被用者とその被扶養者 自営業者 退職者などの 地域住民

【FPデータ集 平成20年10月作成】A2
健康保険(医療保険)
被用者とその被扶養者
民間企業に
勤める人
全国健康保険協会
管掌健康保険
(協会けんぽ)
※1
公務員
私立学校の教職員 など
船員保険
国家公務員
共済組合
地方公務員等
共済組合
健康保険組合
※2
私立学校教職員
共済制度
自営業者
退職者などの
地域住民
国民健康保険
※3
老齢年金等の
受給者とその家族は
退職者医療
※4
国民健康
保険組合
※5
75歳になると
後期高齢者医療
※1 2008年10月から、政府管掌健康保険は公法人化されて全国健康保険協会が設立され、各都道府県が保険
料を設定する仕組みに変わりました。政管健保は2007年度から赤字に転落していることから現在の保険料率
(8.2%)を0.1~0.3%引き上げることが避けられない見通しである。その場合各都道府県ごとに保険料率に差
が出ることが考えられる。被保険者と家族を合わせて約3,600万人が加入している。
※2 企業が単独で設立する場合は700人以上(単一健保組合)、同業種の複数の企業が共同して設立する場合は
3,000人以上の被保険者数が必要(総合健保組合)。2008年7月現在組合数は1501。被保険者と家族を合わ
せて約3,000万人が加入している。
※3 被保険者の属する世帯の世帯主は、保険料を納付する義務がある。世帯主が他の医療保険の被保険者(国
民健康保険の被保険者ではない)であって、その世帯内に国民健康保険の被保険者がいる場合は、その世
帯主を国民健康保険の被保険者である世帯主とみなして保険料または保険税の納付義務者とする。この場
合における世帯主を実務上「擬制世帯主(ぎせいせたいぬし)」という。
※4 被保険者のうち、厚生年金や共済年金などの被用者年金制度の老齢(退職)年金を受給している者(退職被
保険者)およびその被扶養者が対象となる。平成20年4月から原則廃止されていますが、平成27年3月までの
65歳未満退職者について(65歳に達するまでの間)現行制度が存続します。
※5 同業・同種の連帯の下に組織された組合で、組合が行う事業は保険給付と保健事業に大別される。保険給付
には国民健康保険法に基づく法定給付と、組合が任意に行う出産・死亡等に関する給付がある。また保健事
業は組合員や家族の健康の保持・増進、疾病予防等を目的とした事業を行っている。同様の業種に従事する
ものを対象とするため職業病・労災の発見には有利な面もある。(建設土木業におけるアスベストによる悪性
中皮種など)しかし市町村国保を原則とする立場から厚生労働省は原則として新規設立を認めていない。現
在、医師・歯科医師・薬剤師・建設土木などの業種で全国に165の組合がある。
【FPデータ集 平成20年6月作成】A44
健康保険の被扶養者
健康保険の被扶養者となれるのは主として被保険者の収入で生計を維持している人
被扶養者になれるのは、主として被保険者の収入で生計を維持している75歳未満の人です。
75歳以上の人は後期高齢者医療保険の被保険者となり被扶養者となることはできません。
被保険者と同居・別居いずれでもよい人
被保険者と同居していることが条件の人
●兄妹、伯叔父母、甥姪などと、その配偶者、
孫、姉妹の配偶者、配偶者の父母や子など
左記以外の3親等内の親族
●内縁関係の配偶者の父母および子
●内縁関係の配偶者死亡後の父母および子
●配偶者(内縁関係でもよい)
●子、孫および弟妹
●父母、祖父母などの直系尊属
3親等内の親族図
曾祖父母
伯叔父母
曾祖父母
配偶者
祖父母
祖父母
伯叔父母
甥姪
配偶者
1親等
父母
父母
配偶者
被保険者
子
子
配偶者
孫
孫
配偶者
曾孫
曾孫
配偶者
甥姪
兄姉
兄弟姉妹
配偶者
弟妹
甥姪
の人は生計維持の関係が条件です
配偶者
配偶者
2親等
3親等
の人は生計維持の関係と同一世帯が条件です
年収130万円未満で被保険者の年収の半分未満が目安
被保険者の収入により生計を維持されていることが被扶養者の認定基準となります。対象者の年収が
①60歳未満 ・・・・・・・・130万円未満
②60歳以上・障害者・・180万円未満 であれば、生計を維持されていると認められます。
また、被保険者と同一世帯の場合、上記の生計維持認定基準をクリアし、かつ被保険者の年収の2分の1
未満であることが必要です。被保険者と別居している場合は生計維持認定基準をクリアし、被保険者から
の仕送り額よりも少なければ被扶養者になることができます。
被扶養者として認定される人・されない人
130万円 (60歳以上は180万円)
理由
認定
130万円未満
2分の1未満
○
130万円未満
2分の1以上
×
130万円以上
