www.moodys.co.jp Moody's Global ͛ཆᗕ Corporate Finance 2010 ౫ 9 ሰ 30 ᅠ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ ᬶᓎ 1 概要 格付け対象について 2 業界の概観 3 本格付け手法について 7 9 格付け要因の検討 20 関連リサーチ 21 付録 22 谷本 伸介 ┶ 本格付け手法は、旅客鉄道会社の信用 リ ス ク 評価において ムーデ ィ ーズが 用い る グ ロ ーバルな アプ ロ ーチについて説明 し てい る。 本格付け手法は、 旅客鉄道業界の信用プ ロ フ ァ イ ルの評価に用い る こ と ので き る ツール を 提供 し 、 発行体、 投資家、 他の市場参加者が、 主要な定量 ・ 定性 リ ス ク 要 因が個々の格付けに ど の よ う な影響を与え る 可能性が あ る か を理解す る ための一助 と な る こ と を目的 と し てい る。 本格付け手法は、 ムーデ ィ ーズ に よ る 格付 け に反映 さ れ る 全 て の要因 を 網羅 し た も の で は な く 、 ム ー デ ィ ーズが最終的な格付け を決定す る 上で考慮す る 主要な検討項目 と 財 務指標を読者が理解で き る よ う にす る も のであ る。 O M UT ET DA H T O ED DO LO G ȻɻɇȷɐӞ ኇ̸ ⾹ቊᄙǺ᧸ǨȚ͛ɏʀɇǾƸ2008 ౫ 12 ሰᥰࢀǽȑǽǶǑȚƹ Y 結論 : 格付け表に基づく格付け結果の要約 Global Passenger Railway Companies 03-5408-4100 03.5408.4027 SVP- チーム リ ーダー [email protected] 本格付け手法で扱 う 旅客鉄道会社は、 旅客お よ び (ま たは) 貨物に鉄道運 輸サービ ス を提供 し 、旅客向けサービ ス の売上高が鉄道運輸サービ ス の売 上高の大半を占め る鉄道会社であ る。非鉄道事業の売上高が鉄道事業 と 密 接に関連 し てい る場合 (た と えば、 駅の スペース を店舗 と し て利用する こ と で、 大規模な リ テール事業を展開 し てい る な ど) 、 非鉄道事業の売上高 を旅客事業の売上高に含め る こ と も あ る。 本格付け手法は、 連結売上高の 50% 以上が鉄道運輸サービ ス か ら 生み出 さ れ る鉄道会社を対象 と す る。 本稿は、 詳細な格付け表 と 、 格付け表の中で格付け対象各社が ど こ に位置 付け ら れ る か を格付け要因ご と に例示す る 。 格付け表は、 旅客鉄道セ ク タ ーの中で各社の信用プ ロ フ ァ イ ルが ど の位置に あ る か を大 ま かに示す ための参照ツールを提供す る こ と を目的 と し てい る。 格付け表は、 旅客鉄 道会社の格付けにおいて、一般に最 も 重要 と さ れ る 要因についてのガ イ ダ ン ス の要約を提示す る も のであ る。 格付け表は、 格付け要因を集約 し た も のであ る が、 格付けで考慮 さ れ る 全ての要因を含んでい る わけではな く 、 ムーデ ィ ーズが将来の見通 し も 格付けに織 り 込むのに対 し 、 こ こ に例示す る格付け表への位置付けでは、 過去の業績を用いてい る 。 そのため、 各社 の格付け表に基づ く 格付けは、実際の格付け と 一致 し ない こ と が予想 さ れ る。 格付け表は、 ムーデ ィ ーズが信用 リ ス ク を分析 し 、 旅客鉄道会社に格 付け を付与す る際に検討す る 5 つの主要要因か ら 構成 さ れ る。 䛣䛾᱁ᡭἲ䛿䚸⌧⾜䛾䜒䛾䛷䛿䛺䛔䚹㻌 䝮䞊䝕䜱䞊䝈䞉䝆䝱䝟䞁䛜⌧ᅾ⏝䛧䛶䛔䜛᱁ ᡭἲ䛿䚸ᘢ♫䜴䜵䝤䝃䜲䝖䜢ཧ↷䛾䛣䛸䚹㻌 Moody’s Global Corporate Finance ͛ཆᗕ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ 1. 規模 と 分散性 2. 市場地位 3. コ ス ト 基盤 と 収益性 4. 財務方針、 流動性、 資本構造 5. 財務力 こ れ ら の要因は、 い く つかのサブ要因ま たは指標か ら 構成 さ れ る。 それ ら の詳細は後述す る。 すべて の要因におけ る 評価が、 各社の総合的な格付け と 一致す る水準にな る と は限 ら ないため、 特定の要因 において格付け表に基づ く 格付けが実際の格付けか ら 大幅に乖離 し てい る 発行体、「ア ウ ト ラ イ ヤー」 に関 し て も 議論す る 。 ま た、 経営陣の質や投資戦略な ど、 鉄道会社に付与 し た格付けに大 き な影響を与え得る 一般的な要因 について も 、 本レ ポー ト で別途議論する 。 鉄道業界が直面す る 課題の概要 格付け手法 と 格付けの質を左右する 主要な要因の説明 格付け手法の適用を示 し た表 格付け手法の適用結果の概要 O M UT ET DA H T O ED DO LO G Y 本稿の主要な内容は次の通 り であ る 。 本稿の付録に、 主要格付け要因 と サブ要因ご と の格付け を示 し た格付け表 と 、 各要因の組み合わせに よ る 総合的な推定格付けであ る 数字付加記号付き 格付け を掲載する 。 ただ し 、 発行体の実際の格付け が、 格付け表に基づ く 推定格付け と 正確に一致 し ない こ と が予想 さ れ る 。 ͛Ǡଓ⛅ǺdzǓǵ ムーデ ィ ーズは現在、 世界の旅客鉄道会社 15 社に格付け を付与 し てお り 、 格付け対象債務の総額は 約 360 億 ド ルであ る。 こ れ ら の鉄道会社の大半が投資適格等級に格付け さ れてい る が、 格付けは広い 幅 (Aaa か ら Baa2) に ま たが る 。 業界の平均格付けは A カ テ ゴ リ ーであ る 。 日本の鉄道会社を こ のポー ト フ ォ リ オに含めた理由は、鉄道事業以外の事業が鉄道の乗客の活動 と 密 接に結びついてい る ため、非鉄道事業の売上高の大半が広い意味での鉄道運輸サービ ス の売上高に含 まれ る と 考え ら れ る ためであ る 。 ムーデ ィ ーズが政府系発行体に分類 し た発行体、 すなわち政府に よ る 保有 ま たは関与が発行体のデ フ ォ ル ト 確率や損失規模に と っ て重要性を持つ発行体については、政府系発行体に対する 格付け手法 に基づいて格付け を付与す る 1。 発行体が政府系発行体であ る 場合、 本格付け手法は、 ムーデ ィ ーズ が政府系発行体の格付け手法に基づいてベース ラ イ ン信用 リ ス ク 評価 (BCA)2 を行 う 際に補完的に利 用 さ れ る 。 現在格付けが付与 さ れてい る 旅客鉄道会社の内、 7 社が政府系発行体であ る。 図表 1 に、 すべての格付け対象の旅客鉄道会社 と 公表格付け (政府系発行体の場合はベース ラ イ ン信用 リ ス ク 評 価 も )、 所在地、 格付け対象債務を示す。 1. 2005 年 4 月発行の ムーデ ィ ーズの格付け手法、 "The Application of Joint Default Analysis to Government Related Issuers" (日本語 版 「政府系発行体への複合デフ ォ ル ト 分析の適用」 2005 年 5 月) 参照。 2. ベース ラ イ ン信用 リ ス ク 評価は 21 段階の格付け ス ケールで表 さ れ、1 が最 も リ ス ク が低 く 21 が最 も リ ス ク が高い。こ の ス ケー ルはムーデ ィ ーズのグ ロ ーバル格付け ス ケール (同様に 21 段階) に対応 し てお り 、 ベース ラ イ ン信用 リ ス ク 評価 「1」 は 「Aaa」 格付けに、 「21」 は 「C」 格付けに相当す る 。 2 2010 ౫ 9 ሰƛ ͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ Moody’s Global Corporate Finance ͛ཆᗕ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ ࡖ⒙ 1: ᅌૃ⧘⣔Ή᰷ǽ͛Ǡཆᗕǽ⣪᧸ଓ⛅ǷǹȚ⒅Χ BCA(*) ᰷۵ Ӹ⒙͛Ǡ ͛Ǡǽ╀⢡Ǧ ཀࢀࢄ ͛Ǡଓ⛅ǽ⫧ቃؘ҆ ⾷ⲥⰢƸʽɑɳ⾸ ᅌૃ⧘⣔Ή᰷ Norges Statsbaner 4 Aa1 ય ɖɳȮȯʀ SNCF 5 Aaa ય ɝɱɻɁ 15,155 ኇᅠቊᅌૃ⧘⣔⾷JR ኇᅠቊ⾸ Aa1 ય ᅠቊ 8,793 ኇᘬᅌૃ⧘⣔⾷JR ኇᘬ⾸ Aa2 ય ᅠቊ 3,711 ⬄┴ⶲ⢦⧘⣔ Aa2 ય ᅠቊ 219 ̸⯍⧘⾷̸⾸ A2 ય ᅠቊ 305 ̸ᘛබ⒅⯍⧘⾷̸බ⾸ A3 ય ᅠቊ 1,220 ⬰බ⬰ɣʀɳɏȫɻȸɁ⾷⬰බ⬰⾸ Baa1 ય ᅠቊ 1,240 ⡨ᨾᅠቊ⧘⣔⾷⡨⧘⾸ Baa2 ય ᅠቊ 913 ኇ̸බ⒅⯍⧘⾷ኇබ⾸ Baa2 ય ᅠቊ 712 6 A2 ય ⱦ࡛ 2,513 6 Aa2 ય ᚯ 1,410 Deutsche Bahn 4 Aa1 ય ɑȬɌ 11,106 SNCB Holding(SNCB) 5 Aa1 ય ɡɳȶʀ MAV 14 Baa2 ય ɗɻȴɲʀ ⱦ࡛⧘⣔Ӹ᰷ (Korail) MTR Corporation Limited ("MTR") 375 ἕ۰⧘⣔Ή᰷ 47,672 Y ۰╹ O M UT ET DA H T O ED DO LO G *BCA は、 政府系発行体に対する格付け手法における ベース ラ イ ン信用 リ ス ク評価 (上記参照) ;BCA 「4」 は Aa 格付け、 「5」 は A1 格付け、 「6」 は A2 格付け、 「14」 は B1 格付けに相当。 本稿で言及す る 公表格付けは、 投資適格等級発行体の場合は発行体格付け、 投機的等級発行体の場合 は コ ーポ レー ト ・ フ ァ ミ リ ー ・ レーテ ィ ン グであ る 。 全社の格付け見通 し は安定的であ る 。 Ꮱᨕǽ╞ 西欧 過去数十年にわた り 西欧の鉄道運輸会社の市場シ ェ アは、 貨物 ・ 旅客サービ ス両分野で一貫 し て縮小 欧州の貨物 ・ 旅客輸送市場におけ る 鉄道のシ ェ アは、 約 30 年にわた り 大幅に低下 し て き た。 他の輸 送手段の能力ボ ト ルネ ッ ク が増大 し てい る に も かかわ ら ず、 欧州の旅客 ・ 貨物輸送の大半を道路輸送 が占めてお り 、 そのシ ェ アは継続的に上昇 し てい る。 し か し 、 鉄道輸送は車、 格安航空会社の成長に 伴いシ ェ ア を大 き く 伸ば し て き た航空輸送に続き 、 3 番目に重要な輸送手段であ る。 ࡖ⒙ 2: EU27 ȳ࡛ - ⠡⢌ཆᔲǽᅌૃ⠡⢌⦖ 10 ҽᅌૃ km 1995 ౫ 3,855 2000 ౫ 4,283 2006 ౫ 4,602 '95-'06 ౫ǽΖȂ᤹ 19.40% ౫౪ࢍΖȂ᤹ 1.60% ⧘⣔ 348 368 384 10.40% 0.90% ⅸ᳧ 335 456 547 63.30% 4.60% ⅋̘ؔ⠛⟥ 123 136 154 24.60% 2.00% 71 77 84 17.90% 1.50% 501 514 523 4.30% 0.40% 5,277 5,876 6,333 20.10% 1.70% ˻᧸⟥ ɐɱɨɿࢄˁ⧘ ɘɁ ۰╹ լཀ :Eurostat 旅客市場 : 2 つの主要 ト レ ン ド 既存の鉄道会社の鉄道旅客サービ ス に現在影響を与え てい る ト レ ン ド が 2 つあ る 。 まず、 長距離旅客 輸送におけ る 他の鉄道会社 と の競争は限定的であ る が、 近年、 航空会社 (大半が格安航空会社) と の 競争が激化 し てい る 。 次に、 地域鉄道旅客サービ ス の分野では、 地域輸送ネ ッ ト ワ ー ク の入札方式に よ る 契約の増加を背景に、 鉄道業界内の競争が激化 し てい る 。 3 2010 ౫ 9 ሰƛ ͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ Moody’s Global Corporate Finance ͛ཆᗕ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ 長距離旅客輸送は格安航空会社に対抗 し てい く 必要がある 長距離旅客サービ ス の分野では、 500km 超の長距離輸送を中心に、 過去 10 年で参入 し て き た格安航 空会社か ら の脅威が増大 し てい る 。 多数の鉄道会社が航空会社 と 同様の運賃体系を提供 し た り 、 高速 ネ ッ ト ワ ー ク を増強 し た り す る こ と で、 航空会社に対抗 し て き た。 