2014年3月期 第2四半期 ブリッジレポートを掲載しました

ブリッジレポート(2155) 2013 年 10 月 28 日
Bridge Report
カービュー(2155)
会社名
証券コード
市場
業種
社長
所在地
事業内容
決算月
HP
兵頭 裕社長
http://www.bridge-salon.jp/
株式会社カービュー
2155
東証マザーズ
サービス業
兵頭 裕
東京都中央区晴海 1-8-10
インターネットメディアとしてクルマに関する様々な情報を提供すると共に、広
告の企画・配信、関連サービスの提供、中古車輸出入業務のサポートを展
開。ヤフーと協業し収益拡大を図る。
3月
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- 株式情報 -
株価
発行済株式数(自己株式を控除)
677 円
DPS(予)
配当利回り(予)
7.50 円
時価総額
ROE(実)
12,246,200 株
8,290 百万円
EPS(予)
PER(予)
1.1%
11.24 円
売買単位
1.8%
BPS(実)
60.2 倍
100 株
PBR(実)
87,449.39 円
1.7 倍
*株価は 10/25 終値。発行済株式数は直近期決算短信より(発行済株式数から自己株式を控除)。ROE は前期末実績。
*BPS は、直近期決算短信より。
*2013 年 10 月 1 日を効力発生日として 1 株につき 200 株の割合で株式分割を実施。
- 連結業績推移 -
決算期
(単位:百万円、円)
売上高
営業利益
経常利益
当期利益
EPS
DPS
2010 年 3 月(実)
4,471
617
638
427
13,611.77
3,000.00
2011 年 3 月(実)
4,901
652
660
262
4,167.59
1,500.00
2012 年 3 月(実)
5,554
589
604
305
4,835.10
1,500.00
2013 年 3 月(実)
4,444
198
216
98
1,563.59
1,500.00
2014 年 3 月(予)
3,660
360
375
142
11.24
7.50
*予想は会社予想。2010 年 4 月 1 日付で 1:2 の、2013 年 10 月 1 日付で 1:200 の株式分割を実施。
*2013 年 3 月期以前の EPS、DPS は遡及修正していない。
株式会社カービューの 2014 年 3 月期第二四半期決算について、ブリッジレポートにてご紹介致します。
―目次―
1.
2.
3.
4.
5.
会社概要
特徴と強み
2014 年 3 月期第二四半期決算概要
2014 年 3 月期通期業績見通し
今後の注目点
1
ブリッジレポート(2155) 2013 年 10 月 28 日
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今回のポイント
・2014/3 期 2Qの売上高は前年同期比 20.7%減収の 1,813 百万円。国内事業立て直しのため、売上増
よりも収益性改善を優先させたため減収となったが、各種取り組みが功を奏し、国内事業の収益改善は
想定を上回るスピードで進行。広告事業におけるヤフー株式会社との連携効果も現れ始め、営業利益、
経常利益は大幅な増益となった。2013 年 7 月に、第 2 四半期業績予想の上方修正を行ったが、国内事
業の収益向上により実績は修正予想をさらに上回った。
・想定以上のスピードで収益改善が進んでおり、現時点では 2014/3 期通期予想には変更は無いが、国内
事業の黒字運営安定化、広告事業におけるヤフー株式会社との更なる連携強化、など各セグメントにお
ける積極的な取り組みにより、予想達成及び上積みを目指す。
・広告事業におけるヤフー株式会社との連携効果および国内事業の収益改善が予想以上のスピードで
現れ始めている。ただ、国内事業の本格的成長軌道への回帰には更なる取組みや仕組みが必要と思わ
れる。そうした中、同社の独自性が際立つ海外事業におけるロジスティクス・サービスの範囲拡大という取
り組みは注目される。同業他社に対する差別化および競争優位性強化に繋がる同サービスの進捗に期
待したい。
1.会社概要
「テクノロジーを活用して、企業や消費者とクルマに関する様々な情報を共有し、夢のあるカーライフを提案する。」