-------
×
同
居
し
て
い
る
場
合
対象者の年収
被保険者の年収
別
居
し
て
い
る
場
合
対象者の年収
被保険者の仕送額
130万円未満
仕送額未満
○
対象者の年収
被保険者の仕送額
130万円未満
仕送額以上
×
対象者の年収
被保険者の仕送額
130万円以上
-------
×
1/2
▲
対象者の年収
被保険者の年収
1/2
▲
対象者の年収
被保険者の年収
年収がいくらの場合でも
年収がいくらの場合でも
【FPデータ集 平成20年5月作成】A23
退職後の医療制度
●退職後は・・・・
資格喪失後20日以内に加入し
ていた健康保険(組合)の任意継
続被保険者として加入する
資格喪失後14日以内に市区町
村に届出て、新たに国民健康
保険に加入する
家族が加入する健康保険の被扶
養者になる⇒本データ集「健康
保険の被扶養者」の項参照
●退職前とほぼ同じ給付内容
●自己負担割合
入院/通院とも3割(70歳未満)
●自己負担割合
入院/通院とも3割
●自己負担割合
入院/通院とも3割
●世帯の収入に応じた
保険料負担あり
●保険料負担なし(70歳未満)
●継続は最長2年間
●保険料は……
●保険料は……
●保険料は……
国民健康保険料は前年の所得が基準と
なるため、退職後すぐに国民健康保険
に加入すると保険料が高額になるのが
一般的です。平成20年度からは後期
高齢者医療制度の導入に伴い、医療保
険 分 ・ 後 期 高 齢 者 支援 金分 ・そ して
40歳以上の介護保険分の3本立てに
なります。
息子ら家族が健康保険などに加入して
いれば、その扶養者になることもでき
ます。その場合保険料の追加負担は発
生しません。
ただ、公的年金や雇用保険給付などを
含め、年収が60歳以上または障害者の
かたは180万円未満、60歳未満の場合
130万円未満であること、その他の要
件に該当することが必要。
在職時は会社と社員が保険料を折半す
るが、任意継続では全額が自己負担。
計算の基礎となる標準報酬月額は「退
職時」か「全被保険者の平均」のいず
れか低い方。組合健保では組合への問
い合わせが必要。任意継続の期間が過
ぎたら国保に加入するか、家族の健保
の被扶養者になる。
75歳に到達(後期高齢者医療制度に加入)
●対象者…
75歳以上(65歳~74歳で一定の障害のある方で、広域連合の認定を受けた方)
●保険料…
都道府県ごとに設定。被保険者均等割額と所得割額からなり、上限は年間50万円。2年に1度改定される。
高齢者一人ずつが納める(保険料の軽減措置あり)。年額18万円以上の年金を受給していれば保険料は原則
天引き(ただし、介護保険料と合わせた額が年金額の1/2を超えるときは対象外)
●窓口負担… 1割(現役並み所得者は3割)
●運営…
運営主体は都道府県単位で設置される広域連合(全市町村が加入)が行い、保険料徴収などは市区町村が行う
60歳以降の医療保険 : 65歳まで働いて退職するサラリーマンの場合
(夫の年齢)
65歳
68歳
75歳
78歳
(妻の年齢)
62歳
65歳
72歳
75歳
国民健康保険
政管(組合)健保
後期高齢者医療制度
夫
介護2号
健保の被扶養者
介護保険 1号被保険者(保険料は年金から天引き)
国民健康保険(夫と世帯単位で加入)
国保(妻のみ加入)
後期高齢者医療制度
妻
介護保険料負担なし
介護2号(国保と合わせて納付)
介護保険 1号被保険者(保険料は年金から天引き)
■注意事項
任意継続か国保を選ぶ際、保険料の比較だけではなく給付内容を比較することも大切なポイント
です。健保組合によっては国保にない手厚い付加給付がある場合があります。例えば「医療費の
月間の自己負担額が2万円を超えた分は払戻しを受けられる」といった組合独自の給付があります
国民健康保険は市区町村によっては減免制度があり、当年の所得の見込み額が前年より急減しそう
な場合、保険料の割引を受けられる場合があります。
また、すべての市町村で一定額以下の収入の場合保険料が割り引かれます。
【FPデータ集 平成20年5月作成】A17
出産育児一時金と出産手当金
受給資格なし
出産する本人が
サラリーマンである
NO
政府管掌健康保険
または
健康保険組合の被保険者
NO
YES
産休を取って退職せず
仕事を続ける
●本人が国民健康
保険に加入している
●または配偶者が
健康保険か国民健康
保険に加入している
出産育児一時金
(配偶者出産育児一時金)
YES
子ども1人につき
35万円
NO
退職
YES
退職日まで継続して
1年以上健康保険に
加入している
退職後6カ月以内に
YES
出産する
YES
YES
お給料が出ない
または減額される
出産育児一時金
子ども1人につき
NO
35万円
YES
出産育児一時金
