2月 No.2 271号 - 一般社団法人 三重県診療放射線技師会

三重県診療放射線技師会誌
版
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271号 2014.02 vol.64 No.2
(一社)三重県診療放射線技師会
目 次
【巻頭言】
4
副会長 中西 左登志
【お知らせ】
5
第51回 南勢地区消化器撮影技術研究会
CONTNETS
第30回 三重乳腺勉強会
診療放射線技術フォーラム
【報告】
8
骨・関節単純X線写真を熱く語る集い
アンケート結果
【研究会活動報告】
28
第72回 北勢消化器画像研究会
第50回 南勢地区消化管撮影技術研究会
第73回 北勢消化器画像研究会
平成25年度 三重県放射線治療研究会
平成25年度 北勢消化器画像研究会ナイトセミナー
第1回三重県診療放射線技師学術大会 座長集約
42
【若葉セミナー】
48
教育講演
【三重県診療放射線技師会 学術講演会】
49
特別講演
アンケート結果
一般社団法人三重県診療放射線技師会役員選挙規程
56
平成25年度 第3回理事会議事録
61
【編集後記】
62
公益社団法人 日本診療放射線技師会
〒105-6131 東京都港区浜松町2丁目4番1号
世界貿易センタービル31F
TEL. (03)5405-3612
FAX. (03)5405--3613
H.P. : http://www.jart.jp/
一般社団法人 三重県診療放射線技師会
〒514-0004 津市栄町3丁目269 富士屋ビル2F
TEL/FAX (059)225-1491
H.P. : http://mieart.jp/
E-mail : [email protected]
郵便振替 00800-5-15152
銀
行 百五銀行津駅前支店
普通預金口座番号 0203779
2
公益社団法人 日本診療放射線技師会
【巻頭言】
巻頭言
数は力なり 率も力なり
(一社)三重県診療放射線技師会
副会長 中西 左登志
q平成26年2月12日の第272回中央社会保険医療協議会からの答申によって平成
26年度の診療報酬が改定されます。その【I-8(充実が求められる分野/医療技
術の適正な評価)−③】に「画像撮影診断料等の見直し」があり、64列以上の
CT検査が現行より50点増の1,000点、3テスラ以上のMRI検査は現行より200点
増の1,600点になります。同じく【ⅴ 消費税率8%への引き上げに伴う対応】
の中に【外来放射線照射診療料】があり、現行より12点増の292点になります。
もし、消費税3%アップに対する措置ならば290点で十分なはずですが、更に2点の増点になっています。全
体の医療費が抑制される中での増点は、公益社団法人日本診療放射線技師会を中心とした関係諸機関の積極
的な活動と、それを裏付ける数的根拠として、診療放射線技師の活動に関するアンケート調査にお答え頂い
た会員の方々の努力の賜と感謝致します。
診療放射線技師の数は、看護師、医師、薬剤師等と比較すると圧倒的に少ないという事実はみなさんご存
じだと思います。では、他職種と比べて日本診療放射線技師会の組織率がずば抜けて高いのでしょうか?残
念ながら、平成25年9月30日の資料では全国で51,508名の診療放射線技師が働いているのに対して、日本診
療放射線技師会入会者数は28,139名で組織率は54.6%です。会員数約67万人の日本看護協会も約5割、会員
数約17万人の日本医師会も約6割、会員数約10万人の日本薬剤師会も約4割、日本臨床衛生検査技師会は平
成18年のデータで63.6%と、どの医療職も組織率は5割前後であり、日本診療放射線技師会の組織率が突出
している訳ではありません。そのような背景で上記の診療報酬の増点を獲得した影には、担当された方々の
ご努力を賞賛するばかりです。
診療放射線技師の数を増やすことは不可能でも、組織率を高めるのは不可能ではありません。ある職能団
体の長が発言をした場合、その背後に何割の会員が居るかによって言葉の重みが変わってきます。今回の診
療報酬改訂のように、診療放射線技師の技術料評価が向上すれば、医療機関の診療放射線技師採用意欲向上
に繋がり、人材は売り手市場となり、将来的には賃金又は手当の上昇も期待され、生活の質の向上に直結す
るはずです。
前述の資料では三重県診療放射線技師会の組織率は73.93%と、全国平均よりは高いのですが、まだまだ
伸び代が有ります。一般社団法人三重県診療放射線技師会の定款は非常にユニークで、三重県内での在住又
は在職を義務付けておりません。日本中の何処で生活していても三重県診療放射線技師会の会員になり、同
時に公益社団法人日本診療放射線技師会の会員にもなれるのです。しかも三重県診療放射線技師会の入会金
は無料です。日本診療放射線技師会の入会金5,000円と年会費15,000円は全国一律ですが、三重県診療放射
線技師会の年会費は6,000円で、他の都道府県の会費より安く設定されています。
三重県診療放射線技師会の会員のみな様には、自施設や他施設で働くお知り合いの方のみならず、他都道
府県で診療放射線技師として働くお知り合いの方で、診療放射線技師会に入会されていない方をご存じでし
たら、ぜひ三重県診療放射線技師会をご紹介頂き、入会を促して頂きますようお願い致します。
率を力に変えましょう。
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【お知らせ】
第51回 南勢地区消化器撮影技術研究会
日 時 2014年2月27日 木曜日 18時30分
場 所 市立伊勢総合病院 2階 講堂
参加費(会場整理費):500円
内 容 18:30∼ *情報提供 バリウム実験『分散剤の働きについて』
カイゲン 中久保 昌宏
18:50∼ *CTCの検査と実際
… 100例を経験して
医療法人 大西病院 中谷 幸広 19:20∼ *基礎からはじめよう
症例検討:
世話人 : 山本 憲一
吉田 博美
向井 恭祐
*日本消化器がん検診学会 胃がん検診専門技師 更新単位付与
*消化管撮影に興味がある方、どなた様でも参加して頂けます
後援:(一般社団法人)三重県診療放射線技師会
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第30回 三重乳腺勉強会
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診療放射線技術フォーラム
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期 日:平成
年 月 日(土)
時 間:14:00~17:00(受付開始 13:30)
場 所:三重大学医学部 臨床第2講義室
三重県津市江戸橋 2-174
― プログラム ―
情報提供
14:00~14:20
『 DC ビーズについて 』
『 新しい放射性医薬品 ダットスキャンについて 』
エーザイ株式会社 岸 尚司
日本メジフィジックス株式会社 西田 哲行
フィルムリーディング 14:20~14:50
進行:三重大学医学部附属病院
「 脳卒中 」
「 心疾患 」
済生会松阪総合病院
中央放射線部
医療技術部放射線課
国立三重中央医療センター
中央放射線室
山畑 経博 先生
中西 裕紀 先生
瀬古 寿光 先生
~ 休憩 ~
特別講演1 15:00~16:00
座長:鈴鹿回生病院
放射線課
山口 智也 先生
「 パーキンソン症候群の診断と治療 」
鈴鹿回生病院
神経内科
部長
松浦
慶太 先生
特別講演2 16:00~17:00
座長:三重大学医学部附属病院
「
中央放射線部
骨軟部腫瘍のあれこれ
三重大学医学部大学院
整形外科
准教授
松峯
山田
剛 先生
」
昭彦 先生
※ 本会は、日本診療放射線技師会の生涯教育カウント付与対象になります。
※ フォーラム終了後に立食の情報交換会を三重大学 第二生協にてご用意いたしております。
※ ご来場の際はなるべく公共交通機関をご利用下さい。
共催:三重県診療放射線技師会 / エーザイ株式会社 / 日本メジフィジックス株式会社
診療放射線技術フォーラム
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【報告】
骨・関節単純X線写真を熱く語る集い
講演1
第8回 骨・関節単純X線撮影を熱く語る集い
集い
第 8 回 骨・関節単純X線撮影を熱く語る会
伊勢赤十字病院X線撮影室の紹介
「トモシンセシス/デュアルエネルギー・サブトラクション/
イメージング・ペースト機能について」
【伊勢赤十字病院概要】
診療科 30 科
病床数 655 床 職員数 1265 名
1 日平均患者数 外来 972 名 入院 637 名 (平成 24 年度)
【放射線技術課概要】
・X線撮影装置
5台(1台は立位専用)
・マンモグラフィー
3台(1台はマンモトーム兼用)
・ポータブル撮影装置
6台
・CR 読み取り装置
10 台