こ の よ う な戦略が支え と な っ て、 旅客輸送市場の需要は 2005 年以降、若干上向いて き た。高速サービ ス の改善に よ っ て、 こ のポジテ ィ ブな ト レ ン ド は今後 も 維持 さ れ、 強ま る と ムーデ ィ ーズは予想 し てい る 。 地域輸送は依然 と し て政府支援に大き く 依存、競争入札の増加が既存事業者 の売上高に打撃を与え る 地域旅客鉄道会社 (バス事業 も 補完的に行っ てい る と こ ろが多い) は近年、 あ る 程度安定 し た売上高 を計上 し て き たが、 基本的には公共輸送に対す る補助金に依存 し てい る ( こ れがなければ獲得 し た契 約か ら 利益を上げ る こ と はで き ない) 。 実際に こ れ ら の補助金に よ っ て、 大半の地域旅客サービ ス会 社は安定的な収益を確保で き る 。 ただ し 、 入札プ ロ セ ス におけ る旅客収入の算定が現実的であ り 、 目 標 と す る 運行時間の正確 さ と 運行本数を達成 し てい る こ と が条件 と な る 。 O M UT ET DA H T O ED DO LO G Y 地域輸送の分野では、 公的な補助金だけでな く 、 長距離ネ ッ ト ワー ク に比べて必要な投資額が小 さ い こ と が、 事業計画の安定性を支えてい る 。 こ れが、 既に海外競合会社に開放 さ れてい る 地域輸送市場 での競争を比較的激 し い も のに し てい る 一因であ る 。地域鉄道旅客市場の海外企業への開放が進んで い る ド イ ツ では、 過去 10 年間の競争入札の約 50% を Deutsche Bahn が獲得 し 、 その他の入札を国内 企業 (例 :Ostdeutsche Eisenbahn) と 国際企業 (例 :Veolia Transport、 Schweizerische Bundesbahnen (SBB) 3 ) が獲得 し てい る。 地域鉄道事業は安定的な収入源 と し ての役割を維持する と ムーデ ィ ーズは予想 し てい る が、 今後、 輸 送サービ ス契約におけ る 競争入札の割合が高ま る と み ら れ、 こ れが既存事業者の売上高 と 収益性に打 撃を与え る 可能性があ る 。 貨物輸送市場 : 既存事業者は中核の鉄道貨物事業の収益性確保 と い う 課題に 直面 ࡖ⒙ 3:EU27 ȳ࡛ - ⠡⢌ཆᔲǽ⛨ᢼ⠡⢌⦖ ⣔➇ 10 ҽɐɻ km 1995 ౫ 1,289 2000 ౫ 1,519 2006 ౫ 1,888 '95-'06 ౫ǽΖȂ᤹ 46.5% ౫౪ࢍΖȂ᤹ 3.5% ᘬˀ 1,150 1,348 1,543 34.3% 2.7% ⧘⣔ 386 401 435 12.6% 1.1% ⅸ᳧ 2 2.7 3 50.0% 3.8% 3,032 3,529 4,143 35.3% 2.8% ۰╹ 出所 :Eurostat 西欧の貨物輸送事業は依然 と し て経済情勢に大き く 影響 さ れやす く 、 景気は低迷を続けてい る。 貨物 輸送量は 2 年間減少 し た後、 2002 年末に増加に転 じ た。 EU 拡大に よ る プ ラ ス の影響を主な背景 と し て、 西欧の鉄道貨物輸送量は今後数年間、 緩やかではあ る が安定 し たペース で増加する と ムーデ ィ ー ズは予想 し てい る 4。 輸送量の増加を収益の増加に結びつけ る こ と が望ま れ る が、 道路輸送業者か ら の価格圧力が弱ま る こ と はないため、 こ の点が困難な課題 と し て残る と 見 ら れ る 。 道路輸送が今後 も 鉄道貨物輸送に と っ て脅威 と な る 理由は次の通 り であ る 。 鉄道シ ス テ ムの効率が低い主な理由は、 欧州各国間の技術的な調和性 と 互換性の欠如であ る。 こ れが、 海外事業者に と っ て地域鉄道輸送市場への事実上の参入障壁 と な っ てい る (上述の通 り 、 欧州の規制当局は完全な自由競争を可能にす る ため、 こ の障壁を除去 し よ う と し てい る)。 3. Swiss Federal Railway (Schweizerische Bundesbahen ま たは SBB) 4. 欧州委員会、 ス イ ス の運輸 コ ン サル タ ン ト 会社 ProgTrans、 ド イ ツ の国際調査政策機関、 Zentrum Wirtschaftsforschung(ZEW) の予想に基づ く 。 4 2010 ౫ 9 ሰƛ ͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ fuer Europaeische Moody’s Global Corporate Finance ͛ཆᗕ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ 道路輸送の強みは、 欧州域内では国内で も 国境で も 輸送ルー ト に障壁がな く 、 欧州全体で道路 イ ン フ ラ に多額の投資が行われてい る こ と であ る 。 輸送能力は限界に達 し つつあ る も のの、 こ の よ う な強みが生産性 と サービ ス の質の大幅な向上を実現 し て き た。 鉄道貨物輸送サービ ス が最 も 高い効率性を発揮す る のは、 流通セ ン タ ー間の距離が長い と い う 地 理的条件下であ る 。 た と えば、 北米、 ロ シ ア、 カザフ ス タ ン な ど では、 鉄道貨物輸送の ス ピー ド と 量 と い う 強みが、 柔軟性の不足を補っ てい る 。 一方、 柔軟性の高い道路輸送は、 欧州に よ く 見 ら れ る よ う な流通セ ン タ ー間の距離が短い場合の輸送に適 し てい る 5。 欧州市場では、 優先度の高い旅客輸送 と 路線を共有す る こ と か ら 生 じ る 能力のボ ト ルネ ッ ク も 、 鉄道貨物輸送事業を制約 し てい る 6。 と はいえ、 道路輸送の能力が限界に達 し つつあ る こ と や、 能力のボ ト ルネ ッ ク 、 鉄道輸送に比べ高い コ ス ト (例 : ド イ ツ の道路通行料徴収制度の導入) を要因 と し て、 鉄道貨物業者の競争力は改善する と ムーデ ィ ーズは見てい る 。 他の輸送手段 と の競争に対応す る ための戦略であ る連結輸送が業界統合を 促進するが、 鉄道輸送事業の地位低下につながる可能性がある O M UT ET DA H T O ED DO LO G Y 市場シ ェ アの継続的な低下に対する 戦略的対応 と し て、一部の欧州の鉄道会社は複合輸送を拡大 し て い る 。 こ のサービ スは集荷 と 地域配送におけ る道路輸送の柔軟性 と 、 大量の貨物を一括 し て長距離輸 送す る と い う 鉄道の強みを 1 つのパ ッ ケージに ま と め、 他の輸送手段 と 比肩 し 得 る価格、 品質、 速 さ で提供す る も のであ る 。 鉄道貨物の減少傾向 と は対照的に、 鉄道 / 道路を組み合わせた方式での輸送 量は近年、 大幅に増加 し てい る が、 複合輸送の売上高への寄与度は輸送量ほ ど増加 し ていない。 複合輸送サービ ス の提供は、 鉄道会社が よ り 広い範囲で競争に晒 さ れ る こ と を意味す る。 鉄道会社は 貨物輸送会社だけでな く 、 多数のグ ロ ーバル企業を含む他の貨物 ・ 物流サービ ス会社 と 競争する こ と にな る か ら であ る 。 一部の欧州鉄道会社は、 自社の複合輸送ネ ッ ト ワー ク に欠けてい る 輸送手段を補 完 し 、 自社の営業基盤に組み込むために、 買収戦略を採用 し てい る (例 :Deutsche Bahn に よ る Stinnes の買収、 SNCF に よ る Geodis の買収、 Trenitalia の TX Logistics への資本参加)。 自社か ら 見て最 も 効率的で収益力の あ る 輸送手段を組み合わせ る こ と がで き る よ う にな っ た こ れ ら の事業者は、 全体に焦点を定めた輸送手段を得た こ と にな り 、 こ れが戦略的なシ フ ト につなが る可能 性があ る 。 い く つかの事業者は最近、 収益性の強化を重視す る のであれば、 鉄道貨物事業への追加投 資を抑制す る べ き か も し れない と 示唆 し てい る 。 他の輸送手段を鉄道輸送 と 一体 と し て提供す る 際の メ リ ッ ト を鉄道輸送に取 り 込んでい く 方向での 政治的な努力がなければ、総合貨物輸送事業者が運輸手段の柔軟性を一層高め る こ と に よ っ て鉄道貨 物事業の地位が低下 し 、それが規制当局ま たは政府に よ る さ ら な る措置につながっ てい く 可能性があ る。 一般に、 規制緩和 と 競争の拡大は、 制約のない競争を実現す る ために必要な条件であ る と ムーデ ィ ー ズは考え てい る 。 し か し 、 それだけでは鉄道輸送の市場シ ェ アの低下傾向を反転 さ せ、 鉄道輸送会社 の収益性を大幅に改善 さ せ る ためには充分でない。鉄道貨物輸送会社は他の輸送手段 と 競争 し てい く 上で も 、 課題に直面 し てい る か ら であ る 。 鉄道会社が道路輸送会社 と の競争力の差を縮め る ためには、 事業効率を さ ら に改善 し 、 ス ピー ド 、 信 頼性、 柔軟性を高め る 必要があ る 。 貨物輸送事業に対する 公的な補助金については、 EU が厳 し い目 を向け る よ う にな っ てお り 、既存の鉄道貨物会社の多 く は持続可能な収益性を確保する と い う 課題に 直面 し てい る 。 こ の よ う に見通 し が不透明であ る ため、 総合輸送会社は貨物事業への関与を疑問視す る よ う にな っ てお り 、 こ れが欧州全域で事業を行 う 貨物 ・ 流通サービ ス会社の統合を促進 し 、 小規模 な事業者への圧力が高ま る 結果、小規模事業者は事業の焦点を再び旅客事業に絞 ら ざ る を得な く な る と ムーデ ィ ーズは見てい る 。 5. 北米の貨物輸送市場に占め る 鉄道輸送のシ ェ アは約 40% であ る 。 鉄道は、 高い相互運用性、 輸送距離の長 さ 、 異な る 貨物輸送 ネ ッ ト ワー ク で長い貨車を運行で き る こ と か ら 恩恵を受け てい る 。 6. 欧州の イ ン フ ラ 拡大の状況の詳細な評価 と 、 2010 年ま での イ ン フ ラ 投資の見通 し については、 2003 年発行の レ ポー ト 、 "TransEuropean Transport Networks INVEST Report" (http://europa.eu.it/comm/ten/whatsnew/index_en.htm) 参照。 5 2010 ౫ 9 ሰƛ ͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ Moody’s Global Corporate Finance ͛ཆᗕ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ 日本 鉄道事業は安定的 鉄道事業の収益性は引 き 続 き 安定 し てお り 、各社の輸送量にかかわ り な く 今後 も 安定 し た収益性が維 持 さ れ る と 見 ら れ る 。 若年人口 も し く は就労人口の減少に伴い、 定期券利用乗客数は減少傾向に あ る 。 一方、 マ ク ロ 経済の改善や、 ダ イ ヤ グ ラ ムの改正 ・ 地下鉄への乗 り 入れの推進な ど の各種のサー ビ ス の向上に よ り 、 一般乗客の輸送人員数は改善 し てい る。 ま た、 過去 1 年で各社は人員 と 維持費の 削減な ど コ ス ト 管理を大幅に強化 し て き た。 その結果、 輸送人員数が増加 し てい る 会社は も ち ろんの こ と 、 減少 し てい る 会社で も 、 近年は コ ス ト 削減等の施策に よ り 、 収益性が改善 し てい る 。 非鉄道事業の再構築 O M UT ET DA H T O ED DO LO G Y 日本の大半の鉄道会社では、 鉄道事業が売上高に占め る割合は低い。 JR 東日本 と JR 東海は、 売上高 お よ び資産に占め る 運輸業の比率が半分を大き く 超え てい る が、民鉄各社のそれは総 じ て半分に満た ない。 従っ て、 鉄道以外の各事業の構成が、 各社の生み出す全体 と し てのキ ャ ッ シ ュ フ ロ ーの質お よ び量に と っ て重要な意味を持つ こ と にな る 。 最近の数年間において、 鉄道各社は低採算事業の再構築 と 再編成を本格的に進めて き た。 