撮影者不詳 写真裏書きは昭和27年と見える。場所は福岡市大濠公園

撮影者不詳
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写真裏書きは昭和27年と見える。場所は福岡市大濠公園。
非常に気になる写真である。まず福岡でこの様なビッグニュースが何処にも残されて
いない事がきになったので調べていたら、当時を知る方が居られ「エンジンは廻らなかっ
た」(エンジンが作動しなかったのか、作動したが回転ブレードが廻らなかったのか。もと
もと始動されなかったのか)と証言されている。
まず、飛ぶための様子が見えない。機構にも不思議なことが伺える。モーメントつり合
いのテールローターが見えないようだ。時代背景はまさに昭和が成長する頃であった。懐
かしいのは自転車をご覧ください、ハンドルとシートに渡るステーにかばんを下げるのが
当時の常識でした。これってひったくり防止は完璧。昭和万歳。
「河」
●この写真を見て思うこと、このいでたち、この構え、空を飛ぶイメージから頭に浮かんだシーンが2
つ有ります。
その一つは、1965年(昭和40年)12月公開の007サンダ-ボール作戦でボンドが背負って飛
んだベル・エアロシステム開発の低温式ヴアルターロケット推進方式のロケット・ベルト(ジェット・バック)。
撮影の時ボンド役のショーン・コネリーは実際に飛んだそうである。
もう一つは1984年、(昭和59年)7月28日アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルスでオリンピ
ックが開催された。オリンピック会場においてレーガン大統領の開会宣言の後のセレモニーの見せ場で、
一人用の背負い式ジェット推進飛行機が登場した。操縦者はビル・スーター、彼が青い空をバックに
鮮やかに飛んだのを覚えている。調べてみると同じベル・エアロシステム製のロケット・ベルトでした。
推進方法が回転翼とジェット推進の違いがあるが、両手でコントロールする操縦法で飛んでいく姿
は同じようにイメージされる。しかしこの背負い式回転翼飛行機は飛べたのでしょうか?操縦者のヘル
メットもゴーグルもない、まして飛行用の服装とは思えない普段着のこの人物、そのキリリとした容貌に
強い意志が感じられる。このオート・ジャイロの魁とも思える飛行機は、操縦者の服装や装備にかけ
るお金をすべて機体の製造にかけたような、思いのほか綺麗な仕上がりです。駆体の軽量化のためと
思われる細かい加工、綺麗に整備されたエンジンや回転翼、でも馬力不足で飛べなかったのでは?
馬力が有れば回転トルクに負けて操縦者が不安定になるのでは?でも何とか飛んでいてくれたらな
~と思う。
昭和二十七年四月二十八日に日本は主権を回復し自由な空が戻ってきています。この事を祝っ
て見事に大空に舞い上がって欲しい。
(剛)
●自分が福岡の街の中心である春吉界隈から、畑と田圃と林ばっかりの中尾に転居したころ
の写真であろう。春吉寺町は日本有数の歓楽街中州に隣接するところでありなかなかの色深
いまちであった。久しく大濠公園等聞くと頭の中がレトロ状態で一気にガキ時代になるのであ
る。春吉の操り人形劇・春吉橋下での水浴・渡辺通りのチンチン電車Uターンポイント・天神裏
空地での闇闘犬・百道浜から長垂までの松原は海水浴場・日活ホテル脇の那珂川の貸ボー
ト、そして、大濠公園。ここで、既にタケコプターが存在していたとは。どの程度飛んだのか定
かでないが、転居していなかったら、この場面に遭遇していたかもと残念。今でも山梨の方に
趣味でタケコプターを制作している御仁がおられ、数年前に米国で実演している。この大濠公
園での出来事から繋がっていると思いたい。
埼玉 西村
●現在ハンググライダーやパラグライダーは背負いエンジンで推進しているが、その先駆者ではない
か。回転翼に動力が伝わっていればヘリコプター。然しトルクを打ち消す方法は、小さな推進用
のプロペラではちょっと難しそう。このプロペラ、写真の加減か 1 翅プロペラのように見える。
振動はどうだろう。アメリカでオリンピックの時はロケットだったので、成功した。時代を思わ
せる。回転翼には最初だけ動力を伝えて、オートジャイロとして開発されていたかもしれない。
大勢の見物人、皆楽しそうに見ている。空への夢を感じさせる写真である。
「松本」
本部コメント「参考資料」
アメリカのスミソニアン航空博物館にはこのような背負い式飛行機具の未来型が展示されて
いた。すでに飛行には成功していたこの噴射式背負い飛行機は「ジェームスボンド007」でも
登場したし、オリンピックの開会式でもその優雅な飛行を見せていた。福岡での背負いコプタ
ーがこのように変化してきた?と思えばまた嬉しくもなる。
スミソニアン航空博物館資料入手経緯
ご紹介 協会の中でウイキペデイア編集を担当します大山様のご実弟はビンテージオートバ
イのクラブや世界でも有名な「先込め古式火縄銃」の射撃大会に日本代表ででられるつわも
のです。今回アメリカが世界大会競技開催国でした。短い時間ですがスミソニアン航空博物
館迄撮影に入っていただけたことで「あまり公開されていないブース」の撮影がなされました。
お楽しみください
米国スミソニアン航空博物館展示の未来の移動式背負い航空機
これから下記資料は007のウエブ公開資料です。
映画007より
ロスオリンピックで大会開場式でデモンストレーションに飛行した背負いロケット。
↓
この機体で飛ぶには一連の同じ姿勢が見えてくる。両足を伸ばしている、これは重心位置
を下げて「ふりこ式」ぶら下がり飛行が安全であるようだ。
前傾姿勢のフライトから着陸態勢に入っていますね。
さすが計画が整っているようです。直径3メートルくらいのエリアへタッチダウン。
アメリカだから実施できるものでしょう。正直「羨ましい」と思います。
日本ではゼット噴射水流方式で人間を浮かすことは成功していますが水の高圧タンクは別
途セットしてあって背中に背負ったゴムホースから水を噴射していたようです。つまりゴ
ムホースの重量も同時に持ち上げることが必要でした。