Case Study | 1 「お客様のビジネス要件 を満たすために、サービス を止めることなく、迅速に 容量を拡張・縮小する必 要があります。VMware と F5 の BIG-IP LTM を 使って構築したアーキテク チャがあってこそ、これが 可能になるのです」 パット・オーデイ氏(Pat O’Day) Chief Technical Officer BlueLock BlueLock、VMware 仮想化技術と BIG-IP Local Traffic Manager を利用した独自の仮想 クラウド・コンピューティング・プラットフォームを発表 業界: IT ホスティング&復旧サービス 課題: · 仮想化環境における高度なパフォーマンス、セキュリティ、安定性の確保 · 仮想サーバ・インフラストラクチャの効率の最適化 · 仮想サーバ・プロビジョニングのための正確な利用状況データの収集 ソリューション: · BIG-IP® Local Traffic Manager™ 導入効果: · 仮想サーバを瞬時にプロビジョニングしつつ、シームレスなトラフィックデリバリを提供 · 正確なプロビジョニングを可能にする詳細なネットワークデータを提供 · 高い競争力を備えたサービス提供 概要 BlueLock 社はマネージド・テクノロジー・サー ビ ス 企 業 で あ り 、 「 infrastructure-as-aservice(IaaS)」モデルによる仮想クラウド・ コンピューティングの提供をいち早く開始した プロバイダの 1 社です。同社の IaaS モデル では、使用する IT インフラストラクチャ月額 料金に加えて、予備容量の代金が請求さ れるようになっています。利用量が増えれば、 BlueLock 社は容量を追加し、それに伴いお 客様に料金が課金される仕組みです。ニー ズが低下すれば、容量と支出も減ることにな ります。これによってお客様は、リソースを IT ハードウェアの管理や保守にではなく、ビジネ スの成長に直結する業務に重点的に投入 することができます。 BlueLock 社の仮想クラウド・コンピューティン グ・プラットフォームは、VMware インフラストラ クチャ製品の ESX と VirtualCenter、ならび に F5 ネットワークス(以下、F5)の BIG-IP Local Traffic Manager ( 以 下 、 BIG-IP LTM)を使って構築された、ほぼ完全な仮想 化環境です。BIG-IP LTM によって、同社は VMware 仮想マシンをオンライン/オフラインに する際に、最高レベルのパフォーマンス、拡張 性、信頼性を確保しつつ、トラフィックをイン テリジェントに配信し、最適化することができ ます。BIG-IP LTM は、新しい仮想マシンを 迅速かつシームレスに割り当て、仮想クラウ ド・コンピューティングによってお客様のビジネ スニーズを満たします。 課題 2007 年に独自の仮想クラウド・コンピュー ティ ン グ ・プ ラッ トフォ ー ムを 構 築 す る際 に BlueLock 社が描いたビジョン、それは、お客 様が IT インフラストラクチャとそれに伴うコスト を段階的に拡張することが可能なホスティン グと復旧のサービスを提供するというものでし た。標準的な IT 環境では、企業は考えられ る最大負荷を調べた上で、その需要を満た すのに必要なインフラストラクチャを購入し、 使用状況に関係なく、インフラストラクチャ 全体を維持するための運用コストを支払って います。 「IT インフラストラクチャの資産コストと調達に 関するお客様の悩みを解消したいと考えてい ました」と BlueLock 社の社長兼 CEO の John Qualls 氏は述べています。 同氏は、ホリデイシーズンの利用量がそれ以 外の時期の 4 倍以上になる、ある電子商 取引サイトを例にとり、こう続けます。「このお 客様のために、オンデマンドでサイトをオンに し、コストにあわせてオフにできるようにした かったのです」 BlueLock 社では、この目標を実現すべく、 パフォーマンスとビジネス継続性を確保しつつ も迅速なプロビジョニングに対応できる仮想 化アーキテクチャの構築に力を注ぐことにしま した。 ソリューション BlueLock 社は、インディアナポリスとソルトレ イクシティの 2 つのデータセンターから実行さ れる「仮想クラウド」を中心にアーキテクチャを 構築することにしました。仮想サーバの作成 には VMware ESX ハイパーバイザが使われ、 BIG-IP LTM が仮想サーバのロードバラン シングと SSL オフロードを行います。 VMware は、BlueLock 社がお客様の予備 容量分の仮想サーバを割り当てることを可 能にします。サーバのプライマリプールの負荷 が指定レベルに達した時点で、設定済みの 仮想サーバが BIG-IP LTM プールに追加さ れ、自動で起動します。新しい仮想サーバが 現在のハードウェアの容量を使い切ると、そ れらのサーバは自動的にほかの専用ハード ウェアに移されます。 