子ども1人につき35万円
+
出産手当金
月収の3分の2を98日分
お産で欠勤して給料が出ないときは、出産手当金として産前42日間、産後56日間、1日に標準報酬日額の
3分の2が支給される。また給料の一部が支給されている場合は月収の3分の2に達するまでの額が支給される
■月収が24万円だった人の出産手当金・・・ 24万円÷30日×2/3×98日=約52.3万円
●出産育児一時金について
・多胎妊娠の場合胎児数分の支給が受けられます。子ども1人につき350,000円
・自治体や健康保険組合によっては、独自の上乗せ給付がある場合があります。
●出産手当金について
・多胎妊娠の場合支給日数は産前98日、産後56日の合計154日分が支給されます。
・切迫流産等で傷病手当金を同時に受けられる場合は出産手当金が優先し、傷病手当金は支給されません。
・給付が行われる分娩は、妊娠4ケ月目(85日)以降です。死産・流産・早産の場合も対象となります。
【FPデータ集 平成20年6月作成】A35
広域連合ごとの後期高齢者医療保険料
広域連合
均等割額
円
北海道
青森県
岩手県
宮城県
秋田県
山形県
福島県
茨城県
栃木県
群馬県
埼玉県
千葉県
東京都
神奈川県
新潟県
富山県
石川県
福井県
山梨県
長野県
岐阜県
静岡県
愛知県
三重県
43,143
40,514
35,800
38,760
38,426
37,300
40,000
37,462
37,800
39,600
42,530
37,400
37,800
39,860
35,300
40,800
45,480
43,700
38,710
35,787
39,310
36,000
40,175
36,758
平均的な厚
生年金受給
者の保険料
所得割率
%
広域連合
均等割額
(注) 円
9.63
7.41
6.62
7.14
7.12
6.85
7.45
7.60
7.14
7.36
7.96
7.12
6.56
7.45
7.15
7.50
8.33
7.90
7.28
6.53
7.39
6.84
7.43
6.79
80,700
68,000
60,400
65,300
64,900
62,700
67,800
66,400
64,500
67,000
72,200
64,100
61,700
67,600
62,600
68,600
76,400
72,900
65,900
60,000
66,900
61,600
67,800
62,000
所得割率
円
滋賀県
京都府
大阪府
兵庫県
奈良県
和歌山県
鳥取県
島根県
岡山県
広島県
山口県
徳島県
香川県
愛媛県
高知県
福岡県
佐賀県
長崎県
熊本県
大分県
宮崎県
鹿児島県
沖縄県
38,175
45,250
47,415
43,924
39,900
43,375
41,592
39,670
43,500
40,467
47,272
40,774
47,700
41,659
48,569
50,935
47,400
42,400
46,700
47,100
42,800
45,900
48,440
平均的な厚
生年金受給
者の保険料
%
6.85
8.32
8.68
8.07
7.50
7.92
7.75
7.35
7.89
7.14
8.71
7.43
8.98
7.85
8.88
9.24
8.80
7.80
8.62
8.78
7.95
8.63
8.80
(注) 円
63,400
76,100
79,600
73,900
67,900
72,700
70,500
67,000
72,700
66,600
79,600
68,300
81,300
71,000
81,500
85,100
80,200
71,400
78,700
79,800
72,400
78,100
81,000
資料出所:厚生労働省(調査時期:平成19年12月)
(注)平均的な厚生年金受給者の保険料で年金受給額が201万円として算定。均等割額が2割軽減となる。
例:大阪府の場合の保険料計算は・・・
保険料
(年額)
(限度額50万円)
=
均等割額
47,415円
被保険者1人当たり
+
所得割額
8.68%
※被保険者の所得
×所得割率
※被保険者の所得(基礎控除後の総所得金額等)の算出方法
①給与所得者の場合
(給与収入金額-給与所得控除)-基礎控除額(33万円)
②公的年金所得の場合 (年金収入金額-公的年金等控除額)-基礎控除額(33万円)
③その他の所得の場合 (収入金額-必要経費)-基礎控除額(33万円)
●保険料の
1人当たり
全国平均額
年額72,000円、月額6,000円 程度
【FPデータ集 平成20年10月作成】A32
老齢年金の受給資格
はい
年金の受給資格期間が
25年以上
ありますか?
