事例報告② - 華鐘コンサルタントグループ

2016年華鐘秋季セミナー(日本会場編)「当面の中国経済情況と日系企業事例報告」
華鐘コンサルタントグループ(中国・日本)
第21回 2016年秋季セミナー
(日本会場編)
事例報告② 企業リスク分析
(人員再配置・日常労務管理)
2016年11月
華鐘コンサルタントグループ
常務副総経理
能瀬
徹
(HP:www.shcs.jp)
華鐘コンサルタントグループ(中国・日本)
セミナー講師紹介
能瀬 徹
華鐘コンサルタントグループ
常務副総経理
(会員部、HR部、工程部、法務部、公関部、分公司所管)
(経歴)1969年岡山市生まれ。1992年大阪外国語大学中国語科卒
業後、三井住友銀行(当時の住友銀行)入行。日中投資促進機構
への2年半の出向、中国室(大阪)での4年間の勤務後、2001年5
月天津支店赴任。渉外課長を経て、2003年6月の銀行退職までの
11年強のうち6年半は中国関連のコンサルティング業務に従事。
2004年2月、上海華鐘コンサルタントサービス㈲入社。趣味は卓
球と海釣り。
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2016年華鐘秋季セミナー(日本会場編)「当面の中国経済情況と日系企業事例報告」
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【事例紹介①】 個別人員の労働契約解除に伴うリスク
解雇の背景と労働仲裁結果
<対象人員>北京市所在企業の営業部長
<入社時期>2009年4月1日
<月給>2万元
 解雇の背景等:部下の人望も無く、部門の業績も低迷したまま。人事考課結果
も数年連続最低。取引先よりバックマージンを受け取っているとの社内の噂を耳
にしたことから、2013年10月、当人に労働契約解除通知を手交した。しかし、
当人はこれを不服として直ちに労働仲裁を申請した。
 労働仲裁結果:会社側より解雇の根拠(正当性)を証明できる客観証拠の提示
がなされなかった為、労働仲裁廷は当人の訴えを支持し、不当解雇と認定。当
人が現職復帰を希望しなかったことから、当人の訴え通り、『労働契約法』第87
条に基づき、労働契約違法解除に対する賠償金(法定経済補償金額の2倍額)
の支払いを会社に命じた。
『労働契約法』第87条 (賠償金)
雇用単位が本法規定に違反して労働契約を解除又は終止した場合、本法第47条に規
定する経済補償基準の2倍の金額を労働者に賠償金として支給しなければならない。
華鐘コンサルタントグループ(中国・日本)
【事例紹介①】個別人員の労働契約解除に伴うリスク
賠償金計算
 計算基数:直近1年間の本人平均月収=月給2万元とする。但し、基数上限は
15,669元(=北京市の2012年社会平均月収5,223元×3)
 補償年限:入社日∼13年10月31日(勤続4年7ヶ月)→5ヶ月
 法定経済補償金額=15,669元×5ヶ月=78,345元
 賠償金額=78,345元×2=156,690元
【参考】主要都市の20 12 年度社会平均月収
上海市
4,6 9 2 元 北京市
5 ,2 2 3 元
大連市
4,5 6 8 元 天津市
3 ,8 7 2 元
深圳市
広州市
2
4 ,9 1 8 元
5 ,3 1 3 元
蘇州市
無錫市
4 ,802元
4 ,740元
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【事例紹介①】個別人員の労働契約解除に伴うリスク
リスク分析、リスク対策
① 労働契約解除に対し異議申し立てがあった場合、労働仲裁→民事訴訟(一審)
→民事訴訟(二審)で争われる。従業員は不当解雇を主張して、原職復帰また
は法定経済補償金額の2倍額の「賠償金」支払いを要求。
② リスク分析
 労働仲裁や民事訴訟に関わる時間と労力
 原職復帰による問題、「賠償金」支払いの資金負担
 無防備のままでの一方的解雇による会社信頼の失墜
③ リスク対策:一方的契約解除はリスク高、協議一致による労働契約解除が無難
 業務不適任理由(『労働契約法』第40条第2項)での労働契約解除を説得材
料として協議一致解除を持ちかける。
 現職務に不適任であることを人事考課表で要証明
 現職務に適応する為の研修実施、或いは職場配置による適所手配努力
 法定経済補償金(N)に「+α」付与。会社側からの「2N」提示は前例化必至
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人員解雇に関わる『労働契約法』の基礎知識
(1)人員解雇:労働契約の「終止」と「解除」要件
労働契約
の扱い
要件
経済補償金
支給要否
◆契約期限満了・不継続(会社意思)、◆破産、
◆閉鎖命令・営業許可抹消・期限前解散
要
◆契約期限満了・不継続(従業員意思)、
◆年金受給開始、◆本人死亡・失踪
不要
会社の
法的リスク
終止
協議一致解除
解除
従業員申し出
不要
会社申し出
要
従業員による即時解除(会社が契約不履行)
要
会社による即時解除(懲戒解雇)
