日本進化学会ニュースvol.1 No.3

Vol.
1 No. 3
“Society of Evolutionary Studies, Japan”News Vol. 1, No. 3
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S
日本進化学会第 2 回大会報告
2000 年 第 1 回日本進化学会評議員会報告 2
日本進化学会 2000 年度総会報告
プラナリアの有性生殖と無性生殖
5
7
破片化した二枚貝巻き貝から探る
捕食者と被食者の古生物学 10
進化学に関する本の紹介
13
今年開催予定の進化学に関連したお知らせ 14
新入会員名簿
16
2000 年度 第 1 回日本進化学会評議委員会 報告
日本進化学会 2000 年度総会 報告
2
2000 年度 第 1 回日本進化学会評議員会
平成 12 年 10 月 7 日(土)20 : 00 ∼ 22 : 00
東京大学駒場キャンパス 15 号館 409 会議室
出席者 幹 事 大澤 省三、宮田 隆、五條堀 孝、矢原 徹一、巖佐 庸、斉藤 成也
評議員 石川 統、植田信太郎、太田 朋子、岡田 典弘、河田 雅圭、倉谷 滋
小林 一三、白山 義久、高畑 尚之、西田 治文、長谷川政美、長谷川真理子
長谷部光泰
会計監査
堀 寛、三中 信宏
評議会次第
1. 2000 年度大会の準備状況および進行状況について
2. 日本進化学会会計について
1)1999 年度会計報告(10 月∼ 12 月)
2)2000 年度会計決算中間報告(1 月∼ 9 月)
3)2001 年度会計予算審議(1 月∼ 12 月)
4)会計監査報告とその承認について
3. 2001 年度、2002 年度大会開催地の選定について
4. 2001 年度副会長(2002 年度会長)の選定について
5. 2001 年度、2002 年度会計監査の選定について
6. 編集委員会および「日本進化学会ニュース」について
7. 木村賞について
8. 国際学会誌について
9. 会員の範囲拡大と獲得促進について
10. 学会 website について
11. 今後の学会運営および大会運営について
12. その他
第 1 回日本進化学会評議員会 議事録
1. 2000 年度大会の準備状況および進行
会員が集まる最初の大会であることか
状況について
ら、会員に共通の話題を提供することを
2000 年度大会の準備状況および進行状
目的としてシンポジウム形式を採用した
況について、長谷川政美(第 2 回大会
長)から報告があった。
日本進化学会において、この大会が実
ことが報告された。
これについて、次のような意見があっ
た。
質的に第 1 回の大会となるため、参加者
・分子進化に関するシンポジウムが多い
数、ポスター発表数、ポスター発表内容
ように思えるので、生態関係、化石関係
など予測のできない不確定要素が多いこ
など全体のバランスを考慮したプログラ
とから、一般発表はすべてポスター発表
ムをつくっていただきたい。
とすることにした。また、広い分野の話
・本学会の特色を考えると、各分野のメ
題を扱うことと、専門を異にする多くの
ニューをそろえることも必要で、そのよ
“Society of Evolutionary Studies, Japan”News Vol. 1, No. 3
うな幅広い話を若い人が聞くよい機会を
いただきたいという意見がだされた。こ
与えているのではないか。
れについては、会計幹事の補佐役を設け
・学生に口頭発表の機会を与えて慣れさ
ることで、対応していくことが承認され
せることも重要であることから、口頭発
た。
3
表を加えてもよいように思う。
・広い分野の研究者を集めていることか
3. 2001 年度、2002 年度の大会開催地の
ら、他の学会とは違って、異なった分野
選定について。
の研究者に会える楽しみがある。さらに