【受給資格期間とは】 ① 保険料納付済期間
② 保険料免除期間
③ 合算対象期間※1
①②③の期間をあわせて25年
を満たせば、基礎年金を受給す
ることができます。
いいえ
・ サラリーマンの妻等第3号被保険者の期間は保険料納付済
期間となります。(年金額に反映されます)
・ 保険料免除期間については年金額は減額となりますが、受
給資格期間としてカウントします。
《被用者年金の加入期間の特例》
被用者年金制度の
はい
(厚生年金保険・共済組合等)
の加入期間が
20年以上
ありますか?
いいえ
いいえ
はい
厚生年金保険・共済組合等の
加入期間が生年月日に応じて
次の期間以上ありますか
昭和27.4.1以前
昭和27.4.2~昭和28.4.1
昭和28.4.2~昭和29.4.1
昭和29.4.2~昭和30.4.1
昭和30.4.2~昭和31.4.1
20年
21年
22年
23年
24年
《厚生年金保険の中高齢の特例》
厚生年金保険の
被保険者期間が
15年以上
ありますか
いいえ
はい
いいえ
男子は40歳以後、女子と坑内員・船員は
35歳以後の厚生年金保険の被保険者期間
が生年月日に応じて次の期間以上ある。
15年
16年
17年
18年
19年
老齢基礎年金を受給することができません
年金老
金の齢
を 被基
受保礎
け険年
る 者金
こ 期の
と 間受
がが給
であ資
き る格
まとが
すきあ
はり
老
齢厚
厚生
生年
、
昭和22.4.1以前
昭和22.4.2~昭和23.4.1
昭和23.4.2~昭和24.4.1
昭和24.4.2~昭和25.4.1
昭和25.4.2~昭和26.4.1
はい
老
齢
基
礎
年
金
を
受
け
取
る
こ
と
が
で
き
ま
す
※生年月日が昭和5年4月1日以前に生まれた人や、坑内員・船員の場合等に対する各種の特例があ
りますが、説明を簡単にするため一部省略したり原則的な点だけを表示しています・
※1 合算対象期間(カラ期間)
①
被用者年金加入者の妻が、国民年金に任意加入しなかった期間(昭和61年3月以前)。
サラリーマンの妻は昭和61年3月までは国民年金に任意加入でした。この間は加入していなかった期間で
もカラ期間として資格期間にはカウントしますが年金額には反映されません。
②
③
④
⑤
学生(平成3年3月以前)、海外在住者等が国民年金に任意加入しなかった期間。
厚生年金保険等の脱退手当金をうけた期間。
平成12年4月以後の学生納付特例制度および平成17年4月~平成27年6月の若年者納付猶予
制度により保険料の全額免除をうけた期間のうち、保険料を追納しなかった期間。
その他
【FPデータ集 平成20年10月作成】A35
65歳からの老齢厚生年金
65歳からは老齢基礎年金と老齢厚生年金
老齢基礎年金の資格期間を満たした人は、65歳以後老齢基礎年金が支給され、さらに厚生年金
保険の被保険者期間が1カ月以上ある場合には、老齢厚生年金が上乗せして支給されます。
老齢厚生年金
報酬比例部分
60歳台前半の
老齢厚生年金
経過的加算額
定額部分
60歳 老齢基礎年金
65歳
厚生年金の被保険者期間が1年以上あるときは、60歳台前半の報酬比例部分の支給開始年齢から厚
生年金を受け取ることができますが、被保険者期間が1年未満のときは65歳からの支給となります。
65歳以後の年金受給額
● 経過的加算額
65歳からの年金額では定額部分に相当するものが老齢基礎年金となりますが、当面は定額部分
のほうが老齢基礎年金よりも多くなりますので、その差額が経過的加算として支給されます。
経過的
加算額
=
定額部分
年金額
-
満額の老齢基礎年金
792,100円
×
昭和36年4月以後で20歳以上60歳未満
の厚生年金の被保険者期間の月数
加入可能年数×12
60歳までの加入期間が定額上限月数(昭和21年4月生まれ以降の人は480月)に満たない人が、60歳以後も働いて
被保険者期間を継続する場合、定額部分の年金額は退職時までの月数(480月が限度)で計算します。国民年金の
任意加入と同様に年金額が増加しますが、厚生年金の場合は基礎年金の増加ではなく経過的加算額が増加しま
