2015 年月期 第 3 四半期決算説明 グローバルカンファレンス

2015 年 1 月
2015 年月期 第 3 四半期決算説明
グローバルカンファレンスコールサマリー
【説明者】
いちごグループホールディングス株式会社(コード番号 2337 東証 JASDAQ)
代表執行役会長
スコット キャロン
※ 英語で開催された機関投資家向けグローバル・カンファレンスコールの日本語訳(要約版)で
す。当社 HP にて音声配信を掲載しておりますので、是非ご覧ください。
www.ichigo-holdings.co.jp/english/presentation/20150113/IchigoHD_20150113_Global_Conference_Ca
ll_FY2015Q3.mp3
当社の 2015 年 2 月期 第 3 四半期決算説明カンファレンスコールにご参加いただき有難うござい
ます。さっそく決算説明資料の 5 ページ目よりご説明いたします。3 年間にわたって実施する株主価
値最大化を目指す中期経営計画には、3 つの目標があります。まず、1 株あたり当期純利益(EPS)を
3 年間で 5 倍にする。次に 2016 年 2 月期までに東証一部上場をする。一部上場は国外の投資家より国
内の投資家への意味合いが大きいかしれませんが、国内外の投資家にとってポジティブなことだと思
います。最後に来年 2016 年には、「JPX 日経インデックス 400」
(注 1)構成銘柄への組み入れを目
指しています。当社の試算では、2016 年 8 月までに実現できることにほぼ間違いないことを確信して
おります。
では、説明資料の本編、8 ページに参ります。第 3 四半期累計連結業績についてですが、前年同期
比で営業利益は 41%増、経常利益は 27%増と成長しており、売上総利益は不動産賃貸収入増加で 29%
増加しています。昨年 12 月にいちごリートの資産組換えに対するスポンサーサポートを行い、これ
に伴い大きな収益が発生しました。
この収益は第 4 四半期に計上する予定です。
資産の組換えにより、
いちごリートはオフィスやレジデンスなど複数のアセットタイプを扱う総合型リートからオフィス
を中心としたリートとなりました。
表の右端に記載のとおり、
この組換えによる売上高は約 210 億円、
売上総利益は 21 億円です。通期予想における進捗率については、第 3 期で 75%には達していません
が、このいちごリートの資産の組換えによる売上が第 4 四半期に加算されるため、十分に通期予想を
達成できると考えています。また、今年度、速いスピードで業績を伸ばしていることがおわかりいた
だけると思うのですが、たとえば、営業利益について「
(参考)2014/02 通期業績」をご覧いただきま
すと、前年通期業績は 39 億円でしたが、今年度 9 カ月ですでに 45 億円を達成しています。また、経
常利益については、前年通期業績が 36 億円、今年度はすでに 39 億円を達成しています。純利益と EPS
はマイナスとなっていますが、これらは前年同期に大きな一過性の特別利益と税効果が計上されてい
たためです。もうひとつ着目すべきは、第 3 四半期(3 ヶ月)の純利益 11 億円のうち 9 億円が不動産
賃貸収入と運用フィーであり、キャピタルゲインでないということ、すなわち経常収益・安定収益が
早いスピードで成長しているということです。
9 ページに移ります。各セグメントにおける損益内訳です。セグメント別利益では、アセットマネ
ジメントセグメントは前年同期にあった仲介などの一過性収益がなかったため減少しましたが、12 月
の資産組換えで十分に通期予想は達成できる見込みです。なお、右端の「各セグメントにおける損益
(粗利ベース)の主な要因」をご覧いただくと、私募不動産ファンドを大幅に縮小しています。この
詳細については 35 ページでご覧いただけます。率直に申し上げると、私募に比べて、公募のいちご
リートのほうが優位な事業だと考えています。公募のほうが運用フィーも多く、運用期間も長いため、
ビジネスとして、また株主にとっても優位だと考えています。情報の透明性、流動性、コンプライア
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ンス、市場における株主保護の法整備などの側面から投資商品として優位であると考え、当社のリソ
ース(資源)を私募から公募や不動産再生に移行しています。よって、今後も REIT における運用フ
