空調機器モデルと 室内気流解析システムの開発 空調機器の開発におけるCFDの活用 ➢ 要素部品の開発 室外機 圧縮機 p.2 熱交換器 フィン形状による 伝熱特性の比較 室内機 ファン 翼端渦発生の メカニズム解析 シリンダ部の 吐出弁挙動と内圧の変化 ルームエアコンの 機内流れ解析 外気処理機 ドーム空間の内圧の変化 通過風速分布と 吸込気流の解析 漏れ流れと 圧力損失の解析 空調機器の開発におけるCFDの活用 ➢ 空調機器・空調システムの評価 室外機 室内機 室外機 室内機 p.3 外気処理機 ショートサーキット現象の 予測と対策 適正容量・台数の検討 外気処理機による 室内環境の比較 温度分布 1台の場合 全熱交換器の場合 吸込温度 2台の場合 デシカントの場合 外気処理機 シミュレーションのシステム化 ➢ 必要性と課題 p.4 ○機器の能力を適切に発揮するために、設備 設計段階でのシミュレーションは必須。 ○設備設計に必要なシミュレーションは、営 業の最前線で運用したい →運用面・技術面で課題がある ○運用面での課題 ・専用ソフトの操作習得が必要 ・作業項目が多く、工数が大きい ・専任者だけでは、数をこなせない 専用ウィザードの開発 ○技術面での課題 ・空調機器の特性を考慮した計算が必要 ・熱負荷などの設定の標準化が必要 空調機器モデルの開発 シミュレーションのシステム化 ・室内温熱環境解析 ・室外機ショートサーキット分析 本日の発表内容 ➢ 1.室内温熱環境解析システム 1−1.専用ウィザード 1−2.空調機器モデル 1−3.適用事例 2.室外機ショートカット分析システム 2−1.専用ウィザード 2−2.適用事例 3.まとめ p.5 室内温熱環境解析システム ➢ 専用ウィザード ○各プロセスでの設定項目と設定方法を標準化 ○対話的に作業を実行可能 室内気流解析のプロセス 建物構造設定 室内形状の作成 壁条件の設定 窓の設定 解析条件設定 解析手法の設定 計算条件の設定 照明の設定 解析格子作成 室内構造設定 計算実行・結果処理 什器の配置 計算の実行 発熱体の配置 結果の可視化 人の配置 改善案の考案 レポートの作成 機器配置 室内機の配置 外気処理機の配置 p.6 室内温熱環境解析システム ➢ 専用ウィザードでの実行フロー1 建物構造設定 室内形状の作成 壁条件の設定 p.7 ○室内形状の作成 ・床面形状を作図して、天井方向に引き伸ばす ・図面などを背景にして作図することも可能 窓・照明の設定 ○壁条件の設定 ・作成した室内形状から壁がリストアップされる ・各壁に、熱貫流率などを設定 ○窓・照明の設定 ・作成したい壁をリストから選択 ・作成後、設定画面が開く 室内温熱環境解析システム ➢ 専用ウィザードでの実行フロー2 室内構造設定 什器・発熱体の配置 人の配置 ○什器・発熱体の配置 ・配置する面を指定 ・登録済みのものからドラッグ&ドロップ ・CAD機能で作成 ・プロパティを設定 ○人の配置 ・配置する面を指定 ・登録済みのものからドラッグ&ドロップ ・プロパティを設定 p.8 室内温熱環境解析システム ➢ 専用ウィザードでの実行フロー3 機器配置 室内機の配置 外気処理機の配置 ○室内機の配置 ・配置する面を指定 ・登録済みのものからドラッグ &ドロップ ・プロパティを設定 ○外気処理機の配置 ・配置する面を指定 ・吸込口・吹出口を作成 ・プロパティを設定 p.9 室内温熱環境解析システム ➢ 専用ウィザードでの実行フロー4 解析条件設定・計算実行 解析手法の設定 メッシュ作成 計算実行 ○解析手法の設定 ・計算対象とする物理量の選択 ・速度場、温度場、湿度場、輻射連成 ○メッシュ作成 ・解像度を3段階から選択 ・ヘキサ格子が自動生成される ○計算の実行 ・initial/restartの選択 ・計算の実行 p.10 室内温熱環境解析システム ➢ 空調機器モデルの体系 p.11 ○吸込~熱交換~吹出をモデル化 室内機モデル カセット形 吸込部分 吹出部分 