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リニューアルの地球環境「自然学」講座
紹介を受けるスタッフの皆さん
行動の「自然学」講座がスタート
森里海連環学
4月 11 日(土)、リニューアルした地球環境「自然学」講座、西九条の此花会館梅花殿で開講式と初回講義が行われ
た。今年の受講生は 247 人で、多数の出席者で梅花殿は埋め尽くされ予備の椅子席だけの人も出たほどで、期待の大
きさで熱気にあふれていた。
開講式は、簡単オリエンテーションの後、齊藤代表の挨
拶が行われ、本日の講師であり、本講座の企画・監修者の
田中 克先生(京都大学名誉教授・舞根森里海研究所長)の
ご挨拶と続いた。
齊藤代表は、「リニューアルした地球環境“自然学”講座
ですが、新しい視点、新しい講師、新しい学問を用意してい
ます。自信をもって皆様にお届けできる内容だと思っていま
す。欠席するともったいないので休まないようにしてくださ
い。」と話し、田中先生と畠山 重篤氏の紹介をした。
齊藤代表の挨拶と会場を埋め尽くした受講生の皆さん
両氏共に森里海連環学シンポジウムなどを通じてご存知
になり豊かな感性を育む子どもは悪い子になってしまった。
の方も多いと思うが、田中先生は「森里海連環学」の産みの
教室の中で、自然の事、魚の事、何でもすらすらと答える子
親で、漁師畠山氏との交流を通じて、「連環学」に行き着い
どもは、実際の海を知らない。水族館の魚は知っていても、
たという。田中先生は「畠山氏とは同じ 72 才だが全てにお
海で生きている魚を知らない。人類の究極の故郷を海とし
いて私の上を行っている。私が勝っているのは半年早く生
てとらえる先生は、「水辺で笑顔いっぱい遊ぶ子どもはニホ
まれた事だけだ。」話されていた。
ンウナギ以上に究極の絶滅危惧種だ」と先生は嘆く。
この講座では、10 人のスタッフの方が講座のお世話をす
高知県での鮎の生態観察では、シュノーケルを使い川に
ることになっている。スタッフの皆さんの紹介がなされてい
入ってその生態を観察する予定になっている。何とも素晴ら
たが、今年のスタッフはご苦労が多いだろう。新しい企画や
しい企画ではないか。多くのシニアの皆さんが、川で泳ぐ姿
新しい先生方との調整も一からの取組になる。特に、自然
を想像するとわくわくしてくる。川の水は海と違って冷たい
観察会では、より体験型の観察会が計画されている。その
が、テレビで出てきそうな水中の光景を体験されるのではな
為、観光地付近からは遠くなり、宿泊施設の確保も難しいも
いだろうか。
のがある。何もかもが新たに調整しなければならない。ご苦
労の大きさは容易に想像できる。すべての観察会が無事に
行われるようにお祈りしたい。
開講式に引き続き第 1 回講義が始まり、冒頭、全 20 回の
講義と6回の自然観察会の内容や狙いと講師の紹介が詳し
く行われ、この 1 年間に臨む熱意が伝わった。
今回の「自然学」が企画する、「より体験型の自然観察会」
絶滅した風景:子どもの頃に自然と触れ合う原体験
(有明海の干潟で泥んこになって遊ぶ子ども達)
は注目の的である。
京都大学では、森里海連環学動きを受けて、自然資本経
有明海の干潟では、「今年度は無理だが、来年度以降に
潟スキーの体験を組み込みた
済学なる分野が産まれているという。森里海連環学は世界
い」との事。泥んこになって干潟
的に注目され始め、ASEAN各国に拡がりを見ている。
に入るシニアの姿が目に浮か
今回の「自然学」は最低でも3年間続けられる企画だ。田
中先生も、3年間で一つの成果を出したいと確約されてい
ぶ。
講演の田中克先生
シニアは水辺で戯れることが
た。司会から最低でも3年ですよねと突っ込みが入っていた
出来るのに、今の子どもたちには
が、「自らの知的好奇心の充足から一歩踏み出して、“身の
「よい子は水辺で遊ばない」が標
丈よりも少しだけ背伸びした”踏み出しを後押しする「行動
語になってしまっている。泥んこ
の自然学」を目指す」素晴らしい講座が、スタートした。
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