ィーの成長が期待できます。不動産賃貸と不動産再生の営業利益は前年同期比で大幅に増加していま
す。不動産賃貸の利益は主に賃貸収入で、さらに譲渡によるキャピタルゲインが加わります。不動産
再生は既存の物件を取得して再生し、売却するという回転型のビジネスです。再生してから売却する
までの保有期間に賃貸収入が発生します。これは、ビルを開発・建設してから完成してようやく収入
が発生するというビジネスに比べてはるかに効率的であり、すでに賃貸収入が発生しているビルの価
値を向上させ、賃料増を図る、というものです。そして、3 年で回転させ、キャピタルゲインを得る
というビジネスモデルです。このように、不動産再生はハイブリッドなビジネスであり、キャピタル
ゲインのみで利益を得るというものではありません。このセグメントの利益の 60%は賃貸収入であり、
これこそがこの事業の強みです。最後の主要セグメント、クリーンエネルギーですが、このセグメン
トは先行費用があるため、まだ営業利益がマイナスですが、第 3 四半期ではマイナス幅が縮小して、
来月には黒字化が実現します。この事業は来月、より収益性の高いものになるということです。これ
については、後ほど詳しくご説明いたします。
10 ページへ移ります。先ほどから申し上げているとおり、先月、いちごリートをオフィスを中心
としたリートにするための戦略的な資産組換えを行いました。オフィスを中心としたポートフォリオ
を構築し、一部、オフィスに類似した特性を持つ商業ビルも含みます。レジデンスは、安定した収益
を生み、アセットタイプとして好ましくないわけではありません。しかし、経済環境に左右されるオ
フィスや商業と、左右されないレジデンスがひとつのリートに混在しないほうがいいとの複数の投資
家からのご意見をいただいていました。そこで、いちごリートは、当社の ウェアハウジング機能(注
2)を活用して物件を取得するとともに、当社の強みである「不動産再生」のノウハウを活用し、ウ
ェアハウジング期間中にリーシング、耐震補強、外観や共用部の改装などバリューアップを実施し、
資産価値の向上を実現しました。結果、当社にとって 21 億円の売上総利益を実現することができま
した。このいちごリートの戦略的な資産組換えにより、いちごリートが保有していたレジデンスは当
社が取得し、アセットマネジメントセグメントにおいて有効に活用する予定です。
11 ページは、不動産再生ビジネスモデルの説明です。資産の取得と売却で収益を獲得し、再投資
を行うことでより高い ROE(注 3)を実現しています。バリューアップを行い、外部やいちごリート
に売却することで収益を得ている資産回転型のビジネスです。高 ROE には高い回転が必要で、当社
のビジネスモデルは、典型的な不動産会社とは違い、高い資産回転率を有する循環型事業モデルです。
また、当社はいちごリートに対してリートの物件取得のための財務的なサポートも行っています。リ
ートには適格な査定や市況を見極める必要があるため、当社がその側面においてもバックアップをし、
収入を得ています。このように、当社の不動産再生事業といちごリートの間には強いシナジーがあり、
これは今後も双方に高い成長が見込めるシナジーであります。
12 ページは成長投資の構成です。このページはどちらかというと当社の約 4 万人の個人投資家に
向けた内容でありますが、当社は経済的にだけなく、社会的ニーズにも合致した事業を行っていると
いう自信があります。不動産事業を通して、社会インフラの価値向上を行っていると考えています。
また、日本の化石燃料への依存からの脱却を推進するために、再生可能エネルギーも促進しています。
このページでご覧いただけますように、当社は成長投資の大部分を不動産に投じており、今後も続け
る方針です。
14 ページと 15 ページは不動産賃貸セグメントにおける自己保有資産です。キャップレートは平均
5.9%です。ちなみに、いちごリートのインプライドキャップレートは 4.2%なので、十分に収益性の
高い入れ替えが可能であることになります。2015 年 2 月期に 28 物件、350 億円取得し、取得時の年
間想定 NOI は 20 億円で、これよりキャップレートが 5.9%であることが算出されます。平均 LTV(注
4)は 75%で、これらの物件を所有しているだけで、株主からお預かりしている資金を年率 23%増や
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せていることになります。15 ページの下には今年度取得した物件のうちすでに売却した物件が 4 件あ
