NEWSLETTER Issue 22: August 2012

NEWSLETTER
Issue 22: August 2012
______________________________________
Crestec Europe ニュースレター夏季号へようこそ。
今号では、まず、TAUS 加盟のお知らせとポルトガル語の新正書法についての最新情報をお伝えします。
その後、ラトビア語についてのご案内、そして最後に CEU セールスチームの真崎友海をご紹介致しま
す。
クレステックが TAUS (Translation Automaton User Society) に加盟
クレステックはこの度新しく TAUS(翻訳自動化ユーザー協会)に加入致しました。
TAUS は世界中の人々の円滑でより良いコミュニケーションを目的とし、2004 年にアメリカはサンフラ
ンシスコで設立されました。そして今日まで翻訳産業の拡大と、その価値の向上において中心的な役
割を果たしてきました。
具体的には翻訳業界の技術開発をリードし、そして革新的なサービスを提供しています。また業界間
での協業も図っています。つまり翻訳の自動化に関わる全ての人々を結び付ける、中心的役割を担っ
ているのです。
「TAUS」イコール「機械翻訳」とみられることも多いのですが、
あくまでも翻訳の自動化を推進している協会です。現在、その
TAUS では 3 つの課題に取り組んでいます。
まずは一番目は、品質評価についてです。
ローカライゼーション業界で一般的に行われている減点法による
評価、「たった 1 つの評価基準をすべてに適用する」画一的な評
価法の代わりに、汎用の効く評価モデルを提案しています。
その評価モデルとは、どの翻訳にも同じ基準を適用することに固
執せず、顧客の満足度を重視する方法です。つまりコンテンツの
タイプや目的、エンドユーザーの求める条件を加味し、文書がど
のように翻訳されるべきか、されているかという点に重きを置い
ています。
二番目は、インターオペラビリティ(動作環境に依存しない能力、相互運用性)についてです。
それはつまり翻訳データが翻訳者によるものか機械翻訳か、またその使用するプログラムに関わらず
問題なく処理出来る環境のことです。翻訳後データを異なるシステムで利用出来る、オープンソース
フォーマットに準じたデータ作りを目指しています。
そして最後は、オープンソースでの機械翻訳についてです。
TAUS は機械翻訳における様々な問題への、テクニカルサポートとしての役割も請け負ってきました。
また自らの持つ技術的資産やノウハウを共有するための、プラットフォームとしての役割も果たそう
としています。
基準を定め、テストを行い、実質的で汎用性のある評価基準の確立に向け日々活動しています。
クレステックでは TAUS と共に、更なるローカライズ業界の発展にお力添えが出来るよう取り組んで参
ります。
ポルトガル語の新正書法についての最新状況(2012 年 8 月現在)
続いては激しい議論の交わされた、ポルトガル語の新正書法についてです。近年のブラジルの圧倒的
な経済的・文化的成長を背景に、ポルトガル本土にもブラジル式の綴りを適用するというこの論争。
結果、ついに新正書法がポルトガル本土にも上陸しました。
新正書法では無音の子音を省き、アクセントやハイフン、大文字と小文字の使い方などの表記規則が
変わります。
ポルトガル
2011 年からメディアの一部では新しいポルトガル語のスペルが採用され始めました。学校では 2011 年
9 月から新しいスペルを導入し、2012 年 1 月からは国の諸機関でも新しいスペルに切り替えられてい
ます。
2015 年 5 月 13 日にはこの移行期間が終了、それ以降は新しいスペルを使わなければならないというこ
とになります。
事態は刻々と進展していますが、ポルトガルの大部分の人は新正書法を使う事に納得していないよう
です。その主な理由としては、規則が明確で無いことが挙げられています。公式の新正書法の参考資
料でさえも、内容が統一されていないところがあります。
