レポート(星 - 日本ソフトテニス連盟

平成26年度指導者研修会報告レポ-ト
●期日
平成27年
●会場
「大阪アカデミア」
報告者氏名
2月
星
7日(土)~8日(日)
正人
【日本連盟出席者】笠井達夫、大川京子、和歌浦信雄、柳下秋久、林
神崎公宏、北本英幸、金岡昭房、玉木
昭文、川島
登、野際照章、
進、小野寺剛、川上晃司、高川経生、
吉川友巳奈、中津川澄男、浅川陽介、高川亜紀、池田征弘、中野道治、橋本貴子
橋本康徳、安達和紀、上田未来
全体会Ⅰ
【開会行事】
(1)開会挨拶
大川京子
進行
大川委員長
生涯スポーツ委員会委員長
(2)日連理事参加者紹介(3)事務連絡
( 4 ) 「 H27 年 度 事 業 計 画 ・ ソ フ ト テ ニ ス の 現 状 と 課 題 」
笠井達夫専務理事
平成 26 年度臨時評議委員会の報告資料をもとに説明があった。①ランキング選手表彰基準の改
定(国内大会だけに改定)②国体参加チームの変更(今年からシングルスの導入により、国体
参加チーム数が増加)。③公認スポーツ指導者講師競技別全国研修会について(全国どこで講
習をうけても同一の内容とレベルであるようにすることが主たる目的である。)、将来は指導
者バンク化し、各支部で実施する指導者養成講習会に講師を派遣。④指導教本(本、DVD)
の発行、着ぐるみ(小学生部会の発案)ソフトテニスの普及。⑤アンチドーピング規定の改定
(世界アンチドーピング機構の規定改定にともない)⑥新規公認メーカー(アメアスポーツジ
ャパンのシューズ、スクリクソンボール昨年公認H27から大会使用が可能)⑦大会プログラ
ム(後援表記してほしい)⑧大会での公認審判ワッペンの着用(義務づけはしない。指導から
入る)⑨マナー指導教本の作成の実施、⑩支部大会申込みシステム
H27事業計画案①競技規則の改定
・施設基準(海外では、硬式のコートを使う。硬式と共
通化するため改訂)・アンダーカットサービスの禁止の検討(競技性・普及の両面から見て楽
しいスポーツ、3国以外のレベルの問題の2点から)②3段ゼッケンの着用(高体連H27イ
ンターハイから)③勝者審判制の導入(連盟主催大会)③東京オリンピックに向けてソフトテ
ニスができること。ソフトテニスの広報活動(指導教本、DVD作成、マンガ、映画の作成)
【研修会内容】
全体会Ⅱ
(5)「マナー・フェアプレーの指導」
川島
登
環境・教育プロジェクト委員会委員長
表題について、実例等を交えながら説明があった。体罰で処分された教職員数や東京箱根駅伝
で優勝した青山学院のボランティア活動など。また、福島で行っている大会での審判委員会に
よる巡回指導について、大会において審判技術・監督のマナー・観客のマナーの3点を指導し
ていることを照会。また、平成20年からおこなっているマナー向上キャンペーンの照会があ
った。標語を募集し優秀なものは大会プロに掲載している、さらに、横断幕を大会時に掲示し
意識高揚を図っており、大会だけではなく日常生活でも実践して欲しい。指導者と子ども、指
導者と選手、指導者と保護者のそれぞれが思いやりを持ってソフトテニスに係っていただきた
い。その後、フェアプレーとマナーについて全国の小中高指導者に対する実態調査の結果につ
いての報告説明があった。今後、この調査を基にマナー指導教本(仮称)を作成する。
(6)「小・中・高の 3 つに分かれての分科会」
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それぞれの会場に別れテーマ別「意見交換・検討」
福島県からは、小学生部会:菊田茂男
中学生部会:小林慎司
高校生部会:星正人が出席
愛好者増加対策、暴力撲滅、マナー・フェアプレー、競技力向上、夏場の練習における危機
管理等について意見交換・検討
○高校生指導者分科会報告
まず、検討内容についてブロックごとに分かれて話し合い、後に発表する形式をとった。
北海道・東北ブロック(司会
愛好者対策:
現状
宮城:80 校(2495)
宮城県根本光泰先生)
北海道:147 校(3254 名)青森:43 校(875)岩手:68 校(1861)
秋田:44 校(1067)
山形 44 校(1349)
福島 74 校(1637)
部員減少の原因は、少子化による高校生の減少、さらに男女共学による各学校における男、女
生徒数の減少がある。特に、中学から高校にかけての減少が顕著で、背景には高校での部活動
にソフトテニスがない学校が多い(青森)、高校での部活動種目の増加、バドミントンなどの
屋内種目への流れがあると考えられる。対策としては、中高の合同練習会、県大会を経験させ
るためのフリーでの県大会出場、ポスター配布など高校から中学校にPRをする場面を増やす
取り組みなどが行われている。
暴力対策:県教育委員会からの調査もあり問題はないと考えられる。
マナー・フェアプレー:指導者の考え方は、非常に影響が大きい。特に強豪校の影響は大きい
と考えられる。今年度のインドア大会では、バスケットの掲示システムを使用し、大変効果的
であった。夏場の練習における危機管理:どの学校でも、給水はこまめにとるように指導にな