を経営理念とし、クルマに特化したウェブサイトを運営。自動車関連事業者を顧客とし、これらのサイトを閲覧するク
ルマやカーライフに関心のある一般ユーザーを対象とした、自動車及び関連商品・サービスの広告の掲載や、中古
車査定の仲介サービスを行う。また日本から輸出される中古車の情報を海外に発信、輸出入取引の支援も行ってい
る。親会社がヤフー株式会社となった事を契機に、より高い目標に、より速いスピードで到達することを目指してい
る。
【沿革】
1999 年に、ソフトバンク株式会社の子会社であったスカイスポーツ企画株式会社にマイクロソフト・コーポレーション
が資本出資すると同時に社名変更したカーポイント株式会社が実質的なスタート。総合的な情報提供及び広告事業
中心であったが、2000 年スタートの「中古車査定仲介サービス」の将来性に着目し、同サービスを強化。株式会社カ
ービューへの社名変更も行った。同サービスを中心に国内事業を成長させ 2007 年 6 月に東証マザーズに上場、
2012 年に筆頭株主となったヤフー株式会社との協業を進めている。
1996 年 9 月
東京都中央区日本橋箱崎町に放送事業を目的としたスカイスポーツ企画株式会社を設立
1999 年 11 月
自動車総合サイト carpoint.ne.jp(旧 carview.co.jp)の運営を開始
2000 年 4 月
「中古車検索サービス」の提供を開始
2000 年 5 月
「中古車査定仲介サービス」の提供を開始
2003 年 7 月
会社商号を「株式会社カービュー」に変更
2004 年 2 月
海外の中古車輸入事業者向けを対象に国内中古車在庫情報を掲載する
「trade.caview.co.jp」 (現「tradecarview.com」の運営を開始)
2004 年 8 月
ソーシャル・ネットワーキング・サービス「みんなのカーライフ」(通称 みんカラ)の提供を開始
2007 年 2 月
本社を東京都中央区晴海へ移転
2007 年 6 月
東京証券取引所マザーズ市場に上場
2012 年 10 月
ケニア現地法人「CARVIEW KENYA LIMITED 」を設立
2012 年 12 月
筆頭株主がソフトバンク株式会社からヤフーへ株式会社異動
2013 年 1 月
「tradecarview Store Kenya」がオープン
2013 年 6 月
「carview.co.jp」と「Yahoo !自動車」を統合させた「carview !」をリリース
2
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【経営理念・ビジョン】
経営理念として「テクノロジーを活用して、企業や消費者とクルマに関する様々な情報を共有し、夢のあるカーライフ
を提案する」を掲げ、ユーザーと自動車関連事業者双方にメリットを提供することを目指している。
現在クルマを保有している人には「より豊かなカーライフの創造」を、現在クルマの普及していない地域には「クルマ
の普及」を、ビジネスを通じて実現させ、世界の人々を幸せにすることを目指している。
【事業内容】
国内事業、広告事業、SNS 事業、海外事業の 4 セグメントによって構成されている。
同社の主要顧客は、同社運営のサイトにアクセスするユーザーとの取引を希望する中古車買取業者を始めとする自
動車関連事業者。
<国内事業>
国内事業における中心的なサービスが「中古車査定仲介サービス」。
これは、現在保有する自動車を売却したいと考える個人ユーザーが、「carview!」内等のオンライン査定コーナーにお
いて、必要項目(住所、メーカー、車種、年式、ボディーカラー、走行距離など)を入力すると、ユーザーの近隣の中古
車販売会社や買取会社など査定を行う同社の契約事業者が WEB 上で紹介される。
ユーザーは最大 8 社に無料で査定を依頼することができ、より高い価格で売却することが可能になる。
同社は、ユーザーが査定を依頼した契約事業者から 1 件当たりの紹介手数料を受け取る。同サービスの年間利用
件数は約 31 万件(2013 年 3 月期実績)。
ユーザーに対しては保有車両の効果的な売却機会を提供し、一方契約事業者には仕入機会の拡大と地域顧客基
盤の構築というメリットを提供している。
<広告事業>