す。60歳までに上限月数一ぱい加入の人は60歳以後に何月加入しても経過的加算額は増えることはありません。
● 老齢基礎年金(加入可能年数や免除期間等については⇒本データ集の「老齢基礎年金」を参照してください)
被保険者月数
満額の基礎年金
老齢基礎年金額
=
×
792,100円
加入可能年数×12
● 老齢厚生年金
従前額保障年金額の計算式
(
×
平成15年3月以前の期間
の平均標準報酬月額
×
平成15年4月以後の期間
の平均標準報酬額
×
生年月日に応じて
10~7.5/1000
生年月日に応じて
7.692~5.769/1000
×
平成15年3月以前の期間
の被保険者期間の月数
×
平成15年4月以後の期間
の被保険者期間の月数
+
)
1.031×物価スライド率0.985
年金額の改定(60歳以後も働く場合、65歳、70歳、退職時に年金額が再計算されます)
再計算
在職老齢年金
65歳
再計算
満額の年金
退職
改定後の年金
改定後の年金
退職時改定:70歳到達前に退職して被保険
者資格を喪失したときは、退職時に老齢厚
生年金の額が再計算され改定されます。
再計算 再計算 在職老齢年金
満額の年金
65歳 70歳 退職
改定後の年金
改定後の年金
被保険者資格喪失
70歳到達時改定:70歳になると被保険者資格を喪失し、
老齢厚生年金額は再計算され、改定されます。
年金額は、平成16年改正による本来年金額の計算方法で求めた額より、それ以前の計算方法で求めた年金額の方が多いときは従前の額が
保障されます。平成20年度は従前の額のほうが多いため上記解説においても従前額保障の計算式や数値を用いて解説しています。
【FPデータ集 平成20年7月作成】C23
所得税のしくみ(給与所得と税)
サラリーマン等の給与所得者は、収入から給与所得控除額を差し引くことができます。
●給与所得控除額
年収
控除額
1,625,000円まで
給与所得者の特定支出控除
650,000円
1,625,001円 ~ 1,800,000円まで
1,800,001 円 ~ 3,600,000円まで
年収×0.4
年収×0.3 +
180,000円
3,600,001 円 ~ 6,600,000円まで
6,600,001 円 ~ 10,000,000円まで
年収×0.2 +
540,000円
年収×0.1 +
1,200,000円
10,000,001 円以上
年収×0.05 +
1,700,000円
その年中の特定支出(通勤
費・転居費・研修費・資格取
得費・帰宅旅費)の合計額
が給与所得控除額を超える
場合は、確定申告により、そ
の超える部分の金額を給与
所得控除後 の給 与の 金額
から控除できます。
注:実際には年収が660万円未満である場合には、「年末調整のための給与所得控除後の給与等の金額の
表」で給与所得の金額を求めますので、上記速算表を使用した場合とは若干異なる場合があります。
●所得控除の種類⇒本データ集「所得控除」の項を参照
①雑損控除 ②医療費控除 ③社会保険料控除 ④小規模企業共済等掛金控除 ⑤生命保険料
控除 ⑥地震保険料控除 ⑦寄付金控除 ⑧障害者控除⑨寡婦・寡夫控除 ⑩勤労学生控除 ⑪
配偶者控除 ⑫配偶者特別控除 ⑬扶養控除 ⑭基礎控除
●
給
与
収
入
収入から差し
引かれる金額
所得控除額
給与所得
課税所得金額
×税率=
所得税額
※課税所得金額の計算においては、1,000円未満の端数を切り捨て1,000円単位となります。
右記速算表を使って税額を計算すると
課税所得が650万円のときの税額は
650 万円×20%-427,500 円=872,500 円
課税所得が2000万円のときの税額は
2,000 万円×40
%-2,796,000 円=1,599,000 円
累進課税の仕組みは・・・・
課税所得が650万円のとき
●税額表(求める税額=A×B-C)
課税所得金額 A
税率 B
控除額 C
1,000 円 ~ 1,949,000円まで
1,950,000 円 ~ 3,299,000円まで
3,300,000 円 ~ 6,949,000円まで
6,950,000 円 ~ 8,999,000円まで
9,000,000 円 ~ 17,999,000円まで
