた。85 年、肝臓癌により 38 歳の若さで他界。主な展覧会に、「有元利夫 展―空の調べを歌った画家―」 (87 年、西宮市大谷記念美術館ほか) 、 「有元利夫展―花降る 時の彼方に―」 (2001 年、宇都宮美術館ほか)、 「没後 25 年 有元利夫展―天空の音楽」 (10 年、東京都庭園美術館ほか)など。パブリックコレクションとして、 《室内楽》(1981 年、 安井賞受賞)が東京国立近代美術館に、その他多数の作品が小川美術館に収蔵されている。 ◇大藪雅孝 /Masataka OYABU(1937- ) 京城府(現ソウル特別市)生まれ。5 歳のとき郷里の香川県善通寺に戻り、高校時代は丸亀 で暮らしたあと、1956 年上京して東京藝術大学美術学部工芸科図案計画専攻に入学。60 年 同大卒業。日本文化の伝統に根ざす「生活の用に供するアート=工芸」換言すれば「生活 の中のデザイン」の復権をめざす。 「工芸」こそ西洋モダニズムが純粋美術の名のもとに絵 画をそこから切り離そうとした西洋美術の「母胎」でもあるとし、独自に開発したミクス トメディアを駆使して、そこに立ち返ることにより新しい現代アートを可能にした。代表 作に《肥後菊三間花壇》 (2010 年) 《蓮華蔵界大光明》 (2011 年)など。94 年小川美術館に て「大藪雅孝展 山水鳥話」開催、98 年より「大藪雅孝展 浸透するまなざし」が上野の森 美術館、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館などを巡回、2012 年より「画業 50 周年―気韻生動 ―大藪雅孝展」が香川県立ミュージアム、軽井沢ニューアートミュージアムを巡回。 開催情報 ◇展覧会名 東京藝術大学デザイン科出身 4 つの個展―宮廽正明・澁澤卿・有元利夫・大藪雅孝― ◇会 期 2013 年 2 月 8 日(金)~2013 年 3 月 31 日(日) ◇会 場 Karuizawa New Art Museum 第 1~5 展示室(2 階) 〒389-0102 長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢 1151-5 ◇開館時間 午前 11 時~午後 5 時(入館は 30 分前まで) ◇休 館 日 毎週火曜日・水曜日・木曜日 ※3 月 20 日(水祝)は開館 ◇観 覧 料 一般:1000 円、65 歳以上・高大生:800 円、中小生:500 円 ※20 名以上の団体で来館の場合、上記各入館料の 200 円引き ※未就学児無料。 ◇主 催 Karuizawa New Art Museum ◇後 援 長野県、長野県教育委員会、軽井沢町、信濃毎日新聞社、軽井沢町新聞社、 軽井沢ニュース舎、東京芸術大学社会文化連携センター、KIAC 関連情報 【関連イベント・プログラム】 ◇ワークショップ 3 月 30 日(土) 午後 2 時~2 時半 無料(要展覧会チケット) ※詳細は後日、当館 HP にて発表 ◇キュレーターによるギャラリートーク 3 月 3 日(日) 午後 2 時~2 時半 無料(要展覧会チケット) ※ひな祭りにつき、参加女子には KaNAM オリジナル・ポストカード 1 枚進呈! 【同時開催】 千田泰広 インスタレーション展示「Myrkviðr ミュルクヴィズ ―意識と景色―」 ◇会期:2013 年 2 月 8 日(金)~2013 年 3 月 31 日(日) ◇会場:第 6 展示室 【交通案内】 JR 東日本・しなの鉄道「軽井沢駅」から徒歩 7 分 【プレス画像】 本展広報用として、上記 4 点の作品画像がございます。 掲載ご希望の方は別紙 FAX シートにて、ご希望の作品番号をお知らせください。 【お問い合わせ先】 Karuizawa New Art Museum(軽井沢ニューアートミュージアム) TEL: 0267-46-8691 / FAX: 0267-46-8692 〒389-0102 長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢 1151-5 [email protected] 広報用画像申込書 東京藝術大学デザイン科出身 財団法人 Karuizawa New Art Museum 広報課宛 FAX: 0267-46-8692 / E-mail: [email protected] 本展覧会広報用素材として、作品画像 4 点をご用意しております。 ご希望の際は下記申込用紙に必要事項をご記入の上、ファックス又は E メールにてお申込 みください。なお、写真の使用に際し、以下の点をご注意ください。 ① キャプションは、作家名、作品名、制作年、所蔵先、クレジットを必ず表記ください。 ② 作品のトリミング、文字載せはお控えください。 ※本展記事を紹介頂く場合には、恐れ入りますが情報確認の為の校正、掲載誌(紙) 、DVD、 CD 等をお送りください。 媒体名: 種別: 発売・放送予定日: □テレビ □ラジオ □新聞 □雑誌 □フリーペーパー □ネット媒体 □携帯媒体 □その他( ) 年 月 御社名: ご担当者名: 電話番号: FAX 番号: ご住所: メールアドレス: 日 @ 画像番号: ① 宮廽正明《Eternal Moment》2011 年 紙本絹本着色 130.3×162.1cm ② 澁澤卿《久遠春光》1998 年 カンバス・ミクストメディア 97.0×162.2cm 身延山久遠寺蔵 ③ 有元利夫《わたしにとってのピエロ・デラ・フランチェスカ》1973 年 アクリル・油彩・カンバス 53.0×65.2cm 東京藝術大学大学美術館蔵 ④ 大藪雅孝《流水光雲阿弥陀来迎圖》2012 年 カンバス・ミクストメディア 91.0×72.8cm
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