事業報告 - 鳥取県畜産振興協会

1 平成24年度事業報告
総括
1 理事会の開催と主な事項
・平成24年 3月26日 第102回理事会 平成23年度決算認定、定款の認定、規定の改正、役員の改選ほか
・平成24年 9月18日 第103回理事会 定款の一部改正、平成24年度補正予算認定ほか
・平成25年 1月23日 第104回理事会 平成25年度事業計画・予算認定ほか
2 放牧事業
(1)放牧延頭数と預託料収入
平成24年度の放牧延べ頭数は、予算372,106頭に対して実績は360,720頭で、11,386頭の
減少(減3.1%)であった。また、預託料収入は予算201,307千円に対して194,849千円となり、6,
458千円の減額(減3.2%)となった。
畜種別でみると、乳用牛では予算放牧延べ頭数307,814頭に対し295,679頭で、12,135頭の
減少(減3.9%)となり、預託料収入も予算172,375千円に対して165,580千円で、6,795千円の減
額(減3.9%)であった。
これは、予算以降、岡益牛舎の利用廃止と大山放牧場新規牛舎建設に伴う飼養頭数の減によるも
のと、河合谷牧野でピロプラズマ病が大発生したことにより、新規入牧頭数を制限したためによるもの
である。肉用牛では、予算放牧延べ頭数64,292頭に対して実績は65,041頭で749頭の増加(増1.
2%)となり、預託料収入も予算28,932千円に対し29,268千円で、336千円の増額(増1.2%)とほぼ
予定通りであった。
(2)牧草生産と牛の発育状況
牧草生産では、数年来全面更新・簡易更新に取り組み、雑草の駆除など草地の改善を行っている。
平成24年度は草地更新7ヘクタール(大山放牧場5.5ha、鳥取放牧場1.5ha)、簡易更新15ヘクタ
ールを実施した。
また、牧草の収穫量を上げるために、鳥取放牧場・兵円牧野・大山放牧場では多収型牧草の栽培・
収穫を行った。協会全体での牧草収穫量は約895トンで、昨年の756トンと比較して139トン増加(増
18.4%)しており、栽培技術の向上により年々収量が増えている。
飼養管理について、健康で受胎成績向上を図るため、大山乳業と協力し月齢別に区分けした飼料
給与体系を構築し、5月から実施した。これにより入牧月齢7ヶ月齢からの受入が安定し、預託農家か
らの放牧成績評価は高かった。
夏場の放牧牛について、全牧場でピロプラズマ病の発生をみたが、特に河合谷牧野での発病率は
100%と大変な事態となった。その対応として、2週間間隔での健康チェックと発病牛の飼養管理対策
により、牛の発育停滞や流産、死廃等の疾病の発生は数頭程度に収まった。
3 人工授精関連事業
① 人工授精実施頭数
単位:頭・%
鳥取
大山
俵原牧野
合計
延頭数 受胎頭数 延頭数 受胎頭数 延頭数 受胎頭数 延頭数 受胎頭数 受胎率
791
400
374
200
3
1
1168
601 51.5
② 受精卵移植頭数
年度
鳥
取
大
山
合
計
移植頭数 受胎頭数 移植頭数 受胎頭数 移植頭数 受胎頭数 受胎率
平成23年度
339
144
18
7
357
151 42.3
平成24年度
244
112
67
32
311
144 46.3
4 支出状況
事業費支出では、預託牛の人工授精受胎率向上を高めるため、種付け前群・種付け群・妊娠群と群構成し、その群別
の飼料給与改善計画を樹立したことにより、種付け群間での給与飼料の大半を購入粗飼料で飼育しなければならなくな
り、単価の上昇も相まって飼料費が増大したが、入札制度を活用したことにより購入単価を抑えることが出来た。
肉用牛預託は全て鳥取放牧場で引き受けしているが、舎飼での1頭あたりの優先面積が非常に大きいことや、流産
が続出している等の状況を改善するため、鳥取放牧場第2牛舎(約100頭収容)を約2,400千円かけ、繋ぎ牛舎に改修
したことから修繕費が増加した。
岡益牛舎、琴浦牛舎を借り受けし預託管理を行っていたが、預託放牧管理の見直しを行い、この2牛舎を5月、3月を
もってそれぞれ利用を廃止した。また、業務見直しを行い職員の適材適所配置を行うことにより、人件費等の削減が図ら
れた。その結果、事業費の支出は、予算に対して4,522千円の減額(減2.1%)、となった。
これらの結果、正味財産は228,308千円で昨年度より7,572千円減少した。なお、支出計算書での当期収支差額
は、減6,332千円で次期繰越額は112,162千円となった。
5 その他関連事項
(1) 公益財団法人移行登記
平成24年9月21日 鳥取県に移行認定申請
平成25年1月22日 鳥取県より移行認定書発行
平成25年2月 1日 公益財団法人鳥取県畜産振興協会として登記
(2) 家畜診療の実施
獣医師が在籍している牧場では、農業共済組合の指定獣医師として必要な治療を実施する体制を構築した。これ
により、治療で使用した薬品代金及び診療技術料が協会の収入となった。
6 牛による牧野管理の状況
鳥取放牧場の不耕起造成草地管理を、協会で和牛を所有し草地の管理放牧を実施してきたが、草地の改善効果が
現れ草地が安定してきたことにより、牛による牧野管理をする必要性が無くなった。
今後は、採卵候補牛として保有することを目的とし、成牛16頭のうち15頭を売却処分した。また、育成牛1頭が成熟
したので、これも採卵候補牛として保有するため成牛へ振替を行った。
成牛及び子牛の売却総数は17頭で、売却額は2,546千円となり、予算額1,700千円に対し846千円の増加となっ
た。平成24年度末現在、成牛2頭、子牛3頭を飼養管理している。
7 業務内容の見直し、改善事項
(1)放牧草地の改善対策
鳥取放牧場では、18.3ヘクタールの草地で多収型牧草の作付けを行うとともに、収量向上を図るため場内堆肥1,
420㎥を採草地に施用した結果、牧草収穫量は895トンと前年対比18.4%増量となった。一方、放牧地の裸地化対
策のため、永年牧草を追播し、放牧地の牧草採食量の確保を図った。
(2)飼料給与の改善対策
① 預託牛の繁殖成績を向上させるために、入牧から種付け完了までの期間の飼料給与について、購入牧草と自給
飼料の栄養価バランスがとれる給与体系と、群単位の管理体制の組み立てを樹立させ、繁殖成績の向上に努めた。
② 鳥取、大山放牧場において、舎飼牛の飼料給与体系を全てTMR給与するための機械を整備し、飼料効率改善
を図った。(大山放牧場に新規に1台全酪連から無償貸付を受けた。)
(3)牛舎・施設の改善対策
① 鳥取放牧場の第2牛舎の群飼方式から繋ぎ方式に改善することで、肉用牛の飼養管理の徹底が改善され
た。(流産対策と個体毎の強弱防止)
② 大山放牧場の第2牛舎に天井扇風機を5台設置し、呼吸器疾病対策に努めた。
(隣接地に新牛舎建設したことによる通風悪化に対する対策)