・X線透視装置
4台(1台は内視鏡室内)
・CT
3台
・MRI
3台(1台は術中 MRI 用)
・アンギオ
3台
・骨密度(DXA)
1台
・核医学装置
2台(PET/SPECT)
・放射線治療装置
2台
[診療放射線技師]
31名(男性 31 名 女性 8 名)
伊勢赤十字病院は新築移転する際に「救急医療・急性期医療とがん診療に特化した病院」そ
れに「職員にもやさしい病院」というコンセプトで計画・設計された。
「職員にもやさしい病
院」に関しては 3 階から5階まで吹き抜けのオープンカンファレンス・職員用フィットネス
ジム・レディースルーム(各階にある女性専用の休憩室)等があり活用されている。
多職種の職員がカンファレンスや休憩場所として利用するオープンカンファレンス
8
レディースルーム
<救急医療>
ドクターヘリ運航
フィットネスジム
高度急性期医療を行う事を役目としている。
屋上ヘリポート
救急外来へは直通エレベータ
広い救急外来
救急対応撮影室は救急外来のすぐ近くに位置し、患者搬送路はセキュリティーエリアとなって
いるため一般の方々の目に触れることなく X 線撮影・CT 検査が出来るようになっている。
・X 線撮影室は部屋・入り口共に広くして重症患者にも対応し易くしてある
救急外来・入院患者用撮影室
大きな扉の入り口
・入院患者もセキュリティーエリア(スタッフエリア)を利用して来ていただくので、
一般の方々に会うことなく X 線撮影を済ますことができる。
患者のプライバシーを考慮した動線となっている。
<がん診療>
外来化学療法室も広く、ベッド数も多い。
外来化学療法室 50床
9
緩和ケア病棟 20床
・X線撮影室は救急医療・急性期医療・がん診療に深くかかわる部門であり、レイアウト・
装置の選択等について放射線技術課の中で十分検討した。 その結果トモシンセシス/
デュアルエネルギー・サブトラクション機能が有効であるとして、GE 社の XR650 装置
の導入が決定された。
【新しい機能の紹介】
<トモシンセシス>
トモシンセシスとは Tomography(断層)と Synthesis(統合・合成)の造語である。
GE 社では VolumeRAD と名付けている。
断層撮影(Tomography)の簡単な説明
フィルムによる断層撮影は 1 回の断層走行(0.5~7 秒)で 1~5 スライスの画像を得た。
断層面や断層厚を変えるには上記の振角θやテーブルの高さを再設定して撮影する必要があ
った。 そのため必要な断面像が多いほど撮影回数が多くなり、患者の被曝と長い撮影時間
の問題があったが、その当時は重要なコロナル像を得ることが出来る唯一の装置であった。
CT の普及により姿を消していたがX線撮影装置のデジタル化により「ボリュームデータ」と
して画像データを得ることができるようになり、トモシンセシスが誕生した。
10
トモシンセシスの簡単な説明
撮影条件決定
①単純像(スカウト)撮影
②断層撮影(1断層)
最大 12 秒/60 照射/5fps
最大振り角 40 度
立位・臥位・側面に対応
③RAW データとして画像データが収集され、自動にて画像再構成が行われる。
スライス範囲:最大 500mm スライス間隔:最小 1mm 画素分解能 :200μ
④複数裁断面 画像表示
再撮影することなく
スライス範囲/間隔を変えたり
再構成も繰り返し可能です。
フィルムによる従来の断層撮影とトモシンセシスの比較
フィルムによる断層撮影
トモシンセシス
撮影・照射
1 断面 1 断層撮影・連続照射
1 断層走行で多重照射
撮影後の再構成
不可・再撮影
可能・再撮影不要
線量
多い
単純撮影の 10~30 倍程度
トモシンセシスと MDCT の比較
トモシンセシス
MDCT
撮影
最大振り角40度
体軸に対して360度
再構成断面
検出面と並行断面のみ
任意軸断面
コントラスト分解能
○
◎非常に良い
体位
立位・臥位・機能撮影可能
臥位のみ
メタルアーチファクト
影響少ない
影響大きい
被曝範囲
患側のみ撮影
患側・健側とも被曝
被曝線量
MDCT より少ない
トモシンセシスより多い
11
≪トモシンセシスの利点≫
①単純撮影ではわかりくい骨折がわかる
②立位・座位での撮影が出来る
加重位で関節等の評価が出来る
副鼻腔炎のような液面形成の評価が出来る
③椎体の動態撮影ができる
④金属によるアーチファクトが少なく、術後評価を行いやすい
⑤CT に比べると被ばく線量は低い
⑥診療報酬点数は特殊撮影(デジタル)として270点請求できる
≪トモシンセシスの欠点≫
①小児等の動きを止める事ができない患者には使用できない
②画像処理から画像転送までの時間が長くなるときがある。
我々の施設は新築移転に伴い、最新の X 線撮影装置を導入することが出来て様々な新しい画
像を患者のために提供することが出来るようになったが、これらは X 線撮影の基礎が出来て
いないと医師に提供する画像の質はやはり低くなってしまう。 正確なポジショニングや最
適な X 線線量等が絶対条件である事は今までと同じである。
伊勢赤十字病院臨床写真
CASE①
27歳 男性
筏と船の間に挟まれ受傷
・外傷は右に擦過傷が少し、痛みは左股関節歩くのも痛みで辛い
・左大腿骨頚部骨折の疑いにてX線撮影するも頚部骨折無し
・骨盤部のトモシンセシス撮影により左坐骨恥骨骨折有り
12
CASE②
71歳 男性
交通外傷・高エネルギー外傷
・左下肢開放骨折にて手術を行い、その後経過観察をトモシンセシスで行っている。
単純撮影
トモシンセシス
単純撮影
トモシンセシス
・脛骨遠位前方仮骨、大腿骨遠後方仮骨が増えていることをトモシンセシス画像に
て確認。 金属アーチファクトが少なく、経過観察が可能。
CASE③ 77歳 女性 段差で転倒
単純撮影
トモシンセシス
・左大腿骨頭基部骨折
CASE④
78歳 女性
単純撮影
自転車で転倒
トモシンセシス
・右脛骨関節面~骨幹部に骨折線を認める。
13
CASE⑦
63歳 女性
雪駄で白石持ち参加
その後右母趾 MTP の腫れ
分離種子骨疑い
単純撮影
トモシンセシス
・分離種子骨無
CASE⑧
45歳
男性
変形性股関節症の進行
右股関節痛憎悪にて来院、手術(THA)が必要か判断するため
トモシンセシスを行う事となった。
単純撮影
トモシンセシス
・トモシンセシスにて荷重部軟骨残存しているので50歳くらいまで
THA は伸ばすのが望ましいとの診断がついた。
14
伊勢赤十字病院では、このようにトモシンセシスは必要不可欠な検査になってきている。
ただ、CT や MRI に置き換わる検査とは考えておらず、CT や MRI が出来ない場合や
単純撮影と CT・MRI の間というような役目を担っていくようになると考える。
<デュアルエネルギー・サブトラクション>
単純撮影像
軟部組織像
骨組織像
①一回の撮影操作でエネルギーの異なるX線を2回曝射する。
②約15秒後に単純撮影像・軟部組織像・骨組織像の3画像が表示される。
骨等の重なりでわかりにくい病変の描出、結節病変との区別がつきにくい骨島の判断等
また気道狭窄等の観察にも優れている。
・現在呼吸器内科と人間ドックの一部で行っている。
・人間ドックの胸部 X 線写真は4月から殆どがデュアルエネルギー・サブトラクションに
移行する予定である。
15
デュアルエネルギーサブトラクションの簡単な原理図
伊勢赤十字病院臨床写真
この症例は単純写真でやや腫瘤様像があるが、肋骨との重なりによりわかりづらい。
軟部組織像ではっきりと腫瘤様像として描出され、骨組織像では描出されないので
肺の腫瘤像であると診断され CT 検査を進められている。
この症例は単純写真で肋骨の部分に高吸収の腫瘤様像があり、軟部組織像では描出され
ず、骨組織像では腫瘤様像として描出されているので、肋骨の骨島を疑い CT 検査を
進められている。
16
≪デュアルエネルギー・サブトラクションの使用用途≫
・肋骨等に重なった病変の描出
・肋骨等の病変描出(骨折も含む)
・気道系の観察(狭窄等)
以上の様な場合に非常に有効であるが、X 線を2回曝射するため X 線被曝の問題と
息止めが出来ない等で患者の動きがある場合は単純像しか得られないという問題がある。
オートイメージングペースト(X 線管回転方式)
立位長尺撮影
臥位長尺撮影
撮影範囲:最大5枚 150cm
撮影範囲:最大3枚 100cm
ポジショニング後は画像合成まで自動で行われる。
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第8回
骨・関節単純 X 線撮影を熱く語る集い
『ディジタル一般撮影の画質と線量 ~画像処理と Exposure Index を中心に~』
奈良県立医科大学附属病院 中央放射線部
中前光弘
はじめに
(Fig.1)
1983 年 に 富 士 フ イ ル ム 社 か ら Computed
Radiography (FCR)が,発売され,一般撮影領域
におけるディジタル化が始まった.
