平成 20 年度第 2 回 VIRI 研究会 z 日時:平成 20 年 7 月 18 日(金) 17:00-18:00 z 講演者:山本 z 講演題目:空間符号化による情報ディスプ 表示画像と復号マスク2枚に暗号化した.それぞ レイの視野制御技術 れ12通りの組み合わせを用意しており,正しい3 出席者(敬称略): Hild,来海,土居,日 枚を重ねた場合に限り復号可能なため,セキュ 坂,西(以上教員),谷口,岩田(以上河 リティの向上が実現できる. z 裕紹 先生(徳島大学) セキュリティを高めるためには,復号用マス クの複数化が有効である.ここでは秘密画像を さらにパララックスバリア方式を応用し,観 合研),清水(来海研)丸山(土居研) 察位置の複数化も可能とした.例えば2カ所に観 1 背景 情報システムではディスプレイに情報を表示 することでユーザーに情報を伝達する.しかし 測位置を限定した場合,各位置にて異なる秘密 画像を観測することができ,それ以外の位置で は秘密画像を観測することはできない. 表示データのセキュリティはこれまで対策が不 視覚復号型暗号で問題であった復号後の画像 十分であった.表示画像の覗き見や復号後のデ の明るさと解像度を改善するために,2層の液晶 ータ解読,ならびに映像信号の傍受等がリスク パネルを用いて偏光演算型でセキュアディスプ として存在する.表示データの保護を考えた場 レイを作成した.この方式ではカラー化も実現 合,ディスプレイから観察者への光情報の伝達 している. を物理的に制御する技術が必要となる.そのた 議論 めに,画素を空間符号パターンで表現すること 3 で暗号化を実現する,視覚復号型暗号を利用し ・現在は画質向上が解決すべき問題点である. た表示法を検討することで,映像信号の暗号化 ・1画素表示のために4画素が必要だが? と視野制御を同時に実現する,セキュアディス プレイ技術を提案する. 局所化も可能である ・立体ディスプレイ,大画面ディスプレイの 意義は? 2 セキュアディスプレイ 制御マスクとして,ランダムドット状の透過 広告や何か特別な情報の表示媒体として意味 があるかもしれない. /遮光パターンからなる復号用マスクを用意し, ・マルチカラーでは何色を表示できるのか? 暗号化された表示画像の前に置かれる.秘密画 像の濃淡に応じて表示画像と復号用マスクの組 RGB各7階調で実現している. ・復号画像の見えがよいのは偏光演算型ディス み合わせが6通り用意され,画素ごとに乱数に基 プレイ? づいて1つの組み合わせが選ばれる.復号後の 観察位置の指定がシビアなため,必ずしもそ 画素の明るさについては,表示画像と復号用マ うとは言えない. スクの組み合わせによって決定される.視点位 ・携帯電話のディスプレイにも使えるのか? 置は表示画素と復号マスクの画素が1対1に対応 ・ATMのディスプレイに有効かもしれない. して見える位置に決定される. 表示される画像の色数に応じて暗号化と復号 を行う場合は,書き換え可能な復号用マスクを 用意することで実現可能となる.表示画像が表 示されたディスプレイの前に,復号用マスクを 表示した透過型液晶パネルを積層することでセ キュアディスプレイを構築した.
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