不要
会社による予告付解除、リストラ
要
3
無し
有り
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(2)労働契約の一方的解除が可能な要件
該当条項
第39条
即時解除
第40条
予告付き
解除(*)
解雇理由
『労働契約法』の規定(骨子)
懲戒
 会社規則制度への重大違反
 重大な職務怠慢や私利私欲による会社利益への深刻な損
害発生
 二重労働契約により会社作業任務の完成に深刻な影響発
生且つ会社の是正要求を拒否
病気、怪我
労働者が疾病又は非労災による負傷の場合であって、規定の
医療期間満了後も元の業務に従事する事ができず、会社が別
途手配した業務にも従事出来ない場合
業務不適任
労働者が業務に不適任であり、研修実施後又は職場調整後も
依然として業務に適さない場合
客観情勢
重大変化
労働契約締結時に根拠とした客観的状況に重大な変化が生
じて労働契約が履行できず、会社と労働者との協議を経ても
労働契約内容の変更の協議合意に達しない場合
(*)会社は30日前までに書面形式にて本人に通知するか又は1ヶ月分の割増給与支給
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(3)リストラ要件
該当条項 実施要件
『労働契約法』の規定(骨子)
以下状況のいずれかにあること。
第41条
リストラ
(一)企業破産法の規定に基づき再編される場合
(二)生産経営に深刻な困難が発生した場合
会社情況 (三)企業の業種転換、重大な技術革新又は経営方式の調整により、
労働契約変更後も依然として人員削減が必要な場合
(四)その他の労働契約締結時に根拠とされた客観的経済情況に重
大な変化が生じ、労働契約が履行できない場合
削減規模
上記且つ20人以上の人員を削減するかまたは20人未満であるが
企業従業員総数の10%以上を削減する必要がある場合
削減手順
(契約解除日の)30日前までに、①工会又は全従業員に情況を説
明・意見を聴取 、②リストラ方案を労働行政部門に届出。
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(4)リストラ制限、労働契約解除制限
該当条項
『労働契約法』の規定(骨子)
人員削減時、以下の労働者の雇用を優先的に要継続。
第41条
リストラ
第42条
解除不可
(一)会社と比較的長期の期限付労働契約を締結している者
(二)会社と無期限労働契約を締結している者
(三)家庭内でその他に就業者がおらず、扶養家族に老人又は未成年者がい
る者
労働者が以下の状況のいずれかにある場合、雇用単位は本法第40条、
第41条の規定に基づき労働契約を解除する事はできない。
(一)職業病危害作業に従事する労働者が離職前職業健康検査を実施して
いないか又は職業病の疑いのある患者の診断中又は医学観察期間中に
ある場合
(二)当該単位にて職業病罹患、又は労災により負傷して、且つ労働能力喪
失又は一部喪失が確認された場合
(三)罹病又は非労災負傷の場合であって、規定医療期間にある場合
(四)女性従業員が妊娠期間、出産期間、授乳期間にある場合
(五)当該単位の連続勤務年数が満15年であり、且つ法定定年退職年齢ま
で5年未満である場合
(六)法律、行政法規が規定するその他の状況
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(5)経済補償金の計算基準
労働契約
の扱い
終止
会社申し出
による解除
労働契約終止、解除の理由
補償
年限
期限満了(会社意思での契約不継続)
①
破産、閉鎖命令、解散
協議一致、業務不適任
②
計算
基数
上限
③
④
病気、怪我(*1)、客観情勢変化、リストラ
① 2008年1月1日以降の会社勤続年数
② 会社勤続年数
③ 勤続満1年毎に1ヶ月分の「労働契約解除又は終止前12ヶ月間の給与総支給額(額面・
税前給与)の月額平均給与(総支給額に残業代を含むか否かについては各地で解釈が
異なる)」。6ヶ月以上1年未満の場合は1年、6ヶ月未満の場合は半月分として計算。
④ 上記平均給与額が地元社会平均月収の3倍額を超える場合、2008年1月1日以降の
勤続年数分については、地元社会平均月収の3倍額を計算基数とし且つ補償年限は
12年が上限。3倍額を超えない場合、計算基数も補償年限も上限無し。(*2)
(*1)病気、怪我の場合、最低6ヶ月分の医療補助費を別途要支給。
(*2)2007年以前の勤続年数分については計算基数の上限無し。補償年限は、一部の解除理由では12年が上限と
なるが、その他の場合でも、経済補償金制度が施行された1995年からの起算となり実質的な影響が無いので詳
細説明は省略する。
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【事例紹介②】 ストライキ発生に伴うリスク
ストライキ発生時の経緯と対応結果
<対象企業>広東省所在の自動車部品製造会社
