科学教室の助手をつとめて いずみ とも花

どよう便り81号(2004年10月)
千代田区立高齢者センターの「やさしい科学講習会」報告
科学教室の助手をつとめて いずみ とも花
「ペットボトルで浄水器や虹発生装置をつくりません
か?」
そんなロマンチックなお誘いにつられて、実験助手
とい う形 で参加 させ て いた だい た 今回 の科 学 教室は、
9月 1 6 日木曜日に千代田区の高齢者センターで行われ
ました。
お話をいただいたときは、科学実験なんて……素人
の私がお手伝いしてもいいの?!と思いました。「参加
者の方々がペットボトルで浄水器を作る際カッターを
使うので、その時の補助をお願いできれば……」とい
う 上 田 さ んの 言 葉 に 、「 あ 、 そ れ な ら私 に も 手 伝え そ
う!」 と気軽に助手気分を味わおうとした私でしたが、
その後の準備実験や本番を通して様々な発見をするこ
とになるので、このように自分にも出来そうと思える
簡単な入口を用意してくれた上田さんに感謝します。
==今回実験したこと==
・ペットボトルとティッシュペーパーで浄水器を作り、
泥水、色水、味噌汁を濾過する。
・ペッ ト ボト ル と 水 と レー ザ ー ポ イン タ ー を 使 って 、
光の屈折、媒体としての水、光ファイバーの原理説明。
・軟水と硬水の違いを石鹸の泡立ちの違いや味の違い
で確かめる。
==私の小さな発見==
・フィルターであるティッシュペーパーの巻き具合に
より濾過に差が出る。
・色水は濾過しても色水。絵の具の粒子は結構細かい。
当然、細菌などは濾過できない。
・味噌汁は濾過されてだし汁のようになった。ティッ
シュの味が少々混ざる。
・軟水は泡立ちが良い。実際に飲み比べてみても硬水
との違い がわかる 。
3
そうそう、実験に入る前
に上田 さ ん がパ ワー ポ イン
トを 使っ て 水に 関す る 興味
深い 講義 を して くれ た ので
すが 、中で も 圧 巻だっ た の
は東京 ド ー ムを 丸ご と 一つ
包み 込め そ うな ほど 大 きな
袋に 水を 詰 めて 、海を わ た
る船 の写 真 でし た!
土地 も 水 も切 り売 り する
人や 社会 が ある なら 、やっ
ぱり次は空気かな∼?え、
もうあ る ?
身近 に あ るペ ット ボ トル
をきっ か け に、様々 な 水 問
題にふ れ た 参加 者の ひ とり
は、持参した水を飲む時「貴
受け 皿
重な水、貴重な水」と言いな
がら 飲ん で いま した よ 。そ
れにしても参加者(高齢者というだけあって人生経験
豊富な方々ばかり)の皆様の学ぼうという姿勢は素晴
らしい! 熱心にノートをとる方あり、さかんに質問
する方あり、一番最後のフリートークタイムでは、上
田さんのほうから参加者の方々に水に関する昔の体験
を教えて下さいとお願いする場面もあり、お互い学び
あえるって素敵だなと思いました。
その中で、一人のおじいちゃまが「戦地ではボウフ
ラなどの虫がわいていない水は飲むなと教わった」と
いう話が印象的でした。要は毒が入っているかもしれ
ないから、飲むのは虫が生きているところの水を沸か
して飲むのが戦地では安全ということですが、今の田
んぼや畑は農薬だらけで虫がいないし、水道水に虫や
カエルの卵をいれたら生まれることが出来るのかしら
……? と思った私でした。
今回、実験の準備も少し手伝わせていただいて、正
解が大事なのではなく、なるほど∼、このようにもな
るのか∼という実感をおこしてもらったことがとても
ありがたかったです。
センター事務局の吉永さんにもお世話になり、貴重
な助手体験をした一日でした。
P.S. カッターで指切った人・・・・・・・・・一名
カッターの刃が折れてヒヤッとした人・・・三名(私
を含む)