参加報告 埼玉医科大学総合医療センター 片貝百花

28 年度
第2回埼玉県言語聴覚士会西部支部研修会
報告
平成 28 年 12 月 16 日、第2回西部支部会研修会が新座志木中央総合病院にて開催されました。今回の研修
テーマは、「失読の評価と訓練」と題し、リハビリテーション天草病院の唐澤健太先生をお招きしての講演と、症
例検討を行いました。当日は 13 施設、30 名の参加者にご来場いただきました。
唐澤先生の講演では、失読を捉えるうえで前提となる処理モデルに始まり、失読の評価・タイプ分類の実際に
ついて、さらには評価に基づく訓練と、極めて実践的な内容であり、ユニークかつわかりやすいご講演となりまし
た。日々の臨床のなかにもリサーチマインドを常に抱き、形にしていく姿勢に、多くの刺激を受ける機会となりま
した。また、今回は講演後に症例検討を行いました。霞ヶ関南病院の斎藤妙子氏から「若年失語症患者の長期
的経過について」という題目のもと、長期的な介入に基づく失語症状の推移と後期に残存した音韻処理機能・失
読症状についての検討がなされました。講師の唐澤先生にもご参加いただき、失読症状の分析方法や今後の
指針について的確な助言をいただきました。
アンケート結果からも、「講演・症例検討」のスタイルがご好評でしたので、次回支部会でも同様の形式を予定
しております。皆様のご参加を心よりお待ちしております。
唐澤先生
ご講演
斎藤氏
症例検討
検討風景
西部支部理事 大森智裕
部員 米谷 寛
参加報告
埼玉医科大学総合医療センター
片貝百花
今回、失読について障害構造から訓練までご講演して頂きました。唐澤先生のお話は丁寧で症例も
交えてあり、明日から臨床に活かせる内容でとても勉強になりました。失読の分類や錯読の種類は私
にとって、何度勉強しても理解するのに時間がかかり、失読に対しての苦手意識が強くありました。し
かし、今回の講演を聞き改めて知識を整理し理解を深めることで苦手意識が緩和されました。
症例検討では長期にわたる失語症のリハビリ経過についての発表でした。急性期に勤務している
私にとって、慢性期の視点がとても参考になりました。自身の失語症患者への訓練内容が紋切型で、
幅が狭いと改めて気づかされました。失語症の予後には音韻処理機能の回復が重要であると理解は
していますが、急性期では意識障害もあり、重症の患者さんが多いため、音韻の練習を開始する時期
に迷うことも多くあります。これからは音韻の評価と訓練内容、開始時期についてきちんと考えていき
たいです。
今回は講演と症例報告の二本立てでしたので、仕事終わりの疲れた体でもあっという間の時間でし
た。学んだことを日々の臨床に活かし、更なる自己研鑚に励みたいです。