その対象 と な っ た典型的な事業分野は、 ホ テル ・ レ ジ ャ ー部門、 不 動産開発部門、 百貨店部門、 バ ス部門等であ る。 こ れ ら の事業再編成の結果、 各社の非鉄道事業全体 の収益性は改善 し 、 ま た経済情勢の変化の影響を以前 よ り 受けに く く な っ て来てい る。 従っ て、 各社 の事業全体の業績の予測可能性 も 、 以前に比較 し て高ま っ てい る。 ま た、 鉄道各社の事業ポー ト フ ォ リ オ再構築の方向性は、 鉄道事業の営業基盤への集中を再び強めてい く こ と であ り 、 中核 と な る 営業 基盤 と の関連性が低い事業は、 縮小ない し は撤退する 方針を打ち出す例が多い。 注力す る 事業 と し ては、 鉄道事業の乗客へのサービ ス に も 貢献す る、 駅をベース と し た小売事業が挙 げ ら れ る 。 鉄道事業の持つ既存の施設を有効に利用すれば、 こ の よ う な事業は多額の投資を必要 と し ない。 従っ て、 こ の種の事業は比較的 リ ス ク が小 さ く 、 投資 リ タ ーンが期待で き る。 一方で、 鉄道各 社の手掛け る 不動産事業の中で、 住宅開発事業は、 従来の沿線の保有土地におけ る 戸建て住宅用の大 規模宅地開発か ら 、 土地の取得を含むマ ン シ ョ ン開発に力点がシ フ ト し つつあ る。 従来は簿価の低い 保有土地の開発事業は高い利益を生み出 し ていたが、 すでに保有土地の在庫が少な く な っ てい る 。 土 地取得に よ る マ ン シ ョ ン開発事業は、 基本的に他のデベ ロ ッ パー と 同様の事業 リ ス ク を持ち、 その収 益性 と 安定性に留意が必要であ る 。 6 2010 ౫ 9 ሰƛ ͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ Moody’s Global Corporate Finance ͛ཆᗕ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ ቊ͛ǠཆᗕǺdzǓǵ 本稿では、 鉄道会社の格付け手法を次に要約 し た 6 つのセ ク シ ョ ンに分けて説明する 。 1) 主要格付け要因の特定 本格付け手法では、 鉄道会社の信用分析において重視 さ れ る 5 つの格付け要因に焦点を絞 る 。 1. 規模 と 分散性 2. 市場地位 3. コ ス ト 基盤 と 収益性 4. 財務方針、 流動性、 資本構造 5. 財務力 5 要因それぞれの評価方法を説明す る ために、 1 つ以上のサブ要因ま たは信用指標を挙げ る。 格付け 表は合計 15 のサブ要因か ら 構成 さ れ る。 2) 主要格付け要因の評価方法 O M UT ET DA H T O ED DO LO G Y こ こ では、 主要要因を構成す る サブ要因を ど の よ う に算出 し 、 ウ ェ イ ト 付けす る か を説明す る。 ま た、 特定の格付け指標を用い る 理由 と 、 それ ら の指標を格付けプ ロ セ ス に適用す る 方法 も 説明す る。 15 のサブ要因の内、 5 つがムーデ ィ ーズのアナ リ ス ト の観察に基づいてお り 、 10 のサブ要因は財務 諸表に基づ く 指標であ る 。 ムーデ ィ ーズの格付けは将来の見通 し を反映 し た も のであ る が、格付けプ ロ セ ス では過去の財務デー タ を幅広 く 分析す る 。 過去の業績は企業業績のパ タ ーン と 傾向を理解す る一助 と な り 、 競合他社 と の 比較を行 う ために用い ら れ る 。 格付けプ ロ セ ス では過去の業績 と 見通 し の両方を考慮す る が、 本稿で は説明目的のために過去デー タ のみを用い る 。本格付け手法で検討す る 主要要因 と サブ要因はすべて 直近の 4 四半期の公表財務デー タ を用いて測定する 。ただ し 、サブ要因の EBITA は直近 3 年間のデー タ に基づいて算出す る 。 定量的な指標はすべてオ フバ ラ ン ス項目、 売掛債権証券化プ ロ グ ラ ム、 年金 基金の積立不足、 経常的なオペレーテ ィ ン グ ・ リ ース な ど について、 損益計算書、 キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー 計算書、 お よ び賃借対照表にムーデ ィ ーズの標準的調整を織 り 込んでい る 7。 3) 格付け カ テ ゴ リ ーへのマ ッ ピ ング 各要因の評価基準を特定 し た後、11 のサブ要因の評価結果を ムーデ ィ ーズの格付け カ テ ゴ リ ー (Aaa、 Aa、 A、 Baa、 Ba、 B、 C) にマ ッ ピ ン グす る。 4) 発行体の格付け表へのマ ッ ピ ング と アウ ト ラ イヤーの検討 発行体は、 サブ要因 と 主要要因の評価結果に対応す る格付け レ ン ジにマ ッ ピ ン グ さ れ る。 特定の主要 格付け要因あ る いはサブ要因において、 あ る発行体に対す る評価が実際の格付けが示唆する 水準を上 回 る 、 ま たは下回 る 場合があ る 。 こ の よ う な発行体を、 当該主要要因ま たはサブ要因におけ る ア ウ ト ラ イ ヤー と す る 。 特定のサブ要因の評価が実際の格付け レ ン ジ を 2 つ以上上回 る発行体を、 そのサブ 要因におけ る ポ ジ テ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー、 2 レ ン ジ以上下回 る 発行体を ネガ テ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー と す る 。 こ のセ ク シ ョ ンでは、 主要格付け要因お よ びサブ要因ご と にア ウ ト ラ イ ヤーについての 一般的な議論を提示す る 。 7. 米国 ・ カナダの発行体については 2005 年 4 月発行の "Moody's Approach to Global Standard Adjustments in the Analysis of Financial Statements for Non-Financial Corporations "-Part I (日本語版 「事業会社の財務諸表分析におけ る ムーデ ィ ーズの標準的調整アプ ロ ーチ第一部」 2005 年 8 月発行)、 国際財務報告基準に基づいて財務報告を行 う 発行体については、 2005 年 7 月発行の同 Part II (日本語版 「事業会社の財務諸表分析におけ る ムーデ ィ ーズの標準的アプ ロ ーチ第二部」 2006 年 5 月発行)、 日本の発行体 については 2006 年 9 月発行の同 Part III (日本語版 「事業会社の財務諸表分析におけ る ムーデ ィ ーズの標準的アプ ロ ーチ第三 部」 2006 年 10 月発行) を参照 さ れたい。 ま た、 2006 年 2 月発行の スペシ ャ ル ・ コ メ ン ト "Guideline Rent Expense Multiples for Use with Moody's Global Standard Adjustment to Capitalise Operating Leases" も 参照 さ れたい。 7 2010 ౫ 9 ሰƛ ͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ Moody’s Global Corporate Finance ͛ཆᗕ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ 5) 想定、 限界、 格付けに関する他の検討事項についての議論 こ のセ ク シ ョ ンでは、 格付け表を用いた格付けの限界を実際の格付け と の対照において議論 し 、 全体 的な格付け手法に関連す る 主要な想定の限界について検討する 。 6) 格付け表に基づ く 総合的な格付けの決定 格付け表に基づ く 総合的な格付け を決定す る ために、 15 のサブ要因に基づ く 格付け を次の ス ケール に従っ て数値に変換す る 。 Aaa Aa A Baa Ba B Caa 1 3 6 9 12 15 18 各サブ要因の数値に ウ ェ イ ト を付加 し た後、 サブ要因の数値の加重平均を算出 し 、 それを主要格付け 要因の ス コ ア と す る 。 次に、 各主要格付け要因の ス コ ア を主要格付け要因の表にマ ッ ピ ン グ し 、 ス コ アに対応す る 格付け レ ン ジに基づいて主要格付け要因におけ る 格付け を付与する 。格付け要因 と サブ 要因を次の表に ま と めた。 ͛Ǡ┶ࡍ ╄ᑡǷոᄃම ȮȯȬɐ 20% Ƚɞ┶ࡍ ॹˀⶲ Ƚɞ┶ࡍǽȮȯȬɐ 10% 10% ̗Ꮱᦹऴǽયම O M UT ET DA H T O ED DO LO G లईǽᣀම Y ̗Ꮱǽոᄃම 34% లईࢄΡ ȻɁɐ࣠ᬬǷہᬖම ⛥ؘᅀ⦠ƸᘓؔමƸ✇ቊᐦ⢧ 16% 15% 15% ⛥מؘ 7% ͙ǽ⠡⢌ཆᔲǷǽᴽ̕ 7% EBITA ɦʀɀɻ 6% (PT ⾺ PK)/ ἕ൝Ꮱݲᄋ 5% EBIT/ ἕ✇᧳ 5% ሱ⛤҆ / ȵɫɜɇɲɄʀȿɯɻ 5% ሱ⛤҆ /EBITDA 5% ᘓؔම 5% FCF/ ሱ⛤҆ 5% RCF/ ẗሱ⛤҆ 5% FFO ȬɻɇɴɁɐɿȳɘɴɋɀ 5% ဝ͛Ǡ Aaa Ӵ┶ࡍǽ⦔ףɁȻȪǽ۰╹ x < 1.50 Aa1 1.50 ļ x < 2.50 Aa2 2.50 ļ x < 3.50 Aa3 3.50 ļ x < 4.50 A1 4.50 ļ x < 5.50 A2 5.50 ļ x < 6.50 A3 6.50 ļ x < 7.50 Baa1 7.50 ļ x < 8.50 Baa2 8.50 ļ x < 9.50 Baa3 9.50 ļ x < 10.50 Ba1 10.50 ļ x < 11.50 Ba2 11.50 ļ x < 12.50 Ba3 12.50 ļ x < 13.50 B1 13.50 ļ x < 14.50 B2 14.50 ļ x < 15.50 B3 15.50 ļ x < 16.50 Caa1 16.50 ļ x < 17.50 Caa2 17.50 ļ x 鉄道会社別の全ス コ ア と マ ッ ピ ン グ結果を付録に示す。 2010 ౫ 9 ሰƛ ͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ 10% ۴Ჷǽ⠡⢌ཆᔲǺǙǠȚᴽ̕ 次に、 合計ス コ ア を次の表にマ ッ ピ ン グ し 、 格付け手法に基づ く 格付け を決定する 。 8 10% Moody’s Global Corporate Finance ͛ཆᗕ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ ͛Ǡ┶ࡍǽᎰ╿ 要因 1- 規模 と 分散性 (ウ ェ イ ト 20%) こ の要因を重視する理由 規模 と 安定性は、 格付け上の重要な検討要因であ る。 こ れ ら のサブ要因は正の相関性 (規模の大き な 企業ほ ど豊富な経営資源を持つため、 事業内容の分散性が高い) を持つが、 鉄道会社の信用プ ロ フ ァ イ ルに与え る 影響は、 サブ要因に よ っ て異な る 。 規模 : 規模は鉄道会社の市場での競争力や価格決定力を決定する 主要な要因であ る 。 ま た、 規模が大 き ければ、 規模の経済性 と 範囲の経済性に よ っ て事業 コ ス ト を引 き下げ、 コ ス ト 効率を高め る こ と が で き る と い う 意味で も 重要であ る 。 さ ら に、 大規模な企業は よ り 効率的な技術、 生産、 調達に投資で き る 。 こ の よ う な投資に よ っ て、 広範な運輸市場でシ ェ ア を維持す る ためのカ ギ と な る サービ ス の質 と 顧客サービ ス の水準を改善する こ と がで き る 。 加えて、 規模が大 き ければ、 海外で採算性の高い事 業機会を得 る こ と が容易にな る 。 O M UT ET DA H T O ED DO LO G Y 分散性 : 鉄道セ ク タ ーにおけ る 事業の分散性は、 よ り 高い成長の可能性を も た ら すため、 プ ラ ス要因 と 考え ら れ る 。 一般に、 分散性は、 (1) 事業セグ メ ン ト 、 (2) 事業地域、 (3) 顧客基盤、 の 3 つの面か ら 見 る こ と がで き る 。 本格付け手法では、 事業セグ メ ン ト の分散性のみを検討す る。 発行体の大半は 主に国内市場に的を絞っ てお り 、 短期的に海外市場への事業拡張が行われ る と は予想 し ていないた め、 事業地域の分散性については考慮 し ない。 