りそな銀行アジアニュース平成 25 年 1 月 21 日りそな銀行法人ソリューション営業部国際業務室【シンガポール駐在員事務所】「シンガポールの新たな不動産投機抑制策について」 1 月 11 日、シンガポール国家開発省(MND)と財務省(MOF)は、リーマンショック以降で 7 回目となる不動産投機抑制策を発表した。この追加策は、住宅不動産に対する取得者加算印紙税(ABSD)の引き上げとその適用範囲拡大、受けられる融資額上限（LTV、購入物件に対するローン貸出額の比率）の引き下げが柱。翌日の 1 月 12 日から実施。昨年に入り、外国人の購入比率の高い高級物件を中心に取引量は激減したものの、住宅価格は度重なる不動産投機抑制策にも関わらず史上最高を更新していることから、外国人による不動産投機を更に抑制するのが狙い。尚、2012 年 10 月にも、住宅ローンの最長返済期間を 35 年と定める規制や 30 年を超える長期住宅ローンまたは返済期間が 65 歳を超えるローンにおける受けられる融資額上限(LTV)の上限を引き下げる規制を導入したばかりであった。【住宅不動産について】外国人や法人などの非個人が購入する場合、不動産価格の 15%（現行は 10%）の取得者加算印紙税(ABSD)を課す。永住権保持者(PR)の場合は、1 軒目の購入に 5%（現行は該当なし）、2 軒目以降の購入は 10%（同 3%）を課す。シンガポール国民には 3 軒目から 3%を適用してきたが、2 軒目に 7%、3 軒目以降に 10%を課すように改める。ABSD の税率注 1 は具体的には以下の通り。 1 軒目 2 軒目 3 軒目以降国籍現行改定現行改定現行改定シンガポール国民該当なし該当なし該当なし 7% 3% 10% 永住権保持者(PR) 該当なし 5% 3% 10% 3% 10% 外国人及び法人 10% 15% 10% 15% 10% 15% 注 1：購入価格または不動産評価額のいずれか高い金額に対する税率また、不動産融資で、受けられる融資額上限や頭金の割合の規制強化内容は以下の通り。 1 軒目注 2 2 軒目 3 軒目以降現行改定現行改定現行改定受けられるローン上 80%、もしくは 60%、もしくは 50%、もしくは 60%、もしくは 40%、もしくは変更なし限額（LTV） 60%注 3 40%注 3 30%注 3 40%注 3 20%注 3 注4 頭金 5% 変更なし 10% 25% 10% 25% （LTV に対する比率） 10%注 5 現行： 40%の LTV 法人などの非個人改定： 20%の LTV 注 2：新規購入の人もしくは不動産ローンが残っていないオーナー（ローン完済した人）を対象注 3： 30 年を超える期間のローンまたは 60 歳を超えて返済するローンの場合注 4： LTV が 80%の場合注 5： LTV が 60%の場合【工業不動産について】住宅不動産への度重なる規制を嫌った投資家が工業不動産への投資を強めているため、工業不動産の短期譲渡に関する販売者印紙税(SSD)を初めて導入。物件を購入後 1 年以内に売却する場合、15%の SSD を課す。2 年以内 10%、3 年以内 5%の SSD 支払いを求める。不動産価格指数推移図 220 S&P-Case-Shiler Home Price Indices（1Q2000=100） Singapore: Real Estate Statistics(Residential)（4Q98=100） Japan: Urban Land Price Index（End of Mar 2000=100） Malaysia: The Malaysian House Price Index(2000＝100） 200 180 160 140 120 100 80 2012Q4 2012Q3 2012Q2 2012Q1 2011Q4 2011Q3 2011Q2 2011Q1 2010Q4 2010Q3 2010Q2 2010Q1 2009Q4 2009Q3 2009Q2 2009Q1 2008Q4 2008Q3 2008Q2 2008Q1 2007Q4 2007Q3 2007Q2 2007Q1 2006Q4 2006Q3 2006Q2 2006Q1 2005Q4 2005Q3 2005Q2 2005Q1 2004Q4 2004Q3 2004Q2 2004Q1 2003Q4 2003Q3 2003Q2 2003Q1 60 以上【出所： Press Release “Additional Measure to Ensure a Stable and Sustainable Property Market” MND & MOF、新聞記事等】照会先：法人ソリューション営業部国際業務室（東京）電話 03‐6704‐2723 （大阪）電話 06‐6268‐6357 当資料は、信頼できると思われる情報に基づいて作成しておりますが、弊行がその正確性、確実性を保証するものではありません。ここに記載された内容は事前の連絡なしに変更されることもあります。当資料は情報提供のみを目的としており、何らかの行動を勧誘するものではありません。ご利用に関しては、お客様御自身でご判断下さいますようお願い致します。＊禁無断転載