第8回札幌市介護保険事業計画推進委員会(第5期)議事要旨 Ⅰ 日 時:平成26年12月1日(月)午後3時30分~午後5時00分 場 所:TKPカンファレンスセンター カンファレンスルーム6A 出席者 1 委員 岡田委員長、永田副委員長、橋本委員、大岩委員、松村委員、大西委員、深谷委員、 星野委員、村岡委員、三浦委員、紙谷委員、山本委員、馬場委員、南委員、姉崎委員、 森本委員、佐々木委員、高橋委員、民野委員、永野委員、菱田委員、藤原委員 2 事務局 菱谷高齢保健福祉部長、徳光高齢福祉課長、丹尾介護保険課長、 岡島認知症支援・介護予防担当課長、佐々木事業指導担当課長、紺野計画担当係長、 福井保険料係長、小林給付・認定係長、篠永介護計画担当係長、 上田介護予防担当係長 Ⅱ 議事次第 1 開会 2 議事 (1) 札幌市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の素案について (2) 市民意見の募集について 3 その他 4 閉会 Ⅲ 議事 1 開会 徳光高齢福祉課長から委員の出席状況について報告。 2 議事 (1) 札幌市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の素案について ○岡田委員長 それでは、早速、議事に入らせていただきます。 一つ目は、札幌市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の素案についてです。 それでは、事務局からご説明をお願いいたします。 徳光高齢福祉課長、丹尾介護保険課長から札幌市高齢者保健福祉計画・介護保険事 1 業計画の素案につき、資料により説明。 ○岡田委員長 ありがとうございます。 今日は、もう一つの議題には余り時間がかからないかと思いますので、今の話 がメーンかと思います、そこで、ご意見やご質問等をぜひいろいろといただけれ ばと思いますが、いかがでしょうか。 〇大岩委員 被保険者数が増加するという見込みや要介護の認定者の増加の見込みを踏まえ て、介護保険施設などのことを考えていくことが根本にあるかと思いますが、都 市への人口の一極集中が言われています。東京に相当集まるのだろうという将来 的な予想がありまして、そこで、札幌市にも高齢者が結構集まってくるのではな いかということがあると思うのですが、今回の計画はそれを踏まえていますでし ょうか。その辺をお聞ききしたいと思います。 ○徳光高齢福祉課長 将来予測につきましては、最近のトレンド、人口の伸びをそのまま使っており ますので、必然的に市外から来られる方につきましても見込んだ数字としており ます。 〇大岩委員 数で言うのは難しいかもしれませんけれども、今の札幌市の人口で高齢者数は すぐ割り出せると思うのですけれども、どのぐらい流入してくるのかは、かなり 難しいような気がするのです。その辺は、どうでしょうか。 〇丹尾介護保険課長 計画本書の13ページをご覧いただければと思います。 平成25年までしか数字はまだ出ていないのですけれども、13ページの上の グラフに高齢者の道内からの転入超過数の推移が出ております。転入される方の 数ではなく、転入と転出の両方がございまして、転入が上回った分をお示しして おります。 道内から流入してくる方は、高齢者に限らず非常に多いです。ですから、高齢 者だけではないのですけれども、高齢者だけ見ていただいても、特に近年は急激 に増えております。25年度でいいますと、2,500人に近いような勢いとな っております。 また、古い数字になりますが、平成18年度の市外転入の理由なども載せてお ります。やはり、親族とのご同居でしたり、定年後の移住、一戸建ての管理が難 しくなったなど、当然想定されるような理由が並んでおります。 ○岡田委員長 ほかにいかがでしょうか。 2 藤原委員からお願いします。 ○藤原委員 質問で2点ほどあります。 本書の地域の見守り云々という部分で、民生委員の方に定期的に見守りをとい うことが出ておりますね。しかし、現状として、たしか、民生委員の方も北海道 全体で定数を満たしておらず、札幌市でも同じく足りないというような状況であ りながら、それが果たしてできるのかが一つの疑問でございます。 