し か し 、 格付け手法には織 り 込んでいない も のの、 事 業の地理的分散化に成功 し てい る 発行体については、事業地域の分散性が格付け評価にプ ラ ス の影響 を与え る と 考え ら れ る 。 顧客の分散性は、 貨物輸送のみに関連す る要因であ る。 格付け対象の発行体 は非常に広範な顧客基盤を有する ため、 こ の面での分散性は考慮 し ていない。 し か し 、 格付け手法に は織 り 込んでいない も のの、 少数の顧客のみにエ ク ス ポージ ャ ーを有す る発行体の場合、 こ の要因は 格付け評価にマ イ ナス の影響を与え る と 考え ら れ る 。 評価基準 売上高 : 公表 さ れた連結売上高に よ っ て測定する 。 分散性 : 売上高の大ま かな分類に よ っ て測定する 。 次に挙げ る 事業セグ メ ン ト の内、 総売上高の 10% 超を占め る セグ メ ン ト の数で評価する 。 (1) 地域旅客輸送、 (2) 長距離旅客輸送、 (3) 貨物輸送、 (4) イ ン フ ラ ( ネ ッ ト ワー ク や駅) 運営、 (5) 物流事業、 (6) 牽引サービ ス。 多数のセグ メ ン ト で事業を展開 す る 企業ほ ど高い格付けにマ ッ ピ ン グ さ れ、事業内容が 1 セグ メ ン ト のみの企業は最 も 低い ス コ ア と な る。 9 2010 ౫ 9 ሰƛ ͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ Moody’s Global Corporate Finance ͛ཆᗕ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ 要因 1 のマ ッ ピ ング基準 : 規模 と 分散性 ┶ࡍ 1: ╄ᑡǷոᄃම ͛Ǡ ȳɎȼɲʀ ॹˀⶲǽ╄ᑡ ⾷10 ҽɑɳ⾸ Ƀȸɩɻɐǽոᄃ ම⾷ॹˀⶲǽ 10% ❞ȡᐦ༔ǨȚɃȸ ɩɻɐǽᄋ⾸ Ƚɞ┶ࡍǽ ȮȯȬɐ Aaa 10% Ľ 20 10% Aa A Baa Ba 15 ļ x < 20 10 ļ x < 15 5 ļ x < 10 4 4 ͨˀ 2:2 ᨯᬶǺॹ ˀⶲǽⶲǓ Ƀȸɩɻɐ ǛॹˀⶲǺ ڀȐȚׂ۰ Ǜ 30% ͨˀ 3 B Caa 3ļx<5 0.5 ļ x < 3 < 0.5. 2:2 ᨯᬶǺॹ ˀⶲǽⶲǓ Ƀȸɩɻɐ ǛॹˀⶲǺ ڀȐȚׂ۰ Ǜ 30% ቈᛙ 1:2 ᨯᬶǺॹ ˀⶲǽⶲǓ Ƀȸɩɻɐ ǛॹˀⶲǺ ڀȐȚׂ۰ Ǜ 10% ቈᛙ 1 要因 1 に基づ く マ ッ ピ ングの結果 : 規模 と 分散性 Ή᰷ɦɋɜɻȸ - ┶ࡍ 1: ╄ᑡǷոᄃම ┶ࡍ 1 Ǻ࣠ǴǞ BCA ╄ᑡ 10% ոᄃම 10% Aaa Aa 4 (Aa3) ͛Ǡ 20% Aa MAV Baa2 14 (B1) Ba B A Norges Statsbaner Aa1 4 (Aa3) Baa B Aa SNCB Holding Aa1 5 (A1) Baa Ba A SNCF Aaa 5 (A1) Aa Aaa Aa Y ᥰࢀǽ͛Ǡ Aa1 O M UT ET DA H T O ED DO LO G ┶ࡍǽȮȯȬɐ Deutsche Bahn ኇᅠቊᅌૃ⧘⣔⾷JR ኇᅠቊ⾸ Aa1 A Aaa Ba ኇᘬᅌૃ⧘⣔⾷JR ኇᘬ⾸ Aa2 Baa Aa Ba ⬄┴ⶲ⢦⧘⣔ Aa2 B Caa B ̸⯍⧘⾷̸⾸ A2 B Ba B ̸ᘛබ⒅⯍⧘⾷̸බ⾸ A3 B Ba B ⬰බ⬰ɣʀɳɏȫɻȸɁ⾷⬰බ⬰⾸ Baa1 Ba Baa B ⡨ᨾᅠቊ⧘⣔⾷⡨⧘⾸ Baa2 Ba Baa B ኇ̸බ⒅⯍⧘⾷ኇබ⾸ Korail Baa2 Ba A B A2 6 (A2) B B Ba MTR Aa2 6 (A2) Ba B Baa ɥɀɎȫɞɿȪȮɐɱȬɬʀ ɕȴɎȫɞɿȪȮɐɱȬɬʀ 評価結果 と アウ ト ラ イ ヤー 欧州 ・ 中東 ・ ア フ リ カ (EMEA) の鉄道会社で規模 と 分散性におけ る ネガテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー と な っ たのは、 Norges Statsbaner の 1 社であ る。 同社の評価は、 比較的規模が小 さ い こ と と 、 限定的な 分散性か ら 制約を受けてい る 。 こ の要因でア ウ ト ラ イ ヤー と な ら なかっ たア ジ アの鉄道会社は 4 社の みであ る (東急、 阪急阪神、 近鉄、 JR 東日本)。 こ れは、 EMEA の鉄道会社が比較的小規模の市場で 分散性の低い鉄道事業を行っ てい る のに対 し 、 ア ジ アの鉄道会社は EMEA の鉄道会社 と は異な る 事 業モデル を採用す る 傾向が あ る ためで あ る 。 ま た、 日本の鉄道会社は鉄道以外の分野 (小売、 不動 産、 ホ テルな ど) で大規模な事業を展開 し てい る と こ ろが多い。 こ れ ら の鉄道以外の事業は自社の鉄 道顧客を対象 と し てお り 、 鉄道事業の資産の有効活用 と 、 資産価値の一層の向上に貢献 し てい る 。 本 格付け手法では、 こ の タ イ プの分散性は捕捉で き ない。 10 2010 ౫ 9 ሰƛ ͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ Moody’s Global Corporate Finance ͛ཆᗕ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ 要因 2- 市場地位 (ウ ェ イ ト 34%) こ の要因を重視する理由 旅客鉄道会社の市場地位は、 会社に よ っ て大 き く 異な る。 こ の要因は、 会社の事業モデル と 将来の成 長性を測定す る も のであ る ため、 重要な信用指標であ る。 こ の要因を評価す る にあ た り 、 (1) 事業に 対す る 規制の枠組みの安定性、 (2) 関連市場の主要な特性、 (3) 同種の輸送手段におけ る競争、 (4) 他 の輸送手段 と の競争、 の 4 つのサブ要因に焦点を絞る 。 事業環境の安定性 : 鉄道会社は規制 さ れた自由市場で事業を行 う 。 矛盾 し た言い方に聞 こ え る か も し れないが、 旅客鉄道事業は重要な社会的役割を担っ てい る ため、 規制の枠組みに深 く 組み込まれてお り 、 それが事業のい く つかの重要な特性を規定 し てい る と い う 意味であ る。 まず、 格付け対象の鉄道 会社の大半が公共サービ ス の提供に対す る 補助金だけでな く 、 他の理由で補助金を受け取っ てい る。 その代表的な も のが従業員の給料 と 年金拠出金であ る (一部の国の鉄道会社の従業員は最近ま で公務 員 と し て雇用 さ れていたため、 産業労働者の平均 よ り も 充実 し た年金を受け取 り 、 退職年齢 も 早かっ た と い う 事情が背景にあ る )。 O M UT ET DA H T O ED DO LO G Y 次に、 公共セ ク タ ーは鉄道会社の事業内容を戦略面で左右す る (例 : ネ ッ ト ワー ク の利用料金、 新路 線への投資、 安全基準な ど)。 第三に、 EU 規制に よ る 制約があ っ て も 、 国に よ っ ては公的支援の水準 が他国 よ り 高 く 、 こ れが各社の業績に重要な影響を与え る。 格付け対象の鉄道会社を と り ま く 状況に は、 こ れ ら の要因が全て含まれてい る 。 た と えば、 公共輸送サービ ス を地域サービ ス に限定 し てい る 国が相当数に上 る 一方、 公共サービ ス輸送を長距離輸送に も 提供 し てい る国 も あ る。 契約期間は 1 年 か ら 15 年ま での幅があ る。 鉄道会社は長期的な視点か ら 将来の収益計画を立て る 必要があ る。 ムー デ ィ ーズは、 鉄道会社の事業を と り ま く 規制の枠組みの予測可能性 と 、 ど の程度の支援が提供 さ れ る か を、 業績を左右す る 重要な要因 と 考え てい る 。 市場の特性 : 旅客鉄道事業は依然 と し て国内中心の事業であ る 。 こ れは、 国際輸送 よ り も 国内輸送を 中心 と す る 国内ネ ッ ト ワ ー ク と し て開発 さ れた と い う 経緯が、鉄道シ ス テ ムに根本的な影響を与え て い る ためであ る 。 従っ て、 鉄道会社が事業を行 う 主要市場の経済的 ・ 社会的ダ イ ナ ミ ク ス は、 現在の 事業組織 と 業績のみな ら ず、 将来の成長性を も 左右する 。 今後、 EU 諸国の鉄道会社間の連携が一層 進み、 ロ シ ア と 独立国家共同体の鉄道 と 欧州の鉄道シ ス テ ム と の連結が促進 さ れ る 可能性が高い。 従っ て、 鉄道会社の自国市場 と の結びつき は、 ゆ っ く り と し たペース ではあ る が、 徐々に弱ま る と 見 られる。 同種の輸送手段における競争 : こ のサブ要因は、 鉄道輸送におけ る鉄道会社の市場シ ェ アの変化を測 定す る も のであ る 。 鉄道会社の大半は既存事業者であ り 、 国内市場で高いシ ェ ア を握 る が、 競争が激 化 し てい る こ と は明 ら かであ る ( ド イ ツ の旅客輸送な ど) 。 市場シ ェ アが高いほ ど、 こ の要因の評価 が高 く な る 。 他の輸送手段との競争 : こ のサブ要因は、 鉄道会社が事業を行 う 輸送市場におけ る シ ェ アの変化を モ ニ タ ーす る も のであ る 。 た と えば、 1970 年代か ら 1990 年代末にかけて西欧では旅客 ・ 貨物輸送にお け る 鉄道のシ ェ アが大 き く 低下 し た。 2000 年代初めか ら こ の傾向は反転 し てい る。 旅客市場は全域 にわた っ て回復 し たが、 国に よ っ てその程度は大き く 異な る。 一方、 貨物輸送は、 ド イ ツ を除き、 安 定的で低い成長率を維持 し て き た。 ド イ ツ ではユニ ッ ト 化が導入 さ れた こ と で、 2003 年以降、 貨物 輸送が大 き く 成長 し た。 市場シ ェ アが高いほ ど、 こ の要因の評価が高 く な る 。 評価基準 事業環境の安定性 : ムーデ ィ ーズは鉄道会社に対する 事業上の規制の枠組みを検討する 。 主要な要因 と し て、 公共サービ ス契約の タ イ プ (公共サービ ス の要件の定義、 報酬水準の適切性、 一般的な支払 い条件、 報酬水準の算出に適用 さ れ る 手法、 契約期間な ど) 、 国の輸送政策 (ネ ッ ト ワ ー ク の利用料 金、 将来の鉄道サービ ス開発計画、 相互扶助の有無、 鉄道貨物輸送の重点化な ど)、 レ ガシーコ ス ト 、 人件費、 年金債務に関す る 鉄道会社への明示的支援、 鉄道会社に認め ら れた法的地位が挙げ ら れ る 。 市場の特性 : こ の要因では、 経済基盤の集中度 と 推定 さ れ る安定性について幾つかの水準を設定 し 、 それを個々の格付け カ テ ゴ リ ーに当てはめた。 ま た、 ほ と ん ど の格付けカ テ ゴ リ ーについて、 ど の よ 11 2010 ౫ 9 ሰƛ ͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ Moody’s Global Corporate Finance ͛ཆᗕ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ う な タ イ プの国がそのカ テ ゴ リ ーに該当する か を示すガ イ ダ ン ス を策定 し た。 た と えば、 こ のサブ要 因で Aaa に格付け さ れ る 発行体は、 高度に分散 さ れた経済基盤を有す る G7 諸国で事業を行 う 鉄道会 社でな く てはな ら ない。 一方、 B に格付け さ れ る のは、 経済基盤が悪化 し てお り 、 経済の分散性が極 めて低い国で事業を行 う 発行体であ る 。 同種の輸送手段における競争 : こ の指標は、 国内鉄道輸送におけ る市場シ ェ アの変動性を測定する も のであ る 。 変動性は、 過去 2 年間の市場シ ェ アの平均変化率で測定す る。 こ れを測定する ために、 次 の フ ォー ミ ュ ラ に よ っ て算出 し た指標を用い る 。 ª§ PTix PKix · § PTi x 1) PKi ( x 1) ·º ¸¸» ¸ ¨¨ «¨ ¬© PTmx PKmx ¹ © PTm ( x 1) PKm ( x 1) ¹¼ 市場シ ェ ア ・ フ ォー ミ ュ ラ の分子は、 発行体 (i) の x 年におけ る鉄道旅客 ・ 貨物の輸送量の合計 (貨 物輸送量は百万 ト ン km(PT)、 旅客輸送量は百万旅客 km(PK) で表す) であ る 。 