2009 年に行われた「X 線診断時に患者が受ける
線量の調査研究」
(日本放射線技術学会学術調査
研究班)1,2)では,88.9%がディジタルであった
と報告している.その内訳では,CR のみ 69.4%,
FPD のみ 2.2%,CR と FPD 併用 17.3%で,FPD を
所有している施設は 20%に満たなかった.しかし,
2.ディジタル化の特徴
3)
2011 年の調査 では,ディジタルが 96%と飛躍的
一般撮影におけるディジタル化の特徴を Fig.2
に増加しており,ディジタル化が完成したと言っ
に示す.ここに列記した内容は,一般撮影のみな
ても過言でない時代を迎えた.
らず,X線画像全般に言えることでもある.
そこで,ディジタル一般撮影における画像を安
定化する方法や画像を表示するための処理を中
(Fig.2)
心にその特徴を解説する.
また,国際電気標準会議(International
Electrotechnical Commission;IEC)が,2008
年に提案した新たな線量指標(Exposure Index;
EI)について記載する 4).
1.一般撮影におけるディジタル化の歴史
1983 年,FCR の商用 1 号機が鹿児島大学医学部
附属病院に設置され,一般撮影におけるディジタ
しかし,これらの特徴を有効に利用するために
ル化の歴史が始まった.その後,各社から CR 装
は,ディジタル撮影装置の導入だけではなく,電
置が発売され,1999 年には新しいタイプのディジ
子カルテシステム(病院情報システム HIS や放射
タル装置として Flat Panel Detector(FPD)が
線部門システム RIS)
,画像サーバ,LAN による通
Canon 社より発売された.これを機に,各社から
信環境などの周辺設備も整備されなければ活か
FPD 装置が発売され,CR 装置の技術革新とも重な
されないことに注意が必要である.
り,2001 年には F/S とディジタル装置の割合が逆
転した 1,2).
3.画像の形成方法による分類
また,近年ではワイヤレスタイプのカセッテ型
一般撮影におけるディジタル装置は,画像の生
DR(FPD)装置も発売され,益々ディジタル一般
成方法の違いによって,Fig.3 のように分類され
撮影装置が普及すると考えられる(Fig.1).
る.大きく「直接変換方式」
「間接変換方式」の
二つに分類され,間接変換方式は三つに細分類で
きる.
22
FPD 装置は,
「直接変換方式 FPD」と「間接変換
した画像を提供するための仕組みが用意されて
方式 FPD」に分類され,間接変換方式には蛍光体
おり,自動感度調整機構(EDR:exposure date
の違いによって,
「CsI(ヨウ化セシウム)
」と「GOS
recognizer)と呼ばれている.第三象限では,診
(Gd2O2S:Tb)
」に分類される.
断に適した画像を表示するための画像処理をお
こなっている.この処理には,階調処理,周波数
強調処理,ダイナミック圧縮処理などがある.最
(Fig.3)
後の第四象限では,プリンタやモニタなどの出力
に対する特性曲線を示している.
(Fig.5)
また,これらの方式(検出器)の違いによって,
画像生成の特徴が異なることにも注意が必要で
ある.
4.画像処理
これらの画像処理は,ディジタル画像特有のも
ディジタル画像の特徴は,撮影条件を変えても
のであり便利な道具である一方,落とし穴もある
濃度安定性に優れていることが一番に挙げられ
ため,それぞれのアルゴリズムを正しく理解して
る 5)(Fig.4).その秘密は,
『画像処理』にある.
使用することが必要になってくる.
5.新たな線量指標( EI;Exposure Index )
(Fig.4)
ディジタル一般撮影の普及とともに,撮影線量
の増加が問題視されている 1-3).
また,
「適正線量」
をどのように決めるのか,と言う難しい課題も生
じている.
その解決策として考えられているのが EI であ
る.
EI=c0・g(V1)
上式で定義され,係数 c0=100[μGy-1]となる.こ
こで,V1(value of interest)は,関心画像領域
Fig.5 に FCR システムの画像伝達特性を示す.
(Relevant image region)の代表画素値(以下,
これは,検出器に入射されたX線の分布が異なる
場合に,どのように自動調整しているかを第四象
関心値)のことで,撮影部位・方向毎に規定され
限に示したものである.第一象限では,イメージ
た画像やヒストグラム上でどのように関心画像
領域を設定するのか?関心値をどのように決め
ングプレート(IP)への入射線量と輝尽発光量の
関係(ヒストグラム)を示している.第二象限で
るのか?詳細な規定が無いため,メーカーの実装
は,入力の異なるディジタル値を規格化し,安定
に依存する形となっている.また,g(V1) (Inverse
calibration function)は,校正(キャリブレー
23
ション)条件下における V1 を検出器面上の空気カ
また,運用上の注意点を Fig.8 に示す.同一の
ーマ[μGy]の 100 倍に変換する関数で,装置(検
患者,装置,部位で撮影条件が同じであれば,ほ
出器)毎の校正によって規定されている.
ぼ同一の EI を得ることができる.しかし,被写
校正のフローチャートをFig.6 に示す.
線質は,
体厚が異なれば,AEC で線量をコントロールして
RQA5(IEC61267)に近い条件「半価層(Al 6.8±
いる場合では EI は同じであるが,患者線量は変
0.3mm),付加フィルター(Al 21mm or Cu 0.5mm+Al
化する.最も重要なことは,EI は被写体透過後の
2mm),管電圧(66~74kV)」とする.画像は均一露
検出器への到達線量の指標であり,被写体の被ば
光で,入射線量に対して出力画素値が線形となる
く量とは直接関係が無いことに注意して欲しい.
階調処理使用し,関心画像領域から関心値 V1 を算
(Fig.8)
出する.また同一条件下で,検出器面上での線量
KCAL(μGy)を測定する.最後に,線量と V1 を対
応させ,校正逆関数KCAL=g(VCAL)を決定する.