本学会の存在がまだ広く浸透していな
さまざまな分野からの会員が集まれるよ
いため、知名度の向上と、新たな会員を
うに発展させていきたい。
獲得するために、当分の間、東京と京都
・プログラム的に、議論をする時間が比
および大阪での交互開催がよいのではな
較的少なかった。
いかということで、意見が一致。2001 年
これらの意見をまとめ、テーマごとに
度は、宮田隆・現副会長を大会委員長と
会場をわけることも含めて、当分の間、
して、京都で開催する案が出され、大方
幹事校および大会開催者で試行錯誤を
の賛同が得られた。
し、それぞれの特長をだすようにすれば
ということになった。
2002 年度の大会については、石川統・
幹事を大会委員長として、国立遺伝学研
究者の五條堀孝・庶務幹事および斉藤成
2. 日本進化学会会計について
日本進化学会会計について、矢原徹一
(会計幹事)から報告があり。
2000 年度は1 月 1 日より12 月末日であ
ることから、今回は会計の 1 月から 9 月
也・編集幹事の協力のもとで開催するこ
とも、大方の賛同が得られた。
4. 2001 年度副会長(2002 年度会長)の
選定について
副会長への立候補がなかったことか
末日までの中間報告を行い(資料 1)
、正
ら、
『日本進化学会細則』第 8 条に則り、
式な会計報告は来年度に行うことが述べ
選挙を行った。
られた。9 月 30 日現在の会員数は 633 名
第 1 回投票の得票数(有効投票数 13)
であるが、本大会を契機に会員数が伸び
太田 朋子 2 票 五條堀 孝 2 票 ることを予想して、2000 年度予算案は会
矢原 徹一 2 票 馬渡 峻輔 2 票 員数を 700 名として策定し、進化学会ニ
石川 統 1 票 長谷川政美 1 票
ュースを今年3 回発行しても、106,000 円
高畑 尚之 1 票 瀬戸口烈司 1 票 の繰越金が見込まれることが報告さ
棄 権 1 票
れた。
以上の結果、規定により、2 票を獲得
この決算の中間報告および予算案につ
いて、了承された。
会計報告とともに、矢原徹一・会計幹
事から、入会金および会費の徴収などの
した 4 氏をとり、再投票を行った。
矢原 徹一 5 票 五條 堀孝 4 票 太田 朋子 2 票 馬渡 峻輔 2 票
これにより、2001 年度副会長に矢原徹
会計業務の連絡について、もう少しこま
一会員が選出された。
めに連絡がとれ、対応できるよう、来年
5. 2001 年度、2002 年度の会計監査の選
度は東京地区の会員に会計幹事について
定について
4
時間の関係で次回へ繰り越し。
化学会奨励賞の創設も承認された。
日本進化学会奨励賞は、40 歳以下の
6. 編集委員会および「日本進化学会ニ
ュース」について
研究者について、毎年 2 名に賞金 5 万円
を贈与することになった。
斉藤成也・編集幹事より、
「日本進化
学会ニュース」の編集委員の選出に関し
8. 国際学会誌について
て、意見を求める発言があったが、編集
五條堀孝・渉外幹事から、日本国内だ
委員会の構成および編集委員の選出は編
けでなく、海外へ情報を発信する意味
集幹事に一任することが承認された。
で、国際学会誌の発行の必要性が説明さ
れた。
7. 木村資生記念学術賞について
五條堀孝・庶務幹事より、木村賞の創
設が提案された。
故・木村資生の弟さんと木村克己先生
これについて議論されたが、学会が主
導権を握って出版する場合、出版社・販
路等との関係で、発行は現時点では議論
と準備が足りないということになった。
の努力により、木村先生のいとこにあた
財政的にも、現在は、学会の基盤を固め
るスズキ自動車会長でスズキ財団の鈴木
る時期であることから、無理がある。こ
修会長が、木村資生氏の業績を後世に伝
れについては、今後も議論を継続してい
えるとともに、優れた進化学の研究者の
くことが承認された。
