◆ Campus 夏の鯉淵は一気に国際化~アセアン・カリブ研修~ 鯉淵学園の夏の恒例イベントは国際研修。 本年は、外務省所管の国際協力機構(JICA) および国際農業者交流協会の要請を受けて 「中米カリブ地域小規模農民支援有機農業普 及手法研修コース」(カリブ研修)と、「アジア農 業青年人材育成事業研修」(アセアン研修)が 開催されました。 8月3日および9日~10日の3日間、本学で 行われたカリブ研修には、中米のニカラグア、 グアテマラ、コスタリカなど7カ国から10名の農 業普及員や農協組織の技術者が参加。有機農 業の病害虫回避技術や家畜糞尿の堆肥化な どに関する講義と農場実習を受けました。 (カリブ海諸国から鯉淵学園へ来園した農業技術研修生) (58 名の大研修団となった今年のアセアン研修) (相互に友好を深めたアセアン諸国の農業青年たち) 8月20日から30日のアセアン研修にはタイ、 インドネシア、マレーシア、およびフィリピンのア セアン諸国(東南アジア諸国連合)から農業青 年のリーダーや農家指導担当の政府職員など 58名が参加。11日間に及んだ本学での泊まり 込み研修では、稲作・野菜・果樹・畜産など広 範囲にわたる農業技術研修と農場実習が行わ れました。閉講式でインドネシアのハスビさんは 「特に野菜の苗作りと農産物の販売が勉強にな った」と、研修成果を報告しました。 研修の事務局を担当した小沼和重研修課長 は、「鯉淵から多くを学んで帰りたいという研修 生たちの熱意には圧倒されます。私たちの国 際的な協力が彼らの国の農業と農家の暮らし の発展に役だってほしい」と、期待します。 1 ◆ Campus 鯉淵学園で学んだ二人の日系人女性 ブラジルのババさん(右)は日系2世。 キューバのアラカワさん(左)は日系3 世。それぞれご家族の日本での出身 地は神奈川県と熊本県。 漢字の苦手なお二人を支援したのは 女子寮の学生たち。栄養や衛生など 同じ専門分野を学ぶ学生たちにとって も国際的な視野を広げる機会に。 学生たちと三食をともにしたお二人は すっかり日本食の大ファンになったそう です。 糖尿病などの成人病に悩む日系ブラジル人 国際協力機構(JICA)の要請を受け、鯉淵学園 は中南米諸国の日系人を対象とした専門研修を ほぼ毎年実施してきました。今年の研修生はブラ ジル・サンパウロ市の栄養士マサミ・ババさん(写 真右)と、キューバ政府保健省に勤めるアナ・フラ ンシスカ・ポンセ・デレオン・アラカワさん(写真左)。 研修期間は5月14日から7月31日までの2カ月半。 お二人とも本学の女子寮に滞在して集中的な研 修に臨みました。 ババさんは、日本での生活習慣病に対する栄 養指導について学び、その成果をブラジルの成 人病予防対策に活かしていくため、臨床栄養指導 技術や生活習慣病予防の献立作成・調理技術な どについて食品栄養科の教員から指導を受け、 学生の授業や調理実習にも参加。7月26日の「研 修成果発表会」では次の点を強調しました。 ○こんにゃく料理など健康食の調理法や紙芝居 を使った栄養指導法などが特に印象に残った。 ○ブラジルの日系人社会では、肉や油脂、砂糖 の摂りすぎで糖尿病などの成人病患者が増えて いるが、日本人の食事は生活習慣病になりにくく、 人々は健康食について豊富な情報を持っている。 研修で学んだ多くのことをブラジル人の食生活の 改善に活かしていきたい。 こうした発表を受け、指導にあたった入江三弥子 教授(学生部長)はババさんの帰国後の活躍に強 い期待感を示すとともに、成果発表会へ参加した 学生たちに対し、「ブラジルだけでなく、日本でも 生活習慣病の問題は深刻化している」と述べ、 人々の健康維持に果たす栄養士の役割の重要性 を強調しました。 (ブラジル・ババさん作成の資料より) キューバでは食中毒の阻止が重要課題に キューバのアラカワさんの研修テーマは調理工 程の衛生検査法でした。キューバ国内では食中 毒の発生件数が年間2万件を超え、この発生抑制 が政府にとって大きな課題。保健省に勤務するア ラカワさんは、微生物の検査技術や減菌法、無菌 操作法など、食品衛生の基本技術について本学 の担当教員から精力的に指導を受けました。 2 ◇ Campus 実り豊かな「鯉淵農園」の秋~最盛期に入る梨とぶどうの収穫~: (収穫直前の「藤稔」。 学園直売所では「巨峰」 よりも甘いとの評判も。) 茨城県水戸市では、浜風の効果もあって、 関東内陸部よりも夏の高温が2~3度低いとい われますが、それでも今年は厳しい残暑が続 きました。9月に入っても鯉淵学園のキャンパ スにはまだ秋風が吹きません。 そうした中で、梨園 とぶどう園は収穫の 真っ盛りに。今年は 極暑のおかげで甘さ が増し、学園直売所 での売上も順調に伸びています。