以上の算出方法から,イメージインテンシファ
イア,乳房撮影や歯科口腔撮影のシステムは,対
象外となっている.
(Fig.6)
IEC では,EI のオプションとして偏差指標(DI:
Deviation Index)を設定している.検査部位毎
に設定されている目標線量指標(EIT :Target
Exposure Index)との偏差を定量化した数値で表
される.
DI=10・log10(EI/EIT)
概念としては,EI を 100 で割ると校正時の検出
の式で定義され,EI は実際に撮影された線量指標
器面への到達線量を知ることができ,他社間や異
であり,目標線量指標とどの程度偏位しているか
なる検出器間での到達線量の比較が容易となっ
が一目で確認できるように工夫されている.
ている.しかし,実際の臨床ではいろいろな因子
(Fig.9)
によって影響を受けていると考えられている
(Fig.7).
(Fig.7)
DI による撮影線量管理の方法を Fig.9 に示す.
DI が大きくなれば,被ばく線量が増大し,小さけ
れば画質が担保出来ているか確認する必要があ
24
る.基準線量に近い範囲で撮影することで,撮影
and requirements for general radiography,2008.
線量の最適化が図れる.
5)船橋正夫,監修;中前光弘,他,編集;関西地区 CR 研究
ただし,この DI を使用するためには目標とな
会著:FCR 超基礎講座,医療科学社,2013
る線量 EIT の設定が必要不可欠であり,学会など
の動きに期待する.
6.まとめ
FCR が登場した 1983 年に誰が想像したであろ
う究極の検出器,ワイヤレスカセッテタイプ DR
(FPD)装置が,各社から販売されている.本当
に夢のような検出器で,あらためて日本の技術力
の高さを痛感している.
今後ますます,FPD 装置の稼働台数が増えるこ
とが予想されるが,ただ単に F/S の替わりに FPD
を使うのではなく,新しいモダリティとして,最
適な撮影線量を模索するなど,一般撮影の新しい
可能性を見出して欲しい.
ユーザーである診療放射線技師が,一般撮影の
方向性を見据えてその可能性を伸ばして行くこ
とが,今後の我々に課せられた役割である.
謝辞
このような貴重な講演の機会を与えていただ
きました,三重県診療放射線技師会 会長の山田
隆憲先生はじめ難波一能先生,関係各位に感謝し,
講演の後抄録に代えさせていただきます.
参考文献
1)鈴木昇一,浅田恭生,加藤英幸,他:Ⅹ線診断時に患
者が受ける線量の調査研究班-中間報告.日放技学誌,
65(5),pp681-685,2009.
2)鈴木昇一,浅田恭生,加藤英幸,他:Ⅹ線診断時に患
者が受ける線量の調査研究班-中間報告 2.日放技学誌,
65(11),pp1582-1590,2009.
3)浅田恭生,鈴木 昇一, 小林 謙一,他:Ⅹ線診断時に
患者が受ける線量の調査研究(2011)による線量評価.日
放技学誌,69(4),pp371-379,2013.
4)IEC62494-1: Medical Electrical Equipment – Exposure
Index of Digital X-ray Imaging Systems Part 1: Definition
25
アンケート結果
<講演1へのコメント>
•
学生でもわかりやすくお話し下さり、理解しやすかったです。今後の勉強に役立たせたいです。臨
床画像も沢山みせて頂き、とても勉強になりました。
•
伊勢赤十字病院の内部を画像でわかりやすく説明して下さっていた。トモシンセシスの画像を多く
見せていただき、利点が非常にわかりやすかったです。動いてしまう小児などには使用が難しいと
わかりました。
•
最新の装置の使用方法がわかりやすかった。
•
トモシンセシスの利用がわかった。(複数意見あり)
•
導入予定のため満足
•
当院はMRIも撮るので(大
骨頚部骨折などでわかりにくいとき)。トモで分かればCTでもわか
るのでは??(任意断面が得られるので)
•
症例が豊富でわかりやすかった。ただ、トモの連続表示のスピードが速く、みるべきタイミングを
のがしやすかった。反復表示、往復表示、フリーズなどの手法を加えた方がよりアトラクティブに
なると思われた。
•
トモシンセシスを用いることで一般(単純)撮影では明確でないものが判断できる。また、フォ
ローに有用であることが分かりました。
•
救急で撮影するのは大変だと思った。当直の時撮影するのは不安だなぁと思った。(全員ができ
るのか)
<講演2へのコメント>
•
とても詳しくて勉強になりました。
•
骨折部位にとらわれることなく、付近の脱臼等、広い視野をもって読影補助ができる技師になり
たいと思いました。診断に必要な画像を提供するためにも、症例別に合併症等も学んでいきたい
と思いました。
•
わかりやすかったので聞きやすかった。
•
撮影の考え方がわかりよかった。
•
肩の損傷時の目線をどこにもっていくかの説明がわかりやすかった。
•
詳しく読影法や撮影法がわかってよかったです。上肢以外のお話も聞いてみたいと思いました。
•
内容が非常に豊富で、有意義なご講演であった。
•
受傷時にどういった点(部位)に注目して撮影を行うべきか、非常に勉強になりました。日常の
撮影時にも注意して画像を確認するようにしたいと思います。
•
舟状骨や肩鎖関節の解説が聞けて満足でした。技師になって出会った症例もあってよく理解でき
た。
<講演3へのコメント>
今回、初めてExposure Indexという単語をききました。就職してから、役に立つお話をありがとう
ございます。
最近実習で学習したところで、興味があったので来てよかった。より興味がわいた。
わかりやすくて今まで知らなかったパラメータも少しわかりました。
EI値のなり立ちがわかりよかった。EIは被ばく線量ではなくDetectorにあたる線量など
私本人の知識不足のため(普通評価)。
少し話が難しかったです。
26
わかりやすく説明され理解できた。
照射野の違いやメーカー(処理)により、画像が異なってくる事が改めて認識できました。自施設
の機器について処理の条件や特徴を把握し、適切な線量で安定した画像を得られるようにしたいと
思います。
内容は良くわかりました。EIについても詳しく教えていただきました。EIを実際の現場に還元でき
る症例などがあるとわかりやすかったです。結局の所、適切な濃度とは何なのか教えて欲しかった
です(画像などで)
<今後とりあげて欲しい部位・撮影法・疾患やご意見ご感想>
膝関節(複数意見あり)
下肢外傷
外傷患者の撮影法(教科書に載っている方法で痛くて撮れない場合はどうするのか?)
いろいろな胸部X線撮影法と画像の特性と読影。検診、救急、立位、臥位、座位、低電圧vs高電圧
など。
膝や腰撮影法、骨腫瘍
正確な撮影を行うためのポジショニングPointと画像のPoint(手、肘、肩、膝、足関節、足)
各施設の処理条件や撮影条件の決め方、方法を聞いてみたい。
復習として肩関節、足関節、股関節など
救急での撮影法や工夫などの話しがききたいです。
読影の講義がほしいです。
救急で使えるラウエン。
足関節、アントンセンの上手な抜き方。ゾンネンカルプ、オルビトラームス等。もっと定期的に行
う回数を増やして下さい。1年に1回は少ないと思います。
27
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【研究会活動報告】
報告
第 50 回
山本 憲一
南勢地区消化管撮影技術研究会
日 時 2013 年 10 月 24 日 木曜日 18 時 30 分~21 時
場 所
市立伊勢総合病院 2 階 講堂
参加人数 25 名
内 容
*情報提供
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東芝メディカルシステムズ
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つ い て
岡部 貴浩
*ミニレクチャー
「胃X線と背景粘膜」
医療法人博仁会 村瀬病院 内科
胃・大腸センター長 吉村
平 先生
*症例検討:
まずは症例検討って何?