研究を助成するため、毎年 120 万円を学
会に寄付する用意があるので、学会とし
てよい研究者を推薦してほしいとの話が
9. 会員の範囲拡大と獲得促進について
設立1 年目を迎えた2000 年9 月30 日現
あった。この提案は、発足間もない日本
在の会員数は 633 名。まだ会員数が少な
進化学会にとってもよいことから、木村
い理由として、日本進化学会が設立され
資生記念学術賞(木村賞)の創設が提案
たことを知らない人が多いこと、また、
された。
どのような活動を行うのか模様眺めの人
これについて議論され、木村賞の創設
が多いという意見がだされた。会員数が
と、対象者として、当分の間、国内の研
多いことがよいとは一概にはいえない
究者に限り、年齢制限を設けず、毎年 1
が、より多くの分野の人々の参加を募
名に、賞金 100 万円を贈与することが承
り、その議論を通して研究を発展させて
認され た。
いくことが重要である。会員の範囲拡大
また、木村賞の受賞対象者の選考につ
と獲得をするために、積極的に学会の存
いて、会長が選考委員を 5 名程度選んで
在を周知する必要があり、今後、報道関
選考し、委員会に諮ることとなった。
係等への働きかけを積極的に行っていく
この木村賞の創設にともない、日本進
ことで一致した。
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5
日本進化学会 2000 年度総会
2000 年 10 月 8 日(日)16 : 30 ∼ 17 : 30
東京大学駒場キャンパス講堂
総会次第
0. 議長の選出
1. 会長の挨拶・報告(大澤省三)
2. 大会長の挨拶(長谷川政美)
3. 庶務幹事報告(五條堀孝)
1)2001 年度副会長選挙報告
2)木村資生記念学術賞(木村賞)
3)日本進化学会奨励賞
4. 会計幹事報告(矢原徹一)
5. 編集幹事報告(斉藤成也)
1)編集委員会
2)日本進化学会ニュース
6. 渉外幹事報告(巖佐 庸)
1)2001 年度大会開催地
2)2002 年度大会開催地
7 .2001 年度大会長の挨拶
8. その他
2001 年度予算案審議
日本進化学会 2000 年度総会議事録
0. 議長の選出について
2. 大会長挨拶
庶務幹事の五條堀会員から、議長の推
第 2 回大会の企画趣旨および大会運営
薦・立候補をうけつける旨の発言があっ
について説明があった。今回が実質的に
た。しかし、推薦および立候補がなく、
第 1 回の大会となるため、参加者数、ポ
庶務幹事から岡田典弘会員が推薦され、
スター発表数、ポスター発表内容等、予
拍手で了承された。
想しにくい不確定要素が多いことから、
・総会の成立について
一般発表はすべてポスター発表とした。
「日本進化学会細則」第 5 条を満たす
また、広い分野の話題を扱うことと、最
70 名以上の出席があることが確認され、
初の大会であることから、会員に共通の
総会の成立が宣言された。
話題を提供することを目的としてシンポ
・総会の議事次第について
ジウム形式を採用した。この方式につい
「日本進化学会細則」第4 条をもとに、
ては、いろいろな意見が寄せられている
2000 年 10 月 7 日に開催された日本進化学
が、個人的にはよかったと考えている。
会評議会において承認された、上記の議
これからも、大会ごとに特長をだすよう、
案が総会に提出された。
企画・運営には試行錯誤でさまざまな試
みをしたほうがよいのではないか。
1.会長挨拶
第 2 回大会において、本総会までに約
350 名の参加があり、成功裏に進んでい
ることに対して、会員各位と第 2 回大会
役員に感謝の意が述べられた。
3. 庶務幹事報告
1)2001 年度副会長選挙報告
10 月 7 日に開催された評議委員会で、
「日本進化学会細則」第8 条に則り選挙を
行った結果、矢原徹一会員が選出された。
6
2)木村資生記念学術賞(木村賞)の創設