二つ目としまして、これからのことですが、小規模通所介護が地域密着型サー ビスに移行するということでございますが、この中で理解できない部分がありま す。 計画本書の9ページの下の(7)の真ん中辺ですが、「また、経営の安定性の 確保、サービスの質の向上のため、通所介護(大規模型、通常規模型)や小規模 多機能型居宅介護のサテライト事業所へ位置づける」とありますね。これは、現 状の通所介護事業所を市の権限によって何らかの形で編制していくのでしょうか。 もう一つは、地域密着型になりまして、たしか後半のほうにもあったのですが、 予測に基づいて事業所の統制を図っていくという文言もありましたね。この辺が どういうふうになるのか、お伺いできればと思います。 ○徳光高齢福祉課長 私から、まず、民生委員の活動についてお答えをさせていただきます。 計画書の62ページに書いてありますとおり、現在、民生委員の方たちには、 必要に応じて相談のために戸別に回っていただきます。それから、名簿の確認の ために65歳以上の方の全戸を回っていただくご協力をお願いしております。 委員がご指摘のとおり、今、札幌市の民生委員は、定員割れをしておりまして、 また、なかなか、その後継者を見つけるのも地域の皆さんは大変苦労されていら っしゃいます。ただ、今後の3年間につきましては、民生委員の方たちに現状の 取り組みを引き続きお願いしていきたいと考えております。 今、民生委員は、1カ月当たり訪問している数が11件です。人によってはも ちろん大小あるのですけれども、そのような感じになっております。また、今後 は、計画書の下のほうにありますけれども、福祉のまち推進事業ということで、 民生委員だけでなくより多くの地域の方たち、それから、63ページにあります とおり、民間事業者の方たちにも、それぞれ無理のない範囲でご協力いただきま して、重層的、複合的な見守り体制をあわせて構築していきたいと考えておりま す。 ○佐々木事業指導担当課長 事業指導担当課長の佐々木でございます。私から、小規模通所介護についてお 話をさせていただきます。 3 9ページの国の改正内容ですが、小規模の通所介護につきまして、18人以下 のものについては、地域密着型サービスに位置づけることと合わせまして、それ らの小規模の通所介護の選択肢として、ここに書いてございますように、大規模 あるいは通常規模型の通所介護、小規模多機能型居宅介護のサテライト事業所へ 位置づけるという選択肢も用意されているという書き方をしておりますが、この 文章は誤解を生むようになっておりまして、申しわけありませんが、訂正したい と思います。これに関してはおわびを申し上げます。ですから、これに位置づけ るということではなく、こういう選択肢もありますという改正内容でございます ので、これについては後ほど訂正をさせていただきたいと思います。 それから、もう一点の後段のほうは、サービス見込み量について、そういう書 き方があったかと思います。これにつきましては、あくまでも、サービス量の見 込みを出すに当たりまして、現状の通所介護の規模がそのまま地域密着型サービ スに移行したらという仮定で出しているものでございまして、札幌市でそのよう に必ず位置づけようと考えているものではございません。 〇菱田委員 私からは、三つほどご質問したいと思います。 細かいことですけれども、すごく大事なことですので、この場をおかりしてお 願いしたいと思います。 用語の定義についてです。定義が違ってくると結構影響すると思うのです。説 明資料2の用語のところに社会福祉士と社会福祉主事の説明が載っています。 まず、社会福祉士については、以前はこの説明のとおりだったのですけれども、 社会福祉士及び介護福祉士法の改正によりまして、この文章では足りないことに なっております。と申しますのは、最後の「助言・指導その他の援助を行う」と ありますが、その後に、「または医師その他の保健医療サービスを提供する者そ の他の関係者との連絡及び調整その他の援助を行うことを業とする者を言う」が 抜けているのです。これが入らないと、社会福祉士の定義としては正しいとは言 えないのではないでしょうか。 