18,000,000円以上
0円
97,500円
427,500円
636,000円
1,536,000円
2,796,000円
課税所得
195万円
税額の合計は
97,500 円+135,000 円+640,000 円=872,500 円
上記速算表での計算結果と同じになります。
その年の最後の給与を受けるときに年末調整が行わ
れ、多くの給与所得者は年末調整で1年間の所得税の納
税が完了するため、確定申告の必要はありません。
年収が2,000万円を超える方は確定申告が必要です。
5%
10%
20%
23%
33%
40%
330万円
650万円
税率20%
税率10 %
税率5%
195万円×0.05
=97,500円
135万円×0.1
=135,000円
320万円×0.2
=640,000円
【FPデータ集 平成20年7月作成】C33
個人年金と雑所得
●個人年金を受け取った時の雑所得の計算
増加
年金
イメージ図
増額
年金
B
C
基本
年金
A
受
取
年
金
額
増額年金・・ 保険料払込期間中の積立配当金により増加する年金額
増加年金・・ 年金の支払い開始以後において分配される剰余金により増加する年金額。年金の増加では
なく、現金で支払われるものや積立金などを含めて本帳票では増加年金と呼称します。
雑所得の金額 = 年金年額(C) - 年金年額(B) ×
必要経費算出のための年金年額は年金年額Cではなく、
基本年金と増額年金をプラスした年金額Bを使用します。
年金年額Cが毎年変化する場合は毎年度ごとに雑所得を計算します。
既払込正味保険料総額
年金の支給総額又は見込み額
必要経費
上記算式中の「年金の支給総額又は見込み額」は次のように計算します。
年金の種類
確定年金
有期年金
保証期間付
有期年金
終身年金
年金の受給
年金の支給総額又は見込み額
年金受取人の生死に関係なく年金の支給
年金年額B×支給期間
予定期間中、年金を支払うもの
支給期間の年数と年金支払開始
年金受取人が年金の支給期間内に死亡し
た場合には、その死亡後の期間について 年金年額B× 日における受取人の余命年数の
いずれか短いほうの年数
は年金を支払わないもの
年金受取人が支給期間中生存している場
保証期間年数と余命年数のいず
合はこの間年金が支払われるが、支給期
れか長い年数と支払い期間との
年金年額B×
間の終了、又は保証期間後に死亡したとき
いずれか短い年数
は年金支払が終了するもの
受取人が生存している限りずーっと年金を
年金年額B×余命年数(注)
支給するもの
保証期間付
終身年金
受取人の生存中年金を支給するほか、受
余命年数と保証期間年数とのい
取人が保証期間内に死亡した場合には、
年金年額B× ずれか長い年数
その死亡後においても保証期間の終了日
までその支給を継続するもの
逓増型年金
第2回目以降は、年金額が第1回年金額×
逓増率ずつ増加する
外貨建て
積立利率変動型
個人年金保険
N×D×{ 2+(N-1)×E }
2
D=第1回年金額B E=逓増率 N=年金受取り期間
外貨建て商品の場合、邦貨への換算については電信売買相場の中値(TTM)を使用。上記
算式をTTMを使用して邦貨に換算する。、また、年金額が変動するものは年金支払見込み総
額の計算において、その変動年金の額は考慮せず年金支払見込み総額を算出する。
余命年数
(抜すい)
個人年金の支払時には、生命保険会社等が支払う年金の額からその年金額に対応する払込保険料を控除した
残額の10%を源泉徴収されます。残額が25万円に満たない場合は源泉徴収は行われません。
【FPデータ集 平成20年6月作成】C22
ふるさと納税
平成20年4月30日に交付された「地方税法等の一部を改正する法律」により、個人住民税の
寄付金税制が大幅に拡充されました。
「ふるさとに貢献したい」「ふるさとを応援したい」という納税者の想いを活かすことが
ねらい できるよう、都道府県・市区町村に対する寄付金税制が抜本的に拡充されました。
都道府県・市区町村に対する寄付金のうち、5千円を越える部分について、
個人住民税所得割額の概ね1割を上限として、所得税と合せて全額が控除されま