フ ォー ミ ュ ラ の分母は、 発行体の主要参照市場 (m) の x 年におけ る 旅客 ・ 貨物輸送量 (百万 PT、 百 万 PK) の合計であ る 。 O M UT ET DA H T O ED DO LO G Y 他の輸送手段との競争 : こ の指標は、 国内運輸市場 (すなわち、 四輪車、 二輪車等の他の輸送手段) におけ る 市場シ ェ アの変動性を測定する も のであ る 。変動性は過去 2 年の市場シ ェ アの平均変化率で 測定す る 。 こ れを測定す る ために、 次のフ ォー ミ ュ ラ に よ っ て算出 し た指標を用い る 。 ª§ PTix PKix · § PTi ( x 1) PKi ( x 1) ·º ¸¸» ¸ ¨¨ «¨ ¬© PTMx PKMx ¹ © PTM ( x 1) PKM ( x 1) ¹¼ 市場シ ェ ア ・ フ ォー ミ ュ ラ の分子は、 発行体 (i) の x 年におけ る鉄道旅客 ・ 貨物輸送量 (百万 PT ・ 百 万 PK) の合計であ る 。 フ ォー ミ ュ ラ の分母は、 発行体の主要参照市場の陸上輸送市場 (M) におけ る x 年の旅客 ・ 貨物輸送量 (百万 PT、 百万 PK) の合計であ る 。 12 2010 ౫ 9 ሰƛ ͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ Moody’s Global Corporate Finance ͛ཆᗕ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ 要因 2 のマ ッ ピ ング基準 : 市場地位 ┶ࡍ 2: లईࢄΡ ͛Ǡ ȳɎȼɲʀ ̗Ꮱᦹऴǽ યම Aa A Baa Ba B Caa ნ၇ǚdz ̔ᚬ ̔ᚬ ̔ᚬǯ ̔ᚬම ̔ᚬ˃ ǜȞȐǵ̔ ǛংكǦǵ ǛǞƸং ᚬ˃ ǓȚ كǦǵǓȚ ഁࡘǚdzո ᄃමǽⶲǓ ểᚏ࣠ᬬȡ ྾dz࡛ ( ό : ˛╄ᑡǽ ᓔఎ࡛ૐ 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Aaa Aaa Aaa Aaa Aaa ⬄┴ⶲ⢦⧘⣔ Aa2 Aaa Aaa Aaa Aaa Aaa ̸⯍⧘⾷̸⾸ A2 Aa Aa Aaa Aaa Aaa ̸ᘛබ⒅⯍⧘⾷̸බ⾸ A3 Aa Aa Aaa Aaa Aaa ⬰බ⬰ɣʀɳɏȫɻȸɁ⾷⬰බ⬰⾸ Baa1 Aa Aa Aaa Aaa Aaa ⡨ᨾᅠቊ⧘⣔⾷⡨⧘⾸ Baa2 Aa Aa Aaa Aaa Aaa ኇ̸බ⒅⯍⧘⾷ኇබ⾸ Baa2 Aa Aa Aaa Aaa Aaa ┶ࡍǽȮȯȬɐ ┶ࡍ 2 Ǻ ̗Ꮱᦹऴǽ ࣠ǴǞ͛Ǡ યම 34% 10% లईǽ ᣀම 10% ۴Ჷǽ⠡⢌ ͙ǽ⠡⢌ཆ ཆᔲǺǙǠ ᔲǷǽᴽ̕ 7% Țᴽ̕ 7% Aaa Korail A2 6 (A2) Aa Aaa A Aaa Aa MTR Aa2 6 (A2) Aa Aaa Baa Aaa Aa ɥɀɎȫɞɿȪȮɐɱȬɬʀ ɕȴɎȫɞɿȪȮɐɱȬɬʀ 評価結果 と アウ ト ラ イ ヤー 市場地位の評価においてポジテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー と な っ たのは、 SNCF、 MAV、 阪急阪神、 東急、 近鉄であ る 。 こ れは、 市場地位の 4 つのサブ要因の全てで、 各社が強固な地位を有 し てい る こ と を反 映 し てい る 。 各社の資本構造 と 事業環境は こ こ 数年で大幅に改善 し た も のの、 依然 と し て総合的な格 付け を制約す る要因 と な っ てい る。 MAV がポジテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー と な っ たのは、 国内市場で のほぼ独占的な地位を反映 し た結果であ る 。 13 2010 ౫ 9 ሰƛ ͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ Moody’s Global Corporate Finance ͛ཆᗕ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ 要因 3: コ ス ト 基盤 と 収益性 (ウ ェ イ ト 16%) こ の要因を重視する理由 欧州市場の歴史を概観すれば、 なぜ こ の要因が格付けに と っ て重要であ る かがわか る であ ろ う 。 欧州 では第二次世界大戦の終結以降、 大半の鉄道が国有化 さ れた。 国有化後、 鉄道会社は運輸サービ ス を 提供す る 国の機関に過ぎ ない と 見な さ れて き た。 1970 年か ら 、 悪循環に よ っ て鉄道会社の事業環境 は非常に厳 し い も のにな っ た。 こ の悪循環は (1) 効率性や コ ス ト の面だけでな く 、 市場の要請に応え る と い う 面で も 、 サービ ス を提供 し よ う と す る イ ン セ ン テ ィ ブが欠如 し ていた こ と 、 (2) 政治的な介 入の増加に よ っ て、経営資源の合理的な配分に向けた取 り 組みが困難にな っ た こ と 、(3) オ イ ルシ ョ ッ ク に よ っ て鉄道事業のための資源を入手 し に く く な っ た こ と に起因する 複雑な経済シナ リ オ、に よ っ て生み出 さ れた。 O M UT ET DA H T O ED DO LO G Y こ の よ う な状況下で、 鉄道会社は市場シ ェ ア を大幅に失っ た (特に貨物輸送市場) だけでな く 、 巨額 かつ維持不可能な規模の赤字が積み上がっ た。 赤字の GDP 比は 1990 年代前半に EU 諸国の半数以上 で約 2% に達 し た。 ド イ ツ では 1.8%、 フ ラ ン ス では 2.0%、 イ タ リ アでは 5% に も 上っ た。 累積赤字 があ ま り に も 巨額に達 し たため (1994 年で約 1,500 億ユー ロ )、 暗黙の政府支援に対する 市場の信任 も 低下 し た。 鉄道市場を活性化 さ せる ため、 欧州共同体は 1991 年、 同セ ク タ ーに対する 政策の変更 を決定 し 、 段階的に鉄道輸送に競争原理を導入 し 、 鉄道会社 と 公共セ ク タ ー と の結びつき を弱め る 方 向に転換 し た。 新 し い方針は EC 指令 91/440/ECC に よ っ て公式の も の と な り 、 (1) サービ ス部門の分 離 ( イ ン フ ラ 事業 と 旅客サービ ス事業 と の会計上の分離) 、 (2) 競争導入のための路線利用権の導入 (貨物分野か ら 導入開始)、 (3) 鉄道会社の財務を維持可能にする ための赤字削減、 な ど が要請 さ れた。 続いて、 69/1191/ECC お よ び 91/193/ECC の規定に よ っ て、 欧州共同体は、 (1) 鉄道旅客サービ ス に対 し 拠出が認め ら れ る 公的予算、 (2) 公共サービ ス提供義務に対す る報酬は充分な水準かつ契約で定め ら れた も のでな く てはな ら ない と す る 原則、 (3) 公共サービ ス と 商業サービ ス の会計の分離な ど、 規 定の厳格化を行っ た。 EU 指令に よ り 財務規律が正式に規定 さ れた こ と は一定の効果を挙げた。欧州の大手鉄道会社は現在、 営業黒字を計上 し てお り 、 他社の業績 も 改善 し つつあ る。 ま た、 貨物市場での競争 も 促進 さ れ る 一方 で、 旅客市場の開放で進展が見 ら れたのは ド イ ツ のみであ る (Deutsche Bahn の業績はマ イ ナ ス の影 響を受けず、 改善を続けてい る ) 。 ロ シ ア等の欧州以外の市場で も 同様の傾向が認め ら れ る (他の輸 送手段 と の競争激化 と 効率重視の強ま り )。 こ の よ う なポジテ ィ ブなサ イ ク ルを維持する ためには、高い コ ス ト 効率 と 収益性の維持が不可欠であ る 。 従っ て、 こ の要因を主要な信用指標 と 考え る 。 評価基準 EBITAマージン: こ の主要要因は、長期にわた る企業の収益性を測定す る 重要な指標であ る。EBITA マージ ンは、 年間の原価償却費で表 さ れ る 資本財の交換費用控除後の営業利益を生成す る 能力を 示す重要な指標であ る。 営業権の償却は、 将来にわた り 同一の取引量を生成す る ために取 り 替え る 必要のない資産であ る ため、 適切 と 考え ら れ る場合は足 し 戻 さ れ る。 EBITA は関連企業 と 投資 か ら の利益な ら びにグ ロ ス金利収入を含む。 EBITA は経常的な 「他の」 利益 と 費用を含み、 非経 常的な 「他の」 利益 と 一過性の費用は含ま ない。 従業員 1 人あたりの PT・PK: こ の指標は、鉄道会社の全体的な効率性に と っ て極めて重要な要因で あ る 労働生産性を表す。 PTxc + PKxc 平均従業員数 上式の分子は、 発行体の X 年におけ る 鉄道旅客お よ び貨物の輸送量 (百万 PK お よ び百万 PT) の合 計であ る 。 上式の分母は、 発行体の X 年におけ る平均従業員数であ る。 通年の従業員数が公表 さ れてい る 場合、 ムーデ ィ ーズはそれを用いて平均従業員数を推定する 。 14 2010 ౫ 9 ሰƛ ͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ Moody’s Global Corporate Finance ͛ཆᗕ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ 総資産利益率 : こ の比率は、 資産をいかに効率的に使用 し てい る かを別の面か ら 示す指標であ る。 鉄道業界の資本集約的な性質 と 、 高い稼働率を維持す る 必要性を考慮す る と 、 こ の比率は資産に 対 し 充分な利益を生成す る 能力を測定す る指標 と 言え る。 要因 3 のマ ッ ピ ング基準 : コ ス ト 基盤 と 収益性 ┶ࡍ 3: ȻɁɐ࣠ᬬǷہᬖම Aa A Ƚɞ┶ࡍǽ Aaa ȮȯȬɐ 6% EBITA ɦʀɀɻ Ľ 20% 15% ļ x<20% 10% ļ x<15% 5% (PT+PK)/ ἕ൝Ꮱݲᄋ Ľ2 1.5 ļ x<2 1 ļ x<1.5 5% EBITA/ ✇᧳ Ľ 15% 10% ļ x<15% 7% ļ x<10% Baa Ba B Caa 7% ļ x<10% 5% ļ x<7% 3% ļ x<5% <3% 0.5 ļ x<1 0.3 ļ x<0.5 0.1 ļ x<0.3 <0.1 5% ļ x<7% 3% ļ x<5% 1% ļ x<3% <1% ͛ǠȳɎȼɲʀ 要因 3 に基づ く マ ッ ピ ングの結果 : コ ス ト 基盤 と 収益性 Ή᰷ɦɋɜɻȸ - ┶ࡍ 3: ȻɁɐ࣠ᬬǷہᬖම ᥰࢀǽ͛Ǡ BCA Deutsche Bahn Aa1 4(Aa3) Baa Baa Baa Ba MAV Baa2 14(B1) Caa Caa B Caa Norges Statsbaner Aa1 4(Aa3) A Baa Aa Baa SNCB Holding Aa1 5(A1) Baa Aa Baa B SNCF Aaa 5(A1) Baa Baa Baa Ba ኇᅠቊᅌૃ⧘⣔⾷JR ኇᅠቊ⾸ Aa1 Aa Aa Aaa A ኇᘬᅌૃ⧘⣔⾷JR ኇᘬ⾸ Aa2 Aa Aaa Aaa A ⬄┴ⶲ⢦⧘⣔ Aa2 Ba Aaa Caa B ̸⯍⧘⾷̸⾸ A2 A Baa Aaa Baa EBITA ɦʀɀɻ 6% Y ┶ࡍ 3 Ǻ ࣠ǴǞ͛Ǡ 16% O M UT ET DA H T O ED DO LO G ┶ࡍǽȮȯȬɐ (PT+PK)/ EBITA/ ✇᧳ 5% ἕ൝Ꮱݲᄋ 5% A3 A A Aaa Ba ⬰බ⬰ɣʀɳɏȫɻȸɁ⾷⬰බ⬰⾸ Baa1 A A Aaa Ba ⡨ᨾᅠቊ⧘⣔⾷⡨⧘⾸ Baa2 Baa Baa A Ba ኇ̸බ⒅⯍⧘⾷ኇබ⾸ Baa2 A Baa Aaa Baa ̸ᘛබ⒅⯍⧘⾷̸බ⾸ Korail A2 6(A2) B Caa A Caa MTR Aa2 6(A2) Aa Aaa Aaa A ɥɀɎȫɞɿȪȮɐɱȬɬʀ ɕȴɎȫɞɿȪȮɐɱȬɬʀ 評価結果 と アウ ト ラ イ ヤー ネガテ ィ ブ・ア ウ ト ラ イ ヤーは、EMEA の 1 社 (Deutsche Bahn) と ア ジ アの 2 社(関西高速鉄道、Korail) の合計 3 社であ っ た。 Deutsche Bahn の効率性 と 収益性は改善傾向にあ る が、 次の 2 つの要因が依然 と し て同社の業績を制約 し てい る 。 (1) 地域事業 と 貨物事業を中心 と す る低い利益率、 (2) 主に費用を 公的補助金でカバーす る 一方で、労働生産性を最大化で き ない と い う 性質を持つ公共サービ ス に関連 し た責務を主な要因 と す る 低い労働生産性。 関西高速鉄道がネガテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー と な っ たの は、 西日本旅客鉄道株式会社 (JR 西日本、 ムーデ ィ ーズの格付けな し ) に鉄道施設を貸 し 付け る と い う 役割か ら 資産が大 き い こ と と 、 (PT+PK)/ 総従業員数を測定で き ない こ と を理由 と し てい る 。 Korail の こ の要因におけ る 評価は、韓国政府の料金政策を要因 と す る利益水準の低 さ に よ っ て制約 さ れてい る。 15 2010 ౫ 9 ሰƛ ͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ Moody’s Global Corporate Finance ͛ཆᗕ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ 要因 4: 財務方針 と 資本構造 ( ウ ェ イ ト 15%) こ の要因を重視する理由 バ ラ ン ス シー ト 管理に関す る 鉄道会社の財務方針をみれば、経営陣が ど の よ う な資本構造 と 財務 リ ス ク の下で事業を行お う と し てい る かがわか る ため、 格付けに と っ て重要な意味を持つ。 企業の金融 リ ス ク の選好度は、 要因 1 ~ 3 で分析 し た事業の特性 と 事業モデルに照 ら し て検討 さ れ る 。 財務レバレッジは、将来のキ ャ ッ シ ュ フ ロ ーに対 し どれだけ借 り 入れを行っ てい る かを測定する も の で、 信用 リ ス ク を示す重要な指標であ る 。 特に、 実際の資本構造 と 目標 と する 資本構造を中心に分析 す る 。 た と えば、 負債水準が低いほ ど、 財務バ ラ ン ス を悪化 さ せずに投資計画に対応 し てい く ための 財務の柔軟性は高 く な る 。 ま た、 負債の種類、 た と えば政府に よ る直接あ る いは暗黙的な保証が付 さ れてい る か ど う か、 を詳細に分析する 。 本格付け手法では、 2 つの レバレ ッ ジ指標を使用す る。 有利子負債 / キャピタリゼーション比率 : 有利子負債 / キ ャ ピ タ リ ゼーシ ョ ン比率は同一業界で事業 を行 う 企業の資本構造を比較する ための単純な方法であ る 。 ま た、 ど の程度ま で負債を許容す る か と い う 点を含む企業の財務方針 と 株主戦略を知る こ と がで き る 。 有利子負債 /EBITDA: こ れは有利子負債 / キ ャ ピ タ リ ゼーシ ョ ン比率 と 、 EBITDA で示 さ れ る 利益を 生成す る 企業の能力を負債がど の程度上回る か を測定する 指標 と のバ ラ ン ス を と る も のであ る 。 O M UT ET DA H T O ED DO LO G Y 流動性は財務の柔軟性を示す指標であ る 。 従っ て、 負債の満期の到来や補助金 と 支払いの時期のずれ に よ っ て生 じ る 資金需要に迅速に対応す る ための財務 ク ッ シ ョ ン を測定す る も ので あ る。 現金や コ ミ ッ ト メ ン ト ラ イ ン な ど の他の信頼で き る 調達源を維持する と い う 経営陣の判断は、計画的に流動性 管理が行われ、 予期 し ない流動性需要に対す る準備がで き てい る こ と を示 し てお り 、 格付け を支え る 要因 と な る 。 流動性は、 流動性需要を管理する 能力に対する 定性的な評価に基づいて測定 さ れ る 。 評価基準 : 有利子負債 / キャピタリゼーション比率 : 有利子負債 / キ ャ ピ タ リ ゼーシ ョ ン比率は直近の会計年度 のデー タ を用い、 総有利子負債を キ ャ ピ タ リ ゼーシ ョ ンで除 し て算出する 。 有利子負債 /EBITDA 比率 : 直近の会計年度のデー タ を用いて算出する 。 流動性評価 : 次の 3 つのサブ要因に基づき、 鉄道会社が流動性需要に対応する 能力を定性的に評価す る。 再調達リスク : 負債の満期構造、 集中度、 通貨の ミ ス マ ッ チを中心に分析する 。 流動性方針 : 内部流動性 (使途に制約のない手元現金、内部生成キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー、有価証券)、外 部調達源 ( コ ミ ッ ト メ ン ト ラ イ ン)、 代替流動性 (自己の裁量に基づ く 資産売却に よ っ て現金を調 達す る 能力) を含む利用可能な流動性源を中心に分析す る。 資本市場からの調達 : 鉄道会社が資本市場か ら 調達を行 う 能力 と 、鉄道会社の流動性に資す る 政府 か ら の支援の利用可能性を測定する 。 公的な資金調達は次の 3 つの方法で行われ る。 (1) 政府に よ る 債務保証、 (2) 鉄道会社の設備投資を支援する ための一定額の投資補助金、 (3)(1) と (2) の組み 合わせ。 16 2010 ౫ 9 ሰƛ ͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ Moody’s Global Corporate Finance ͛ཆᗕ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ 要因 4 のマ ッ ピ ング基準 : 財務戦略、 流動性、 資本構造 ┶ࡍ 4: ⛥ؘ༦ᨪƸᘓؔමƸ✇ቊᐦ⢧ 5% Aa A Baa Ba B Caa <30% 30% ļ x<50% 50% ļ x<70% 70% ļ x<80% 80% ļ x<90% 90% ļ x<100% Ľ 100% orƷ negative <1.5 1.5 ļ x<2.5 2.5 ļ x<3.5 3.5 ļ x<5 5 ļ x<7 7 ļ x<9 Ľ9 Ӵǵǽȿɒɲ ȲǺǙǓǵഁ ࡘǹ⛥ؘΧ✤ ȡሱǦƸঋ⤴ ᘓؔමǺϞઇ ǪǩƸ✇ቊల ईǚȘȊȋӴ ǵǽȿɒɲȲ ǺǙǓǵഁࡘ ǹ⛥ؘΧ✤ȡ ሱǦƸঋ⤴ᘓ 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Ba Aa Aaa 5(A1) A Aa Baa Aa ኇᅠቊᅌૃ⧘⣔⾷JR ኇᅠቊ⾸ Aa1 A Baa Baa Aa ኇᘬᅌૃ⧘⣔⾷JR ኇᘬ⾸ Aa2 Baa Baa Ba Aa ⬄┴ⶲ⢦⧘⣔ Aa2 Baa Baa Caa Aa ̸⯍⧘⾷̸⾸ A2 A A Baa A ̸ᘛබ⒅⯍⧘⾷̸බ⾸ A3 Baa Baa B A ⬰බ⬰ɣʀɳɏȫɻȸɁ⾷⬰බ⬰⾸ Baa1 Baa A B A ⡨ᨾᅠቊ⧘⣔⾷⡨⧘⾸ Baa2 Ba Ba Caa A ኇ̸බ⒅⯍⧘⾷ኇබ⾸ Baa2 Baa Baa Ba A Korail A2 6(A2) Baa Aa Caa A MTR Aa2 6(A2) Aa Aaa A A ɥɀɎȫɞɿȪȮɐɱȬɬʀ ɕȴɎȫɞɿȪȮɐɱȬɬʀ 評価結果 と アウ ト ラ イ ヤー ネガテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤーは JR 東海 と 関西高速鉄道の 2 社であ る。 有利子負債 /EBITDA 比率が平均を上回っ た こ と が、 こ の要因におけ る 評価を制約 し てい る 。 17 2010 ౫ 9 ሰƛ ͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ Moody’s Global Corporate Finance ͛ཆᗕ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ 要因 5: 財務力 (ウ ェ イ ト 15%) こ の要因を重視する理由 財務力 と は、 支払い利息、 債務の履行、 運転資金の需要、 設備投資あ る いは投資、 配当支払い を カ バーす る ために充分な利益を生成する 能力であ る 。 ムーデ ィ ーズは、 鉄道会社の財務力を (1) フ リ ー キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー (FCF)/ 純有利子負債、 (2) リ テ イ ン ド キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー (RCF)/ 純有利子負債、 (3) 総カバレ ッ ジ レ シオの 3 つの指標を用いて測定する 。 フリーキャッシュフロー / 純有利子負債 : こ の指標は、 運転資金 と 設備投資 ( こ の業界では、 自社の 裁量に よ っ て可否を決め る こ と がで き ない例が多い) 控除後のキ ャ ッ シ ュ フ ロ ーを表 し 、 迅速に債務 を履行す る 能力を主に評価す る 。 リテインドキャシュフロー / 純有利子負債 : こ の指標は、 配当支払い後のキ ャ ッ シ ュ フ ロ ー生成能力 を測定す る も のであ る 。 比率が高いほ ど事業か ら キ ャ ッ シ ュ フ ロ ーを生み出す能力が高 く 、 株主への 利益の支払い後に債務の返済ま たは設備投資を確実に行 う ために利用で き る 現金が多 く な る 。鉄道セ ク タ ーでは、配当支払いが全面的な自己裁量で行え ない と い う 業界の性質を捕捉する ためのバ ラ ン ス の と れたアプ ロ ーチ と し て、 配当支払い前 と 支払い後のキ ャ ッ シ ュ フ ロ ーを分析する 。 O M UT ET DA H T O ED DO LO G 評価基準 Y 総カバレッジレシオ : こ のカバレ ッ ジ レ シオは、 利息お よ び事業に関連 し た賃借料等の他の固定費を 支払 う 能力を測定す る ために用い ら れ る 。 RCF/ 純有利子負債 : リ テ イ ン ド キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー (営業キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー - 配当) / 純有利子負債 FCF/ 有利子負債 : フ リ ーキ ャ ッ シ ュ フ ロ ー(配当支払い・設備投資額控除後の営業キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー) / 総有利子負債 FFO インタレスト・カバレッジ : (運転資本項目前の営業キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー (営業キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー - 運転資金調整額) + ネ ッ ト 金利費用) / ネ ッ ト 金利費用 (ネ ッ ト 金利費用 と は支払い金利 - 受取金利) 18 2010 ౫ 9 ሰƛ ͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ Moody’s Global Corporate Finance ͛ཆᗕ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ 要因 5 のマ ッ ピ ング基準 : 財務力 ┶ࡍ 5: ⛥מؘ ͛ǠȳɎȼɲʀ Ƚɞ┶ࡍǽ Aaa ȮȯȬɐ 5% FCF/ ሱ⛤҆ Ľ 25% 5% RCF/ ẗሱ⛤҆ Ľ 25% FFO ȳɘɴɋɀ 5% Aa A Baa 15% ļ x<25% 5% ļ x<15% 0 ļ x<5% 15% ļ x<25% 10% ļ x<15% 5% ļ x<10% Ľ6 4.5 ļ x<6 3 ļ x<4.5 Ba B Caa -5% ļ x<0% -10 ļ x<-5% 1.5 ļ x<3 <-10% 0 ļ x<5% -5% ļ x<0% <-5% 0.5 ļ x<1.5 0 ļ x<0.5 <0 要因 5 に基づ く マ ッ ピ ングの結果 : 財務力 Ή᰷ɦɋɜɻȸ - ┶ࡍ 5: ⛥מؘ BCA FFO ┶ࡍ 5 Ǻ࣠ǴǞ FCF/ ሱ RCF/ ẗሱ ͛Ǡ ⛤҆ ⛤҆ ȳɘɴɋɀ 15% 5% 5% 5% Deutsche Bahn Aa1 4 (Aa3) A Baa Aa Aa MAV Baa2 14 (B1) Caa Caa Caa Caa Norges Statsbaner Aa1 4 (Aa3) A Caa Aa Aaa SNCB Holding Aa1 5 (A1) Baa Ba Baa Baa SNCF Aaa 5 (A1) A Ba Aa Aaa ኇᅠቊᅌૃ⧘⣔⾷JR ኇᅠቊ⾸ Aa1 A Ba A Aa ኇᘬᅌૃ⧘⣔⾷JR ኇᘬ⾸ Aa2 A A A A ⬄┴ⶲ⢦⧘⣔ Aa2 A A Baa Aa ̸⯍⧘⾷̸⾸ A2 A Ba Aaa Aaa ̸ᘛබ⒅⯍⧘⾷̸බ⾸ A3 A Ba A Aaa ⬰බ⬰ɣʀɳɏȫɻȸɁ⾷⬰බ⬰⾸ Baa1 Baa Ba Baa Aa ⡨ᨾᅠቊ⧘⣔⾷⡨⧘⾸ Baa2 Baa Ba Baa A ኇ̸බ⒅⯍⧘⾷ኇබ⾸ Baa2 A Ba A Aaa O M UT ET DA H T O ED DO LO G Y ᥰࢀǽ ͛Ǡ ┶ࡍǽȮȯȬɐ Korail A2 6 (A2) B B B Caa MTR Aa2 6 (A2) Baa Ba Baa A ɥɀɎȫɞɿȪȮɐɱȬɬʀ ɕȴɎȫɞɿȪȮɐɱȬɬʀ 評価結果 と アウ ト ラ イ ヤー ネガ テ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤーは、 Korail のみで あ る 。 