次に、社会福祉主事の説明についてです。これを読むと、社会福祉士と全く同 じことが書かれております。一番決定的なのは、社会福祉主事は国家資格ではな く、任用資格なのです。行政では、福祉事務所や各種相談所で任用資格がないと 仕事ができないことになっています。また、社会福祉施設の関係では、施設長、 生活指導員の仕事をされる方も社会福祉主事の任用資格がないと、法律上できな いことになっております。 この二つは、どうしてこのような用語の説明になったのか、理由をお聞きした いと思います。 4 それから、ちょっと細かいことですけれども、165ページの認知症の関係で す。 認知症の用語の解説が3行で説明されておりますね。この中で「後天的な脳の 疾患などを原因として、正常に発達した知的機能が低下し、記憶や判断力等に障 がいが起こった状態」となっています。この用語の説明の根拠はどちらから転載 されたのでしょうか。と申しますのは、認知症では、低下するだけではなく、失 われることもあるわけなのです。しかし、失われるということがどこにも書かれ ていないのです。 もう一つ気になるのは、この認知症の用語の説明の中に附属的に入れてほしい 言葉があります。星野委員はお詳しいのではないかと思うのですけれども、認知 症の定義には、二つありまして、医学的には、世界保健機関によるICD-10 とアメリカ精神医学会によるDSM-Ⅳ-TRです。これを入れていただければ 誤解をなくすことができるのではないかと思います。 細かいことで済みませんが、以上3点をよろしくお願いいたします。 ○徳光高齢福祉課長 ご指摘ありがとうございます。 まず、社会福祉士、社会福祉主事につきましては、委員のご指摘のとおり、根 拠法からもう一回さかのぼって確認させていただきたいと思います。 ○岡島認知症支援・介護予防担当課長 この用語の出典は、確認して訂正したいと思います。また、委員ご指摘のとお り、疾病分類の定義についても参照して、もう一度精査したいと思います。 ありがとうございます。 ○岡田委員長 菱田委員、よろしいですか。 〇菱田委員 はい、ありがとうございます。 ○岡田委員長 ほかにいかがですか。 星野委員、どうぞ。 〇星野委員 この素案のところでお話しすることではないのかもしれませんが、前にもあり ましたように、地域包括ケアシステムの地域についてです。それこそ、中学校区 や5万人単位、また、距離にして30分など、地域によって定義も随分と違うと 思いますが、札幌市としてはどの辺をお考えなのか、何をベースに素案をつくら れているのでしょうか。 5 それから、これからは、地域ケア会議なども含めて、地域包括支援センターが かなり重要な役割をしていくと思うのですけれども、現在の27カ所をベースに して考えられているのでしょうか。 また、もう一点は、毎度お話しさせていただいていることで、これからは、介 護だけではないでしょうけれども、介護人材の育成についてです。一番最初は雇 用促進という文言が入っていたのですけれども、何らかの形で札幌市が行ってい るポイント制度などをもうちょっと強調し、重点を置いていかなければ、これか らを担う人材が非常に不足すると思われます。ですから、人材育成あるいは確保 についてお願いできればと思います。 ○丹尾介護保険課長 最初の地域包括ケアの地域とは何がベースかというお尋ねでございますが、計 画本書の55ページに札幌市の圏域の考え方を記載させていただいております。 介護保険の中では、事業計画として圏域を定めて、例えば施設整備の数を決め たり制約をかけたりするときは、余り狭く捉えてしまうと支障も出てしまいます。 ですから、法律上の圏域は行政区とさせていただいております。ただ、介護サー ビス圏域といいましても、行政区の考え方だけでは足りないと思っております。 というのは、地域包括ケアの中での見守りなども含んでおります。そこで、56 ページに地域包括ケアにおける圏域の考え方ということで、今、星野委員からも お話しいただいたように、国が想定しているおおむね30分以内に駆けつけられ る範囲があります。