す。
制度の概要
イメージ図
「ふるさと」は出身地や
過去の居住地に 限定
されず、自由に選ぶこ
とができます。
①寄付します
ふるさとの
地方公共団体
(都道府県や市町村)
②領収書をもらいます
③申告を行います
(1月~12月までの寄付に関して②の領収書を
添付して翌年の1月~3月15日までに申告)
お近くの税務署
連絡
④所得税が還付されます
(還付額が発生した場合)
⑤住民税が控除されます
(控除後の税額で翌年度の住民税が課税されます)
寄付者が行う手続き
行政機関が行う手続き
住民税を納める
自治体
個人住民税の寄付金税制の改正
制度の概要
改正前
対象
控除方式
都道府県・市区町村
所得控除方式
寄付金×税率(10%)
軽減効果
(10万円を超える部分
に つ い て 所 得 控 除を
受けることができた)
改正後
都道府県・市区町村
税額控除方式
[税額控除額の計算方法]…次の①と②の合計額を税額控除
①(寄付金-5千円)×10%
②(寄付金-5千円)×(90%-寄付者の所得税の限界税率0%~40%)
(注1)寄付金は地方公共団体に対するものの合計額
(注2)②の額は個人住民税所得割の額の1割を限度とする
限度額
適用下限額
総所得金額の25%
10万円
総所得金額等の30%
5千円
*所得税は従来通り5千円を超える寄付金について所得控除があります。軽減効果は各々の所得税率によって変わります。
*所得税は寄付を行った年分の所得税から控除され、住民税は寄付を行った年の翌年分の住民税から控除されます。
【FPデータ集 平成20年5月作成】B1
特定年齢までの生存率
いいえ!
今30歳の女性が90歳
に生存している確率は
なんと!
44.3%
の女性が90歳の誕生日を
迎えることができます
特定年齢までの生存率(平成18年簡易生命表による)
《男性》
65 歳生存率
20
25
30
35
40
45
50
55
60
歳
歳
歳
歳
歳
歳
歳
歳
歳
86.7%
87.0%
87.3%
87.6%
88.1%
88.8%
90.0%
91.9%
95.0%
《女性》
65 歳生存率
20
25
30
35
40
45
50
55
60
歳
歳
歳
歳
歳
歳
歳
歳
歳
93.7%
93.9%
94.0%
94.2%
94.5%
94.9%
95.6%
96.5%
98.0%
70 歳生存率
80.4%
80.6%
80.9%
81.2%
81.7%
82.3%
83.5%
85.2%
88.1%
70 歳生存率
90.8%
90.9%
91.1%
91.3%
91.5%
91.9%
92.6%
93.5%
94.9%
75 歳生存率
70.8%
71.0%
71.3%
71.5%
71.9%
72.5%
73.5%
75.1%
77.6%
75 歳生存率
86.0%
86.1%
86.2%
86.4%
86.6%
87.0%
87.6%
88.5%
89.8%
80 歳生存率
56.8%
57.0%
57.2%
57.4%
57.7%
58.2%
59.0%
60.3%
62.3%
80 歳生存率
77.9%
78.0%
78.1%
78.3%
78.5%
78.9%
79.4%
80.2%
81.4%
85 歳生存率
39.2%
39.3%
39.5%
39.6%
39.8%
40.2%
40.7%
41.6%
43.0%
85 歳生存率
64.3%
64.4%
64.5%
64.6%
64.8%
65.1%
65.6%
66.2%
67.2%
90 歳生存率
20.8%
20.8%
20.9%
21.0%
21.1%
21.3%
21.5%
22.0%
22.7%
90 歳生存率
44.1%
44.2%
44.3%
44.3%
44.5%
44.7%
45.0%
45.4%
46.1%
95 歳生存率
7.3%
7.4%
7.4%
7.4%
7.5%
7.5%
7.6%
7.8%
8.1%
95 歳生存率
22.0%
22.0%
22.1%
22.1%
22.2%
22.3%
22.4%
22.7%
23.0%
【FPデータ集 平成20年5月作成】E13
外貨預金
100万円を外貨預金で運用するとどうなる?