外気処理機モデル ダクト形 温湿度 変化部分 吸込部分 ダクト形 吹出部分 吸込部分 外気処理 部分 室内温熱環境解析システム ➢ 空調機器モデルの構成 p.12 リモートセンサー ・室内環境を検知する リモコン位置の温度 CO2濃度 温度センサー 湿度センサー 吸込温度 吸込湿度 リモコン 吸込部 ・室内空気を吸い込む コントローラ ・検知情報を処理する ・動作制御を決定する 供給能力 吹出温度 熱交換器 加湿量 ファン 吹出口 吸込口 風量 吹出角度 熱交換器 ・温度を変化させる ・湿度を変化させる 加湿器 ・加湿する 吹出部 ・風量を変更する ・吹出角度を変更する ・空気を吹き出す 室内温熱環境解析システム ➢ 空調機器モデルの計算ロジック p.13 ○室内機での温湿度の変化を計算 計算フロー ○プログラムとして実装 空気線図でのイメージ 冷房 START 入力 ・吸込温度 ・吸込湿度 ①吸込空 気の温 度の計 算 W/(1-BF) ②吸込空 気の湿 度の計 算 吸込 W ③吸込空 気の比エ ンタル ピの計 算 ④吸込空 気の露 点温度 の計算 設定条件 ・供給能力 ・風量 機器 露点 ⑤吹出空 気の比エ ンタル ピの計 算 ⑥機器露 点の比エ ンタル ピの計 算 ⑦機器露 点温度 の計算 暖房 機器露点 温度 < 吸込空気露 点温度 出力 ・吹出温度 ・吹出湿度 吹出 W 吹出 ⑧-1 機器 露点湿 度の計 算 ⑨-1 吹出 温度の 計算 ⑧-2 吹出 温度の 計算 ⑨-2 吹出 湿度の 計算 ⑧-3 吹出 湿度の 計算 END 吸込 室内温熱環境解析システム ➢ 空調機器モデルの計算ロジック ○外気処理機での温湿度の変化を計算 ○プログラムとして実装 入力 ・還気温度 ・還気湿度 ・外気温度 ・外気湿度 p.14 空気線図でのイメージ 全熱交換器 外気 外気 排気 給気 還気 設定条件 (外気処理機に より異なる) 外気 処理機 デシカント 給気 外気 還気 出力 ・給気温度 ・給気湿度 空調機器の特性を組み込むことが可能 還気 給気 室内温熱環境解析システム ➢ 空調機器モデルの形状と境界条件 p.15 ○吹出し気流を可視化し、境界条件の設定方法を決定 PIVによる可視化 カセット形室内機 アネモ型吹出口 空調機パーツ (形状+境界条件) 解析例 室内温熱環境解析システム ➢ 適用事例1 p.16 ○対象:果実倉庫 ○目的:室内機の台数・容量の検討 パレット 室内機 10HP×7台のレイアウト 吹出 15HP×4台のレイアウト 吸込 室内機 風量 設定条件 [m3/min] 設定値 case1 10HP×7台 180 吹出温度固定 -1.7 case2 15HP×4台 240 吹出温度固定 -1.7 室内温熱環境解析システム ➢ 適用事例1 p.17 ○対象:果実倉庫 ○目的:室内機の台数・容量の検討 10HP×7台の場合 温度[℃] 室内機の気流が倉庫中央まで届かない。 反対面に設置されている室内機の気流と干 渉する。 パレット位置で0℃を超える。 15HP×4台の場合 温度[℃] 室内機の気流が倉庫中央まで届く。 パレット上部で0℃以上の領域がみられる が、パレット高さでは0℃を維持出来る。 これらの結果から、15HP×4台のレイアウトが採用された 室内温熱環境解析システム ➢ 適用事例2 p.18 ○対象:病院の待合室 ○目的:併設する外気処理機の検討 11[m] 3[m] 0.2[m] 室内機 吸込口 390CMH アンダ ーカット BLD1500 390CMH RA 1m× 0.03m 120CMH×10ヶ 530CMH 柱 座席数90 BLD1500 FXYM P71MA BLD1500 8[m] BLD1500 BLD1500 2.75 [m] 室内機 吹出口 1 ×1 m 5.4[m] 530CMH BLD1500 15[m] 柱 2[m] OA:20℃ 2.75 [m] 5[m] BLD1500 BLD1500 540CMH 400CMH SA 1.2[m] 2[m] EA 外気処理機 吹出口 BLD1500 外気処理機 吸込口 1 ×1 m 1.8[m] 2.55 5.25[m] 0.2[m] ○人体負荷条件 ・人数:45[人] ・設定方法:床面に均一 室内温熱環境解析システム ➢ 適用事例2 p.19 ○対象:病院の待合室 ○目的:併設する外気処理機の検討 全熱交換器 デシカント 温度[℃] 温度分布 平均温度:25.9[℃] 平均温度:25.9[℃] 湿度[%] 湿度分布 平均湿度:58.4[℃] 平均湿度:41.2[℃] 本日の発表内容 ➢ 1.