NEWSLETTER Issue 16

NEWSLETTER
Issue 16: November 2009
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Crestec Europe ニュースレター秋季号へようこそ。
今回はまずロシア語の特徴、そして世界の Crestec オフィスシリーズとして、日本のクレステック名古屋事
業所にスポットライトをあてています。締めくくりに、Crestec Europe エディティングセクションのリーダー、
マールテン・レモンズをご紹介させていただきます。
ロシア語の特徴
ロシア語は世界的にみて非常に重要な言語のひとつです。話者数では、中国語、英語、ヒンディー語、ス
ペイン語に次いで世界第 5 位、スラブ語派に属する言語では世界で最も広く使われている言語です。スラ
ブ語派の言語はインド・ヨーロッパ語族に属し、それぞれ非常によく似通っています。その中でも特にロシ
ア語に近いのはベラルーシ語とウクライナ語で、これらの3言語が東スラブ語群を形成しています。スラブ
語派には東スラブ語群の他に、西スラブ語群(例、チェコ語、スロバキア語)、南スラブ語群(例、セルビア
語、クロアチア語、ブルガリア語)があります。
共通スラブ語(スラブ祖語)とは、全てのスラブ語の起源となった言語のこ
とです。書き言葉が存在しないため、文献は残っていません。ただ、スラ
ブ語派の言語やインド・ヨーロッパ語族の、似通った言語と比較することで
どのような言語であったか知ることができます。
全てのスラブ語派言語は、共通スラブ語(スラブ祖語)を起源としているた
め、互いに非常に似通った特徴、価値観、音などを見ることができます。
現代ロシア語、ウクライナ語、ベラルーシ語の祖語は古ロシア語(あるいは東スラブ語)で、歴史的には文
字を持つ前(共通スラブ語の崩壊から 10 世紀の終わりまで)と、文字を持つようになってからの二つの時
代に大きく分かれています。
14 世紀に古ロシア語が分裂してウクライナ語、
ベラルーシ語、ロシア語が生まれました。現代
ロシア語は古ロシア語の北、および北東部の
方言が元になっています。
ロシア語の特徴的な部分をいくつか挙げてみ
ました。
文字
10 世紀にバルカン半島南部の人が聖書をスラ
ブ語に翻訳する目的で、ギリシャ文字を基にし
てキリル文字を作りました。ロシア語はこのキ
リル文字を使って書かれます。ラテン語のアル
ファベットを使っては表現できないロシア語独
特の音を表す文字が使われています。
音
sh、shch、ch などに代表される数々の「雑音のような音」が特徴で、英語よりもかなりアクセントが強く聞こ
えます。
発音
ロシア語には 6 個の母音と 37 個の子音(軟音と硬音)から構成される、43 個の音素があります。子音を
組み合わることでこの音の違いを作り出すことが、ロシア語の大きな特徴です。
アクセントのない母音が弱化することも特徴のひとつです。アクセントの
位置に規則性がなく、スペルにアクセント記号が付いているわけでもあり
ません。ロシア科学アカデミーのロシア語研究所では、全く同じスペルで
アクセントの有無によって意味が異なる単語を区別したり、珍しい単語や
名前を正確に発音させる場合は、アクセントをつける場所に揚音記号を
使うこともあるとしています。
格変化
ロシア語には 6 つの格があります。格の数が多いと思われるかもしれま
せんが個々の格は特徴がはっきりしており、一定の規則にのっとりどの
ように語尾を変化させるかが決まっています。
動詞の活用
ロシア語の動詞の活用は大きく 3 つの型に分類され、それぞれさらに細
かく分類されています。
「アスペクト(体)」と呼ばれるもの
これは動詞を文法的に分類する場合(例えば「数」、「人」、「時間」など)の「名前」で、英語では全く表現さ
れていないか、表現されていたとしてもまったく異なる形で表現されるものです。「アスペクト」は動作が進
行中か(不完了体)、それとも完了しているか(完了体)を示しています。言語学者にとっては、「アスペクト」
を用いる言語は、特に時間や動詞の叙法(例、命令法)との組み合わせなどで特徴がでて面白いと思わ
れているようです。
その他言語学的には、ロシア語の語順の自由度が高さの中にも、全く原則がないというわけではない文
法や、変化に富んだイントネーションから、研究材料として非常に興味深く、様々なインスピレーションを与
えているようです。
近年、ロシア語に対する関心が高まり、ロシア語やロシア文学を勉強する学生が年々増加傾向にありま
す。これは、ロシアという国が過去 10 年間で目覚しく変化したことが大きな理由のひとつでしょう。ロシア
がより開かれた社会へと変貌し、経済的にも発展していることで新しい可能性が開ける一方、ロシア語に
対する理解も求められています。
最後に、日本語由来のロシア語の例を挙げてみます。Samurai、karate、judo、ikebana、karaoke などがあ
り、日本の文化に由来する単語が多く見られます。
Crestec Europe B.V.にいただく、ロシア語翻訳業務は、4-5 年前からメジャーな西欧言語に匹敵する翻訳