について
報告された予算案は拍手で承認された。
5. 編集幹事報告
故・木村資生先生の弟様、奥様、そし
「日本進化学会ニュース」の編集委員
て義兄弟のスズキ自動車会長のご好意に
として、伊藤元己、岩部直之、大路樹
より、スズキ学術財団より毎年 120 万円
生、加藤和人、河田雅圭、近藤るみ、
の寄付を受けることができる。これを基
佐々木顕、鈴木仁、塚谷裕一を選考し実
金として、木村資生記念賞の創設を議論
際の企画にあたっているが、広い分野の
していただきたい。木村資生賞の受賞対
話題を提供したいことから、新たな編集
象者としては、当面、国内の研究者で年
委員の立候補を受け付けるとの説明があ
齢制限は設けないこと、賞金は 100 万円
った。第 3 号は、第 2 回大会の報告をか
とすること。
ねて、年内の発行を目指していく。
3)日本進化学会奨励賞の創設について
日本進化学会奨励賞の創設も評議委員
ここで紹介された編集委員について、
拍手で承認された。
会で了承されたと報告された。奨励賞は、
原則として毎年 2 名、40 歳以下の国内研
究者を対象として、学会予算から 1 名当
たり賞金 5 万円とする。
以上の 1)2)3)について、総会出席
者から拍手で承認された。
6. 渉外幹事報告
2001 年度度第 3 回大会は、宮田隆会長
を大会長として、京都で開催される予定
である。
2002 年度第 4 回大会は、石川 統委員
木村資生賞と奨励賞の創設により、会
を大会長として、国立遺伝学研究所の五
長が 5 名の選考委員からなる委員会を作
條堀会員および斉藤成也会員らの支援を
り、選考にあたることも、拍手で承認さ
えて東京での開催を予定している、との
れた。
説明があり。これらについて、承認され
た。
4. 会計幹事報告
2000 年度は2000 年 1 月 1 日に始まるこ
7. 2001 年度大会長の挨拶
とから、今大会では中間報告となること
宮田隆副会長から、第 3 回大会は、21
が、まず、説明された。現在の会費およ
世紀の初めにあたることから、将来をみ
び入会金の納入状況も報告。
すえたよい大会にしたいので、ご協力を
予算案(別紙参照)は、9 月 30 日現在
お願いしたいという趣旨の挨拶があった。
で633 名の会員であり、今後会員が増加
することを前提としつつ、700 名と少な
く見積もり策定したものであるが、あと
1 号、日本進化学会ニュースを発行して
8. その他
矢原徹一会員から、大会を盛り上げ、
かつ多くの分野の人が集まるよう、ポス
も年度末には10 万円程度の繰越金が見込
ター発表の中から優れたものを評議委員
める。
が選び、ポスター賞を贈呈することが提
また、日本進化学会奨励賞の賞金につ
案された。これは拍手で承認され、懇親
いては、入会金の一部をあてることで運
会の席でポスター賞を発表・贈呈するこ
営できる見通しである。
ととなった。
“Society of Evolutionary Studies, Japan”News Vol. 1, No. 3
7
普遍暗号では終止のUAA がTyr に変わっ
プラナリアの
有性生殖 と無性生殖
ているらしい。この暗号を翻訳する tRNA を探し始めたが、これも時間切れと
なってしまった。しかし副産物があっ
た。プラナリアのサンプルは三重県藤原
日本進化学会初代会長
(Email: [email protected])
岳山麓で集めたものを使っていたが、異
なる sequence をもつ 2 種の個体群に分か
れ、A 群の配列は均一だが、B 群のもの
は個体間のみならず、一個体の中でも
プラナリアと言えば、切っても切って
heterogeneity がある(heteroplasmy)とい
も増えるので一般には無性生殖の代表的
う結果が出た。そこでプラナリアの専門
な動物のように受け取られがちである。