正書法改正に対する抵抗があり、今後も随時ルールが修正されるようですが、新しい正書法が導入さ
れる事だけは確実なようです。
ブラジル
一方ブラジルでは、新正書法は 2009 年から導入されてきました。
新旧スペルが使用できる移行期間は 2012 年 12 月 31 日に終了します。
ブラジルでは、変更される語彙数がポルトガルよりも少なく、移管での問題が少ないようです。
2012 年中に新旧スペルの変更を計画されることをお勧めいたします。
現在、弊社では翻訳メモリの見直しを提案させて頂いております。ご要望の際は新正書法によるスペ
ル変更ツールや、内部翻訳者・校正者が揃っております弊社、担当窓口までどうぞお気軽にお声掛け
ください。
ラトビア語
ラトビア語はラトビア共和国の公用語で、母国語としての話者
数は 140 万人です。ラテン文字を使い、リトアニア語とともに
インドヨーロッパ語族のバルト語派に属しています。ごく一部
の例外を除き、最初の音節にアクセントがあります。
名詞や動詞が複雑に語形変化する言語で、文法上、名詞は男性
形と女性形の 2 つに分かれ、7 つの格変化、そして動詞には 5 つ
の活用が存在します。
ラトビア語は 16 世紀ごろ発達しました。19 世紀まではドイツ語
の影響を強く受けていましたが、これはラトビア語による最初
の文献がバルト・ドイツ人によって書かれていたためと言われ
ています。19 世紀末に最初の「ラトビア民族の覚醒運動(ラトビ
アの独立運動)」が起こり、ラトビア語の標準語が確立、古いド
イツ語に基づく正書法はラテン文字に置き換えられました。
ソビエト併合時代には、ラトビア語はロシア化政策の影響を強
く受けました。ロシア語を唯一の共通語とする政策を推し進め
るために、他のソビエト連邦諸国から多数の移民が入ってきま
した。その結果、ラトビア語を母語とする人口は 1935 年には 80%であったのが、1989 年には 52%ま
で減少しました。
現在ラトビア人は全人口の 62.1%を占め、全人口の 79%がラトビア語を話します。ソビエト連邦の崩
壊後、ラトビアとロシアの関係のようにメディアや政治の場面でも、激しい議論が交わされてきまし
た。
ラトビア政府はラトビア語が唯一の公用語であると唱っていますが、親ロシア派からはロシア語話者
(全人口の 37.5%)の権利が侵害されていると反発されています。
2012 年に親ロシア派の活動家がロシア語を公用語にすることの是非を国民投票にかけるよう求めまし
た。多くのラトビア人にとってこの国民投票は、国の独立を問われているという認識となり、投票率
はこれまでの最高の 74.8%を記録しました。これだけの人々が、ロシア語を公用語とすることに反対
したのです。
ラトビア語にまつわる俗説
1.バルト三国の言葉はとてもよく似ている
これは、誤りです。バルト三国の言語といえば、エストニア語、ラトビア語、リトアニア語を指しま
す。これらは国が似ている為、言語も似ていると思われがちです。リトアニア語とラトビア語はバル
ト語派に属していますが、互いに意思の疎通はできません。おおざっぱに言うとこの二つの言語が似
ているというのは、英語とドイツ語が似ているというのと同じ感覚で、似ても似つきません。
残る、エストニア語はフィン・ウゴル語派、フィンランド語に似ています。これも他の二つとは全く
異なる言語となります。
バルト諸国の国では、近隣諸国の人々と話す時には、英語かロシア語を使うのが一般的なようです。
2. ラトビア語はスラブ語の仲間でロシア語と似ている
これも誤りです。歴史的にはバルト・スラブ語派が存在していましたが、バルト語とスラブ語は紀元
前 10 世紀ごろに枝分かれしたとされ、それ以降、全く異なった変化をたどりました。ラトビア語とリ
トアニア語はスラブ語と違い、ラテン語やサンスクリット語と似ている部分があります。ラトビア語
とロシア語とでは互いに意思の疎通はできませんが、ラトビアの学校ではロシア語が教えられ、日常
生活でも幅広く使われているので、多くのラトビア人はロシア語を話したり理解したりすることがで