内視鏡をみる
今回、情報提供では東芝メディカルシステムズ 岡部 貴浩氏により CT colonograph
(CTC)について講演して頂きました。
CTCの検査方法から大腸内視鏡検査との比較や診療報酬改定での加点に伴う検査増
加等、今後の展望に至るまでの話でありました。検査方法の実際をガス注入から撮影・
画像処理・読影に至るまで詳しく説明し、仰臥位・腹臥位撮影おけるポイント等も教え
て頂きました。さらに画像処理においてはCTC専用のアプリケーションを有しており
3D画像上のアーチファクトの軽減処理ソフト等も紹介して頂きました。
今後、益々増えるであろうCTC検査については当研究会でも取り上げていく方向で
進めていこうと思います
第50回 南勢地区消化管撮影技術研究会
31
続いて吉村 平 先生による「胃X線と背景粘膜」についてミニレクチャーをご講演頂
きました。
胃癌 罹患率 現在増加しているが、今後ピロリ菌感染 少ない世代で 胃癌罹患率 確
実に減少するであろうと言われています。これから胃X腺検査 し らく、ピロリ菌保菌者 多い
世代と少ない世代 両方を検査していくことになります。近年行われつつあるABC検診などを
活用しつつ胃癌 発見に関与していかなけれ ならない。そ ために胃 背景粘膜等、基礎
知識を習得しておくべきであろうと講義されました。
ピロリ菌による胃 委縮、腸上皮化生が胃癌 組織型に関係していて、背景粘膜を理解する
事が診断に大きく関わっていて撮影・読影する技師も十分に理解することが必要であると思いま
した。
32
次に症例検討に入る前に
症例検討会とは・・・まずはどんな事をするのか?するべきなのか?したいのか?を考
えました
消化器画像診断に関与する技師
が行う検討会はどのような形式
で何を目的に行うかで様々であ
り、一般的なCPCというものと
違ったものでもいいのではない
か?
症例検討会
提示された診療の判断に苦慮する症例に対し、
医師間で治療選択や意見交換を行う場で、
同じ悩みをお持ちの方で情報交換し、臨床に
役立つ場として活用する
検討を行うに当たって必要とさ
れる基礎知識、撮影技術、読影能
力などを学習していかねばなら
ない
・病気の知識
・場所・形・大きさ・深達度等を表現する
・質的診断?
・外科的or内科的治療
症例検討をするための基礎知識として内視鏡画像の見方
前庭部
内視鏡で胃の部位がどのように
見えるのかを基本的な内視鏡検
査画像で学習した
小彎
前壁
後壁
幽門輪
大彎
今後、できれば病理についての基礎知識も勉強したいと思います
33
症例検討は
最初は進行癌の病変の場所・形・大きさを解り易い症例で検討し、病理所見と見合わせる練習
から行っていき、どんな撮影が必要かを考えました。
次に早期癌へと移っていき日常の検診業務等で遭遇する症例を皆さんで検討しました。
実際に検診でチェックされ、さらに術前の胃X線精密検査を行った症例で吉村先生のアドバイ
スをいただきながらの症例検討を行いました。
次回は2月27日の木曜日を予定しています
多数の参加をお待ちしています
34
代表世話人 町田 良典
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第1回三重県診療放射線技師学術大会 座長集約
一般演題 第一部
【超音波】
門野 隆幸(国保川越診療所)
まずは,念願であった三重県診療放射線技師会が主体となった学術大会の第1回が開催され,多くの仲
間が集結し成功裡に終えたこと.何より嬉しく想うと同時に理事各位のご努力に衷心より敬意を表する
ものであります.さて,超音波の演題は3題あり,スキルス胃がんの演題では胃壁の層構造を捉えることが
できる超音波の特性を生かした発表であった.2題目は腎結石の描出率についてのCTと比較しての検討
であった.腎臓の超音波の場合には強い反射体が血管の石灰化なのか結石なのか判断に迫られ,実質との
境界では判断に苦慮しているのが現状で,小さくなればより難易度は上がる.今回,腎結石は超音波で3ミ
リ以下とCTではCT値が300以下の場合は検出能が低下するとの発表であり,1つのベースのラインが
示された.3題目に川崎病患者の腹部超音波像が紹介された.上行結腸の限局性壁肥厚がこの症例には見
られたが,必ずしも腹部症状が先行し,特徴像を呈する訳でもないため判断としては大変難しい.だが,川
崎病の特徴とされる他の症状を合わせて全身の病態をチェックする目を養うことの重要性を痛感させ
られた報告であった.各演者ともデーター集めから文献検索,学術的考察など洗練された発表で努力と意
気込みが感じとれました.改めて深謝して座長集約とします.
【放射線治療】
内藤 雅之(三重大学医学部附属病院)
放射線治療は,演題取下げもあり,1演題の発表であった.
市立四日市病院の丹羽先生よりTotal Variation法の基礎検討についての報告がなされた.ライナック
グラフィーは,高エネルギーX線による撮影のため,コントラストがつきにくいことから,近年臨床応用が
進んでいる逐次近似法を利用した画像処理によって画質改善を目指すものであった.結果は,TV法での画
像処理を行うことで骨辺縁の信号を落とすことなくノイズの低減ができることで臨床的にも価値のある
基礎研究であった.今後は臨床画像を用いての検討を重ねて実用化に向けて研究を続けて頂きたい.
【X線検査】
西川 孝(四日市健診クリニック)
このセッションでの発表は多岐に渡る内容で,技術論,業務管理,被ばく管理に至る3題が議論された.
第5席の鈴鹿中央総合病院の岩崎は,IVR検査における術者の被ばく低減を目的に鉛カーテンの使用
経験を報告し,詳細なデーターと測定を元にその有効性について述べた.同様のカーテンを四日市社会保
険病院でも用いていることから同施設の吉田は,鉛当量の選択についての質問であった,演者より選択根
拠については明確な科学的理由が示されなかったため,この研究課題と今後も継続検討できる内容と捉
えられこの領域での更なる研究の進
を岩崎には期待したいと思う.
次に,第6席は業務の改善を目的として,そのツールにQC手法を使うという方法についての発表であっ
た.製造業や一般企業ではあたりまの考え方であり,製造業では更なる進歩を遂げている.この概念は医療
業界にも適応されてしかるべきと考えるが,まだまだそこに至っていないのが現実のようである.さて業
務を改善するうえで問題となっている事象を明確化することは需要な問題解決の本質であり,各々の業
務に携わる者全員にその問題点を客観的に『見える化』されなければならない.近々,この業務改善,問題
解決に対してPDCAと言う用語がよく聞かれるが,通常で使われているPDCA(Plan・Do・Check・
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Action)とは目標達成のためツールであるが,業務改善に必要なツールはもうひとつのPDCA必要とな
る.即ち,問題解決のためのPDCA(Problem-finding・Display・Clear・Acknowledge)がそれであり,
問題を発見し,問題を見え化して,問題解決に当たり,その確認を行う作業のサイクルである.この問題解
決のためのPDCAと目標達成のためのPDCAをツールとしてマネージメントコントロールすることが組
織的向上でありこの分野に関する書籍は多数あるので演者には今後ますますのこの分野での研鑽に期
待したい.
セッション3の最後となる第7席は,唯一の検査技術論で発表であった.学術分野における発表や学術
論文並びに研究の基本は,科学的根拠からなる統計学によって成り立ち,1例のケーススタディーでは理
論構築は成し得ない.従って,この分野での研究発表では統計学的処理が可能な母数は得られやすいので,
科学的根拠として論じる基本姿勢を今後に期待したい.また,用語や語句については原著(一番最初の論
文記載)を調べ使用することが必要であり,これらを踏まえた発表がなされることを期待する.