家川勝正冶さんを煩わしてサンプルを調
しかし日本内地の方々に普通なプラナリ
べてもらったところ、A 群の成熟個体は
ア(ナミウズムシ: Dugesia japonica)
生殖器官を持つ有性系統、B 群は例外な
は立派に有性生殖が出来るのである。こ
く生殖器官を欠く無性系統であることが
のプラナリアは温度の低い高地ではもっ
分かった。有性生殖ではミトコンドリア
ぱら有性生殖を行うが、夏の短期間は分
は、卵細胞を通してのみ子孫に伝わる、
裂によって無性生殖で増える。ちなみ
つまり bottle neck effect が働き、変異の
に、プラナリアは雌雄同体で有性生殖は
ほんの一部しか遺伝しない。これにくら
別個体間の交尾による。この有性・無性
べて無性的に増えるときは、個体内に分
生殖がどのように決められるのかは未知
散 し て い る 未 分 化 の parenchymal cells
で、生態進化の上からも興味ある課題と
(neoblasts といい、1 個体に10 の6 乗以上
いえる。私が名古屋大学の定年間近なこ
あると言われる)が分裂に際し分割面に
ろ、偶然の機会からこの問題に興味を持
集まり新しい個体の形成に関与すると言
ち、少しずつやり始めたが時間切れとな
われている。したがってneoblasts を通し
ってしまい、いまなを未練を残してい
てのミトコンドリア変異の子孫への伝達
る。
は、有性生殖に較べてはるかに効率的で
ことの発端から始めよう。当時(1991
あり、個体間、個体内の多型の存在もよ
年頃)私たちは遺伝暗号の進化の研究に
く理解できる。さらに面白いのは、A 系
集中していたが、ミトコンドリアの暗号
統のものの体細胞染色体は、全て 2n =
がとくに派手に変化していることから、
16(図 1A)
、B 群のそれは全て mixoploid
暗号進化のルールを知るためには、多く
(2n と3n の混合)になっているのである。
の動物のミトコンドリアの暗号変化を系
これは田村幸子さんに調べてもらった、
統的に調べる必要が出てきた。プラナリ
これではとても有性生殖が可能と思われ
アもその一つで、当時大学院生だった別
ない。藤原岳には、有性、無性の 2 系統
所義隆君にミトコンドリア COI 遺伝子
が同所的にいるのである。COI の簡単な
の sequence を調 べてもらっていた。
系統樹を書いてみると、A 群(図 2 の A1,
UGA = Trp ; AAA = Asp ; AGR = Ser. こ
11 個体; Type A)と B 群(D14-25; Type
こまでは他の動物でも分かっていたが、
D)の分岐はかなり古く、長期間有性群
8
と無性群が混生してきたと推定される。
多型がみられ、染色体は 3n(図 lB)
、全
なを、A と L(台湾阿里山のもの、後述)
ての個体が生殖器官を持たない。Duge-
は有性生殖群でCOI の均一性がみてとれ
sia japonica は高温の地では、無性生殖だ
るし、D とK(台湾墾丁のもの、後述)は
けで増殖するが、寒冷地では、無性生殖
無性生殖群でかなりの多型を示し、特に
が可能な期間が夏の短期に限られている
K では著しい。K4-l、K4-2、K4-3 は同
ので、十分な集団のサイズを維持するに
一個体のもので、hetgeroplasmy になって
は、有性生殖が増殖の主な手段となるの
いることを示す
であろう。日本の藤原岳は水温からみ
有性生殖個体高温で飼うと無性生殖し
て、墾丁と阿里山の中間にあたり、それ
かやらないので有性、無性生殖は温度に
が有性と無性の系統の共存を可能にして
より左右されているというのはほぼ確か
いるのだろうか。
と思われる。無性生殖系統の個体を低温
分かっている事実はこれだけである。
で飼った実験はないが、おそらく生殖器
プラナリアでは有性系統から無性系統が
官は出来てこないであろう。
出たのか、或いはその逆なのか?