 2010年某日、ある部門のワーカー50数名が出勤と同時に職場を放棄し、工
場敷地内の駐車場にて座り込みを始めた。ストの影響は瞬時に社内に広がり、
工場は操業不能に陥った。
 同社総経理は、ストに参加した従業員に対し、代表者の選出と会社への要望
事項の書面提出を要求。結果、①給与が周辺企業並みになるよう全員一律
1,000元upすること、②食堂での食事の味を改善すること、③長期間壊れた
ままになっている女子トイレのドアを修繕すること等の要求が出された。
 これに対し、会社は、①については一律200元upを提案、②③については至
急の対応を約束することを回答。
 ①について、従業員代表を通じて協議した結果、一律300元upで合意し、結
果、ストは解除され、工場ラインも同日午後には正常復帰した。
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【事例紹介②】 ストライキ発生に伴うリスク
リスク分析、リスク対策
① リスク分析
 スト長期化による生産・出荷停止→納品遅延、納品先からの損害賠償請求
 潜在リスク:人心離反(従業員のモチベーション低下)、スト再発
② リスク対策(1):ストの早期収拾努力
 代表者を選出させ、要望事項は書面で提出させる(会社も書面回答)
 首謀者をその場で解雇することでストを抑え込もうとするのは危険
 可能な範囲での賃上げ、上級工会への仲介依頼
③ リスク対策(2):根本的労使関係の見直し(人間関係の構築)
 スポーツイベント、誕生日会、飲み会、社員旅行の開催(家族の参加)
 会社経営側と従業員側との定期的意見交流と積極情報交換
 春節前の「紅包」(お年玉)、油、食糧支給等、中国の習慣、風習への配慮
 上記イベント等の受け皿としての「工会」設立
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【事例紹介③】 リストラによる人員整理
当事者の会社概要と人員整理の背景
<所在地>華東地区
<業種>製造業
<設立>1998年5月
<従業員数>直接雇用社員450名
<会社情況等>
 当社の業績はまずまずであった(少なくとも赤字ではなかった)が、グループ
会社の吸収合併により肥大化した会社組織をスリム化して製品の競争力向
上を図る為、本社要求を受けて、特に増え過ぎた間接部門人員(100名)を
半分にまで削減(リストラ)することを計画。
 間接部門人員には、財務・人事・総務部門等の管理系スタッフの他、営業、
営業事務、及び品質管理、生産管理等の非製造現場職も含まれる。
 リストラ対象者の中には、無期限雇用者、管理職・非管理職等が混在。
 技能給、職能給の評価体系での人事考課制度とこれとリンクする給与制度
は制定されていたが、余り厳密に運用されていなかった。
 過去にストライキ等もあったが、最近の労使関係は概ね良好であった。
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【事例紹介③】 リストラによる人員整理
人員整理実施過程と実施結果
1.『労働契約法』第41条のリストラ要件には非該当であり、リストラ対象者一人一
人個別に作戦を立てて、時間をかけて人員削減を進めることとした。
2.人員削減は以下の要領で進めた。
① 現有の人事考課制度・給与制度を見直し、不具合を修正
② これを従業員代表大会に諮ると同時に、会社の将来目標、会社の求める従
業員像を明確化し、人事考課制度の運用を強化して行く方針を公表した。
③ 3ヶ月に一回人事考課を行い、削減対象者を含む全員と面接を行って、考課
結果をレビュー。考課結果が2回連続不芳な者には以下の措置を採った。
 経済補償金N+2の条件での労働契約協議一致解除を打診
 契約解除に応じない場合、配置転換及び減給実施
 配置転換後も尚考課結果不芳の場合、N+1の条件での労働契約の協議
一致解除を再打診し、不同意の場合、『労働契約法』第40条(業務不適
任理由)による労働契約解除を実施
3.結果、1年余をかけて間接部門人員半減の目標を達成した。
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【事例紹介③】 リストラによる人員整理
リスク分析、リスク対策
① リスク分析( 『労働契約法』第41条でのリストラを断行した場合)
 集団争議:スト発生による生産停止、集団労働仲裁による負担
 潜在リスク:人心離反(従業員のモチベーション低下)
② リスク対策:短期的成果を追及しない
 削減対象者の属性(所属部門、給与、勤続期間等)をリストにまとめ、これを
一人一人分析し、先ず労働契約期限満了時の契約不更新対象者を選定
 無期限雇用者に対しては協議一致による労働契約解除への誘導策を検討
 人事考課制度の運用方針を従業員側選択肢を含めて最初の段階で明確化
し、これを一定の時間をかけて実施
 削減対象者はあくまで間接部門人員ながら、人事考課結果のレビューは対象
者が分からなくなるよう、製造部門人員を含めて全員と同時に実施
 三期期間中の女性従業員や労災認定者は削減対象者から除外