【MRI検査】
高瀬 伸一(三重大学医学部附属病院)
演題番号8
「3.0T Modified Look Locker Inversion recovery(MOLLI)法を用いた
腹部臓器のT1値計測」
MOLLI法という呼吸停止下でT1値測定が可能なシーケンスによる,腹部臓器のT1値計測の結果が示
された.T1値計測の手法はいくつかの方法があるが,手法により得られる値に差が生じる.この手法は主
に心臓で用いられる方法であり,心臓検査時に心電図同期しながら心臓以外の臓器も撮像が可能である.
同じ手法で測定可能なため組織の関連を調べることができるとの発表であった.
演題番号9
「当院における3.0T-MRIと1.5T-MRIの比較」
1.5TのMRI装置が3.0T装置に更新された施設における使用経験の発表であった.
その施設では頭部・乳腺・心臓を3.0Tにて検査を行っており,頭部・心臓ではS/Nの上昇が,乳腺にお
いてはマルチトランスミット技術による高い均一性が検査の画質向上に寄与しているとのことであっ
た.
3.0Tになって撮像できるシーケンスが増えたが,検査時間がなるべく延長しないように工夫している
とのことであった.
【血管撮影】
水崎 繁(三重ハートセンター)
本セッションは血管撮影装置における画質の検討を2名の演者の先生にご発表いただいた.
市立四日市病院の丹羽 正厳 氏には,「心臓カテーテル検査画像におけるコヒーレンスフィルターの
基礎的検討」をご発表いただいた.コヒーレンスフィルターの解説を行った後に,画像特性上,コヒーレン
スフィルターはリカーシブフィルターに比べ有意なノイズの低減が可能で,画質の向上が期待できる結
果であった.しかし対象物が細くなるにつれて,信号が低下し見えにくくなる傾向にあるとのご発表であ
った.
次に松阪中央病院の小濱 健太 氏には,「PHILPIS AlluraClarityの線量評価と画質の検討」をご発
表いただいた.DASにおいてはオートピクセルシフトにより良好なサブトラクション像が得られ,MTFで
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は視覚評価ではあるが,透視,撮影共に3.0lp/mmと限界解像度に近い解像度を得ることができた.更に空
間線量測定を行った結果,従来機に対して70%近い散乱線の抑制が得られ,患者被曝のみならず術者被曝
の低減が期待できる発表であった.
今セッションでは,複雑化・多様化される手技に伴い画質が求められる血管撮影装置の画像再構成技
術の基礎研究を発表いただき,充実したセッションであった.
一般演題 第二部
【乳がん・検診】
井上 友美(鈴鹿中央総合病院)
三重県学術大会第二部<乳腺・検診>のセクションでは3題の報告がありました.
1題目は三重大学医学部附属病院の田村 文香
氏より『無料乳がん検診は継続的な受診に寄与した
か?受診者追跡調査による検討』についての報告でした.三重大学病院内での無料職員乳がん検診の受
診者223名に対し,受診翌年以降の乳がん検診受診の有無についてのアンケート結果(回収率61.9%)を
報告して頂いた.結果として,翌年以降も継続して乳がん検診を受診していた率は30%(28名/94名)と決
して高いとは言えない結果であった.理由としては「自覚症状がない」「前回,異常がなかったから」な
どの回答であったが,初回受診時は無料であったことが大きな要因でもあるとも思われる(2回目以降は
有料).しかしながら,過去に受診歴が1回以上ある方は,その後の受診率が71%(30名/42名)と高率で
あることから,初回受診時における継続受診の意識づけが重要なポイントとなるとのことである.
2題目は松阪中央総合病院の奥田 拓哉 氏より『当院における乳癌センチネルリンパ節生検の実
際』についての報告で,センチネルリンパ節生検(SLNB)の詳細な検査の流れと内容を説明して頂い
た.
センチネルリンパ節生検ではセンチネルリンパ節の同定がポイントとなるが,現在同定方法としては
色素法とシンチグラムによる方法がある.正確な同定により不必要な腋窩リンパ節郭清を省略し合併症
などが防止できる.センチネルリンパ節の同定が困難な理由としては,体型や高齢である等の要因が関
与しているとのことである.三重県下では,まだ色素法とシンチグラムの両方を施行している施設が少
ない(8施設)とのことであるが,より正確なセンチネルリンパ節の同定により,患者さんのQOLが向
上する可能性があることから,両方の検査法による同定の普及が望まれます.
3題目として『各自治体の乳癌検診向上事業におけるコンピテンシー調査』について,鈴鹿回生病院
の伊藤 麗 氏に報告頂いた.コンピテンシーとは「高いレベルの業務成果を生み出す,特徴的な行動特
性.成果につながる行動特性」である.三重県における乳癌検診受診率は全国的に見て上位に入ってい
るといえるが,三重県健康福祉部が発表している県下自治体の乳がん検診受診率には地域差が認められ
る.その中で松阪市等,受診率が高い上位自治体に対し聞き取り調査を行い,内容分析が行われた.受診率
向上に結びついている行動としては「取りこぼしの無い広報案内」や休日・昼夜検診などの検診スケ
ジューリングの工夫」など,地道な啓発活動がみられた.
女性の癌の中で乳癌の罹患率は,第一位ですが,全国的に見て乳癌検診の受診率はまだまだ低い状態
です.今後も,乳癌検診受診率up,継続的な受診率向上と死亡率減少に向け,皆様とともに取り組んでい
きたいと思います.
最後になりましたが,お忙しい中を御講演いただきました先生方ならびにご参加頂きました皆様,会
場スタッフの皆様には,厚く御礼申し上げます.
【X線撮影】
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中西 左登志(鈴鹿医療科学大学)
演題15「胸部単純X線画像における障害陰影の除外方法」では,肺野の障害陰影となる肩甲骨陰影
を肺野外に描出するための創意工夫であった.経験的に胸厚が薄い患者ほど肩甲骨陰影除去が困難とな
るため,胸部と撮影台の間にスペーサーを入れて肩の可動域を向上させて肩甲骨陰影を除去する等の
試みが発表された.ユニークな研究なので,痩せた患者ほど肩甲骨障害陰影が発生する割合を定量化
し,新しい試みによってどの程度改善したかを比較すれば,中部部会等での発表が可能となると考え
る.演題16「富士フィルム社製FPDの使用経験」は富士フィルムメディカル社製のFPDが新規導入され
たので,従来から設置されているPhilips社製のFPDとの比較検討の試みである.画質はほぼ同一に出来
たものの,入射表面線量に大きな違いがあるとの報告であったが,これを解明するには線量測定も簡
易方式ではなく,正確に測定する必要があり,その他の要因も解明する必要があると考える.演題17の
「Radial tiltの測定」は,手関節骨折手術後撮影でスクリュー先端の位置を確認する際に,通常の側方
向撮影では正確に評価できないので,適正な傾斜角度を求めるという内容であった.手関節CT画像を用
いて適正角度を求めたところ,10.6°∼17.5°に分布し,平均値は16.2°であった.CT画像を用いずに単純
撮影のみで正確に撮影するためには,術後患者の手関節のなんらかの特徴を発見して分類し,タイプ別
の角度を求める等の工夫が必要と考える.
【核医学検査】
清水 孝哉(松阪中央総合病院)
演題18. みえPETがん診断センターにおける造影PET/CTの検査経験
演者:済生会松阪総合病院 田中 憲
PET検査依頼の多くが術前の転移検索や術後の再発診断であり,PET/CT検査以前に造影CTを行って
いたり,造影CT検査で異常がありPET/CT検査に回ってこられる方がいる.
これらの患者様の中には遠方からの方もいらっしゃるので,来院回数の面で負担になっている.そこ
で,造影PET/CT検査を行うことに至った.
PET製剤FDG投与時に予め生食にて血管確保を行うことによりスムーズに検査を行える.造影剤によ
る副作用のことも念頭入れ,撮像プロトコールは単純CT→PET→造影CTの順に行っている.また,副作用
発生時の対応にて1台装置が使えなくてももう1台の装置にて他の患者様には迷惑がかからないように
検査が行えている.