それでは、気温の常に高いところのプ
多分、
有性が先と思われるが確証はない。もし
ラナリアは生殖器官を欠き、染色体もお
有性が先なら、染色体の polyploid 化が、
かしくなっているのだろうか。Dugesia
高温で誘発され、その結果無性生殖しか
japonica は、日本、朝鮮、中国、台湾の
出来なくなったのか。或いは、別の原因
淡水に広く分布している。そこで、上の
で無性系統が生まれ、その結果、染色体
問いに答えるため、私たちは、数回にわ
のpolyploid 化が起きたのか、これもまだ
たり寒帯と亜熱帯を合わせもっつ台湾各
分からない。染色体のコピー数が増せば
地でプラナリアを採集して回った。主な
遺伝子発現の量からはメリットがあると
ところは阿里山(2000m、初夏の水温 8
考えられなくもない。
度 )と最南端の墾丁公園(30m、初夏の
ここで思い起こすのが Lamarck の用・
水温25 度)である。
(ちなみに日本の藤原
不用説である。この説は“生物がある環
岳の水温は初夏で 13 度)
。結果は極めて
境に適応すると、次の世代も同じように
単純明快で、阿里山のもののミトコンド
適応した性質をもつようになり、これが
リア DNA は全て同配列で heterogeneity
進化の原因となる。不用の方だけを見る
はなく、体細胞染色体は 2n、成熟個体
とある器官は、使われなければつには消
の全てに生殖器官がある。一方、墾丁の
失させるに至る”ということになる。勿
ものは、著しいミトコンドリア DNA の
論、生殖細胞が親の経験を知ることを前
提にした Lamarck の
獲得形質の遺伝はあ
A
りえないのだが、用
の方は別にして、不
用の方はそのメカニ
B
図 1 Dugesia japopnica の核型。A :有性生殖系統 2n、B :無性生
殖系統 3n(Tamura ら, 1979 より)
ズムに立ち入らなけ
れば、原則的には正
しいのではなかろう
“Society of Evolutionary Studies, Japan”News Vol. 1, No. 3
9
か。プラナリアの場合を例にとって考え
てみよう。寒冷の地では、有性生殖が主
体なので、有性生殖関係の遺伝子に有害
変異が起きると、負の淘汰の対象なる。
しかし、高温の地では無性生殖で十分繁
殖が出来るので、有性生殖は必要でなく
なり、寒地では有害であるべき有性生殖
関係の遺伝子に起きた変異は中立変異と
なる。もしそうなら、不用となった遺伝
子に中立変異が蓄積して偽遺伝子となり、
(機能的な不活性化)ついにはゲノムから
除去されてしまう可能性がある。これは
今日の進歩した遺伝子解析によって実証
可能である。さて、それでは Lamarck の
いう“用”の方はというと、これはありそ
うにない。生殖器官の形成や有性生殖に
まつわる現象に関与する遺伝子は単一で
はあり得ないから、除去されてしまった
それらの遺伝子のすべてが復活する確率
はほとんどないからである。
不用となった遺伝子が不活性化された
り、除去されたりする例は珍しくない。
暗所に住む動物(魚、昆虫、ヤスデ、エ
図 2 Dugesia japonica のミトコンドリア COI
遺伝子の系統樹(NJ 法)
。A1 :三重県藤原岳(水
温 13 度)の 11 有性生殖個体。多型検出されず。
核型 2n。D14-25 :三重県藤原岳(水温 13 度)
の 12 無性生殖個体。多型あり。核型 2n と 3n の
mixoploid。L1 :台湾阿里山(水温 8 度)の 6 有
性生殖個体。多型検出されず。核型 2n。K1K4 :台湾墾丁(水温 25 度)の 4 無性生殖個体。
多 型 あ り 。 K4-1、 K4 -2、 K4-3 は 同 一 個 体
(heteroplasmy)
。核型 3n。
系統樹は解析したもの一部しか示していない
が、結論は同じ。
(Bessho ら、1997 より)
ビ、それにメクラモグラネズミなど)で
は、眼が退化したものが多く、メクラモ
グラネズミの眼のクリスタリン遺伝子
は、明所では有害となるであろう変異が
蓄積されていることが報告されている。
それなのに何を今さらと言われそうだ
が、この問題を正面から取り上げた研究
は意外と少ないように思う。プラナリア
で見られた現象は、単に分子進化の問題
にとどまらず、集団遺伝や生態学の面か
らも興味があり、積極的に取り上げる価
値がありそうである。定年後、このよう
な研究もやりたかったのだが、オサムシ
の研究と両立すること出来ず、アイデア
倒れになってしまったのは残念である。
文 献
Bessho, Y., Ohama, T., Osawa, S.(1992). Planarian mitochondria I. Heterogeneity of cytochrome c oxidase subunit I gene sequences in
the freshwater planarian, Dugesia japonica. J.