確かに、中学校区という言葉がよく出るのですけれども、そ れは、駆けつけられる範囲、30分以内ぐらいでというものを想定しておりまし て、例えば、徒歩であれば、中学校区ぐらいの広さなのかなということがあるか と思います。 ただ、より身近な地域で考えていく必要はあるのですけれども、必ずしも中学 校区と限定するものではありません。地域の資源には偏りもございますし、介護 サービス事業者などは徒歩で駆けつけるというわけでもございません。また、病 院などであれば、通院されるのにお車を使われたり、送迎がついていたり、いろ いろなことがあると思いますので、複数の区域の考え方を組み合わせていくべき だと思っております。 札幌市の場合では、例えば民生委員や町内会をベースとした福祉のまちづくり などの地域の福祉活動は、まちづくりセンター区域を大体単位としております。 そのまちづくりセンター区域が連合町内会などを単位としておりまして、大体は そういった区域を想定しております。ただ、柔軟に組み合わせて考えていきたい と思っています。 ○佐々木事業指導担当課長 私から、人材確保についてのご意見についてお答えいたします。 6 人材確保に関しましては、私どもも大変重要な課題だと認識してございますし、 これに関しましては、今、国レベルでも、社会保障審議会の中に専門部会を設け まして、議論がされております。その中では、国、都道府県、市町村の役割等を 含めて議論されておりまして、今の計画になかなか書き切れていない部分も実際 にはあるのかなと思っております。 ただ、今回の雇用の関係で申しますと、本書の85ページになりますが、これ までは、介護職員等の人材定着について、「ク」のところで研修等に取り組んで ございましたが、それに加えまして、雇用管理能力の強化として、職場環境を働 きやすいものにするための雇用管理の改善に関する新たな研修ついて取り組む、 あるいは、職員の採用力向上への支援ということで、介護事業所の方々が魅力を よりうまく伝え、求職者の心をうまくつかむお手伝いとして何かできればという ことで新たなことを少し考えさせていただいております。 これに関しましては、引き続き我々も考えていかなければいけないと思ってお りますけれども、今回はこのような形でまとめさせていただいておりますので、 よろしくお願いいたします。 〇星野委員 ありがとうございます。 正直に言いまして、10区の行政区では、高齢化率も30%から20%と随分 違いますし、一律にはなかなか難しいのではないかなというふうに思っており、 その辺を危惧しております。 それから、人材育成あるいは確保については、雇用などの面もありますけれど も、恐らく、多世代といいますか、若い方、あるいは小さい方の教育なども必要 なのかと思います。地域包括ケアシステムのモデルがどんどん変わっていまして、 地域力が加わりましたので、また違う視点で、小学校、中学校、高校なりに働き かけることも必要なのかなと思いました。 いずれにしても、これから一番危惧されるところなので、よろしくお願いいた します。 ○佐々木事業指導担当課長 申しわけありません。今の部分で言葉が足りなかったかと思います。 今、85ページのご説明をしましたが、おめくりいただいて、86ページでは、 直接的な雇用ではなく、ボランティア活動等への支援の項目の中で、福祉教育へ の支援や社会福祉協力校への活動支援というような形で、直接的な人材というこ とではなく、もう少し小さいころからについても少し取り組もうと思っておりま す。 ○永田副委員長 今、85ページのあたりにいきましたが、私もここでお聞きしたいと思ってい 7 たことが幾つかあります。 まず、84ページです。 枠内のキに知的障がいのある方を対象とした介護職員初任者養成講座とありま すが、これを実施したことによって、それを受けた方たちの具体的なその後の何 らかの活用の仕方をお考えなのかどうかがまず一つです。 それから、85ページでは、ボランティアについて書いてありますね。ボラン ティアと認知症サポーターの養成講座を修了された方たちの組織化についてご予 定がおありなのかをお聞きしたいと思います。 もう一点は、86ページです。先ほどお話がありましたけれども、対象として 小学校、中学校、高等学校と書いてあります。