同社の評価はキ ャ ッ シ ュ フ ロ ー水準の低 さ に よ っ て制約 さ れてい る 。 格付けに関する他の検討事項 本格付け手法で示 し た指標は、鉄道会社の信用力に対す る ムーデ ィ ーズの分析の多 く を カバー し てい る 。 し か し 、 ムーデ ィ ーズは上述 し た以外の要因 も 考慮す る。 それ ら の要因には、 将来の業績が過去 の業績の ト レ ン ド か ら 乖離す る 可能性、 経営陣の質、 コーポ レー ト ガバナン ス、 車両の平均使用年数 な ど があ る 。 こ れ ら の要因の分析 も 格付けプ ロ セ ス に不可欠な も のであ る 。 経営陣の質 経営陣の質は企業の信用力を支え る 重要な要因で あ る 。 ムーデ ィ ーズは経営陣上層部の方々 と 面会 し 、 事業戦略、 事業方針、 経営哲学を分析する 。 投資 ・ 買収戦略 ムーデ ィ ーズは信用力の評価にあ た り 、 鉄道会社の保有車両の平均使用年数 と 投資戦略を検討す る。 投資戦略は格付け対象の他の会社 と の比較に よ っ て評価 し 、 その一貫性を検証す る。 買収は事業の強 化につなが り 得 る 。 ムーデ ィ ーズは企業があ る格付け を維持 し なが ら ど の程度ま で買収のための財務 負担に耐え得 る か を評価す る 際に、 中期的に新た な買収を行 う 可能性を含む経営陣の リ ス ク 選好度、 一定の レバレ ッ ジ目標に対す る 会社の コ ミ ッ ト メ ン ト 、既存事業お よ び買収事業の変動性を考慮に入 19 2010 ౫ 9 ሰƛ ͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ Moody’s Global Corporate Finance ͛ཆᗕ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ れ る 。 一般に、 買収に よ っ て レバレ ッ ジが通常許容可能な範囲を一時的に上回っ て も 、 (1) 戦略上の 適合性、 (2) 買収後のプ ロ フ ォーマ ・ ベース のキ ャ ピ タ リ ゼーシ ョ ン と レバレ ッ ジ、 (3) 比較的短期間 で信用指標が元の水準に戻 る と のムーデ ィ ーズの見方次第で、鉄道会社は買収を行っ た後 も 格付け を 維持す る こ と がで き る 。 格付け手法の想定 と 限界、 格付けに関する他の検討項目 格付け手法の表は、 透明性を高め る ための単純 さ と 、 格付け表に よ る マ ッ ピ ン グの結果 と 実際の格付 け を近づけ る ために必要な複雑性 と の ト レー ド オ フ の関係を織 り 込んでい る 。格付け表の 5 つの格付 け要因は、 旅客鉄道会社の格付けに重要な検討項目のすべて を網羅 し た も のではない。 本格付け手法の格付け表の指標を選択する にあ た り 、 ムーデ ィ ーズは経営陣の質 と 経験、 コ ーポ レー ト ガバナン ス の評価、 財務報告 と 情報開示の質 と いっ た、 ど の業界で も 全ての企業に共通する 重要な 要因を含めなか っ た。 こ れ ら の要因の評価は き わめて主観的な も のにな る 可能性が あ る。 格付け表 は、 定量化が困難な要因や、 一部のケース のみで信用力を識別す る ために有意な効果を持つ指標は含 んでいない。 O M UT ET DA H T O ED DO LO G Y ま た、 特定の要因の ウ ェ イ ト が格付け表にあ る ウ ェ イ ト と 異な る 状況 も 格付けに織 り 込ま れてい る。 た と えば、 要因 4 は流動性を評価す る も のだが、 格付けの決定にあ た っ て実際に付加 さ れ る ウ ェ イ ト は、 格付け表にあ る 5% と は異な る場合があ る。 仮に完全に同質の 2 つの会社があ り 、 唯一の相違が 1 社は潤沢な流動性を有 し 、 も う 1 社は極めて潤沢な流動性を有す る こ と であ る よ う な場合、 両社に は同 じ 格付けが付与 さ れ る だろ う 。 一方、 極端な流動性の不足が直ちにデフ ォ ル ト 事由につなが る と 見 ら れ る 場合、 信用力を評価する 上で流動性の重要性は大幅に高ま る こ と にな る 。 ま た、 ムーデ ィ ーズの格付けは将来の業績見通 し を織 り 込んでい る が、 格付け表のマ ッ ピ ン グ を説明 す る 目的で使用 し た財務情報は主に過去のデー タ で あ る。 将来の業績に関す る ムーデ ィ ーズの予想 は、 公表す る こ と ので き ない部外秘の情報に基づいてい る場合があ る。 ま た、 将来の業績予想を立て る 上で、 過去の業績、 業界の傾向、 競合他社の動向、 その他の要因を基礎 と する 場合 も あ る 。 いずれ のケース で も 、 将来の業績を予想する こ と は、 本質的にかな り の不正確 さ を伴 う 可能性があ り 、 旅客 鉄道会社を格付けす る 上で、 大き な制約 と な っ てい る 。 ệ☟ : ͛Ǡ⒙Ǻ࣠ǴǞ͛Ǡệእǽ┶ẇ 付録 2 は、 各要因のマ ッ ピ ン グ と 指標、 な ら びに付録に示 し た ウ ェ イ ト を付加 し た各社の格付け表に 基づ く 総合格付け を示 し てい る 。格付け表に基づ く 格付けが実際の格付け ま たはベース ラ イ ン信用 リ ス ク 評価 (政府系発行体の場合) か ら 文字格付け カ テ ゴ リ ーで 2 カ テ ゴ リ ー以上乖離 し てい る ポジ テ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー と ネガテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤーを要因別に示 し た。 本格付け手法で分析 し た旅客鉄道会社について、 次の点が観察 さ れた。 15 社中 11 社 (74%) の格付け表に基づ く 格付けが、現在の格付け /BCA と 一致する、あ る いは現在の 格付け /BCA と の差が 1 ノ ッ チであ る。 20 2 社 (13%) の格付け表に基づ く 格付けが、 現在の格付け /BCA よ り 2 あ る いは 3 ノ ッ チ低い。 2 社 (13%) の格付け表に基づ く 格付けが、 現在の格付け /BCA か ら 4 ノ ッ チ以上乖離 し てい る。 2010 ౫ 9 ሰƛ ͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ Moody’s Global Corporate Finance ͛ཆᗕ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ ⬄⢪ɲȽʀɉ Deutsche Bahn, November 2008 SNCF, July 2008 Railroad Sector in Japan, December 2007 (日本語版 「日本の鉄道業界」 2007 年 12 月) MAV, December 2007 SNCB Holding, September 2007 O M UT ET DA H T O ED DO LO G Y 21 2010 ౫ 9 ሰƛ ͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ Moody’s Global Corporate Finance ͛ཆᗕ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ ͛⩜ 付録 1: モデルに基づ く 格付け BCA 4 (Aa3) MAV Baa2 14 (B1) Ba3 1 Norges Statsbaner Aa1 4 (Aa3) A1 -1 SNCB Holding Aa1 5 (A1) A2 -1 SNCF Aaa 5 (A1) Aa3 1 ኇᅠቊᅌૃ⧘⣔⾷JR ኇᅠቊ⾸ Aa1 - Aa3 -2 ኇᘬᅌૃ⧘⣔⾷JR ኇᘬ⾸ Aa2 - Aa3 -1 ⬄┴ⶲ⢦⧘⣔ Aa2 - Baa1 -5 ̸⯍⧘⾷̸⾸ A2 - A2 0 ̸ᘛබ⒅⯍⧘⾷̸බ⾸ A3 - A3 0 ⬰බ⬰ɣʀɳɏȫɻȸɁ⾷⬰බ⬰⾸ Baa1 - A3 1 ⡨ᨾᅠቊ⧘⣔⾷⡨⧘⾸ Baa2 - Baa1 1 ኇ̸බ⒅⯍⧘⾷ኇබ⾸ Baa2 - A2 3 MTR Aa2 6 (A2) A2 0 Korail A2 6 (A2) Baa3 -4 O M UT ET DA H T O ED DO LO G ɥɀɎȫɞɿȪȮɐɱȬɬʀ ཆᗕǺ࣠ǴǞ͛Ǡ ી⭾ǽ͛ǠǷǽఞ Aa3 0 Y ᥰࢀǽ͛Ǡ Aa1 Deutsche Bahn ɕȴɎȫɞɿȪȮɐɱȬɬʀ 評価結果 と アウ ト ラ イ ヤー ムーデ ィ ーズのア ウ ト ラ イ ヤーの定義に従えば、 関西高速鉄道 と Korail の 2 社がネガテ ィ ブ ・ ア ウ ト ラ イ ヤー と な る 。関西高速鉄道の格付け表に基づ く 格付け と 実際の格付け と の間に 5 ノ ッ チの差があ る のは、 関西高速鉄道が自 ら 旅客鉄道事業を運営す る のではな く 、 JR 西日本への鉄道施設の リ ース を主要な事業 と し てい る こ と が主な要因であ る 。 Korail の格付け表に基づ く 格付け と 実際の格付け と の間に 4 ノ ッ チの差があ る のは、 Korail の BCA が平均を上回 る水準の継続的な政府支援を反映 し て い る こ と が主な要因であ る 。 22 2010 ౫ 9 ሰƛ ͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ ┶ࡍ 1⿉╄ᑡǷոᄃම ᥰࢀǽ͛Ǡ BCA ཆᗕǺ࣠ǴǞ ͛Ǡ Deutsche Bahn Aa1 4 (Aa3) Aa3 MAV Baa2 14 (B1) Ba3 Norges Statsbaner Aa1 4 (Aa3) SNCB Holding Aa1 5 (A1) SNCF Aaa 5 (A1) ኇᅠቊᅌૃ⧘⣔⾷JR ኇᅠቊ⾸ Aa1 ኇᘬᅌૃ⧘⣔⾷JR ኇᘬ⾸ Aa2 ⬄┴ⶲ⢦⧘⣔ Aa2 ̸⯍⧘⾷̸⾸ A2 ̸ᘛබ⒅⯍⧘⾷̸බ⾸ A3 ⬰බ⬰ɣʀɳɏȫɻȸɁ⾷⬰බ⬰⾸ Baa1 ⡨ᨾᅠቊ⧘⣔⾷⡨⧘⾸ Baa2 ኇ̸බ⒅⯍⧘⾷ኇබ⾸ Baa2 A2 MTR Aa2 ɥɀɎȫɞɿȪȮɐɱȬɬʀ ɕȴɎȫɞɿȪȮɐɱȬɬʀ ոᄃම ̗Ꮱᦹऴǽય లईǽᣀම ۴Ჷǽ⠡⢌ཆᔲ ͙ǽ⠡⢌ཆᔲ ම ǺǙǠȚᴽ̕ Ƿǽᴽ̕ 10% 10% 7% 7% 10% 10% Aaa Aa Aaa Aaa B A Baa Ba A1 B Aa Aaa Aa A2 Ba A Aaa Aa Aa3 Aaa Aa Aaa Aa3 Aaa Ba Aa3 Aa Ba Baa1 Caa A2 ┶ࡍ 3⿉ȻɁɐ࣠ᬬǷہᬖම EBITA (PT+PK)/ EBITA/ ✇᧳ ɦʀɀɻ ἕ൝Ꮱݲᄋ 6% 5% 5% Aaa Baa Baa Ba Aaa Ba Caa B Caa Aaa Aaa Baa Aa Baa Aaa Aaa Aa Baa B Aaa Aaa Aa Baa Baa Ba Aaa Aaa Aaa Aaa Aa Aaa A Aaa Aaa Aaa Aaa Aaa Aaa A B Aaa Aaa Aaa Aaa Aaa Caa B Ba B Aa Aaa Aaa Aaa Baa Aaa Baa A3 Ba B Aa Aaa Aaa Aaa A Aaa Ba A3 Baa B Aa Aaa Aaa Aaa A Aaa Ba Baa1 Baa B Aa Aaa Aaa Aaa Baa A Ba A2 A B Aa Aaa Aaa