Mol. Evol.,34 : 324-330.
Bessho, Y., Ohama, T., Osawa, S.(1992). Planarian mitochondria II. The unique genetic code
as deduced from cytrochrome c oxidase subunit I
gene sequences. J. Mol. Evol., 34 : 331-335.
Bessho, Y., Tamura, S., Hori, H., Tanaka, H.,
Ohama, T., Osawa, S.( 1997). Planarian mitochondria sequence heterogeneity: relationships
between the type of cytochrome c oxidase subunit I gene sequence, karyotype and genital organ. Mol. Ecology, 6 : 129-146.
Tamura, S., Yamayosi, T., Oki, I.(l979). Karyological and taxonomic studies of Dugesia
japonica japonica collected from eighteen localities in Japan. Proc. Jpn. Soc. Syst. Zool., 17 : 114
10
適応するために進化したと考えられる形
破片化した二枚貝,巻貝から探る
捕食者と被食者の古生態学
態や、他の種からの捕食を避けるように
進化した、と解釈されるものがよく見ら
れる。とくに古生物学の研究者はこのよ
うな解釈をすることが多い。その際問題
東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻地球生命圏進化学
(Email: [email protected])
となるのは、解釈が単なるお話にならな
いようにすること、それにはなるべく定
量的な議論を行うこと、そしてなぜその
ような解釈が一番妥当なのか、について
はじめに
納得できる理由付けを行うことであろ
う。
古生物の研究者には、フィールドに出
ここでは、このような長い時間軸を持っ
ることの好きな人が多い。野外で化石を
て生物を見たときに顕著に見られる現象
採集し、化石が地層の中に入っている状
の一つとして、海洋無脊椎動物の捕食と
況をつぶさに観察し、そこからそれがど
被食の関係と、その進化について取り上
のような生活をしていたのかに思いを巡
げたい。私は棘皮動物の有柄ウミユリ類
らしたり、また化石形態に基づいて分類
(茎を持つウミユリ類)の腕に残される捕
を考え、どのような進化をしてきたのか
食痕(再生腕)の出現頻度から、有柄ウ
を推測したりする。また、このような情
ミユリ類が受ける捕食圧が海の深度によ
報を得るために、参考として比較できる
ってどう異なるか、また時代によってど
現生生物を採集したり観察することもあ
う変化してきたのかを調べてきた。有柄
る。化石の好きな人にはどちらかという
ウミユリ類は古生代、中生代前中期を通
と、化石や現生生物を手にとってじっく
じて浅い海に多く生息していた。しかし
り観察し、撫でたりしながら太古に思い
1 億年位前から浅い海から姿を消し、現
を巡らすロマンチストが多い。そして生
在は 100m 以深の、主に深海にしか生息
物を切ったり、すりつぶしたり、現生の
していない。これは浅い海の有柄ウミユ
生物の分子情報を探る、ということにた
リ類が比較的多くの捕食を受けているこ
めらいを感じる者も多い。私もその一人
とから、浅い海で魚類などの捕食動物が
である。もちろんそのような研究の重要
増加したために生息域が深海に限られる
性を理解しているつもりであるし、非常
ようになった、という説明がもっとも確
に興味も感じているが、自分自身が手を