私が考えますのには、大学生が一 番いいかなというような気もしているものですから、そういったところへの働き かけの方法です。 多分、各大学ではボランティアを奨励していると思うのですが、具体的に市か ら何かのルートを示していただいて、うまくマッチングする方法がないのかなと いうような気がしていましたので、その辺をお聞きできればと思います。 ○佐々木事業指導担当課長 知的障がいの方に対する介護職員初任者養成講座は、実際に続けてきておりま すけれども、申しわけございませんが、今、その後の就労状況等の数字を持って おりませんので、後ほど確認をさせていただきたいと思います。 ○岡島認知症支援・介護予防担当課長 認知症サポーター養成講座を受講された方々のその後の組織化などの考えはあ るかというご質問を頂戴いたしました。 今年度は、モデル的に認知症カフェを札幌市でやっておりまして、法人との協 働開催をしている中で、サポーター養成講座を受講した方に、こういった事業の ボランティアの従事を呼びかけたところ、そういった意欲をお持ちの方が複数お られることがわかりました。現在の登録は、60名を超えております。 こういった方法を用いまして、ただ、受講して、地域で優しく見守るだけでは なくて、プラスアルファの役割が担える方につきましては、今後も組織化、活躍 の場あるいは役割の提供などについて検討してまいりたいと思っております。 ○菱谷高齢保健福祉部長 もう一つの大学生への働きかけについてのお問いかけでございます。 ここでは、たまたま小・中学校の部分の取り組みを記載させていただいており ますが、こちらは特に社協のボランティアの育成の事業とタイアップさせていた だいております。また、私どもの組織に教育委員会などもあるものですから、そ こから情報などもいただきながら展開しております。 特に大学についていうと、大学独自でいろいろとボランティアをやっている部 8 分が多いかと思いますが、私どもとのいろいろなかかわりの中では、確かにさほ どかかわりは厚くないというふうに認識しています。 社協と私どもで一緒にさせていただいているのですけれども、馬場委員は大学 とのかかわりについて何か言えることはありますでしょうか。 〇馬場委員 まず最初に、福祉協力校についてです。 これは、もともとは古い国庫補助事業でして、昭和51年に学童・生徒のボラ ンティア活動普及事業ということで旧厚生省が始めたものです。都道府県・指定 都市社会福祉協議会が中心になって行っているものです。現在は、ボランティア 協力校とも言われておりますけれども、札幌市が取り組み始めたのは昭和63年 で、国庫補助制度が始まってから十数年がたっており、政令市の中でも一番遅い ほうでした。何とか社会福祉協議会がやるようになりまして、現在、小・中学校 につきましては、1期3年指定ですが、全校指定が終わりまして、今、二回り目 に差しかかっております。高校は、進学校もありますから、全校の指定はなかな か難しいのですけれども、かなりのところで指定を終えております。 ただ、3年間指定で、そのうちに子どもたちが卒業してしまうものですから、 その後のフォローをどうするかという課題があります。若いうちから優しい心、 豊かな心を持っていただこうということで、疑似体験セットによる車椅子の押し 方や目の不自由な方に対する誘導の仕方などを含めながら行っております。 それから、大学についてです。 実際には、大学への取組は、小・中・高等学校に比べるとそう厚くないと思い ます。しかしながら、実践の場ということで、札幌市と連携して福祉除雪などを 行っておりまして、札幌市と社会福祉協議会が呼びかけまして、福祉除雪として 除雪をするボランティアとして幾つかの学校の学生にご協力いただいております。 福祉除雪は、除雪車が置いていったかたい雪を取り除くこと、玄関までの敷地 内通路を80センチの幅で通り道をつけることです。これを行いながら、独居の 世帯であれば、お元気かどうか、見守りもあわせて必要に応じて行っているとい う状況です。 例えば札幌大学などへ行きまして説明会を開いたりしながら、希望される方に は登録していただいて、社会福祉協議会で利用者のお宅とマッチングをしており ます。 