りますが、売却先はいちごリートでした。
16 ページと 17 ページは不動産再生セグメントにおける自己保有資産です。2015 年 2 月期では現時
点では 20 物件、310 億円取得し、取得時の年間想定 NOI は 20 億円で、これによりキャップレートは
6.4%と算出されます。LTV は 77%で不動産賃貸セグメントに比べると若干高くなっています。投資
額に対するキャッシュ・オン・キャッシュのリターンは 28%です。17 ページの下にあるとおり、今期
に取得して売却した物件が 2 物件あります。売却先は外部で、マルチプルは記載のとおりです。前期
のグローバル・カンファレンスコールでもお話ししたとおり、想定マルチプル(投資リターンの倍率)
(注 5)は運用のために設定しています。運用担当者はこれらの数字によって評価されるので、上回
るための努力をし、実際に上回っています。これらの再生案件は当社の株主の皆様のための将来利益
のストックであり、今後 3 年の間に生じる利益であると考えています。
18 ページは新規物件取得がどのように進んでいるかを説明しています。成長投資のうち、700 億円
を不動産に、100 億円を太陽光に投資する予定でした。不動産については、既に昨年 2014 年 12 月末
までに 670 億円の物件を取得しました。また、他にも高確度案件として 63 億円を今期中に取得する
目処がついており、不動産取得の通期目標の達成率は約 105%になります。
19 ページに移ります。今までやりたくてもできなかったことが成長とともに実現しています。そ
のうちのひとつがドミナント戦略です。ある地域に重点的に投資を集中することで、地域におけるネ
ットワーク力や情報力の優位性、テナントをひとつの物件から別の物件に案内する能力などを発揮す
るドミナント戦略を福岡で進めています。福岡は経済的に好ましいことに加え、当社の社長が福岡出
身であるため福岡を対象としています。一貫性のある物件を保有することは、REIT などの金融商品
を組成したり、特定のエリアに投資をしたい投資家へ売却をしたりする際に有利です。
20 ページに移ります。詳しい説明は省きますが、当社のビジネスモデルがとても収益性が高い不
動産再生を軸にしており、その差別化要因は当社のバリューアップ能力であることを再度申し上げた
いと思います。こちらにあります京都市のホテルと横浜市の住宅と商業の複合ビルでその成功例をご
確認いただけます。
次に 22 ページのクリーンエネルギー事業についてお話しします。最も重要なポイントは、来月に
黒字化するということです。8MW のいちご名護二見 ECO 発電所が 2 月に売電開始となるからです。
太陽光発電は初期投資があるため、最初は赤字ですが、その後大きな収益を生むことになります。来
月、損益分岐点を超えて黒字化します。今期始めに稼働していた発電所の数は 3 箇所、現在 15 箇所
になりました。開発が確定している発電所はすべて接続が承諾されていますので、事業化に向け問題
は全くありません。また、11 月以降にも、新たに 4 箇所の発電所が発電を開始しました。写真の左 3
つが北海道、一番右は広島県にあります。名護二見は沖縄本島唯一で最大の 8MW、昭和村生越は関
東最大の発電所になります。開発計画は承認されたので、来月造成等の準備工事が始まり、6 月より
日立製作所による建設工事が開始します。これらに加え、新たに 4 箇所 16MW の発電所の開発に目処
がついていますので、合計約 100MW の発電が実現します。
23 ページにクリーンエネルギー事業に不動産事業を上回るパフォーマンスが見込まれると書いて
います。典型的な不動産事業と比較するとそうなのですが、我々の不動産事業について言えば収益性
が高いので、クリーンエネルギーも不動産も同様に収益性が高い事業です。20 年間保有を前提とした
想定マルチプルは 6 倍と試算されています。当社グループの純投資額は 49 億円で、保障された NOI
が 20 年間にわたって 27 億円です。4 年物の日本国債までは金利がすべてマイナスの日本において、
このようなリターンがあるビジネスは驚異的です。
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24 ページは、いちごメガソーラーの所在地を示す地図です。当社が発電を開始している、もしく
は開発を確定している発電所は北海道から沖縄まで全国津々浦々にあります。
