第 27 号(2016 年 7 月) アルコールと肝臓 気温の上昇とともに、ビールのおいしい季節がやって来ました。 適量のお酒は、昔から百薬の長と言われ、善玉コレステロールを増やす、ストレス解消や人間関係の潤 滑油、疲れを癒すなど良い効果があります。 しかし、飲み過ぎは体に悪影響を及ぼします。適量を心がけて、アルコールと上手にお付き合いしてい きましょう。 飲み過ぎによる肝臓への影響(アルコール性肝障害) 飲酒により肝臓での中性脂肪の合成を促進させ、血液中の中性脂肪を増やす 増えすぎた中性脂肪はLDLコレステロールを増やす 肝臓に中性脂肪やコレステロールがたまる…脂肪肝 脂肪肝の状態で大量に飲酒すると、腹痛・発熱・黄疸の症状が出ることがある さらに大量飲酒を続けるとアルコール性肝線維症を経て、アルコール性肝硬変になる アルコール性肝障害の最終段階になると腹水・黄疸・吐血などの症状が出て死に関わる おつまみを選ぶときのポイント たんぱく質 ビタミン 低カロリー 減塩 魚や豆腐等の低カロリーでたんぱく質が多いおつまみを摂りましょう。ついつい お酒が進んでしまう唐揚げ等の肉のおつまみはほどほどに。 ビタミンが豊富な野菜料理を2~3品摂りましょう。野菜料理でも揚げてあるも のや、マヨネーズで和えてあるものは控えめに。 油を使ったおつまみは高カロリーになりがちです。揚げ物よりも、焼き物・煮物・ 蒸した物を。 魚や肉の燻製、塩辛、漬物などの塩辛いものは控えめに。しょう油をつけ過ぎな い、ソースをかけ過ぎない等、塩分の摂り過ぎに注意しましょう。 第 27 号(2016 年 7 月) 空腹時にお酒を飲むとアルコール血中濃度が急激に上がり、悪酔いしたり、急性アルコール中毒を 引き起こしたりします。 食べながらお酒を飲むことで、胃粘膜が保護されお酒の吸収がゆっくり進みますので、お酒は食事 と一緒にゆっくり摂ることを心がけましょう。 お酒の適量 ~週に 2 日は休肝日を~ お酒の適量は、1 日平均、純アルコール量で約 20g 程度とされています。以下の主な種類の純アルコー ル換算量の目安例を参照して、お酒の量を調整しましょう。 ビール中ビン 500ml 発泡酒 500ml •アルコール5% •アルコール5% •200kcal •110kcal •純アルコール量20g •純アルコール量20g ワイン2杯 240ml 日本酒1合 180ml •アルコール12% •アルコール15% •180kcal •195kcal •純アルコール量23g •純アルコール量22g 焼酎25度 100ml ウイスキー・ブランデーダブル 60ml •アルコール25% •アルコール40% •145kcal •140kcal •純アルコール量20g •純アルコール量20g 終わりに… 肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、よほどのことがない限り音を上げない臓器です。病気の自覚症状が出て からでは遅く、早期発見が大切です。日ごろからお酒を飲まれる方は、症状がなくても定期的に血液検査 や超音波検査を受けるようにしましょう。 参考文献 厚労省 HP(e ヘルスネット):https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/ 東京海上日動メディカルサービスエビデンス BOOK
© Copyright 2024 Paperzz