ってきている。中学校では、顧問がつかないときは部活動をやらない場合が多いようだ。
全体会Ⅲ
(7)「小・中・高分科会報告及び質疑応答」
各部会とも共通した内容について討議された。
① 暴力根絶について
各部会とも、指導者の意識が高まり暴力根絶が浸透してきているとの意見あった。小学生部会で
は体罰的なものはないが、ことばの暴力は日常的に存在しているようだ。選手を無視せず係って
いくことが大事だとのまとめがあった。
② 愛好者増加対策について、
高校生部会、高校に来るまでの中3の9月から高校入学までの空白の期間の工夫が必要。技量別
の大会の実施、中高合同練習、日焼け防止のためのインナーの着用等の検討から実施。
小学生部会では、保護者、友達がやっていたという理由ではじめるものが多い。保護者へのPR
が大切である。学校・コンビニ等へのPRのポスター掲示が効果をあげた。また、指導者育成の
必要性や父兄を巻き込んでのスポーツ少年団の運営が重要であるとの話があった。
③ 熱中症対策について。
指導者が意識をもって対応することが大切である。中学生部会より、指導者不在時やゲーム中に
おける水分補給のあり方など検討することが必要ではないかとの話があった。
④ マナー・フェアプレーについて
全体的には各部会浸透してきており励行されているが、指導者の資質向上・試合開始前での注意
等を行っていけばさらに向上するとの話があった。しかし、競技に係るものだけではなくソフト
テニスを見に来る側(父兄等)の問題もあるのでマナー等のPR紙を作成し配布するなどの対策
も必要である。また、向上策としてフェアプレー賞・ベストマナー賞などを設け表彰するなどが
考えられる。(中学生部会では行っている県がある)高校生部会より、いいプレーには拍手、相
手のミスに対するガッツポーズはしないなどの意見が出された。
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⑤ 審判について
イエローカードがなかなか出せないため、電子ホイッスルなどを使用しているなどの事例の報告
があった。ワッペン・イエローカードの携行が少ないため大会本部で用意しているところもある。
小学生部会では、審判のジャッジに対する、異議等がコート外等からあり審判が困惑する場面が
ある。応援の父兄にソフトテニスのルールを分かりやすく掲示するなどの対策が必要ではないか
との意見もあった。
⑥競技力向上について
連盟強化部では日本は前衛がいない(今年度の宮崎ステップ4で前衛の選手が選考されていない)
ので前衛を育てていただきたいといっているが、前衛を育てるには時間がない。そのため勝利を
追求すれば当然平行陣(W後衛)となる。日連で何か方向性を出せないか。
全体会Ⅳ
(8)「ソフトテニスの技術指導のポイント」
北本英幸
強化・指導委員会副委員長
今年のアジア大会のビデオを見ながらシングルスでの体の使い方や考え方などを解説された。
団体戦における2番目シングルスの出来不出来が大きく勝敗に影響する。
シングルスの強化をどうするか。広い範囲のコートを一人で守る必要がある。ダブルス攻撃5守備
5ならシングルスは、攻撃1守備9であり、いかにスペースを守るかが大事。広範囲の守りを出来
るようにするにはバックハンドの活用が大変重要。
神崎強化担当理事からは、3年後のアジア大会(インドネシア)で金メダルを取るために強化はど
うしていくのか。競技育成プログラム9年目に入り定着してきた。男子は、オールラウンドプレー
ヤーが必要。硬式と比べ、ソフトテニスの特徴は、ダブルスである。ダブルフォワードは、まだま
だ歴史が浅い。
【感
想】
まず、笠井専務理事から現状と課題について話があった。現在行われている連盟の取り
組みがどのような背景(現状分析)からでてきているのかをよく知ることができた。目標、目的を関
係者で共有、共通理解し当事者意識を持ち、実施していくことがとても大切であると感じた。それが
ないとせっかくの計画も労力、お金を使っただけで無駄になってしまう。次に本県の川島理事長(全
国環境プロジェクト委員長と)が、フェアプレーの内容についてのアンケート結果から数値化した現
状分析を行った。内容については、共通理解を高め、実施していく必要があると感じた。また、指導
者の意識も大きく影響していると感じた。分科会では、段取りの悪さが目に付いた。時間になっても
司会、進行も決まっておらず、初めの時間がただ流れた。せっかく全国からの代表者の出席があるの
だから限られた時間をもっと有効活用できるはずだ。ただこの分科会は、各ブロックに分かれての話
し合いであったため、発言もしやすく他県の意見も聞けるよい機会となった。翌日、全体会があり部
会ごとの発表があったが、小学生部会の発表には意識のずれを感じ、違和感を持たずにはいられなか
った。北本強化委員長からの技術指導のポイントは、アジア大会のビデオを見ながらの解説であった
が、全体の時間が短く、もっとじっくり話を聞きたかった。全体的には、余裕のない日程であったが、
ソフトテニス連盟の方針や取り組み等を知る良い機会になった。
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