造影PET/CTは,造影CT・単純PET/CTと比較して有意差は認められなかったが依頼医・読影医より
十分な診断情報が得られ,患者様の負担軽減にもつながるので意義はあると考える.
演題19. 心筋SPECTにおけるcircumferential解析を用いたアーチファクトの評価
演者:済生会松阪総合病院 出口 正明
心筋SPECT撮像において,汎用型の2検出器タイプのガンマカメラを用い検出器の配置角度を180度,
90度,76度にし,各角度における収集角度範囲を360度,180度,208度で撮像を行っている.しかし,検出器の
配置角度が90度,76度では前壁から中隔にかけてのアーチファクトが出現することは周知の事実であり,
読影時に悪影響がある.そこでcircumferential解析を用いてアーチファクトの評価を行った.
Polar mapよりアーチファクトと正常部位の差が大きいと思われる部位の短軸像を抽出
し,circumferential解析を用いることでアーチファクトの部位のカウント低下を数値評価できる.
心筋ファントムを用いての解析では撮像条件によりアーチファクトが変化した.
実験結果より,胸骨や乳房による減弱ではなく180度,208度収集による影響が強く,360度収集で撮像
するほかに効果的な対策がないと考えられる.
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演題20. 心臓ROIサイズによる123I-MIBG_H/M比の検討
演者:鈴鹿回生病院 長谷川 新
123I-MIBG検査におけるH/M比の算出が半自動で解析できるソフト(以下smartMIBG)がリリー
スされ,手動に比べて術者間のバラツキ軽減や再現性の向上が報告されている.しかし患者毎に心臓の大
きさが違うにもかかわらずデフォルトのROIサイズは一定で解析を行っている.そこで心臓ROIサイズを
変更した際のH/M比を比較しデフォルトサイズが妥当であるかを検討した.
SmartMIBGを用いて技師4名で心臓ROIサイズを10cmから20cmまで2cm間隔で変化させH/M比を
算出し比較した.また,技師間でバラツキの少ないROIサイズについても検討を行った.
心臓ROIサイズ18cmを基準とした場合,その他のROIサイズで有意差は認められなかった.ROIサイズ
20cmにおいては有意差があるとまではいえないが術者間でのバラツキが他のROIサイズよりあった.こ
れは心臓の大きさよりもROIの大きさが大きかったためである.
33症例中1症例だけ基準ROIサイズより良好な結果を示したROIサイズ(14cm)があった.これは心
臓の大きさがROIサイズ(18cm)より小さかったためである.
ROIサイズはデフォルト値である18cmが最もバラツキが少なく,妥当であると考える.良好な結果を
得るためには,心臓の大きさより少し小さめのROIを採用することがポイントとなる.
【CT検査 1】
恒川 和弘(三重県立総合医療センター)
三重大学附属病院 中央放射線部 久保岡 直哉 氏による「非造影Ai-CTにおける体位変換による
大動脈解離描出の検討」は,死後変化における血液就下や血液凝固と大動脈の解離との鑑別を,造影剤を
用いず体位変換を用いて鑑別できないかという目的で行われた研究発表であった.通常,大動脈解離疑い
の症例においては造影剤を用いることが当然だと考えてしまうが,体位変換を用いるという発想の転換
が大変興味深かった.仰臥位撮影に加え腹臥位撮影を行うことにより,血液就下像の消失,血液凝固の血管
内移動が起こり,また,体位変換前後でのCT値差の変動も血液就下,血液凝固がそれぞれ,22.1±9.2HU,
16.0±7.3HUに対し動脈解離は3.8±1.8HUということで,腹臥位撮影の追加の有効性が立証された.但し,
体位変換による遺体の損傷,倫理的な問題は今後の課題となるであろうとの事であった.今回は仰臥位と
腹臥位での比較であったが,左斜位と右斜位で検討を行ってはどうかとの意見があった.
四日市社会保険病院 放射線科 磯部 好孝 氏による「PowerPortを用いた造影CTの基礎的検討」
は,PowerPortを用いた造影検査について,血流動態ファントムを用いて基礎的検討を行ったものであっ
た.従来,CVポートからの造影検査はポートの破損を懸念し不可能であったが,今回それが可能となる
PowerPortが発売された.今後,少なからずPowerPortを用いた造影検査が行われるという事で,本ポート
を用いた造影CT検査の特性を把握する事は非常に重要であると思われた.本検討では,腹部ダイナミック
時,冠動脈撮影時の造影プロトコールでのPowerPortの有無のTDCとPowerPort使用時の注入可能速度
の比較が行われた.その結果,PowerPortからの腹部,冠動脈造影プロトコール共に大動脈を想定した位置
における最大CT値到達時間は約2秒早く最大CT値は20HU高かった.注入可能速度については,中濃度造
影剤においてメーカー明記の5.0ml/secは可能であったが,これが高濃度造影剤になると4.2ml/secが上限
であったことから,造影剤濃度によっては注入速度に注意が必要である事が示唆された.また,造影検査後
はポート内に残った造影剤による閉塞をふせぐ為,20㏄程度の生理食塩水を後押しすることが義務付け
られていた.
以上,【CT検査1】セッションの2演題の内容を簡単に紹介させて頂いた.今回開催された第1回三
重県診療放射線技師学術大会においては若手技師の登竜門という事で,座長という大役を経験させて頂
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いたことに感謝して簡単ではありますが座長集約とさせて頂きます.
【CT検査 2】
森田 英稔(済生会松阪総合病院)
29席 名張市立病院 山根 孝之 氏による「石灰化スコアによる冠動脈CTの適応」では,冠動脈CT施
行時に石灰化が多い,つまり石灰化スコアの高い症例では画像評価が困難となり,診断に有用な画像を
提供できないことが多々ある.そこで,石灰化スコアと冠動脈CTの評価の関係について検討をおこな
い,冠動脈CT適応について次のように考えた.石灰化スコア500から700点あたりから画質の評価が難
しくなり,1000点を超えると評価困難な画像が増加したことより,500点から1000点までは不確定であ
るが,1000点以上は不適合で,CAGを第一選択として冠動脈CTは慎重に行うべきである.また,石灰化ス
コアが0点の場合,血管に狭窄を認めた症例は1例のみであったことより,動脈硬化の危険因子がなけれ
ば,0点では冠動脈CTの適応はない.以上の発表であったが,主に石灰化スコアは冠動脈CT施行直前,つ
まり前処置が行われた後に撮影されるため,実際には冠動脈CTを中止することは難しい.そこ
で,CAD(冠動脈疾患)と石灰化スコアの関係(石灰化スコアが高いほど冠動脈疾患である可能性も
高い)と同様に頚動脈エコーによるmaxIMT(頚動脈最大内膜中膜肥厚)はCADを反映するとの発
表もあるので,石灰化スコアとmaxIMTの関係を検討することで,石灰化リスクを予測することができ
ないか提案申し上げた.
30席 三重ハートセンター 小坂 祐紀 氏による「メトプロロール酒石酸塩とランジオロール塩酸塩
の併用投与における使用経験」では,冠動脈CT撮影時,心拍数60bpm以下を目標としており,高心拍症
例ではメトプロロール酒石酸塩(ロプレソール)を内服の後,CTCA前にランジオロール塩酸塩(コ
アベータ)を併用しており,撮影までの時間は併用群1.45±0.46hr,単独群1.27±0.35hr,撮影時心拍数は
併用群で61.4±6.3bpm,単独群で56.5±9.6bpmであった.石灰化スコア撮影時と冠動脈CT時の心拍数を
比較すると併用群で5.5±6.6%,単独群で3.2±5.3%の低下率となった.心拍数60bpm以下の達成率は,併
用群で57.5%,単独群で71.0%であったことより,ロプレソールで十分な心拍低減がみられない症例に
対してもコアベータを併用することで,さらに心拍を低減できることを確認した.以上の発表に対し,患
者の体重や心拍数によってメトプロロール酒石酸塩の量を変化させるか,または追加投与を行うこと
で高価なコアベータを使用する機会を減らせるのでないかと質問したところ,以前はその様に施行し
ていたが,煩雑な前処置の簡略化と時間短縮のために現手法になったとのことであった.
