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CREDITOR’S RIGHTS
May 2005
米国破産法の改訂による債権者への影響
多くが 2005 年 10 月 17 日に実施となる破産法濫用防止消費者法(Bankruptcy Abuse Prevention and Consumer Act of
2005、以下“新法”)は、ビジネス界に大きな影響を及ぼすものとなるため、いくつかの重要改訂点を以下にまと
めた。
同法案実施によって変更となる主な内容
債権者の販売した製品の取戻し: 新法では、製品取戻しを申し立てる債権者は、顧客の破産申請日から遡っ
て 45 日間に発送し、受領された製品には、取戻し権を持つ。多くの州法、これまでの破産法では、販売者は、
書面での取り戻し請求から遡って 10 日間に販売した製品についての取戻し権があったので、改訂後は、取り
戻せる製品の量としては多くなる。しかし、顧客の破産申請後、速やかに書面での取り戻し請求を破産者に送
付する必要がある。
また、債権者は、実際に製品を取り戻すかわりに、破産前 20 日までに売った製品の対価を Administrative
Claim の扱いとすることができる。Administrative Claim は、再建計画の承認までに支払われなければならない。
Administrative Claim が支払われない場合、債務者は再建計画を承認することができない。
新法では、トラスティーが倉庫、運搬費用等、保管、輸送に関する費用にかわる債権に対
倉庫の抵当:
しての抵当権を外すことが出来ない。
Chapter 11 の場合、破産裁判所は、米国トラスティーにメンバー数を調整し、委員会を設定
債務者委員会:
するよう命令できる。即ち、小規模の企業が債務者に大口のクレームをする場合、委員会に参加でき、発言権
を持つこともできるようになった。
プレファレンス: 旧法では、破産者の弁護士、又はトラスティーがプレファレンスを届け出て、破産者は、
破産申請日から 90 日以前までに行われた全ての支払いを回収することができた。新法では、破産者に販売し
た債権者は、支払いが債務者と債権者の間で通常通りに行われていたか、又は、債権者の業界で通常通りに、
支払われたことだけを証明すれば、回収した金銭を破産者に戻さなくて良くなった。これまでは、両方の証明
が必要とされていた。この実施により、破産法弁護士、及びトラスティーはプレファランス支払いの回収が困
難になると思われる。
更に、請求額が$5,000 以下の場合、破産者は企業債権者をプレファレンスで訴えることが出来ない。$10,000
以下の場合、債権者が事業を行う場所の管轄地に提訴しなければならない。従って、プレファレンス額が比較
的小額の債権者は、破産者が破産申請をしたデラウェアやニューヨークの高額弁護士ではなく、債権者の地元
の弁護士を使うことができることになる。
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