こうした切り口から少しずつ若い人材を、まずは社会奉仕の分野から、そして、 もしよろしければ、行く行くは福祉の人材として育っていただければ一番よろし いかと思っておりまして、私ども社会福祉協議会でも力を入れていかなければい けない分野だと考えております。 9 ○永田副委員長 ありがとうございます。 ○岡田委員長 ほかにいかがでしょうか。 深谷委員、どうぞ。 ○深谷委員 質問というわけではありませんけれども、人材確保の話が出ましたので、申し 上げます。 私ども事業者の立場では、顔を合わせると人材確保で困っているという話があ ちこちで出るのです。それで、ただ黙って手をこまねいていても仕方がないので、 何点かの取組を始めましたので、ご紹介をしたいと思います。 人材確保という意味では、全道的に見ると札幌はまだましだというふうに言わ れております。地方では、福祉教育の学校がどんどん潰れたりしていると。それ から、看護師も、北海道の中では大都市に集中して、地方では看護師の確保にも 困っているというような話があります。 そこで、北海道老人福祉施設協議会では、各学校に福祉を目指していただきた いという趣旨のポスターをつくって、配布をしようとして、作業を進めておりま す。それも、露骨に福祉を目指してくださいとは言いません。優しい気持ちを持 って高齢の人と仕事をしてみませんかというふわっとしたソフトな感じのもので、 各教育委員会などを通じてそういうものを配布しようと思っています。 もう一つは、事業所によっては、体力のあるところとないところとさまざまで すから、どこでもできるわけではありませんけれども、介護を目指す若い人たち が学ぶ学校で、将来、介護の仕事をしていただけるのであれば、奨学金を出しま しょうと言っております。これにはいろいろなやり方があるのですけれども、奨 学金を出したから自分たちの事業所に来てもらわなければ困りますよというとこ ろもありますし、そういう狭い心ではなく、どこでもいいから働いていただくた めに、例えば3年間、月々三、四万円の奨学金を出しましょうということを始め たところもあります。そのぐらいせっぱ詰まっているということなのです。 それから、先ほど、研修の話の中で、事業所における雇用管理の研修の必要性 に佐々木課長が触れられておりましたけれども、私どもも実際の現場ではまさに そのとおりで、老人ホームなどでは、福祉の勉強をした人はたくさんいますけれ ども、人事や労務の経験がある人はそんなにいないのです。 福祉の人たちが退職する大きな理由の一つは、その職場の雇用の雰囲気がよく ないなど、人間関係が実は第1位を占めているのです。ですから、賃金は第2番 目なのです。例えば中間管理職、あるいは、そこの施設の長たる人たちがいかに 若い職員を気持ちよく働かせられるか、そして、将来展望を持てるような職場に 10 なっているかについて、中間管理職を初めとした上の方々の意識を変えるための 研修が非常に大事だと思います。 褒めて育てるなど、いろいろな工夫があるのですけれども、行政の方にもそう いう研修の場をつくっていただくようにお願いしたいというふうに思っておりま す。 ○岡田委員長 事務局から何かお返しすることはございますか。 ○菱谷高齢保健福祉部長 補足でお話をさせていただきます。 今の深谷委員からのお話は、ごもっともでございます。特に最後の話題であり ました雇用管理能力の強化の部分につきましては、私どももいろいろ定着しない 理由を分析していきますと、賃金の問題のみならず、法人の経営理念、また、人 間関係の問題でやめられていく方もいらっしゃるという実態もいろいろと聞いて おります。 また、私は、この委員会の場で認識しておりますけれども、大規模のところは いいのですけれども、小規模のところでは、労務や人事の基本の部分がわかって いらっしゃらない方がいらっしゃるということです。 私の記憶ですと、山本委員からそういうご提言を受けたり、藤原委員からご意 見をいただいたことがありますので、関係機関と意見交換をさせていただきなが ら、来年度からの取組の中で、ぜひやれることはやっていきましょうということ で、この辺の取組をさせていただきたいと考えておりまして、ご認識はもっとも だと考えております。 ○岡田委員長 ほかにいかがですか。 橋本委員、お願いします。 ○橋本委員 感想と意見を申します。 本書の96ページを見ていただきますと、「キ」で認知症初期集中支援チーム の設置が新規でありますね。これは、お医者さんがチームをつくって、要望があ れば札幌でしたらどこでも行く体制をつくるということだと思うので、これはす ごくすばらしいなと思いました。 医療と介護が中心になって、そこの部分の支援を多分想定されていると思うの ですけれども、初期の段階でほかにも支援が必要な部分がありまして、住まいや お金の管理の問題、意思決定支援のための法定後見人を使うなどもあると思いま すし、見守りのサポートをつけることもあると思います。ですから、このチーム が入るときに、そういう必要な支援にちゃんとつながるように運用していただき 11 たいなと思います。 ○岡島認知症支援・介護予防担当課長 ご意見ありがとうございます。 おっしゃるとおり、医療介護でサービスにつなげて終わりということではなく、 そのほかに生活を維持していくために必要なサービスにもしっかりつなげていく ようなチーム運営を考えていきたいと思っております。 ありがとうございます。 ○岡田委員長 ほかにいかがですか。 菱田委員、どうぞ。 〇菱田委員 先ほどの人材確保の関係についてです。 私も自分が体験したことを参考にお話ししたいと思います。 実を申しますと、私も特別養護老人ホームに31年勤務しました。その間、介 護職員の方や調理員、栄養士など、いろいろとチームを組んでやったわけですけ れども、職員の間で一番不満があったのは人間関係です。 この人間関係が事業者との人間関係ではなくて、職員同士の人間関係がすごく 悪いといいますか、特に女性が多い職場ということもあるのでしょうか、こんな ことを言うと差別的にとられるかもしれないのですけれども、人間関係がまず難 しいということです。 また、私も31年間勤務していて、ちょっと恥ずかしい話ですけれども、有給 休暇の消化率が33%だったのです。そして、私自身も有給休暇は31年勤務し ていて1日しかとったことがありません。ちょっと異常な勤務でした。そのとき、 上司に言われたことは、有給をとってもいいけれども、朝来たら、あなたの机は もうなくなっているよ。それを覚悟で有給休暇の届け出を出しなさいと最初に勤 めたときにそう言われたことがあるのです。ですから、有給休暇を気持ちよくと れるような職場の環境でないと、ちょっときついなと思いました。 そのほかに感じたことは、介護職員の方の勤務について、特に夜勤の関係です。 自分が勤めていたところは、夜勤の拘束時間が長かったのかなと思うのです。ほ かの事業者のことを詳しくはわからないのですけれども、私が勤めていた職場は 17時間なのです。夕方に来て、次の日の大体10時ごろに帰るのですけれども、 拘束時間は17時間です。そして、休憩時間は5時間ぐらいあるのですけれども、 実際は、夜中にいろいろなことが起きたりして、その5時間すらもとれないよう な状態です。しまいには、事故があったら困るということ、また、最近よく言わ れているノロウイルスなどの衛生関係などへの対応処理や事務的なことです。で すから、単なるケアだけではなく、記録として残すという作業などをしていると、 12 ぼやぼやしていると朝の夜勤明けでもお昼ごろまでかかってしまい、前の日の夕 方4時ごろから入って次の日の昼に帰るという物すごい恐怖の拘束時間ですが、 そこで勤まらないものは根性がないと言われたりもしました。 私もちょっと特殊なところに長年勤めていたのですけれども、それで根性が悪 くなったのかと自分で思います。とにかく、すさまじいものがあります。私も生 活相談員として勤務したのですけれども、女性職員にはかなりやられました。や られましたというよりは、鍛えさせていただきました。それで、現在の自分があ るのかなと思います。 参考にお話しさせていただきました。 ○岡田委員長 今のはご意見として承ります。 ほかに何かございますか。 ○各委員 (なし) ○岡田委員長 それでは、時間が押してきましたので、議題2に移りたいと思います。 (2) 市民意見の募集について ○岡田委員長 市民意見の募集についてよろしくお願いします。 