25 ページは、クリーンエネルギー事業の収益の推移を表しています。これまで赤字でしたが、来
月から営業利益ベースでの黒字化を予定しています。
26 ページは、クリーンエネルギー事業における想定発電量に基づく将来収益想定です。太陽光発
電は風力発電と異なり、年間発電量が変動しません。また、発電技術が難しくないため、試算がしや
すいです。この収益の想定は計画通り 20 年間稼働した場合の想定であり、現在別途選択肢としてあ
るのは、インフラ事業ファンドの組成です。どちらを選択するかの結論は今後 2 年の間に決定する考
えです。
決算説明資料に基づくご説明は以上です。
【Q&A】
Q. 14 ページと 16 ページで不動産賃貸と不動産再生それぞれにおけるキャップレートについて説明が
ありましたが、38 ページではキャップレートが 6.9%となっており、高いと感じます。先の説明と 38
ページの数字との違いを教えて頂けますでしょうか。
A. 38 ページは含み益です。そのためキャップレートが、現在のマーケットよりずっと高くなってい
ます。簿価がとても低いので、鑑定評価額と比較すると含み益は現在約 160 億円です。実際のマーケ
ットと比較すると含み益は 200-300 億円かもしれません。2009 年 2 月期に日本の会計基準に従い、金
融危機を反映し時価会計で厳しく減損したため、簿価がとても低いのです。鑑定評価ベースでの PBR
は 1 倍で、いちごリートは 1.6 倍ですので、アップサイドはとても大きいと言えます。先ほど申し上
げたキャップレート 5.9%と 6.4%は今期の取得価格ベースのキャップレートになります。
Q. 不動産事業と太陽光発電事業、それぞれの市場における競争の状況を教えて下さい。また、最近
の量的金融緩和政策(QE)による影響はありますか。
A. 太陽光発電については、競争は減ってきました。これは、買い取り制度見直しの可能性を恐れて、
撤退する業者が続出しているためです。当社ですでに決定している既存の 24 案件については、非常
に好条件で進んでいますが、
他社同様、
今後 4 週間の間に価格がどうなるのか見守っている状況です。
当社はこの事業における優位性があるとは感じています。この事業に投じている人材の数は少なく、
かつ、複数のスキルを持つ人材ばかりです。また、太陽光発電は基本的に不動産事業と同じであり、
土地を確保し、開発をする事業であることから、我々はこの事業に参入することにしました。同じ人
材をアセットマネジメント、不動産賃貸、不動産再生で活かすことが可能です。現在予定している約
100MW 以降、どうするかは市況を見てからということになります。
一方、不動産市場の競争は確実に激化しています。石油価格の下落が要因だと考えています。リスク
オフを招いています。石油資源を保有していない日本は中国に次ぎ、世界最大の石油輸入国です。石
油価格の下落で貿易赤字は年間 2%ほど縮小すると思われます。次に、金融緩和については、日銀の
黒田総裁はインフレを目標とする一方、石油価格はデフレを引き起こす。よって、金融緩和は続くと
思われます。先にも申し上げたとおり、日本国債は 4 年物まで金利がマイナスで、銀行は日銀に資産
すなわち国債を高収益率でできるだけ早く売却し、その代わりに融資をしようと必死です。LTV は
80%、ものによっては 100%ということもあり、競争はますます激化することが予想されます。この
対策として当社の施策は 2 つあります。まず、20 億から 50 億円の物件を対象とする。これらは、個
人にとっては大きすぎるが、大手不動産企業が扱うには小さすぎます。取引相手からすると、我々に
は約束どおり決済まで行うという信用があります。2 つ目が不動産再生です。どのようにバリューア
ップするかを判断することができます。キャップレート が 6.5%から 6%に下がったときに、再生期
間中、6%であることが気にならないわけではありませんが、再生した暁には、キャップレートが 75bps
から 100bps 改善することが見込めるのです。不動産は競争が激化していますが、我々の「決済できる
力」により、今期は成長投資 800 億円のうち 700 億円不動産の取得に投じ、来期はさらに多くの投資
が見込めると考えています。
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Q. 太陽光発電事業で失敗した業者から、開発中案件をセカンダリーマーケットで買い取るような機