ボリュームに達しており、現在では最もローカライズされる言語のひとつとして定着しています。ロシアマ
ーケットの懐の広さからも、お客様のマーケットに対する期待と実績が表れていると思います。弊社にご
依頼いただくロシア語翻訳については、社内のロシア語ネイティブのスタッフが校正しお客様にお届けして
おります。ご質問等ございましたら、ご遠慮なく最寄りの事業所までお問い合わせください。
クレステック 名古屋事業所のご紹介
[日本の真ん中 名古屋へようこそ]
来年 2010 年に「開府 400 年」を迎える名古屋。そ
の起こりは、関ヶ原の合戦に勝利した徳川家康が、
天下統一の拠点として、この地に白羽の矢を立てた
ことでした。以来、名古屋は、地の利を活かし、独自
の文化を育みつつ、日本経済の中心地のひとつと
して栄えてきました。
名古屋といえば、古くは、信長・秀吉・家康の三英
傑と名古屋城、熱田神宮などが有名です。近年に
おいても「中部国際空港」の開港や駅前高層ビルの
建設など、いまだ発展を続ける都市として注目を集
めています。一方で、「きしめん」「味噌煮込みうど
ん」「手羽先」「ひつまぶし」などの食文化は独特の
魅力を放ち、また、娯楽文化の代表格である「パチ
ンコ」も、名古屋が発祥の地です。
様々な魅力をもつここ名古屋ですが、その中から今回は「名古屋弁」を少し
紹介しましょう。発音面で最も印象的なのは、「~ゃあ」の音でしょう。例えば、
行こみゃあ(=行きましょう)、食べよみゃあ(=食べましょう)などと相手を誘
う表現をはじめ、どえりゃあ(=ものすごい)、えりゃあ(=疲れた)、とろくせゃ
あ(=バカバカしい)など、頻繁に登場します。ちょうど「ア」と「エ」の中間にあ
たるような音ですが、地元の年配の方でなければ、正確に発音するのは難し
いでしょう。音の響きがやわらかく、聞く人に安心感を与える音です。是非一
度、生で聞いてみてください。
[名古屋事業所の概要]
クレステック名古屋事業所は、そんな名古屋の街に 1995 年に誕生し、今年で 14 年目を迎えます。名古
屋人が「名駅(めいえき)」と呼び親しんでいる JR 名古屋駅から、地下鉄で1駅の伏見にあり、遠方からの
アクセスも便利です。周囲はオフィス街ですが、少し歩けば、名古屋地区最大の繁華街・栄(さかえ)があ
り、アフターファイブも気軽に楽しむことができます。
世界的な不況の中、自動車産業を始めとする大手企業を抱える名古屋周辺においても、経済情勢は大
変厳しいものがあります。そんな中、当事業所は、着実に業務の充実と規模の拡大を進めています。制
作物は、何百ページもあるマニュアルから、カートン・パンフレット・カタログなどのフルカラーアイテム、プ
ロモーション用や教育用の動画、Web サイトまで、多岐にわたります。ライティング(執筆)から始める仕事
や、デザインを要する案件など、幅広く対応します。また、これまでの取扱言語数は、当事業所だけで、お
よそ 40 言語にのぼります。
[バランスのとれた組織体制]
名古屋事業所は、営業チーム、編集コーディネーションチーム、DTP チーム、翻訳チーム、ライティングチ
ームと、必要な要素をバランスよく網羅した組織を形成しています。
編集コーディネーションチームは、大きく 3 つに分かれています。XML を使い、独自に開発したツールで、
システマティックに大量ボリュームのマニュアルを制作するグループ、専門分野に特化したグループ、そし
て、お客様のニーズに合わせた様々な案件をこなしつつ、新境地を開拓していくグループ。スタッフは、適
性に応じて配置され、各分野のプロに成長します。
また、翻訳チームの存在も、大
きな特徴のひとつです。メンバ
ーは 4 名と控えめですが、内1
名が外国人で、他の日本人ス
タッフも、皆英語が堪能。最近
まで、グループ内の翻訳拠点・
Crestec Europe B.V.のスタッフ
が、当事業所に常駐していた
ため、その DNA を受け継いだ
正統派のチームメンバーたち
です。一口に翻訳と言っても、
その内容や性格は様々。
Trados を使用したマニュアル
などのテクニカル翻訳から、キ
ャッチコピーやエッセーの類まで、手配時のちょっとした配慮とセンスで結果が大きく変わる「翻訳」という
ステージにおいて、当事業所全体を強力にバックアップしています。
[名古屋事業所 もうひとつの魅力]
当事業所のもうひとつの特徴は、スタッフ一人ひとりが個性的で、かつチームワークが良いこと。事務所
内に一歩足を踏み入れると、あちらこちらで、いろんな会話・ディスカッションが飛び交っています。役職に
関係なく、遠慮なく意見を交換し、真摯に、かつ和気あいあいと盛り上がっている中で生まれる発想やコミ
ュニケーション。それらを通し、効率的な制作方法が考案されたり、新プロジェクトが立ち上がったり、先輩
から後輩へのスキル伝授が行われたり・・・。既存のパターンに捉われない柔軟性、新しい手法も積極的
に取り入れる若々しさ。それが、発想力・提案力を生み出し、ひいては当事業所のパワーの源となってい
るのかも知れません。
[新たなる決意 ―事務所移転にあたり―]
そんな努力の成果もあり、名古屋事業所はこの 3 月、新事務所に