Aaa Baa Aaa Baa 6 (A2) Baa3 B Ba Aaa A Aaa Aa Caa A Caa 6 (A2) A2 B Baa Aaa Baa Aaa Aa Aaa Aaa A Y Aaa Moody’s Global Corporate Finance Korail ┶ࡍ 2⿉లईࢄΡ ╄ᑡ O M UT ET DA H T O ED DO LO G ⒅Χ ͛ཆᗕ 2010 ౫ 9 ሰƛ ͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ 23 付録 2: モデル格付けの概要 ┶ࡍ 5⿉⛥מؘ BCA ཆᗕǺ࣠ǴǞ ͛Ǡ ሱ⛤҆ / ȵɫɜɇ ɲɄʀȿɯɻ 5% ሱ⛤҆ / EBITDA ᘓؔම 5% 5% Deutsche Bahn Aa1 4 (Aa3) Aa3 A Baa Aa Baa Aa Aa MAV Baa2 14 (B1) Ba3 Caa Caa Ba Caa Caa Caa Norges Statsbaner Aa1 4 (Aa3) A1 A A Aaa Aaa SNCB Holding Aa1 5 (A1) A2 Aa Ba SNCF Aaa 5 (A1) Aa3 Aa Baa ኇᅠቊᅌૃ⧘⣔⾷JR ኇᅠቊ⾸ Aa1 Aa3 Baa ኇᘬᅌૃ⧘⣔⾷JR ኇᘬ⾸ Aa2 Aa3 Baa ⬄┴ⶲ⢦⧘⣔ Aa2 Baa1 ̸⯍⧘⾷̸⾸ A2 ̸ᘛබ⒅⯍⧘⾷̸බ⾸ A3 Baa1 ⡨ᨾᅠቊ⧘⣔⾷⡨⧘⾸ Baa2 ኇ̸බ⒅⯍⧘⾷ኇබ⾸ Baa2 Korail A2 MTR Aa2 ɥɀɎȫɞɿȪȮɐɱȬɬʀ Aa Ba Baa Baa Aa Ba Aa Aaa Baa Aa Ba A Aa Ba Aa A A A Baa Caa Aa A Baa Aa A2 A Baa A Ba Aaa Aaa A3 Baa B A Ba A Aaa A3 A B A Ba Baa Aa Baa1 Ba Caa A Ba Baa A A2 Baa Ba A Ba A Aaa Y Caa 6 (A2) Baa3 Aa Caa A B B Caa 6 (A2) A2 Aaa A A Ba Baa A Moody’s Global Corporate Finance ɕȴɎȫɞɿȪȮɐɱȬɬʀ FFO RCF/ ẗሱ ⛤҆ ȳɘɴɋɀ 5% 5% Aa O M UT ET DA H T O ED DO LO G ⬰බ⬰ɣʀɳɏȫɻȸɁ⾷⬰බ⬰⾸ FCF/ ሱ⛤҆ 5% ͛ཆᗕ 2010 ౫ 9 ሰƛ ͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ 24 ┶ࡍ 4⿉⛥ؘ༦ᨪƸᘓؔමƸ✇ቊᐦ⢧ ᥰࢀǽ͛Ǡ ⒅Χ Moody’s Global Corporate Finance ͛ཆᗕ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ 付録 3: 事業補助金 と 投資補助金 公的主体 ( 中央政府お よ び準政府) は通常、 現在必要な支出を補助す る収入 / 事業補助金 と 、 資本財 への投資に用い ら れ る 投資補助金 と を、 政府支出会計の上で明確に区別 し てい る 。 特に、 EU の様々な予算か ら 拠出 さ れ、 適格なプ ロ ジ ェ ク ト のみに適用 さ れ る EU 基金の場合、 両者 は厳密に区別 さ れてい る 。 ムーデ ィ ーズは事業補助金を FFO( 運転資本項目前の営業キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー) と し て扱 う のに対 し 、 投資補助金は投資キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー と し て扱い、 設備投資関連指標を分析す る際には、 こ れを設備投 資か ら 差 し 引 く 。 こ れ ら の補助金は特定の投資のために提供 さ れ、 使途はその目的に限 ら れ る か ら で あ る 。 従っ て、 金利支払いや他の事業費用に充当で き ない補助金を FFO( お よ び / ま たは CFO) に含 め る と 、 FFO/ 支払い金利な ど の比率を検討す る 際に誤っ た印象を与え る おそれがあ る 。 補助金の会 計上の取 り 扱い も 、 こ の よ う な ムーデ ィ ーズの見方の根拠 と な っ てい る。 IAS の規則では、 事業補助 金は収益補助金 と みな さ れ (IAS 20.29)、 (1) その他利益 と し て計上 さ れ る か、 (2) 関連費用か ら 差 し 引 かれ る 。 一方、 投資補助金 (IAS 20.24) は (1) 繰 り 延べ利益 と し て計上す る と と も に、 年度内に使用 さ れた当期分の補助金を その他利益 と し て計上する 、 あ る いは (2) 資産の簿価か ら 直接差 し 引 く 。 O M UT ET DA H T O ED DO LO G Y 図表 1 は、 異な る 2 つの会計上の取 り 扱いを示 し た も のであ る。 あ る鉄道会社が繰 り 延べ利益 と し て 計上す る 方法を採用 し てい る 場合、 ムーデ ィ ーズは当期に計上 さ れた減価償却費の過大評価を避け る ため、 繰 り 延べ費用を減額す る こ と に よ っ て減価償却費を調整 し 、 投資補助金の会計上の取 り 扱い手 法の違いにかかわ ら ず、 同種の企業間の比較がで き る よ う にす る 。 25 2010 ౫ 9 ሰƛ ͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ Moody’s Global Corporate Finance ͛ཆᗕ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷ 図表 1: 投資補助金の会計上の取 り 扱い ἕ✇᧳ۄൡڤϢ ɮʀɵ ᚛Ϣӈڋቃ⫻ ɮʀɵ 1,000,000 10 ౫ ౫⫻᚛Ϣӈⲥڋ 100,000 1 ౫ᬶǽ౫ǺǙǠȚ✇᧳᷽Ϣ 900,000 ✇ቊ✷˄ 500,000 ✇ቊ✷˄ǽഝቃո 50,000 ✇ቊ✷˄ⲥۄۅ 1 ౫ո ᾎșೄȈᬖ ✇᧳᷽ϢǚȘǽလ⭒ 1 ౫ᬶ 1 ౫ᬶ йᅀ 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Ј᧸͛ǾƸ̗ᏡΧƸ˄ЈযẇƸ҆ڻؘǾ҆ⲲؘΚ▩֟ǽଛቻǽᭀଓЈ᧸ɲɁȷǺdzǓǵǽƸɨʀɏȫʀɂɿɀɫəɻጋΉ᰷⾷ͨˁǃMJKKDŽǷ ǓǓȍǨƹ⾸ǽᥰᆣ᠊ǽ╀ǶǨƹMJKK ǾƸЈ᧸ɲɁȷȡƸ̗ᏡΧǛযẇˀɿ⛥ؘˀǽῲؘȡቃᅠǺ୨⒅ǶǜǹǓɲɁȷڽȂɏɝȱɳɐ̗ᨁǛ᧯ ǦǮई۰Ǻ╀⡛ȍțȚǑȘȕȚᲷⲲǽ⛥᧳၏ডǷῲǦǵǓȍǨƹЈ᧸͛ǾƸᘓؔමɲɁȷƸలईϢоɲɁȷƸϢংؔමɲɁȷڽȂǬǽ͙ǽ ɲɁȷǺdzǓǵ╵ڽǨȚȑǽǶǾǑșȍǪȢƹЈ᧸͛ǾƸᥰࢀڻǾ⣏ڸǽ̗ીȡᰳǨȑǽǶǾǑșȍǪȢƹЈ᧸͛ǾƸཱུ✇ڻǾ⛥ؘǺ⬄ǨȚ ╵ȡᐦ༔ǨȚȑǽǶǾǹǞƸᣀǽ▩֟ǽ✱ӱƸॹڋƸڻǾЄሱȡဝǨȚȑǽǶǾǑșȍǪȢƹЈ᧸͛ǾƸᣀǽཱུ✇ૐǺǷDzǵǽཱུ✇ǽ⣪չ මǺdzǓǵ☟△ǨȚȑǽǶǾǑșȍǪȢƹMJKK ǾƸཱུ✇ૐǛƸ✱ӱƸЄሱƸڻǾॹڋȡᎰ╿ǨȚ۬▩֟ǺdzǓǵཱུ✇ૐ⅋⟘Ƕᮾ᳣ɿ△ϢǨȚǷǓǕ ቃ൏ڽȂᥴ╫ǽˁǶƸЈ᧸͛ȡ⒅ǦȍǨƹ O M UT ET DA H T O ED DO LO G Y ǢǢǺ▉⠅ǨȚษअǾǨȈǵƸ⊣ΰᑤᗕȡ܅ȏᗕൕǺȗșЄ⚘ǤțǵǙșƸǓǚǹȚȑƸǓǚǹȚബƸᅀᗕƸཆᔲǺȗDzǵȑƸǢțȘǽษअ⾷Ӵ ⤴ǚʶ⤴ǚȡުǓȍǪȢƹ⾸ȡƸɨʀɏȫʀɂǽ̗֭ǽሤⰢǺȗȚ۴ǹǞƸ⓹⓯Ǭǽ͙ǽᅀᗕǺȗșԙ⓯ƸɲəɋȹʀɀƸ⟵⢌Ƹ⚓ᚡƸⲉళƸ⥎ళƸ ⟵ॹǨȚǢǷǾǶǜǩƸȍǮƸǢțȘǽᬶǶԙπ᧸ǨȚǮȐǺЄᶩǨȚǢǷǾǶǜȍǪȢƹǢǢǺ▉⠅ǨȚษअǾƸǨȈǵɨʀɏȫʀɂǛᓺǚ dzЈⲠǦǕȚǷǗȚษअᛠǚȘӱཆǦǮȑǽǶǨƹǦǚǦƸ͆ڽȂᑿ፦◳șǛઇࢀǨȚමƸ˔ȂǺǬǽ͙ǽ̗ษǺȗșƸɨʀɏȫʀɂǾ ǢțȘǽษअȡǓǚǹȚᲷⲲǽЄ▩ȑdzǠȚǢǷǹǞǃᥰᣞሱਖDŽǶံϜǦǵǓȍǨƹɨʀɏȫʀɂǾƸЈ᧸͛ȡ͛˄ǨȚ⭾Ǻ᧸ǓȚษअǛ١ո ǹ✤ݨȡሱǦƸȍǮǬǽษअᛠǛɨʀɏȫʀɂǺǷDzǵЈⲠǶǜȚǷǗȘțȚȑǽǶǑȚǢǷ⾷ᴗǦǮᵥʿǛǢǽษअᛠǺ○ഝǨȚई۰ȑǑ Țƹ ⾸ȡЄǨȚǮȐƸӴǵǽർ┶ǹဟΈȡ♠ǧǵǓȍǨƹǦǚǦƸɨʀɏȫʀɂǾᬫዶȡ⒅ǕǶǾǹǞƸ͛ǽ⣏ᲦǶⲏۅǦǮษअǽᓺමڽȂ ሱමǺdzǓǵǺ⅋ǽᎰ▩ȡ⒅ǕǢǷǾǶǜȍǪȢƹɨʀɏȫʀɂǾǓǚǹȚᣞᗇǺǙǓǵȑƸȍǮǓǚǹȚڻǾᗕ͆ǺଓǦǵȑƸͨˁǽ (a) ڽȂ (b) ǺdzǓǵʶչ⛬ͷȡ⛤ǓȍǪȢƹ (a) ǢțȘǽษअǽӱཆƸ⮥ہƸἮᾘƸոኝƸ╫⦏ƸΌ⣕ƸӸ⒙ڻǾ⥎ళǺ⬄ǨȚ◳ș⾷⣏ডǺȗȚǚƸǬǽ͙ǽࡍڤǺȗȚǚȡުǓȍǪȢƹ⾸ڻǾǬ ǽ͙ǽᣞᗇ⇙ǦǞǾѫ̗⛅⾷ɨʀɏȫʀɂƸǑȚǓǾǬǽۄἦൃƸൃݲƸ൝ᏡݲǑȚǓǾͦᥴ͆ǽნ⥎מǛڽȅǚڽǿǹǓǚȡުǓȍǪȢƹ⾸Ǻ ⾷Ӵ⤴Ƹʶ⤴ȡުȞǩ⾸❙ࡍǦƸᨁቻǦƸ⇙ǦǞǾ⬄ϭǨȚ၏ডڻǾ၏્ƹ (b) ɨʀɏȫʀɂǛ̗֭Ǻഝ○၏્ǽමǺdzǓǵ╵ȡۅǠǵǓǮई۰ǺǙǓǵȑƸǢțȘǽษअǽπ᧸ǺȗșڻǾπ᧸Ǜ˃ǶǑȚǢǷǺȗ ș᧯ǨȚƸǑȘȕȚᲷⲲǽᬼယƸ⫻ယƸᣀƸ̘ᓎƸⓝӈƸڻǾ͛⭶၏્⾷⢹ডᬖȡ܅ȎȍǨǛǢțǺ⭈ǤțȚȑǽǶǾǑșȍǪȢƹ⾸ ƹ ǢǢǺ▉⠅ǤțȚษअǽʶ⤴ȡᐦ༔ǨȚ͛Ƹ⛥ؘअܝոኝƸ̔ᚬƸڽȂǬǽ͙ǽ╀╫⾷ȑǦǑțǿ⾸ǾƸɨʀɏȫʀɂǽ╀ǽ⒙ᅽǶǑșƸȍǮ ǬǽȗǕǹȑǽǷǦǵǽȎ╫⦏ǤțȚȈǜǶǑșƸǢțǺȗDzǵ̗ીȡ⒙ᅽǦƸڻǾ▩֟ǽ✱ӱƸॹ⇙ڋǦǞǾЄሱȡဝǨȚȑǽǶǾǑșȍǪȢƹ ǢǢǺ▉⠅ǨȚษअǽ۬᧸ǾƸ✱ӱƸЄሱڻǾॹڋȡᎰ╿ǨȚ۬▩֟ǺdzǓǵƸ⅋Șᮾ᳣ɿ△ϢǦǹǠțǿǹșȍǪȢƹɨʀɏȫʀɂǾƸǓǚ ǹȚബڻǾᅀᗕǺȗDzǵȑƸǢțȘǽ͛⇙ǦǞǾǬǽ͙ǽ╀ڻǾษअǽᓺමƸ⣪ᆣමƸલӴමƸަݨමڽȂᣀǽᬶȇǽ⣪۰මǺdzǓǵƸ ⾷ᅽᰳƸ⽄ᰳȡުȞǩ⾸ǓǚǹȚЄ▩ȑ⒅DzǵǓȍǪȢƹ MJKK ǾƸɨʀɏȫʀɂɿȸɳʀɟɿɀɫəɻ۰۴Ή᰷ǽલӴΉ᰷ǶǑșƸ۴᰷ǾƸMoodyæs Corporation ( ͨˁǃMCODŽǷǓǓȍǨƹ) ǽલӴ Ή᰷ǶǑȚ Moodyæs Overseas Holdings Inc. ǽલӴΉ᰷ǶǨƹ MJKK ǾƸMJKK Ǜ͛ȡ⒅DzǵǓȚ҆֟⾷᰷҆Ƹࢄᅀ҆Ƹ҆֟ƸཆബƸCP ȡ܅ȎȍǨƹ⾸ڽȂӋӞጋǽ⒅ǽগ⤴ոǛƸMJKK Ǜ⒅Ǖ△Ϣɿ ͛ȽʀɛɁǺଓǦǵƸMJKK ǺȗȚ͛ǽ͛˄ǺӞᴗǰƸ20 ʽԒǚȘẇ 3 ҽ 5,000 ʽԒǽཆᄋᄦȡ MJKK ǺნཌǕǢǷǺ۴ǦǵǓȚǢǷȡƸǢǢ Ǻ⫳ᰳǦȍǨƹȍǮƸMCO ڽȂ MJKK ǾƸMJKK ǽ͛ڽȂ͛⣏ᲦǽᴗමȡЄǨȚǮȐǽᅀ⦠ǷཆỮǜȡᄏѿǦǵǓȍǨƹMCO ǽۄἦൃǷ ͛ଓ⛅Ή᰷Ƿǽ⫻ǽΩȘǚǽ્⬄ϭǽઇࢀƸڽȂ MJKK ǚȘ͛ȡ͛˄ǤțƸǚdz MCO ǽጋǽ 5% ͨˀȡЄሱǦǵǓȚǢǷȡ SEC ǺӸǺ अܝǦǵǓȚΉ᰷⫻ǽΩȘǚǽ્⬄ϭǽઇࢀǺ⬄ǨȚษअǾƸɨʀɏȫʀɂǽȮȯɞȽȬɐ www.moodys.com ˀǺ "Shareholder Relations-Corporate Governance-Director and Shareholder Affiliation Policy" ǷǓǕ⒙ⲤǶᕃ౫Ƹဢ⠅ǤțȍǨƹ ቊሤǽȲʀɁɐɱɲȪǶǽӸ⫳ǾƸȲʀɁɐɱɲȪ⦘ȽʀɛɁ◜ᨯ ۥ336969 ȡሱǨȚɨʀɏȫʀɂǽ⬄⢪Ή᰷ǶǑȚ Moodyæs Investors Service Pty Limited ABN 61 003 399 657 ǺȗDzǵ⒅ȞțȍǨƹቊᄙሤǾ⾷2001 ౫Ή᰷ᗕ 761G ቷǽȐȚܬǺǙǠȚ⾸ǃɣʀɳɃʀɳⲵૃDŽǽȎȇǽံϜ ȡࡖǦǮȑǽǶǨƹȲʀɁɐɱɲȪ࡛ԑǚȘቊᄙሤǺửỮǺȪȷɃɁǦǮई۰ƸɨʀɏȫʀɂǺଓǦǵƸ ǃɣʀɳɃʀɳⲵૃDŽǶǑȚǚڻǾǃɣʀ ɳɃʀɳⲵૃDŽǽͦ⒙ǷǦǵቊᄙሤǺȪȷɃɁǦǵǓȚǢǷƸڽȂƸ⛴ᔼڻǾ⛴ᔼǛͦ⒙ǨȚᗕ͆ǛƸᬼယڻǾ⫻ယǺƸቊሤڻǾǬǽԑȡ⾷2001 ౫Ή᰷ᗕ 761G ቷǽȐȚܬǺǙǠȚ⾸ǃɲɎʀɳⲵૃDŽǺ⥎ళǦǹǓǢǷȡ⒙ᅽǦǮǢǷǺǹșȍǨƹ ቊЈ᧸͛ǾƸ⒅ǽЈ᧸ڻמǾؘ҆ǺdzǓǵǽ╀ǶǑșƸ⒅ǽȰȷȬɎȫ▩֟ڻǾɲɎʀɳཱུ✇ૐǛۄൡǹǬǽ͙ǽബǽ▩֟Ǻdz Ǔǵ╀ȡ⡻ȈȚȑǽǶǾǑșȍǪȢƹɲɎʀɳཱུ✇ૐǛƸቊЈ᧸͛Ǻ࣠ǴǓǵཱུ✇ᄺȡǨȚǽǾ⭨ڈǶǨƹȑǦƸᩐުǛǑȚई۰ǺǾƸɝȫ ɒɻȿɫɳɿȪɑɘȬȾʀǬǽ͙ǽଗ⫨ૐǺᭀ☐ǨȚǢǷȡဝǦȍǨƹ 27 2010 ౫ 9 ሰƛ ͛ཆᗕ ƛ ˌᨕǽᅌૃ⧘⣔Ή᰷
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