サスカチュワン州との関係

サスカチュワン州概況
一 般 情 報
1.面積: 652,330平方キロ (日本の1.72倍)
2.人口: 112.5万人 (2014年)
3.州都: レジャイナ
4.州祭日: Sask Day: 8月の第1週の月曜日
5.沿革・歴史:
1869年 英国政府の斡旋により、カナダ自治領政府がハドソン・ベイ社
の支配地であった当地を購入。
1882年
カナダ自治領政府の北西準州より分かれてサスカチュワン地
区となる。
1885年
カナダ太平洋横断鉄道の開通により移民の流入が増大する。
1905年
サスカチュワンは州として独立。
6.特記事項
サスカチュワン州の輸出産業は、州経済実質GDPの7割を占めており、同
州政府は、輸出産業の育成に取り組んでいる。同州の輸出総額は1996年
の93億ドルから2014年には353億ドルまで増加。最近では、従来型の農
産物や鉱物資源の原材料としての輸出だけでなく、これらを州内で加工し、
付加価値を付けての輸出にも積極的である。
また輸出新市場として、アジアに目を向けており、ウォール首相は就任後
2010年5月及び2013年10月に二度訪日。また、中国、インド、インドネシ
ア、シンガポール、フィリピン等に貿易使節団を派遣している。
政 治 体 制
1.副総督:ボーン・ソロモン・ショフィールド
(Vaughn Solomon Schofield) 2006年8月就任
2.州首相:ブラッド・ウォール(Brad Wall) 2007年11月就任(3期目)
所属政党:サスカチュワン党(Saskatchewan Party)
経 済
1.主要産業:
・天然資源…原油、天然ガス、鉱物(カリウム、ウラン)
・農業…穀物(小麦、大麦、カノーラ)、畜産(牛、豚)
・工業…石油化学、木材・紙パルプ、輸送機械
3.議会における各党構成(総数61議席,選挙日:2016年4月)
2.実質GDP:631億加ドル(2014年)
3.実質GDP成長率: 1.9%(2014年)
4.消費者物価指数(2002年=100):133.1(2016年2月)
5.失業率: 6.1%(2016年6月)
政権与党:サスカチュワン党(Saskatchewan Party) 51議席
野党第一党:新民主党(New Democratic Party : NDP) 10議席
5.州予算
歳入: 142.8億加ドル (2015年度)
歳出: 141.7億加ドル (2015年度)
4.内政状況
1991年から16年間続いた新民主党(NDP)政権は、2007年11月の
州議会選挙で倒れ、保守系のサスカチュワン党政権が誕生。同党は1997
年、左派NDPに対抗すべく、一部の進歩保守党員と自由党員が加わり設
立された中道右派の政党。ブラッド・ウォール首相は40代の若手であるが
、強いリーダーシップと雄弁さで知られ州内の支持率も高い。
伝統的に同州は農業主流の経済であり、若者の州外流出や人口低下に悩
まされていたが、2008年前後から同州が世界屈指の生産地となっている
ウラン鉱石やカリウム(肥料の原料)、アルバータ州に次いで国内産出量の
多い原油の世界価格が高騰し、同州経済を潤した。減少の一途を辿ってい
た人口は、労働者流入により2010年に増加に転じ、また天然資源権益収
入や法人税の増収により州財政も安定しており、現在同州は国内で最も経
済状況の良好な州のひとつに数えられている。
ウォール首相は就任以来、経済重視の政策を展開しており、ウランやカノ
ーラの輸出拡大や付加価値産業育成、クリーンエネルギー技術開発、減税
措置、州債務償還に力を入れ、2014年の世論調査では、州首相として国
内最高の支持率66%を得るなど高い人気を誇っている。
ウォール首相が率いるサスカチュワン党は、2011年及び2016年の州
議会選挙で大勝し、ウォール政権は非常に安定している。
6.貿易額(2015年)
(1)輸出:326億加ドル
(2)輸入:103億加ドル 7.貿易品目(2015年)
(1)輸出:原油、カリウム、小麦、エンドウ豆、カノーラ
