No1 ウラジオストックとウスリースクの出張記録 (ウラジオは62万、ウスリースクは30万の人口規模) 今回の出張目的 第一の目的はウスリースク農業アカデミーと木村の自然栽培農法の共同研究 が本当に可能か、今年5月に極東フォーラムでは集団意見交換に終わった結果 を受けて、改めて現地視察と農業アカデミー学長 国際部長 ナジェーズダ、農業経済 アンドレイ・コーミック、 タチヤナ教授と詳細な打ち合わせをする こと。第二に東京で知り合ったウラジオストックの Mihael 社長と現地視察とこ れからの恊働の可能性の打ち合わせをすること。今回の目標は一様達成できた。 木村自然栽培農法の共同研究については、初年度100万円の予算で下記の 条件が必要との前提を話し合った。前提としてウスリースク農業アカデミーの 中で自然栽培をやろうという熱心な教授がいることが必要という念を押した。 ・ ウスリースク農業アカデミーの自然栽培を担当する方が、青森の木村サンの ところに勉強にくるのが望ましい。 →視察結論 「担当者を日本に来る計画を立てる」 ・ 木村さんにリンゴ栽培の最適栽培計画を御願いする。 →視察結論 「ロシア側から提供されるウスリースク農業アカデミ ー実験農場の土地は10数年無農薬の土地で、自然栽 培の実験場としては広さ含めて最適です。最大10 0本位は行けるのではないか。」 ・木村サンにウスリースクの実験農場(アカデミーの実験農場)の現地視察を御願いす る。 →視察結論 「木村さんをロシアにお連れする計画を立てる」 ・苗木の購入→植え付け(費用) ・管理費/年(この部分はアカデミーの負担 ・木村サンの現地指導(2回/年) ・リンゴの収入予定は? DynaxTも一部負担) 出張日程 2012年10月 23 日 高松→羽田(1時間半)→バスで成田(1時間半) 成田→ウラジオストック(16:00発 ル(22:00着) 10月 24 日 20:15着)→プリモーリエホテ この日は寝るだけ 午前中ウスリースクの教授と行程の電話打ち合わせ 午後ウラジオストック見学 ウラジオストック Mihael 社長と電話打ち合わせ 10月 25 日 朝10時 Mihael 社長のトヨタディ−ラ工場見学 Mihael 社長の車で運転手がウスリースクの農業アカ ディミまで送ってくれる。 農業アカデミー学長 アンドレイ・コーミック 国際部長 ナジェーズダ 農業経済 タチヤナ教授 と木村農法について会議し、これからの恊働予定に ついて打ち合わせ。 農業アカデミーの教授及び生徒の前で改めて、木村 自然栽培農法の資料を講演(資料はロシア語に翻訳) した。アカデミーが積極的に進めているオーガニッ ク農法の危険性(硝酸態窒素)も説明。 遅い昼食後 午後 学の農場を見学 2時過ぎから農業アカデミの大 片道 1時間かかる 19時過ぎにウスリースクホテルに帰る 10月26日 午前中 ウラジミル社長の無農薬の畑で育てた食用うさぎ工 場を見学(約2時間) 昼食後 セルゲイ社長とエレナ夫婦の「リンゴ・なし・ぶど う・アプリコット・・・の苗の農場」を見学2時間 夕方 6時 ウラジミル社長のウサギの肉を納品し ているウスリースク市内のレストランで夕食をする。 タチヤナ教授の旦那さんがウラジオストックの空港 ホテルまで送ってくれる。(一時間半)20:00 明日のフライトのためのパッキングと就寝 10月 27 日 Mihael 社長と空港で待ち合わせ、これからのビジネ スのお互いの協力を打ち合わせ。10:00−11:30 14:00のフライト S7 で成田→17:30羽田→高松 高松着 20時 個々の報告書 1.ウラジオストック博物館 仏教展をやっていた。ビックリした事に極東、外モンゴルから北海道、青森 と文化的には明らかに繋がっていたと思われる展示品があった。 一つは着物である。