徳光高齢福祉課長から市民意見の募集につき、資料により説明。 ○岡田委員長 ありがとうございました。 ただいまの説明につきまして、何かご意見やご質問等はございますでしょうか。 よろしいですか。 ○各委員 (なし) ○岡田委員長 ありがとうございます。 3 その他 ○岡田委員長 それでは、その他でございます。 皆様から何かございますでしょうか。 事務局からはございませんか。 13 ○徳光高齢福祉課長 次回の開催の時期についてですが、今のところ、未定でございます。決まりま したら、なるべく早い段階で皆様にお知らせしたいと思います。目途といたしま しては、パブリックコメントなどの結果が終わってからということで、恐らく、 2月の下旬から3月の頭ぐらいになるのではないかと思っております。 ○岡田委員長 ありがとうございます。 最後になりましたが、全体を通してご意見やご質問等は何かございますか。 藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員 済みません、蛇足ですが、お話しいたします。 先ほどお話がありました長期的な施策の中での雇用といいますか、興味を持っ ていただくということで、幼稚園から始まって小学校、中学校、高校、大学とい うお話がございました。 実は、地域密着型サービスの外部評価調査の中で、事後評価及び外部評価の項 目の二つ目に地域とのかかわりがございます。この中には、地域の一員としてか かわるように、行政もそうですが、町内会や、幼稚園、小学校、ボランティアも 含めて、いろいろとかかわらないとグループホームや小規模多機能の事業所は成 り立ちませんよという項目があります。 これについては、調査に伺いましたら、どういう活動をしていますか、相互の 交流をやっていますかなど、かなり詳しい確認をとります。その結果が必ず、評 価書として書面で上がるわけです。 特に幼稚園や保育所、小学校の生徒との交流が喜ばれるのです。グループホー ムや小規模多機能は、そういうかかわりが非常にいい事業所なものですから、行 政としてもいろいろと指導していただければありがたいと思います。 特に、札幌市は問題がないのですが、地方に行きますと、本当に人手が足りな くて、市町村で予算をとって、介護の人材の教育研修で参加者を募集しても一人 も来ないところが多く、新しくグループホームをつくろうと市町村で思ったとし ても、事業者はなかなか手が挙げられないですし、人を採用できない現状が出て きております。 そういうことも踏まえますと、短期のことも必要なのですが、長期的にもそう いう行動をしていただきたいと思います。特に先ほど菱田委員からは大変な状況 を伺いましたが、これはほんの一部であってほしいというふうに切に願っており ます。 実は、経営相談の公の場でも、やはりそういう相談が多いのです。問題がある から相談に来るわけですが、それ以外の方はどうかといいますと、ほとんどはい 14 いところだと私は信じております。 そういうふうに思って一人一人に広めていかないと、世間の認識としては、介 護業界以外の認識としてはどうしても3Kということがありますので、一人ずつ 払拭していくようなPRや告知が必要なのではないのかなと思います。 中には、ちょっとまずいなという事業所もありますけれども、ほとんどはいい なと思える、頑張っていらっしゃるなと思える事業所が多いので、それらは実際 に見ていただければわかると思うのです。ですから、特に積極的に地域との交流 を図っていただければなと思いますし、そういう推進を市でしていただければ非 常にありがたいなと思います。 よろしくお願いします。 ○岡田委員長 ありがとうございました。 ほかにご意見などはございますか。 ○各委員 (なし) ○岡田委員長 最後に、事務局から何かございませんか。 ○事務局 (なし) 4 その他 ○岡田委員長 それでは、以上をもちまして第8回札幌市介護保険事業計画推進委員会を閉会 させていただきます。 本日は、どうもありがとうございました。 15
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