(2)輸入:ブルドーザー、トレーラー、農薬、トラクター、収穫機
8.貿易相手国(2015年)
(1)輸出:米国 中国 インド 日本 ブラジル
(2)輸入:米国 ドイツ 中国 メキシコ 日本 9.経済概況
サスカチュワン州は隣接するアルバータ州及びマニトバ州と共に「カナダ
の穀倉地帯」と呼ばれ、小麦に代表される穀物農業は伝統的に同州経済の
中心産業。SK州は、AB州と同様豊富な一次産品に支えられカナダ経済を
牽引。州内にはカリウムをはじめとする肥料の生産輸出企業が集中してい
る。SK州はAB州に次ぎ、加国内2位の原油及び天然ガスを生産する。州
南東部には、MB州、米ノースダコタ州及びモンタナ州にまたがるバッケン
油田があり、タイトオイル(軽質油)を産出する。近年の水平掘削技術及び
マルチフラクチャリング技術向上を背景とした生産増加により、石油大手企
業の注目を集めている。また、同州はカリウム世界産出量の32%、ウラニ
ウムの世界生産量の15.4%を産出している。 2010年4月、サスカチュワン州、アルバータ州及びBC州は、「新西部パ
ートナーシップ」に合意、各州間の貿易障壁の撤廃、投資市場の創出等を
目指す。本パートナーシップに基づく最初の事業として、2010年5月、3州
首相が日本及び中国を訪問。2012年9月には同枠組の農業ミッションが
訪日した。
在カルガリー総領事館
平成28年7月
10.投資環境
州政府は、法人税等を優遇することにより積極的な企業誘致を行っている。
2014年における同州への投資額(公的な投資も含む)は約209億加ドルで
あり、2009年時より約30%増加した。
日 本 と の 関 係
1.全般
サスカチュワン州にとって日本は米国に次ぐ主要な農産物の輸出相手国。
市町村レベルの交流は見られないが、民間レベルではリジャイナ市と藤岡市(
群馬)、サスカトゥーン市と日立市(茨城)、北広島市(北海道)等でそれぞれ交
流が行われている。リジャイナにはわが国の名誉総領事が命ぜられている。
2.要人往来(日本への訪問)
07年1月 ワートマン農業・食品大臣
08・09・10年2月、11年1月、12年3月
ボイド経済大臣(元エネルギー大臣)
10年5月、13年10月 ウォール首相
3.日系企業の活動
ヨークトン市において2010年に三井物産がルイ・ドレイファス・カナダ社と共
同で菜種搾油工場事業に参画していたが、2013年4月に三井物産が同事業
から撤退。州営電力会社サスク・パワーが、12億4千万加ドルを投じ進めるC
CS事業開発において、日立製作所が業務提携。2013年5月、サスクパワー
社はCCSシンポジウムを開催し、ウォール首相、福田総領事、日系企業10社等
が出席。2011年4月日立カナダの組織再編により、日立パワーシステムズカ
ナダ社の本社をサストゥーンに設置(2014年2月、三菱重工との合併により、三
菱日立パワーシステムズに改組)。現在、シガーレイク・ウラン鉱山の商業採
掘権を、出光を含む共同企業体が取得し、2014年に生産開始。
(2)対日貿易額(2015年)
(a) 輸出: 8.6億加ドル
(b) 輸入: 1.2億加ドル
(3)主要品目(2015年)
(a) 輸出品:菜種、小麦、麦芽、大麦等
(b) 輸入品:建設機械、大型重機、重機用部品等
(4)日系企業の進出状況:(2015年):5拠点
4.在レジャイナ名誉総領事:アーサー・ワカバヤシ(1991年~2011年)、ビ
クター・サワ(2011年~)
5.文化・広報関係
日本語プログラムがあるのは、レジャイナ大学、サスカチュワン大学、サスカトゥーンの高校
3校並びにレジャイナの日本語学校。レジャイナ市と藤岡市の間では20年以上にわ
たり中学生交流が行われている。2012年秋にサスカトゥーンで実施した日本映画
祭に続き、2014年11月にはレジャイナにおいて同映画祭を開催した。
6.在留邦人数:(2015年10月現在※在留届ベース)
501人 (男性142人、女性359人)
7.姉妹都市関係:レジャイナ市と群馬県藤岡市の間で姉妹提携に向けた協
議が行われている。