米ドル建て 年利2.0% 期間1年 T.T.M.(仲値)105円 為替手数料片道1円とすると
預入金額・円
T.T.S.
106円 =
1,000,000円 ÷
預入金額・㌦
9433.96㌦
年利
利息
2.00% =
9433.96㌦ ×
利息
預入金額・㌦
188.68㌦
税率
20% =
188.68㌦ ×
預入金額・㌦
9433.96㌦ +
源泉徴収税
利息
37.74㌦
源泉徴収税
188.68㌦ -
37.74㌦ =
満期手取額・㌦
9584.91㌦
円高になったら
仲値変わらず
円安になったら
T.T.B.=100円
T.T.B.=104円
T.T.B.=110円のとき
受取額
受取額
受取額
958,490円
996,830円
1,054,340円
(9584.91㌦×100円)
(9584.91㌦×104円)
(9584.91㌦×110円)
年利 -4.15%
年利 -0.32%
年利 5.43%
●外貨預金は預金保険機構の保障対象外。銀行が破綻すると元本が戻ら
ない可能性もあります。
●外貨預金はマル優は利用できません。
●為替差益は雑所得の扱いとなり、ほかの雑所得と合わせて20万円までは
申告は不要です。ただし、サラリーマン等で年間収入が2,000万円を超える
場合等は確定申告が必要です。
●為替差損はほかの黒字の雑所得から控除することができます。
●T.T.S.レート:円を外貨に交換するときの換算レート(為替手数料を含む)
●T.T.B.レート:外貨を円に交換するときの換算レート(為替手数料を含む)
【FPデータ集 平成20年8月作成】D20
住宅ローン② 金利のタイプ
住宅ローンを利用してマイホームを購入した場合、借入金には利息
がつきますから、実際に返済するのは借入金+利息の総額です。
ローンは通常長期にわたるため総返済額のかなりの部分が利息で
す。ローン締結時の低金利は魅力ですが、目先の低金利ばかりにと
らわれると返済計画は危険なものとなります。金利のタイプなどにも
注意が必要です。
※下記の図はいずれも元利均等返済の例です。
固定金利型
借入時に適用される金利が返済中ずっと変わらない
● 金融情勢が高金利となっても返
済額は変わらない
● 完済まで返済額が決まっている
ので返済計画が立てやすい
● 高金利の時期にローンを組むと
低金利となっても金利は高いま
ま推移するので注意が必要
返済額
返済期間
5年
10年
15年
20年
25年
30年
35年
低金利の時代には、将来の金利上昇に備え長期の固定金利を選ぶのが定石
変動金利型
返済額は5年に一度見直しとなる。ただし、
上昇する場合も旧返済額の1.25倍が上限となる
● 返済中に金融情勢によって金
利が見直され、返済額が増減
する。借り入れ当初の金利は低
くても返済額が変わるため返済
計画が立てにくい。
● 年2回金利の見直しがある。返
済額は変わらず、元金と利息の
内訳が調整・変更される。
● 未払い利息(注)に注意
● 上限金利付のタイプもあり
返済額
返済期間
5年
10年
15年
20年
25年
30年
35年
返済期間を短くして早く返せば、金利の変化に対するリスクは少なくてすむ
(注)元利均等返済で変動金利型なら「未払い利息」発生も!
変動金利型のローンでは、毎回の返済額は5年間変わりませんが、4月と10月の年2回の金利見直し時に元金と利息の内
訳が調整されます。ところが、急激な金利上昇があった場合、新しい利息の額が毎月返済額を超えてしまい、その月の返
済はすべて利息に充てられます。さらに超えた分は「未払い利息」として次回の返済に繰り越され、当然その間は元金部
分は減少しません。
固定金利選択型
期間終了時にはあらためて固定金利選択型、
変動金利型などを選択する
● 期間は3年、5年、10年などから
選べる(金融機関によって異な
る)。金利は長期になるほど高
めに設定されている。
下図は期間10年を
選択の例で表示
● 一般的には固定金利型より低金利
● 名称は金融機関により異なる
返済額
返済期間
5年
10年
15年
20年
25年
30年
短期期間を選ぶと長期より低金利となるが、金利上昇が大きい場合にはリスクも
35年