もう一つは写真を撮らなかったが明らかにねぶた祭のあの 怖いお面と服装の馬鹿でかい衣服が飾ってあった。これらを見ると北日本とロ シアの極東は古くから文化的に近い関係にあったのだと感じさせられた。 極東の着物、左側は振り袖がありまるで日本の着物ですよね!! 2.ウラジオストック道路事情 快適になったウラジオストックの高速道路 高速道路は2011年に比べると整備が完了に近く、市内から空港まで40分 (以前は2時間)となり、郊外は非常に早く行けるようになった。ウラジオス トックからウスリースク地方も一時間強で行けるようになった。(100km) 3.ウラジオストック ミハエル社長(右)社員のアントン(左) ミハエルが社長をやっているウラジオストックのトヨタディーラを訪問。ミハ エルはウラジオストックのボクシングチームのスポンサーをやっている。元ボ クシングをやっていたらしい。お金には困っていないが、まだ若いので新しい ビジネスをやりたいと思っている。これから連絡し合ってお互いに助け合う事 をしましょうということになった。候補としては1.真珠製品の販売と 2.ウサギ の養殖事業等を話しあった。 4.ウスリースク農業アカデミー 左 タ チ ヤ ナ 農 業 経 済 教 授 、 右 ナ ジ ェ ー ズ ダ 国 際 部 長 4−1 国際部の部屋から学長室に移り、アンドレイ・コーミン学長とご挨拶の 機会を貰いました。その席でオーガニック(有機)農法を進められているウス リースク農業アカデミーに対して、オーガニックの農法も「未完熟の有機肥料」 を不用意に使うと「硝酸態窒素」という猛毒の問題を抱えていることを説明し た。アンドレイ学長は「オーガニックは問題があるのか?」と大変興味を示し ていました。先日大石ウラジオストックに本センター所長がウラジオストック でオーガニック農法のセミナーを開いたことを聞いていたので、多分関係ある のだと思いました。確か鹿児島のオーガニックの農法の専門家を招聘したと聞 いています。 4−2 アカデミーの学生と専門の教授に自然栽培を講演 1.5 時間 今年5月に講演した自然栽培の PP 資料(ロシア語版)と7月に木村先生自身 が香川大学講演にこられ、翌日に畑に出て具体的に聞いた自然農法の知識のま とめメモ(ロシア語版)を会場に配布させていただいた。これを元にオーガニ ックの農法も「完熟の有機肥料」である事が大切な事、また自然農法の野菜・ 果物、穀類の栄養価は農薬を使った作物より 2−5倍も栄養価が高いことを説明。 農業は部分的には科学的だが、まだまだ科学的な調査が出来ていない事を説 明。例えば木村先生のドイツにおけるジャガイモ畑の話をして、 「土の中の温度 を10cm 刻みに計った人がいないこと」、 「土壌微生物が元気でなければ植物が 栄養を取れない事実があるのに土壌微生物の研究は重用視されていないこと」、 「土壌微生物と人間の腸内細菌は同じ機嫌であることから比較研究がされてい ないこと」、「土の中で多様な植物が根っ子同士で共棲し合っている、つまり互 いに吸収得意な栄養価を分け合っていること」・・・を講演した。 教授の中には大変興味をもっていただいて、質問が 2 問でました。残念なが ら木村先生しか答えられない質問でした。これを期に是非木村先生自身を呼ん でお話を聞くのがいいことを強調してきました。 面白い話に「ビールの空き缶を1m おきに畑においておくとナメクジがその 缶の中に沢山入って退治できる」、「アブの幼虫がアブラムシを無限に食べる」、 「じゃがいもの植え方【土寄せが必要】切り口は下向き、 【土寄せが不要】切り 口を上にし、浅く植える」、「CO2 より NO2 の方が10倍以上温暖化に影響す る」等の話をした。
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