中後期除草剤の特徴

JAいわき市稲作栽培指導会
中後期除草剤の特徴
JAいわき市・JA全農福島郡山営農事業所
除草剤を効かせるためには・・・
• 対象とする雑草を知る
• 適切な水管理
• 適切な処理時期
このポイントをしっかり抑えることが大切!!
水田の雑草について
・1年生雑草:種子から発生し、1年以内に植物体は枯れる
イネ科雑草:イヌビエなど
広葉雑草:コナギ、アゼナなど
・多年生雑草:一部が2年目以降も枯れずに残り再発する。
種子から発生するものと塊茎から発生するものがある。
カヤツリグサ科:クログワイ、イヌホタルイ、シズイなど
広葉雑草:オモダカ、セリなど
ヒエ科:アシカキなど
除草剤には得意・不得意がある。よく特徴を知り適切な防除を!
近年の主な問題雑草
ノビエ:後発ヒエの残草が多数(7月以降に発生するものも)、カメムシの住処に
ホタルイ:高葉齢の取りこぼし。おもに種子で繁殖。SU抵抗性ホタルイも※
カメムシの住処に
クログワイ:長時間でだらだら発生(4∼11月まで)。
塊茎より繁殖
塊茎の寿命もきわめて長い(6年程度)
クサネム:種子が玄米に混入すると等級を下げる原因に。
中干し後に多発
※SU抵抗性雑草:ホタルイ、オモダカ、コナギ、アゼナが確認されている
適切な水管理
剤形による適切な水深の違い®農薬の撹拌性の違い
粒剤:3㎝∼
フロアブル剤:5cm∼
ジャンボ剤、豆粒剤:7㎝∼
適切な水質
ウキクサ、アオミドロ、表層剥離などが多いと農薬の撹拌性に影響がでる
ひどい場合はモゲトンなどで対応を
中後期除草剤①
(1)ヒエ専用除草剤
品名
ノビエ 収穫前
水管理
特徴
ヒエクリーン1キロ粒
豆つぶ
4葉期 45日前
湛水
効果発現に時間がかかる。
残効あり。
クリンチャー1キロ粒・
EW・ジャンボ
4葉期 45日前
※
湛水(EWは
おもに落水)
効果発現が早い。残効なし。
※粒剤を1キロ散布した場合(剤形、散布量により登録が異なる)
(2)広葉・カヤツリグサ科専用剤
品名
使用時期
使用方法
バサグラン粒剤・液剤
収穫60日前
グラスジンMナトリウム
粒剤・液剤
有効分けつ終止期
∼幼穂形成期
①2日間は晴天の続く日に散布
②足跡に水が残る程度に落水
③散布後、降雨があった場合は水尻
を止める。
中後期除草剤②
∼ヒエ+広葉・カヤツリグサ科に効果のある中期剤∼
1.マメットSM1キロ粒剤
・ノビエ3.5葉期まで対応可能
・ホタルイ、コナギ、アゼナの取りこぼし対策に
・使用時期:移植後20日~30日まで
2. ザーベックスDX1キロ粒剤
・ノビエ3.5葉期まで対応可能
・クログワイに効果の高いベンフレセート配合
・使用時期:移植後20日∼30日まで
ともに湛水処理での使用。初期除草剤や一発処理剤との体系での使用がおすすめ
高温時の散布では薬害に注意!
中後期除草剤③
∼ヒエ科+広葉・カヤツリグサ科に効果のある除草剤∼
3.ハイカット1キロ粒剤
・ノビエ3.5葉期まで
・クログワイ、シズイに高い効果(草丈30cmまで)
・クサネムにも効果あり!
・SU抵抗性雑草には効果が劣るので注意が必要
4.フォローアップ1キロ粒剤
・ノビエ5葉期まで効果あり!
・幅広い殺草スペクトラムを持つ(シズイには効果が劣る)
・ホタルイは花茎抽出始まで効果あり
・SU抵抗性雑草にも効果あり
湛水状態で使用可能な2つの中期剤。
得意な草がそれぞれ異なるので、現場にあった除草剤の選択を!
中後期除草剤④
∼ヒエ科+広葉・カヤツリグサ科に効果のある除草剤∼
5.ワイドパワー粒剤
・バサグラン+フォローアップで高葉齢ノビエから多年生雑草まで幅広い効果
・フォローアップの効果により塊茎にまでダメージ(翌年の発芽抑制に)
・バサグランと同様の水管理で(足跡に水が残る程度の湛水深)
・雑草が繁茂している場所へのスポット処理が可能
・バサグランと同様の水管理で(ひたひた水で)
バサグラン同様天候に注意して散布を