ヤフー株式会社と同社とで運営する「carview!」が開始し、バナーやテキスト等の枠物である「ディスプレイ広告」の提
供を中心に事業を展開している。また、同社が企画提案・制作する「タイアップ企画型広告」の提供も行っている。
<SNS 事業>
のべ 65 万ユーザーによる口コミ情報と約 400 事業者のネットワークにより、日本最大規模のクルマ関連 SNS である
「みんなのカーライフ(みんカラ)」のサイト上で、事業者向けブログスページ及びタイアップ企画型広告やバナー/テ
キスト広告スペースを提供している。契約事業者は、自動車パーツ販売店等が中心。
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<海外事業>
中古車輸出入支援サイト「tradecarview.com」を運営している。
国内を中心として輸出事業者が販売する中古車を「tradecarview.com」に掲載。同サイトを閲覧した海外のバイヤー
は希望する車両に関してサイトを通じて問い合わせ、条件がマッチすれば購入する。
同社は輸出事業者から広告掲載料を受け取る。
2004 年のサービス開始以来、「tradecarview.com」はその独自性から内外バイヤーの関心は高い。
海外バイヤーに対する更なる認知度向上の施策としては、リスティングなど検索を絡めたインターネット広告を出稿
しているが、アフリカ地域を中心に現地での口コミも予想以上に大きい。
また、加えて、東アフリカ地域でのビジネス拡大のため、2012 年 10 月に設立したケニア現地法人が、2013 年 1 月に
現地ユーザーに対するサポート拠点である「tradecarview Store Kenya」をオープンした。
海外との取引に際しては購入側も売却側も取引が円滑かつ確実に執行されるか不安を持つものだが、その不安を
解消し安心して取引を行ってもらうために同社が提供しているのが、収納代行サービス「PayTrade」だ。
(同社資料より)
これは、海外のバイヤーと国内の輸出事業者が「tradecarview.com」を通じて中古車の売買を行った場合、安心・安
全な取引を促進するために、同社が海外バイヤーの購入代金を一旦代行して収納し、船積みが確認された後、預か
っていた代金を輸出業者に送金するというものだ。
同社は手数料として代金の約4%程度を売却側の契約事業者から受け取る。
また、同社では 2012 年 3 月期より現地の通関・輸送業者と提携し「PayTrade」の利用者を対象に、通関手数料や運
送費用のディスカウントが受けられる「ロジスティックス・サービス」の提供を開始した。
このサービスは、対応が複雑な輸入手続きの代行で、港のないアフリカ内陸部の国々も含めた個人バイヤーの利用
4
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を促進するのが狙い。
2013 年 10 月現在、モンバサ(ケニア共和国)、ダルエスサラーム(タンザニア連合共和国)、マプート(モザンビーク共
和国)、ダーバン(南アフリカ共和国)の 4 つの港の 5 つの事業者と提携し、12 ヶ国への輸出取引をサポートしている。
今後は東アフリカにおけるサービス提供範囲の拡大も進めていく。
広告掲載、PayTrade の他、中古車輸出未経験者に対し輸出業務の講習やコンサルティングを提供する「コンサルテ
ィングサービス」も行っている。
2.特徴と強み
国内における自動車販売台数は、新車、中古車共に 2012 年はエコカー補助金制度の追い風もあり、前年を上回っ
たが、自動車保有期間の長期化、若者のクルマ離れ、人口減少などの要因を背景に、縮小傾向となっている。
*一般社団法人 日本自動車販売協会連合会統計データより弊社作成
同社は自動車の売買を直接手掛けている訳ではないものの、国内自動車市場の縮小の影響は当然大きく、この競
争の激しいマーケットで勝ち抜くには、同業他社を上回る優位性が必要だ。
①ヤフー株式会社との連携&シナジー効果
このように自動車マーケットそのものに大きな伸びが期待しにくいことに加え、中古車オート・オークション市場にお
ける出品台数も減少傾向にあり、中古車買取事業者の業況が総じて厳しい事は、同社のみならず同業他社にとって
も大きな課題となっている。
