平成 28 年 4 月 1 日 麻酔科蘇生科 臨床研修プログラム 目標 一般目標 GIO 軽度の合併症を有する成人の予定手術において、上級医の指導の下、手術侵襲により刻々 と変化する有害反応や病態を各種モニターから読み取り、瞬時に介入し、バイタルサイン を維持できるために、生理学や薬学の知識、入念な麻酔準備、安全な麻酔手技を身につけ る。 行動目標 SBO 1 患者の麻酔管理上の問題点を、重要なものから3つ列挙できる。 2 それらの問題点に対し、上級医に相談し、事前に対策を立てることができる。 3 上級医の立会いの下、困難気道の予測を意図した気道評価を少なくとも3項目実施で きる。 4 麻酔器の始業点検、気道管理用具の準備を一人で実施できる。 5 必要な薬剤の種類、投与量を看護師とともに復唱し、安全に投与できる。 6 困難気道のない成人に対し、有効なマスク換気ができる。 7 独力で、手背に末梢静脈路を安全に確保できる。 8 不整脈、頻脈や徐脈、低血圧、低酸素血症をモニターから読み取り、その原因をデー タをもとに鑑別し、病態を推測して上級医ともに介入できる。 9 血液ガス分析をもとに、成人に対する人工呼吸器の設定を適切に変更できる。 11 カリウム、カルシウム、血糖値を上級医に相談しながら適切に補正できる。 12 輸血の合併症を頻度の高いものを3つ、重篤なものを3つ列挙でき、その有無を観察し ながら輸血を投与できる。 13 手術体位により神経障害が生じやすい部位に圧迫がないか、上級医とともに確認でき る。 14 筋弛緩モニターを評価可能な部位に適切に設置し、筋弛緩薬の効果を評価できる。 15 オピオイドの副作用を少なくとも3つ上げ、それらが術後に生じないように対応できる。 16 薬物動態に基づくオピオイドの投与により、術後痛を軽減できる。 17 抜管後の気道狭窄の有無や換気回数を視診および聴診で評価できる。 18 テーマに沿った麻酔領域の文献を1つ以上読み、スライドにまとめ、内容を発表できる。 (3か月間の研修の場合) 1 独力で、観血的動脈圧ラインを安全に確保できる。 2 局所麻酔中毒の症候を、血中濃度の上昇に応じて5つ列挙できる。 3 上級医の指導の下、脊髄くも膜下麻酔を安全に実施できる。 4 中心静脈穿刺の準備を上級医の指導の下に実施できる。 5 6 7 エコーを頸部にあて、内頚動静脈およびその周囲臓器を同定できる。 声門上気道器具の適応可能なケースを列挙し、適切なサイズを準備できる。 上級医の指導の下、マギール鉗子を用いて経鼻挿管できる。 研修方略 (6 週間の研修の場合) 1 毎朝の症例検討会で、担当症例の問題点と麻酔計画をプレゼンテーションする。 2 一日に1-3症例を上級医とともに担当する。 3 麻酔終了後、上級医とともに病棟に回診に行き、術後合併症が起きていないか、痛み や吐き気で困っていないか診察する。 4 ケースカンファランス(火曜日)、レビューカンファランス(水曜日)、ペインカン ファランス(木曜日)に参加し、問題症例や麻酔関連の最新の情報について学ぶ。 5 外来講師をお招きし、最新の知見に触れる機会もある(信州麻酔科セミナー)。 6 ブタ喉頭を利用し、輪状甲状靭帯穿刺や緊急気管切開のためのハンズオンに参加でき る機会もある(年1回、開催時にお知らせする)。 7 研修の最後に、麻酔に関する論文についてスライドにまとめ、発表する。 (3 か月間の研修の場合追加される項目) 8 術前、術中に介入した症例や問題症例についてまとめ、全国学会で発表することもで きる。 9 ペインクリニック、集中治療、緩和医療に興味がある場合には、相談のうえ、それら の短期研修を考慮する。 週間予定 月 火 水 木 ケースカンファ レビューカンファ ペインカンファ 症例検討 手術麻酔 手術麻酔 術前・術後 回診 翌日の 麻酔計画 立案 症例検討 手術麻酔 手術麻酔 術前・術後 回診 翌日の 麻酔計画 立案 症例検討 手術麻酔 手術麻酔 術前・術後 回診 翌日の 麻酔計画 立案 金 午前 午後 夕方 症例検討 手術麻酔 手術麻酔 術前・術後 回診 翌日の 麻酔計画 立案 症例検討 手術麻酔 手術麻酔 術前・術後 回診 翌日の 麻酔計画 立案 任意 リサーチ カンファ 評価 研修中の評価 1 上級医または指導医は、手術前日までに患者の問題点および麻酔計画について報告を 受け、問題の把握の程度や事前準備を評価する。 2 術後回診の記録は、上級医または指導医の指導の下、診療録に遅滞なく記載する。こ の診療録の記載内容でも理解の程度を評価する。 3 各麻酔手技の終了直後に、どんな点を意図してやったのかを確認するとともに、なぜ うまくいかなかったのか、次どうすればいいのかをフィードバックする。 研修後の評価 研修終了後、研修医は EPOC に自己評価を入力する。上級医は、それをもとに到達度や研 修態度を評価する。提出されたレポートに不備がある場合は、再提出を求める。これらを もとに、研修責任者は、麻酔科研修を修了とするかどうかを総合的に評価する。 研修責任者 川真田樹人* 指導医 [* 臨床研修指導医(臨床経験 7 年以上の指導医講習会修了者)] 川真田樹人 * 間宮敬子 * 田中 聡 * 市野 隆 * 山本克己 * 清水彩里 塚原嘉子 井出 進 * 布施谷仁志 * 坂本明之 * 杉山由紀 * 今井典子 清水布実子 石田高志 大田恵理子 持留真理子 吉山勇樹 上級医 村上育子 峰村仁志 清澤研吉 大場衣梨子 関口剛美 木内千暁 渡邉奈津子 八塩 悠 中澤真奈 鈴木真依子 丸山友紀 田中竜介 若林 諒 頼母木由子
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