医療機器情報コミュニケータ(MDIC)標準テキスト 「医療情報・標準化編

2009年度厚生労働白書
ゼミナール発表スライド
第2部:主な厚生労働行政な働き
第7章:国民の安全と安心のための施策の推進
第5節:健康危機管理体制の強化
発表者:及部航
番号:060781065
ページ:224p
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健康危機管理体制
厚生労働省の健康危機対応
健康危機管理基本指針に基づき必
要な体制を整備
国民の生命・健康の安全を脅かす健
康危機への迅速かつ適切な対応を図
る
2001年(平成13年)省庁再編に伴い
改定
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健康危機管理基本指針とは
 厚生労働省の制度である、健康危機管理特化し
たこの制度の定義
 (1)この指針において「健康危機管理」とは、医薬品、食
中毒、感染症、飲料水その他何らかの原因により生じる国民
の生命、健康の安全を脅かす事態に対して行われる健康被害
の発生予防、拡大防止、治療等に関する業務であって、厚生
労働省の所管に属するものをいう
 (2)この指針において「健康危険情報」とは、医薬品、食
中毒、感染症、飲料水その他の何らかの原因により生じる国
民の生命、健康の安全に直接係わる危険情報をいう
 (3)この指針において「健康危機管理担当部局」とは、医
政局、健康局、医薬食品局、医薬食品局食品安全部及び労働
基準局安全衛生部をいう
出展:厚生労働省ホームページ
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健康危機管理担当部局の詳細
 前項の定義にある健康危機管理担当部局
 医政局
 21世紀における良質で効率的な医療提供体制の実現に向けた政策
の企画立案を行う
 健康局
 保健所等を通じた地域保健の向上、感染症や糖尿病、生活習慣病
の対策等(シックハウスもこの部署)
 医薬食品局
 医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器の有効性・安全性の確保
対策のほか、血液事業、麻薬・覚せい剤対策など、国民の生命・
健康に直結する諸問題を担当
 医薬食品局食品安全部及び労働基準局安全衛生部
 食品安全情報などを扱う
出展:各部局ホームポージ
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健康危機管理体制
国立試験研究機関内、健康危機管理調整
会議
幹事会と合わせて毎月2回、厚生労働省の関
係部局が連携
感染症、食中毒、医薬品、飲料水汚染など情報交
換
適切な健康危機管理対策を考案
万一重大な健康被害が発生
直ちに「健康危機管理調整会議」を招集
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国立試験研究機関とは
言葉の通り国の研究機関
1874年設立の国立医薬品食品衛生研究
所が第一号
各省庁の管轄で運営
国立試験研究機関とは国公立研究所と
同義
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健康危機管理調整会議とは
健康危機管理担当部局における健康危機
管理に関する取組についての情報交換
厚生省健康危機管理調整会議を設置
円滑な健康危機管理の調整を確保
会議の組織
厚生省健康危機管理調整会議設置規程に定める厚
生科学課長が主査
厚生科学課に事務局を設置
業務
担当部局間の連絡調整
意見交換等多岐にわたる
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健康危機管理調整会議の
主な対応事例
2001年:アメリカ炭疽菌事件
2004年:高病原性鳥インフルエンザ
2008年:中国産輸入冷凍ギョウザが原
因と疑われる健康被害事例
2008年:非食用事故米穀への対応
2009年:新型インフルエンザへの対応
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アメリカ炭疽菌事件
アメリカ炭疽菌事件
炭疽菌(生物兵器になりうる猛毒)をメディア
関係者、議員などに送り22人の死傷者を出
した事件
厚生労働省の対応
医療機関に対し、炭疽などの感染症患者を診
察した場合、速やかに国に連絡するよう要請
テロ事件等に起因する災害発生時の情報伝達
の円滑化
広域災害・救急医療情報システムに登録されてい
る医療機関等の連絡先を再確認
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高病原性鳥インフルエンザ
高病原性鳥インフルエンザ
鳥を対象とした強毒株のウィルスが蔓延
当初より強毒株
感染伝播の過程でHA遺伝子に変異
人への感染も報告(H5N1亜型が有名)
卵、食肉からの感染は世界的に未報告
厚生労働省の対応
高病原性鳥インフルエンザの情報公開
相談窓口開設
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鳥インフルエンザの種別
高病原性鳥インフルエンザウイルス
H5亜型とH7亜型のウィルス に限定
“高病原性”は鳥に対する病原性
一般のインフルエンザとの定義
最低8羽の4~8週齢の鶏に感染させて、10
日以内に75%以上の致死率が基準
分子遺伝学的な定義
HA分子の開裂部位における塩基性アミノ酸の連
続が存在すること
出展:感染症情報センター 鳥インフルエンザQアンドA
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中国産輸入冷凍ギョウザが原因と
疑われる健康被害事例
 中国製冷凍餃子中毒事件
 メタミドホスなど有機リン系殺虫剤が中国産の冷凍
ギョウザに混入
 中毒者を出し発覚
 食の安全、中国産への不信感が募る
 厚生労働省の対応
 保健所における健康危機管理体制の整備の徹底
 食中毒等事案への対応の強化
 衛生管理の徹底等を要請
 メタミドホスの食品健康影響評価を依頼
 等多岐にわたる対応
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非食用事故米穀への対応
事故米不正転売事件
保管中にカビや基準を超える残留農薬などを
含む汚染された米、これを食用に不正転売し
食の安全が脅かされた事件
農林水産省の管理責任も問題
食の安全
農林水産省、厚生労働省及び内閣府食品安全
委員会が連携することが不可欠
食の安全を管理する関係省庁によるチェック
と相互牽制が働くことが重要
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新型インフルエンザへの対応
 新型インフルエンザ
 豚インフルエンザ として発生
 ヒト-ヒト感染にともない新型に名前を改名
 WHOが最大のフェーズ6宣言
 パンデミックを起こし現在も蔓延
 ワクチン等対策が急務
 厚生労働省
 新型インフルエンザに対するガイドラインを作成
 航空機・船舶に対する検疫を強化
 医療機関以外の施設においても停留措置を行えるよ
う体制を整備
 患者に対し、不要不急の出国を自粛するよう勧告等
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参考画像:google images
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内容に関する私見
厚生労働省は定期的に会議を行い情報交
換し危機管理に努めている点は日本国民
の一人として頼もしい省庁であると改め
て感じる
大きな健康被害や混乱を起こしかねない
事例にも迅速な対応が期待でき、現代日
本でパンデミックが起きない要因である
と考える
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