移転いたしました。新しく、より快適な環境で、より高いサービ
スをお客様にお届けすべく、スタッフが一丸となって新たな気持
ちで業務にあたっています。
新所在地:
〒460-0003 名古屋市中区錦二丁目 13 番 30 号
オリックス伏見ビル 3F
名古屋事業所は、今後も発展し続けます。ゴールがはっきりしている制
作物でも、「こんなものを作りたいな」というアイデア段階の案件でも、気
軽に一声お掛けください。企画・設計の段階から、最終仕上がりまで、
各部門のプロスタッフが、誠心誠意対応いたします。そして、事業を通
し、名古屋・中部圏のさらなる活性化にも貢献して行きたい。それが、ク
レステック名古屋事業所メンバー共通の目標です。
名古屋事業所 新オフィス
スタッフ紹介:マールテン・レメンス
マールテンは 31 年前にオランダ南部の美しい丘陵の続く地方で
生まれました。今は奥様とお子さんたちとともにアムステルダム国
際空港近くに新居を構えています。
ベルギーのブリュッセル大学でドイツ語とポルトガル語の通訳と翻
訳の修士号を取得した後、ポルトガルのリスボンでドイツ語翻訳を
勉強し、同時にポルトガル語にも磨きをかけました。
マールテンは 2003 年にエディティングセクションのメンバーとなり、
アシスタントセクションリーダーを経て、エディティングセクションの
リーダーになってから 2 年経ちます。
過去 6 年間で仕事はどのように変わりましたか。
「‐私が仕事を始めた頃は、今のような翻訳支援ソフトや QA(品質保証)ツールは存在しませんでした。今
の技術や工程は格段に進歩しています。現在では日本の開発部との連携で開発された独自ツール、
様々な翻訳支援ソフトや QA ツールを使うことで、翻訳の言語的な品質を保証できるようになりました。こ
れらを利用することで、言語的な品質だけではなく、あらゆる面で品質の高さが確実なものとなります。
エディティングセクションは当社と共に成長を続けてきました。現在では常駐正社員 7 名の指導のもと、契
約社員やフリーランサーなど多くの校正者がここで働いています。校正者全員が言語の専門家としての
資格を持ち、プライドを持って業務に臨んでいます。」
どうして Crestec Europe には独自のエディティングセクションがあるのですか。
「‐他の多くの翻訳会社とは異なり、当社にはエディティングセクションがあり校正者がいます。この部署が
あるからこそ当社は業界内で品質とサービスレベルの高さで知られるようになりました。社内に独自のエ
ディティングセクションがあることで、徹底した品質管理と柔軟なワークフローの実現が可能となります。
また、翻訳者の品質も深いレベルでモニターすることができます。
過去数年、お客様が求める質の高いサービスを提供できるよう、エディティングセクションに多額の投資を
行ないました。これまでの経験からいえることは、品質を重視されるお客様には、クレステックの言語専門
家の手によって編集された翻訳品質の素晴らしさが大変評価されているということです。」
翻訳市場の動向にはどのように対応していますか?
「- 私たちは常に翻訳市場の動向に注意を払っています。近年感じるのは、翻訳品質に対する要求が次
第に高まってきていることです。そこでお客様の期待に応えるべく、現在エディティングセクションでは日本
の開発チームとともに、新しい用語チェックシステムを開発中です。お客様にとっても当社にとってもメリッ
トのあるシステムは、積極的に当社のワークフローに組み込みます。こうして最高の品質とサービスを常
にお客様に提供できる体制を整えています。」
当社ではご依頼いただいた翻訳およびローカライズ業務を、その言語が実際に使われている国でネイテ
ィブが翻訳・校正致します。また、社内に校正作業を受け持つ、「エディティングセクション」を設けることで、
お客様のご要望に沿ったフレキシブルな対応が可能になっています。言語のプロフェッショナルという名
前に恥じない、お客様に満足していただける高品質な翻訳サービスを提供することをお約束します。
翻訳品質に関するご要望・ご質問等ございましたら、どうぞお気軽に最寄りの事業所窓口までお問い合わ
せください。
CRESTEC EUROPE B.V.
Teleportboulevard 110, 1043 EJ Amsterdam, The Netherlands.
Tel.: +31 20 585 4640.
Fax: +31 20 585 4646.
Note
弊社Europe オフィスの情報につきましては、英語版web site (www.ceu.crestec.com) を、そして
株式会社クレステック(日本)につきましては、日本語版web site (www.crestec.co.jp) をご覧ください。
さらに、弊社Europe オフィスについてご意見・ご希望のある方は、弊社担当者もしくは、
[email protected] へご連絡ください。
なお、今回のニュースレターは弊社メーリングリストより配信しております。配信中止をご希望の方は、
[email protected] までご連絡頂きますようお願い致します。