「オンデマンドで環境をホリゾンタルに拡張し 続けることで、お客様が直面するあらゆるトラ フィックレベルに対応することが可能です」と BlueLock 社の Chief Technology Officer である Pat O’Day 氏は述べています。 Case Study | 2 BlueLock 社の創設者は約 8 年前から F5 製品を利用しており、信頼性、拡張性、パ フォーマンスが長期にわたり確保される点を 評価して BIG-IP LTM を採用することにし ました。「これまでの実績から、これなら大丈 夫だと思ったのです。新しいビジネスを始める 時には、それを支える堅牢な基盤が必要で すから。クラウド・コンピューティングについて言 えば、F5 への投資の効果が長期に渡るで あろうこと、そしてそのアーキテクチャで多くの お客様をサポートできることが分かっていまし た」と Qualls 氏は言います。 散することでサーバ利用を最適化する、イン テリジェントなトラフィック管理を提供します。 また、仮想サーバから SSL 処理をオフロード することによって、ほかの処理にサーバ容量 を回します。 「BIG-IP LTM によって仮想化環境の効率 性が最大化されることから、これをお客様に 還元する一方で、お客様が求める高度なパ フォーマンスと安定性を確保することが可能 です」と O’Day 氏は述べています。 すばやいプロビジョニング BIG-IP LTM は、仮想サーバとユーザにトラ フィックをシームレスに配信することから、高 度なパフォーマンスと安定性が維持されます。 これは、BlueLock 社のプラットフォームの成 功のカギを握る重要な要素です。 導入効果 BlueLock 社の仮想化環境は、コスト効率 に優れた IT インフラストラクチャ・サービスの 提供を可能にするばかりでなく、お客様の インフラストラクチャを常にそのビジネスニーズ に沿った状態に保ちます。BIG-IP LTM に よって、BlueLock 社は自社の仮想化環境 が提供する効率性と機会をフルに活用する ことが可能です。 BlueLock 社のビジネスのもう 1 つの特長が、 お客様のビジネスニーズの変化に応じて容 量を迅速に拡張できる点です。 O’Day 氏は、インディアナ州の未請求金に 関する Web サイトを運営するお客様のケー スを例にあげています。ある夜、このサイトが 有名なテレビニュース番組で取り上げられる と、自分に支払われるべきお金がないかどう か調べようと人々がサイトにアクセスし、トラ フィックが一気に増加しました。その全国放 送のテレビ局もこのような事態は予想外だっ たといいます。こういった状況にも関わらず、 サイトの BlueLock 社のインフラストラクチャ はシームレスに容量を拡張し、要求に対応 しました。 仮想化環境の最適化 VMware を使ってハードウェア・リソースを効 率的に利用する仮想マシンを作成すること は、BlueLock 社の仮想クラウド・コンピュー ティング・プラットフォーム構築における重要 なステップの 1 つです。BIG-IP LTM は、トラ フィックをすべての仮想マシンに効率的に分 「お客様のビジネス要件を満たすために、 サービスを止めることなく、迅速に容量を拡 張・縮小する必要があります。VMware と BIG-IP LTM を使って構築したアーキテク チャがあってこそ、これが可能になるのです」と O’Day 氏は言います。 ネットワークについての認識 BIG-IP LTM は、BlueLock 社が仮想化環 境の健全性を把握するための詳細なネット ワークデータを提供します。このデータおよび VMware VirtualCenter からのデータをプロ ビジョニングのアルゴリズムに適用することで、 BlueLock 社はお客様のサービスの高度な パフォーマンスと継続性を確保する、きわめ て正確な手段を実現しています。 これらのデータは各お客様の Vital Signs GUI にも組み込まれています。「お客様はい つでも自社のポータルにログインして、負荷を チェックし、環境で何が起こっているのかを余 すことなく知ることができます」と Qualls 氏は 説明します。 セールスポイント Qualls 氏は、BIG-IP LTM と F5 というブ ランドが BlueLock 社にとって重要なセール スポイントになっていると言います。「サービス を新しいお客様に売り込む際に、市場のベ スト・オブ・ブリードのテクノロジーを使っている ことが有利に働くのです」と Qualls 氏は説明 します。また、ロードバランシングと SSL オフ ローディングによって、毎月の経常利益が最 大 15%アップする機会が BlueLock 社にもた らされます。O’Day 氏は続けます。「単にビ ジネスチャンスがもたらされるだけでなく、それ らのチャンスは非常に大きなものとなります。 なぜなら、私たちは競合他社にないサービス の提供を実現しているからです」
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