会はあるのでしょうか。
A. はい、積極的に取組んでいます。22 ページに記載の新規案件 4 件は、そのような案件です。もう
ひとつ触れておきたい点が税制改正です。今年まで個人も企業も再生エネルギーについて 100%償却
の対象でしたが、これがなくなります。そうなった場合、ビジネスから撤退したいという業者が出て
くるのです。これらの業者が手放したものについては精査が必要ですが、大きなセカンダリーマーケ
ットが発生することは間違いがありません。
当社のスケールメリットによりこれらのセカンダリーマーケットの案件を扱う力は十分にあります。
この 3 ヶ月の間に多くの業者が撤退すると思われ、税制改革を受けてさらに 9 ヶ月~18 ヶ月の間に撤
退は激化すると思われます。
Q. 業績が良いのに株価が安いが、バランスをとるために自社株買いや償却はあるか?
A. ここでお答えできる質問ではありません。株価が低いことは十分認識しています。成長のために
投資するのか、過小評価されている株を買い戻すために投資するのか。トレードオフのある状況で、
今まで成長投資を実行してきました。2011 年には 2 回自社株買いを実施し、発行株式の 5%を買い戻
しましたが、今後については、株主を最優先に考えたうえでの選択になります。
Q. 配当性向について、方針はあるか。また、方針の見直しは考えているか。
A. 過去には配当ではなく、自社株買いを選択したこともありますが、4 万人の個人株主がいて、増配
を望んでいます。将来的には、配当は間違いなく二桁成長するでしょう。配当方針を制定すべきかに
ついては、検討に値すると当社も考えております。成長投資に振り向けるかどうか、配当を大幅に増
やすのがいいのか、体系的に考えたいと思います。
Q. FIT(買取価格)について、前回のカンファレンスコール以来、なにか改正はあったか。またそれ
についてどう思うか。
A. 買取価格は下がりました。しかし、パネル費用はかなり下がっていますし、建設コストも下がっ
ているので、買取価格の減少を吸収できる要素はあると考えています。また、もうひとつの改正とし
て、出力抑制ルールが設けられ、許容量を超えた場合に遠隔で自動的に発電を止めることができます。
但しそのようなことは、当社の案件には起こりません。当社は、出力の抑制は手動になっています。
具体的にどのような条件が設けられるのかは今後決定されます。独立系最大手の太陽光発電業者とし
て、今後の省令の改正を詳しく追っていく予定です。買い取り価格は 20 円台で落ち着き、中止にな
る案件も多いでしょうし、業界の競争環境は、今後 6~9 カ月で大勢が判明すると思います。
Q. 長期借入金の割合が 92%に増加しているが、メガバンクからの借入の比率が下がっている理由は
何でしょうか。日本の銀行の貸出姿勢が積極的で、御社の借入が増えているという話でしたが、具体
的な借入先はどこでしょうか。メガバンクとその他の金融機関の、LTV の違いを教えて頂けますでし
ょうか。
A. 確かにメガバンクの割合が少し減りました。先ほどの量的金融緩和の話に戻りますが、金融機関
の貸出姿勢は非常に積極的です。ここ数カ月で地方銀行、リース会社、あおぞら銀行、新生銀行等か
ら非常にアグレッシブな条件を提示していただいています。黒田氏が日銀総裁に就任して以来、毎四
半期言っていますが、今が借入の絶好のタイミングです。業界全体にとってもそうですが、特に我々
にとって好機です。というのも、当社の信用が高まり、全国にある当社のロゴがついたビルの横を皆
さんが歩いて目にするとともに、採用も活発に行っていること等から、魅力的な条件を提示されるこ
とが増えています。たとえば、LTV100%、金利 2%で期間 17 年、といったとても好条件のローンを借
りることができます。このようなアグレッシブな条件を受けているので、そちらに借入の一部を移行
5
しています。
[本資料における用語の意味]
(注 1) JPX 日経インデックス 400・・・資本の効率的活用や投資家を意識した経営観点等グローバル
な投資基準に求められる諸要件を満たす会社(投資者にとって投資魅力の高い会社)により
構成される。日本取引所グループ、東京証券取引所、日本経済新聞社により開発された新し
い株価指数。3 年平均 ROE、3 年累積営業利益、選定基準日時点の時価総額を定量的な指標
とする
(注 2) ウェアハウジング機能・・・いちごリートが物件を取得する前に、バリューアップ等による収
益安定化や取得タイミングを調整するために、いちごグループ会社またはいちごグループが
設立した SPC により一時的に保有する機能
(注 3) ROE・・・自己資本利益率(Return on Equity)
。株主資本に対する当期純利益の比率で、株主資
本に対していかに効率的に収益を獲得しているかを示す指標
(注 4) LTV・・・投資対象資産の資産価値に対する負債の比率(Loan to Value)
(注 5) 想定マルチプル・・・ビジネスプランを前提とした賃料収入と売却益の合算が、投資額に対し
て何倍に相当するかを想定した倍率
以 上
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