31席 鈴鹿回生病院 水井 雅人 氏による「脳血管CT-angiographyにおけるbolus tracking法のモニ
タ位置の違いによる画質評価と定量評価および評価法の相関について」では,頭部CTA撮影時,ボーラ
ストラッキング法(BT法)を用いて,モニタ部位を総頚動脈か中大脳動脈としている.そこで各モニタ
部位によるSAH発症例でのCTAの造影能などの違いを視覚的及びCT値で定量的に検討,以下の結果を
得た.視覚的評価は総頚動脈モニタで1点17.3%2点22.4%3点30.0%4点19.4%5点11.2%,中大脳動脈
モニタで1点0%2点10.2%3点24.5%4点37.8%5点27.6%となり有意差を認めた.平均CT値は総頚動脈
モニタで右中大脳動脈354.9±54.7HU左中大脳動脈351.5±54.4HU椎骨脳底動脈347.0±62.3HU中大
脳動脈モニタで右中大脳動脈418.7±68.2HU左中大脳動脈410.8±62.8HU脳底動脈394.8±79.9HUで
あった.以上の発表であり,SAH発症例では脳圧上昇などにより造影剤到達時間は予測が難しくなるた
め,目的部位を直接モニタリングすることがより良いことが確認できた.
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【三重県診療放射線技師会 学術講演会】
特別講演
特別講演1 「乳がんの診断と治療」座長集約
三重大学医学部付属病院 落合 三奈恵
今回、特別講演1では、三重大学医学部付属病院 乳腺センター 講師 花村典子先生に『乳がん
の診断と治療』のテーマでご講演いただきました。
まず冒頭で、18人に1人が乳がんにかかっていること、お母さん世代(40歳代)に罹患率が高いこ
とを話されました。私も他人事ではないと感じています。
次に、乳がんの進展を非常に解りやすく図を示されながら解説されました。上皮細胞からのがんが
最も多いこと、基底膜の損傷の有無により浸潤がん・非浸潤がんに分けられることなどを説明されま
した。
それから、実際の医療現場で行われている診察(問診・視診・触診)⇒画像診断(MMG・超音
波・MRI・乳管造影)⇒病理学的検査(細胞診・針生検・切除生検)⇒治療(手術・化学療法ホル
モン療法・放射線治療)の各項目について写真を見せながらの丁寧なご講義に、乳がんの治療までの
流れがよく理解できました。
その中で、私が印象に残っているのは三重大学病院での乳がんの手術数が約300例であること、温存
手術が可能な方でも全摘を希望される場合があることです。自分に置き換えて考えてみると、悩んだ末
に全摘を選択すると思います。
もう一点印象に残っていることは、再発すると治癒が難しいので再発をしないよう薬物治療や放射線
治療を患者さんごとに最適な組み合わせを選択されていて、再発してしまわれた時には患者さんの
QOLを高めるために副作用の少ない薬物から順に投与されているそうです。
以上、花村先生のご講演の一部をご紹介させていただきました。
最後に、“早期と仮定するならば、乳がんの手術を受けてから社会復帰までの期間はどれくらいです
か?”と質問いたしました。
乳房温存手術後の放射線治療期間は 5週間
手術後の抗がん剤の薬物治療期間は 3∼6か月
手術のみで終了ならば 退院直後から職場復帰可能
とお答えいただきました。そして、“早期発見のために放射線技師さんにも頑張ってもらい、そういう
患者さんをみつけていきたい。”と締めくくられました。マンモグラフィに携わる者として、そのお言
葉に嬉しさとやりがいを感じるとともに日々研鑽しなければと心が引き締まりました。
今回、大変お忙しいにもかかわらず、三重県診療放射線技師会にお時間をいただきご講演くださった
ことに深く感謝し、座長集約といたします。
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特別講演2 「認知症の非薬物療法」 座長集約
三重大学大学院医学系研究科 認知症医療学講座 准教授 佐藤正之先生
三重大学医学部附属病院 中央放射線部 高瀬伸一
今回の特別講演は認知症の非薬物療法に関するものでした。認知症には大別するとアルツハイマー
症によるもの、血管性の疾患によるもの、その他の原因によるものがありますが、それらの診断には
近年シンチグラフィやMRIなどの画像診断が利用されるようになってきています。器質的疾患、たと
えば腫瘍などによる認知症の診断はもちろん、解析ソフトを使用することにより認知症の診断に画像
診断は非常に有効なのですが、中には画像診断の診断法から外れてしまう認知症というものも少なく
ないのが実際のようです。それらは画像だけではなく診察、問診などから得られる情報を総合的に評価
することにより診断していくことが重要になるのですが、中でも失語から始まり、ゆっくりと症状が
進行していくPPAという病態をなるべく早期に診断し、治療することが大切だということでした。
認知症の治療は薬物療法と、本日の講演テーマである非薬物療法がありますが、研究によってはど
ちらにも同程度の効果があるといわれています。治療のガイドラインには推奨グレードがあり、非薬物
療法はグレードC1「科学的根拠はないが、行うよう勧められる」と設定されています。内容としては
運動療法、音楽療法、回想法等があり、中でも運動療法に絞るとグレードB「科学的根拠があり、行
うように勧められる」となっています。現状では音楽療法を含めた運動療法以外の方法は、介入法が難
しいこともあり現状では推奨グレードはまだ設定されてはいません。しかし、音楽療法は認知症の行
動・心理症状(BPSD)を改善したという報告もあり、エビデンスの集積が進んでいる状況ということ
でした。
三重大学で行われている音楽療法では、患者が最も充実していたころの音楽を聴いたり歌ったりする
ことや簡単なリズム遊びなどが実施されています。この方法は音楽療法に加えて回想法の側面も持ち、
自らの成功体験を追体験する手法が取り入れられているということでした。
佐藤先生にはご多忙の中、認知症と、その非薬物療法について総論的にお話頂きました。我々が現
場で検査する事の多い認知症の理解に非常に役立ったのではないでしょうか。最後に佐藤先生に御礼
を申し上げ、座長集約といたします。
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第9条
第10条
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平成25年度 第3回理事会議事録
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【編集後記】
平成25年度No.2号を御届けします。
今年は伊勢にもどか雪が降り、近鉄山田線の架線が切断されもう少しで帰宅困難者にな
るところでした。いつまでも寒い日が続きますが、木々の芽は確実に大きくなってきてお
りますので春は近いと感じております。
最近では家電量販店も商品の確認だけして、購入はインターネットでというパターンを
よく耳にする様になりました。インターネットは、遠くが手の届くくらい近いところに感
じますが、ますます地元にお金が廻らない構図が出来つつある気がします。
今まで三重県診療放射線技師会雑誌を印刷していただいていた業者さんが廃業なさった
と連絡をいただきました。印刷業者さんも写真のDPEショップの様に淘汰されていくので
しょうか?
三重県診療放射線技師会 271号 Vol.64 No.2
発行日 2014年2月23日
発行所 〒514-0004 三重県津市栄町3丁目269 富士屋ビル2F
一般社団法人 三重県診療放射線技師会
TEL/FAX 059-225-1491
H.P. : http://mieart.jp
facebookページ : http://facebook.com/mieprefart
E-mail : [email protected]
発行人 山田 隆憲
制 作 三重県診療放射線技師会編集班
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