そうした中、新経営陣の下、国内 No1 のインターネット企業の一つであるヤフーとの連携によって事業を展開できる
ことは、大きな強みと言えるだろう。
広告枠や商品の拡充により国内事業は想定以上のスピードで立ち直っていると同社は考えている。
②大きな顧客開拓余地
販売台数という点では成熟した国内市場ではあるが、国内の買取業者や販売業者の数はオート・オークション登録
者数で 40,000 社、パーツ販売、整備・修理・板金等の自動車関連事業者数は数万と言われている。これに対し、現在
の契約事業者数は約 1,350 社であり、顧客開拓の余地はまだまだ大きい。
③海外販売ルートの提供
主要な販売ルートが、国内一般ユーザー向け販売、国内業者間取引およびオークション出品にとどまっていた国内
事業者にとって、巨大な潜在市場である海外への販売ルートを提供してくれる同社の存在意義は大変大きい。
そのインフラが「tradecarview.com」であり、国内には例を見ない極めて独自性の高いサイトを運営している同社はこ
の点でも大きなアドバンテージを有していると評価できる。
5
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3.2014 年 3 月期第二四半期決算概要
(1)四半期連結業績(4-9 月)
(単位:百万円)
13/3 期 2Q
構成比
14/3 期 2Q
構成比
前年同期比
売上高
2,287
100.0%
1,813
100.0%
-20.7%
売上総利益
1,269
55.5%
1,417
78.2%
+11.6%
販売管理費
1,179
51.6%
1,195
65.9%
+1.3%
営業利益
90
4.0%
222
12.3%
+146.0%
経常利益
98
4.3%
234
12.9%
+138.1%
四半期純利益
71
3.1%
61
3.4%
-14.1%%
減収ながらも、国内事業の収益改善で大幅増益
売上高は前年同期比 20.7%減収の 1,813 百万円。国内事業立て直しのため、査定仲介サービスにおける売上増より
も 1 紹介当たりの収益性改善を優先させ、件数を抑制したため減収となった。
事業者の対応エリア拡大を促進するとともに、出稿媒体を精査するといった取り組みが功を奏し、国内事業の収益
改善は想定を上回るスピードで進み、加えて広告事業におけるヤフー株式会社との連携による収益基盤の拡大もあ
り、営業利益、経常利益は大幅な増益となった。
大阪支社閉鎖等で特別損失 92 百万円を計上したため、当期純利益は減益となった。
2013 年 7 月 23 日に、第 2 四半期業績予想の上方修正を行ったが、事業者の対応エリア拡大による1紹介当たり売
上増、利用ユーザー情報獲得コストの効率化により 1 紹介当たりの利益が拡大したことから実績は修正予想をさら
に上回った。
ただ、通期見通しについては現時点では修正を行っていない。
<2014 年 3 月期 2Q 業績予想の修正と実績>
期初予想
売上高
(単位:百万円)
修正予想
1,655
実績
1,772
1,813
営業利益
8
91
222
経常利益
8
100
234
-90
13
61
当期純利益
(2)セグメント別動向
<四半期売上・利益(4-9 月)>
(単位:百万円)
売上高
13/3 期 2Q
セグメント利益
14/3 期 2Q
増減率
13/3 期 2Q
14/3 期 2Q
増減率
国内事業
1,204
488
-59.4%
11
58
+419.9%
広告事業
152
215
+41.0%
6
52
+744.5%
SNS 事業
305
301
-1.2%
-11
-9
海外事業
675
817
+21.0%
207
256
+23.9%
26
9
-
-123
-136
-
2,287
1,813
-20.7%
90
222
+146.0%
調整額
損益計算書計上額
<国内事業>
引き続き厳しい事業環境の下、査定仲介サービスにおける集客活動を抑制し、収益性改善と配信情報のクオリティ
ー向上を優先課題とした。
これにより2Q累計でのサービス利用者は 84 千人(前年同期比 -51.8%)と大きく減少。紹介事業者のカバーエリア
の拡大促進活動が効果を出し始めたが、売上高は同 59%減少した。
一方で利用者獲得コストは減少したため、損失は大幅に縮小した。
6