きます。
3.ラトビア語は西欧の言語とは全く共通点がない
ほぼ正解です。ラトビア語には古い言語としての特徴が多く残っていて、欧州の他の言語に比べると、
とても保守的な言語です。西欧諸国の言語を話す人は、ほとんど理解することはできません。しかし、
ドイツ人の多くは(Crestec Europe B.V.のあるオランダの人も)、意外にもラトビア語の中に理解で
きる単語があることに驚きます。以下にその例を挙げてみましたのでご覧下さい。
英語
ラトビア語
ドイツ語
オランダ語
glasses(メガネ)
Brilles
Brille
Bril
school(学校)
Skola
Schuul
School
sugar(砂糖)
Cukurs
Zucker
Suiker
lemon(レモン)
Citrons
Zitrone
Citroen
chimney(煙突)
Skurstenis
Schornstein
Schoorsteen
スタッフ紹介: 真崎 友海 (まさき ゆみ)
真崎友海は 1983 年に九州は佐賀県の唐津で生まれました。
セーリングのインストラクターをしている父の影響から、子
供の頃はセーリングに夢中になりました。青春時代はもっぱ
ら唐津の沿岸でセーリングをして過ごし、全国大会で 20 位内
に選ばれたこともあります。
英語や異文化に関心を持ったのは、16 歳の時に英国でサマー
スクールプログラムに参加したことがきっかけでした。
将来は国際的な場で活躍したいと心に決め、慶應義塾大学の
経済学部に進学。在学中にアムステルダム大学の経済ビジネ
ス学部に交換留学生として渡蘭、東京で大学を卒業した後も
再びオランダに渡り、ユトレヒトで経済学と地理学の修士を
修めました。
卒業後に東京にある準政府機関のリサーチ部門でインターン
をしている時、Crestec Europe を知り、2010 年 5 月から、ア
ムステルダムの国際色豊かな職場で仕事を始めました。
友海はまず、プロジェクト・コーディネート部門からスタートしました。セールス部門の新入社員は、
通常このようにプロジェクト・コーディネート業務から始めます。これは、プロジェクト・コーディ
ネートが一つの案件の最初から最後まで全てに関与するため、クレステックの全業務を学ぶのに最適
な場だからです。
6 ヶ月間のコーディネーション研修では、常に日欧間での日本語から英語へのコミュニケーションに深
く関わってきました。
その後、友海は 2010 年 11 月にセールス部門へ異動になりました。新しくセールス・エグゼクティブ
となってからは、それまでの作業過程を重視する思考から、よりフレキシブルな、クライアント志向
のアプローチへと転換しました。1 年半の経験を経て、今はアカウント・マネージャーとしての役割を
楽しんでいます。
徐々にセールス部門での意思決定にも関わるようになってきました。
ローカライゼーション・プロジェクトから、印刷、キッティング、倉庫管理、フルフィルメント・プ
ロジェクトに至るまで、業務には幅の広さがあります。。
昨日とは違う今日、それが友海にとってのこの仕事の面白さなのでしょう。
CRESTEC EUROPE B.V.
Teleportboulevard 110, 1043 EJ Amsterdam, The Netherlands.
Tel.: +31 20 585 4640.
Fax: +31 20 585 4646.
Note
弊社Europe オフィスの情報につきましては、英語版web site (www.crestec.eu) を、そして
株式会社クレステック(日本)につきましては、日本語版web site (www.crestec.co.jp) をご覧くだ
さい。
さらに、弊社Europe オフィスについてご意見・ご希望のある方は、弊社担当者もしくは、
[email protected] へご連絡ください。
なお、今回のニュースレターは弊社メーリングリストより配信しております。配信中止をご希望の方
は、
[email protected] までご連絡頂きますようお願い致します。