また、「幸水」 の梨園は高校生たちの学校見学会の「収穫 体験」の場としても大活躍(写真左)。直売所の 学園産ぶどう販売の人気商品は、8月下旬の 「サニールージュ」や「アーリースチューベン」 から9月に入って「藤稔」(写真上)へ移りま す。 シーフード料理の全国コンクールにチャレンジする食品栄養科の2年生: 食品栄養科の学生たちの関心事の一つ は料理コンクールへの参加。「日頃の研究 の成果を『他流試合』で試してみたい」そ うした思いでさまざまな料理コンクール へ挑戦する学生が近年増えています。 こうした学生たちにとって本年度最大 のチャレンジとなるのが全国漁業協同組 合連合会(全漁連)主催の「第13回シー フード料理コンクール」・「プロを目指す 学生部門」(審査委員長は服部栄養専門学 校の服部幸應校長)。本学食品栄養科の「内 部審査」をパスした2年生4名(女性2 名・男性2名)が同コンクールへ応募する ことになりました。 学生の指導にあたる浅津竜子准教授は「初 めて挑戦した2年前のコンクールでは最終審 査に入賞した実績があり、今年は農林水産大 臣賞を目指してがんばってほしい」と、期待感 を強めています。「おさかな料理ファンを増や そう」をテーマとする今回の全国コンクール。 応募締め切りは9月28日、最終審査(入賞全 国16名以内)は12月2日に行われます。 (学生が準備する応募 作品の試作の一部で す。「カレーの海を泳ぐ ハンバーグ」など斬新 なアイディア。はたして その結果は・・・・・。) 3 鯉淵学園の学生4名が第1回アジア4‐Hクラブネットワーク大会に参加: 1997年冬季ユニバーシアードが開催された 韓国全羅北道のリゾート地ムジュ(茂朱)で8月 8日から13日、第1回アジア4-Hクラブネットワ ーク大会が開催され、本学食農環境科の学生 4名と随行の教員1名が参加しました。 加した学生たちは農業栄養専門学校の学生と いう立場から日本の状況などについて報告しま した。 大規模な国際会議に初めて参加した食農環 境科1年の福濱由美子さんは帰国後の報告で 次のようにコメントしています。「地元の韓国だ けでなく、アメリカやフィンランド、ベトナムなどか ら来た農業青年たちと自国のことを紹介し合い、 交流を深めることができたことが最も勉強になり ました。今回の国際会議に出席した経験を今後 の学園生活に活かしていきたい」 (「鯉淵学園の代表団」4名、左から沖縄県出身 JA コース 1年の福濱由美子さん、静岡県出身就農専攻1年の小水 直人さん、神奈川県出身畜産専攻1年の今彰久さん、福 島県出身就農専攻2年の菅野健司さん) タイのタマサート大学との留学生交換やアジ ア各国からの農業青年研修生の受け入れなど、 鯉淵学園が長年にわたって取り組んできた国 際貢献活動が国際4-Hクラブ農業青年交流協 会(IFYE)や開催国の韓国側から評価され、主 催団体の韓国4-Hクラブ協議会からの特別招 待により本学学生4名の参加が実現しました。 大会には中国、インド、タイなどのアジア諸国 に加え、アメリカ、カナダ、スイスなど世界20カ 国から250名が参加し、これに 4,700 名を超え る韓国の農業青年や学生等が加わって、大会 は参加者が総勢5千名に達する大規模な国際 会議となりました。 アジアで初めて開催された今回の4-Hクラブ ネットワーク大会は、アジア各国における農業・ 農村の持続的な発展と農業青年の健全な成長 を促進していくため、アジアおよび世界各国の 農業青年組織の友好と連携強化を目的に開催 されました。6日間にわたった大会のプログラム は、4-Hクラブ活動に関する各国の報告に加え、 農業青年の組織拡大と活動の活発化に関する 分科会討議や、参加者による各国伝統文化の 紹介など多種多彩。こうした中で、本学から参 (アジア各国の農業青年たちと記念撮影) <本学は、学生の国際的な研修活動や人的交 流を積極的に促進していくため、開発途上国か らの技術研修生の受け入れを含め、今後ともさ まざまな機会を活用して取り組みを強化し、国 際貢献に関心のある本学学生の期待に応えて まいります。> 農林水産省所管/農業団体助成/厚生労働大臣指定 鯉淵学園農業栄養専門学校 〒319-0323 茨城県水戸市鯉淵町 5965 0120-831-464 FAX 029-259-6965 ウェブサイト:http://www.koibuchi.ac.jp E-mail: [email protected] (お問い合せ等は鯉淵学園の ウェブサイトや携帯・スマート フォン対応のモバイルサイト からも受け付けています。右 の QR コードを活用ください。) 4
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