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四半期(3 か月)ごとの利益率は、1Q 6.8%、2Q 16.6%と連続してプラスで推移している。
平均選択事業者数は 4.3 社と、前年同期を上回り、2013 年 3 月期 3Q の 3.0 社を底に回復傾向にある。
(同社資料より弊社作成)
<広告事業>
ヤフー株式会社との連携により 2013 年 6 月 6 日新サイト「carview!」がオープンし、広告枠の増加、商品の拡充が収
益基盤の拡大に繋がり始めた。特にディスプレイ広告の今 2Q(7-9 月)の売上は前期比倍増、前年同期比 4 倍増の
68 百万円と急拡大し、収益向上に大きく貢献している。タイアップ広告売上高はほぼ前年同水準ではあるが、これは
ヤフー株式会社とレベニューシェアした為である。
(単位:百万円。同社資料より弊社作成)
<SNS 事業>
自動車関連事業者向けブログ等のサービスを提供する「みんカラ+(プラス)」の利用事業者数は、前年同期末の
441 社、前期末の 372 社に対し、2013 年 9 月末で 381 社と伸び悩んだ。
「Yahoo! コマース」との連携など、広告枠や集客チャネルが拡大したことにより、広告売上やアフィリエイト収入が拡
大したが、減収となった。人件費は増加したが、広告宣伝費の抑制などにより販管費は減少し、損失幅は縮小した。
(単位:百万円。同社資料より弊社作成)
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<海外事業>
収納代行サービス「PayTrade」の今 2Q(7-9 月)の売上高は為替差益もあり、192 百万円と前年同期に比べ 4 割増
となり、増収に寄与した。ただ、扱い件数は減少傾向にあり、早急に対処すべき課題だと認識している。人員増強、
ウェブサイトの開発・運営などにより販管費は増加したが増収により吸収し、同 2 ケタの増益となった。
(単位:百万円。2012 年 3 月期まで旧基準。2013 年 3 月期 1Q以降新基準。同社資料より弊社作成)
≪参考:セグメント配賦ルールの変更について≫
事業別損益明確化に向けた管理会計強化を目的として、以下のような内容で費用配賦を第 2 四半期より正式に実行
することとした。(第 1 四半期では参考数値を公表)
①全社費用の一部を4事業への完全配賦
これまでセグメント情報において、報告セグメントに帰属しないという理由で、「全社費用(全販管費の約 20%に相
当)」として別掲していた費用のうち、合理的な部分を各報告セグメントに配賦する。
具体的には、人件費、オフィス賃料および減価償却費など管理部門に関係する費用を各事業セグメントに配賦する。
新卒採用費用、役員報酬、上場関連費用など上記に該当せず、事業損益への直接的貢献度が低い費用を全社費
用とする。(全販管費の約 10%に相当)
2014 年 3 月期第 2 四半期より開示するのに伴い、第 1 四半期より遡及して組み替えを実施している。
②パッケージプラン商品の配賦の変更
査定仲介サービスおよびトレードカービュー海外掲載サービスの双方を利用可能なパッケージプランの基本料金を
利用実績に基づき、国内事業、海外事業に配分して計上する。
(3)財政状態及びキャッシュ・フロー
◎財政状態
13 年 3 月末
現預金
(単位:百万円)
13 年 9 月末
13 年 3 月末
5,665
5,390
売上債権
323
370
有形固定資産
247
167
負債
無形固定資産
348
331
純資産
5,524
4,997
164
182
負債・純資産合計
6,992
6,685
6,992
6,685
投資その他
資産合計
仕入債務
13 年 9 月末
預り金
92
86
933
1,020
1,467
1,687
前期末に比べ現預金が 275 百万円減少するなどで、総資産は 307 百万円減少した。
一方負債は同 219 百万円増加したため、自己資本比率は前期末の 79.0%から 74.7%へ低下した。
8
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◎キャッシュ・フロー
(単位:百万円)
13/3 期 2Q(4-9 月)
14/3 期 2Q(4-9 月)
増減額
営業キャッシュ・フロー
380