 考課者研修を実施して、管理職にも協力依頼。
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【事例紹介④】
「5険1金」過少納付に対する補償要求
主要各都市の2016年社会保険料・
住宅積立金納付基準
大連市
北京市
上海市
蘇州市
本人前年度平均給与(新入社員の場合、1ヶ月目の月給)
納付基数
上限
前年度社会平均給与の300%
下限
前年度社会平均給与の60%
2015年度社会平均給与
5,783元
7,086元
5,939元
6,081元
広州市
6,764元
社会保険料
養老保険
医療保険
失業保険
生育保険
労災保険
合計
住宅積立金
総合計
会社
従業員
会社
従業員
会社
従業員
会社
従業員
会社
従業員
会社
従業員
会社
従業員
会社
従業員
18%
8%
8%
2%
0.5%
0.5%
1.2%
0.4~2.1%
28.1~29.8%
10.5%
10~25%
10~15%
39.1~54.8%
20.5~25.5%
19%
20%
8%
8%
10%
10%
2%
2%
0.8%
1.0%
0.2%
0.5%
0.8%
1.0%
0.2~2%
0.2~1.52%
30.8~32.6% 32.2~33.52%
10.2%
10.5%
12% 基本7 % (補充0 ~8 % )
12% 基本7 % (補充0 ~8 % )
42.8~44.6% 39.2~48.52%
22.2%
17.5~25.5%
8
20%
8%
9%
2%
1.0%
0.5%
0.5%
0.2~1.9%
30.7~32.4%
10.5%
8~12%
8~12%
38.7~44.4%
18.5~22.5%
14%
8%
8%
2%
0.8%
0.2%
0.85%
0.2~1.4%
2 3 .8 5 ~2 5 .0 5 %
10.2%
5~12%
5~12%
2 8 .8 5 ~3 7 .0 5 %
15.2~22.2%
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【事例紹介④】 「5険1金」過少納付に対する補償要求
リスク分析、リスク対策
① リスク分析
 社会保険:労働部門による検査や従業員からの告発により過少納付が発覚
した場合、要遡及納付、罰金・延滞金の支払い
 住宅積立金:労働仲裁対象外ながら、従業員からの告発があった場合、住宅
積立金管理センターからは追納を要求される
 人員再配置時の追納・補償要求
② リスク対策:平時からの規定通りの納付(以下は人員再配置時の対応)
 現金を支給しての補償は違法
 社会保険の遡及納付は可能ながら、従業員も個人負担が必要→経済補償金
の「+α」を積み増すことで補償するケースが多
 住宅積立金の遡及納付も可能ながら、従業員も個人負担が必要→労使双方
が負担して遡及納付するケースが多
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【事例紹介⑤】 定年退職者の再雇用
再雇用の背景等
<対象人員>某市所在企業の製造技術部長
<定年退職時期>2016年9月30日
<月給>2.5万元
 特殊技能者であり、会社操業以来の古参従業員であり、会社への忠誠心も厚く、
部下からの信頼も厚かったので、後進の指導、技術伝承の為に定年退職後も引
き続き残って働いてもらうこととした。
 但し、定年前のような毎日の勤務は本人が希望しなかった為、週3日出勤として、
管理職からも外れ、給与は半額の1.25万元とした。
 肩書は顧問とした。
 労災事故に備えて、民間の商業意外保険に会社負担で加入した。
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【事例紹介⑤】 定年退職者の再雇用
リスク分析、リスク対策
① リスク分析
 定年年齢になって定年退職手続を実施する事で定年退職者となった従業員
は『労働法』、『労働契約法』、『社会保険法』の適用対象ではなく、書面契約
の締結も必須ではなく、社会保険の納付も必要無いので、雇用を継続するこ
と自体にリスクは無い。
 雇用を継続せず、ライバル会社に雇われることの方がリスク大。
② リスク対策
 労災適用相当の事故に対しても労災として認定しないのが通常であるが、
会社の作業や出退勤の途上での事故を心配するのであれば、一般の商業保
険を会社として付保する必要がある。
 社会保険待遇などで他の従業員と異なる一定の待遇条件に変更をしようと
する場合等、後のトラブルを防ぐ意味で、必ず明確な書面契約を締結するこ
とが望ましい。契約において、労災や事故に対する賠償額を限定しても、双
方の同意があれば、特に問題は無い。
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事例報告② 企業リスク分析
(人員再配置・日常労務管理)
ご静聴、ありがとうございました!
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