室内温熱環境解析システム 1−1.専用ウィザード 1−2.空調機器モデル 1−3.適用事例 2.室外機ショートカット分析システム 2−1.専用ウィザード 2−2.適用事例 3.まとめ p.20 室外機ショートサーキット分析システム ➢ ショートサーキットとは p.21 室外機が排気を吸い込むと、熱交換効率が低下することにより性能が低下する(ショートサー キット現象)。 空調機の能力を最大限に発揮させるために、室外機の設置基準を明確化して適正な設置方式を 推奨している(1990年から運用)。 吸込温度上昇による消費電力の増加 メーカ・カタログ記載の能力表から作成した特性 消費電力 消費得電力(KW) 12 10 8 RHXYQ8PY1 RHXYQ10PY1 RHXYQ12PY1 6 4 2 0 15 20 25 30 35 40 45 外気温度 吸込温度 吸込温度が 2[℃]高くなると2~6[%] 電力消費量が増加する (冷媒をより高温で圧縮させるため、 コンプレッサー動力が増加)。 室外機設置基準書の例 室外機ショートサーキット分析システム ➢ 室外機の配置で生じる問題 p.22 ショートサーキット現象は、室外機を適切に設置をすることで回避できる。 しかしながら、配置が複雑、室外機の隠蔽(意匠性重視)など、設置基準を満たすことが困難 な建築物が増えている。 適切な室外機の設置をサポートをするために、CFDを用いた室外機ショートサーキットシ ミュレーションツールを開発し運用している。 <シミュレーションによる設置方法の検討> ・分散配置は無理か? ・かさ上げ・ダクト使用は可能か? ・吸込・吹出の分離は可能か? 室外機ショートサーキット分析システム ➢ システムの特徴 ○専用ウィザード ・モデル作成、計算実行、結果の可視化まで対話的に実行可能 ○室外機モデル作成機能 ・機器形状、吸込・吹出条件の標準モデル ○基本パターンによる建物形状作成機能 ・矩形、L字型など標準的な形状からパターン化 ○拡張コピー ・フロア積み上げ機能 ○分析結果の出力機能 ・室外機の吸込温度、特定断面の温度分布の自動出力 p.23 室外機ショートサーキット分析システム ➢ 専用ウィザードによる実行フロー1 p.24 室外機ショートサーキット分析システム ➢ 専用ウィザードによる実行フロー2 p.25 室外機ショートサーキット分析システム ➢ 専用ウィザードによる実行フロー2 p.26 室外機ショートサーキット分析システム ➢ 専用ウィザードによる実行フロー3 標準レポート機能による報告書の例 p.27 室外機ショートサーキット分析システム ➢ 適用事例 シミュレーションモデル p.28 室外機 格子(トリムメッシュ) 室外機ショートサーキット分析システム ➢ 適用事例 領域全体 断面A p.29 断面B 断面A 断面B 断面位置 室外機近傍 まとめ ➢ ○室内気流解析システム ・専用ウィザードを開発した。 ・マニュアルレスでのモデル作成を可能とした。 ・空調機器をモデル化し、形状と境界条件が一体となった パーツを作成した。 ○室外機ショートサーキット分析システム ・専用ウィザードを開発した。 ・マニュアルレスでのモデル作成を可能とした。 ・ショートサーキットの分析を自動で行えるようにした。 p.30
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