371
-8
投資キャッシュ・フロー
-177
-57
+119
フリー・キャッシュ・フロー
203
314
+111
財務キャッシュ・フロー
-94
-594
-500
5,682
5,390
-291
現金及び現金同等物期末残高
営業CF、FCFともに前年同期同様黒字を継続している。自己株式取得等により、財務CFの出超幅は拡大した。
有利子負債ゼロの下、成長および企業価値向上に向けて 53 億円のキャッシュをどう活かすか?が注目される。
4.2014 年 3 月期通期業績見通し
(1)連結業績
(単位:百万円)
13/3 期
売上高
構成比
14/3 期(予)
構成比
前期比
上期進捗率
4,444
100.0%
3,660
100.0%
-17.6%
49.5%
営業利益
198
4.5%
360
9.8 %
+81.8%
61.7%
経常利益
216
4.9%
375
10.2%
+73.6%
62.4%
98
2.2%
142
3.9%
+44.9%
43.0%
当期純利益
通期見通しに変更なし。
想定以上のスピードで収益改善が進んでおり、通期予想には変更は無いが、各セグメントにおいて以下の様な取り
組みにより、予想達成及び上積みを目指す。
①国内事業
収益改善の道筋が見えてきた中、安定稼働と成長戦略の仕込みを進める。
安定的な黒字運営のために、これまで同様、事業者拡大及び集客コストのコントロールを継続して行いつつ、成長に
向けたターゲットユーザーの拡大により、新たなマーケットを開拓する。
②広告事業
ヤフー株式会社との連携を更に強化し、広告枠や商品を拡大し広告への流入数を増大させる。
また、今年が開催年にあたる東京モーターショーなど大型イベントの特集を強化するなどコンテンツの拡充に取り組
む。
③SNS事業
国内有数のユーザー数を活かし、いかにしてマネタイズするかを今後も追求してゆく。
そのために、検索性や投稿性の向上などアプリ開発の推進、車種情報の整理、リアルイベントの開催などユーザー
満足度の向上に注力するほか、情報発信力の強化を進める。
リアルイベントとしては、2012 年に開催し好評だった、「みんカラ」ユーザー同士が交流する「みんカラオープンミーテ
ィング 2013」を 2013 年 11 月に山梨県・山中湖で開催する。
④海外事業
国内事業者を対象とした「交渉代行サービス」、「営業活動強化」により在庫掲載台数を拡大させることにより海外バ
イヤーの満足度向上を図り、PayTrade利用者数増大を目指す。
また、現地の通関・輸送業者と提携し「PayTrade」の利用者を対象に、通関手数料や運送費用のディスカウントが受
けられる「ロジスティックス・サービス」の提供範囲を拡大する構想をたてている。
前述の通り、2013 年 10 月現在、モンバサ(ケニア共和国)、ダルエスサラーム(タンザニア連合共和国)、マプート(モ
9
ブリッジレポート(2155) 2013 年 10 月 28 日
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ザンビーク共和国)、ダーバン(南アフリカ共和国)の 4 つの港の 5 つの事業者と提携し、12 ヶ国への輸出取引をサポ
ートしているが、今後は東アフリカのより内陸地帯にサービス範囲を広げていく。
5.今後の注目点
今2Q(7-9 月)のディスプレイ広告の売上高 68 百万円は、前々期および前期のそれぞれ 1 年間合計にほぼ匹敵す
るものであり、ヤフー株式会社との連携効果は顕在化しているようだ。
ただ、国内事業も足元大きく収益性が改善したとはいえ、引き続き激しい競争環境の下、増収・増益という成長軌道
に戻すのには更なる取組み、仕組みが必要と思われる。
そうした中、ここ暫くあまり具体的な動きが見られなかった海外事業において、東アフリカでのロジスティックス・サー
ビスの範囲拡大という取り組みに言及があったのは注目される。海外事業は、「PayTrade」を中心に、同社の独自性、
アドバンテージが際立つ部分であり、同サービスの範囲拡大は、同業他社に対する差別化や競争優位性の強化に
繋がるものと考えられる。実際のサービス拡大には今少し時間がかかるようだが、今後の進捗に期待したい。
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