からしい(Oji, 1996)
。また餌をとるため
染める領域とは感じない、ということで
に使われる腕の分岐パターンも、時代と
ある。むしろフィールドでのデータや、
ともに餌重視のタイプから捕食者による
化石形態を調べるだけで十分面白い情報
被害を最小限にとどめるタイプに変化し
が得られるし、新たな考えもたくさん生
たこともわかってきた(Oji and Okamoto,
まれてくるのである。
1994)
。
さて、以下は私が現在興味を持ってい
実はここで取り上げようと思うのは、
る、そのような研究の一例である。化石
私の「本業」ともいえるウミユリの話で
を見ていると、その形態は環境にうまく
はなく、別の材料にもとづく捕食現象の
“Society of Evolutionary Studies, Japan”News Vol. 1, No. 3
11
地史的な変化についてである。具体的に
し、大半は生物学的な破壊によるもので
は二枚貝、巻貝の殻の捕食者による破壊
あると思われる。それはそのような破片
についての話題で、私の現在進行中のプ
化した二枚貝や巻貝の殻が中生代の地層
ロジェクトである。
からはほとんど産出しないからである。
二枚貝、巻貝の破片化現象
もし破片化が物理的な要因によるものと
すれば、時代によらず産出して良いはず
砂浜を歩いていると、嵐のときの大波
などで生息していた二枚貝や巻貝が打ち
である。
私は中生代の浅海性の地層で二枚貝、
上げられたり、すでに死んでいる殻が波
巻貝が密集した化石層を日本各地で 9 カ
打ち際にはき寄せられたりすることがよ
所、化石層にして 20 層以上観察したが、
くある。その貝殻を観察すると、かなり
その中で破片化した貝殻はほとんど観察
の頻度で割れていて、様々な程度に破片
されなかった。その中には、海底に潜っ
化しているのを目にすることがる。この
ているタイプの二枚貝が嵐の際に海底表
ような貝殻の破片化の原因としては、従
面に掘り出され、二枚の殻が離弁した薄
来 2 つの見方が存在した。つまり貝殻は
殻のものも多くが完全に保存されてい
波や強い流れのような水流の物理的作用
た。例外は、白亜紀の中頃の地層である
によって割れた、という解釈 と、カニ
宮古層群にみられる磨滅した貝殻層、そ
やある種の魚類、また鳥類などの貝を捕
して白亜紀後期の地層(双葉層群)にみ
食する動物類が殻を割って捕食すること
られる破片化した二枚貝である。前者の
によって割られたと解釈するする、つま
磨滅する現象は明らかに浅海環境で水流
り生物的破壊を考えるものである。程度
による物理的な作用を示しているが、貝
の差こそあれ、この両者がともに貝の破
殻が鋭く破片化するものは見られない。
片化に貢献しているのはたぶん正しいの
また白亜紀後期の 1 例は確かに鋭角的に
であろうが、化石記録に残された二枚
破片となった二枚貝が多数見られる化石
貝、巻貝の層を観察しているうち、物理
層がある。つまりこれらをまとめると、
的な作用は重要でなく、大半は生物的破
中生代には、その最後期を除いて二枚貝
壊によるものである、と思えるようにな
や巻貝はほとんど破片化していないとい
ってきた。それは、現在の海洋環境で貝
うことになる。
が捕食動物にどのように破壊されるのか
これに対し、新生代の化石層では頻繁
を直接・間接に観察した結果にもよる
に破片化した二枚貝、巻貝が見られる。
が、むしろ過去の地層の中に含まれてい
調べた 8 カ所(11 層)のうち、6 カ所、9
る貝殻層がどのように保存されているの
層で破片化した貝殻が見られた。化石層
か、という情報から強く推定されるので
によっては、まともな形の殻より、細か
ある。
く破片化した殻の方が豊富に含まれるも
地層中にも破片化した二枚貝や巻貝の
のもある。巻貝のあるものは、その割れ
殻は多く含まれている。特に新生代の地
方のパターンから明らかにカニ類によっ
層では破片化が顕著である。地質学者や
て殻口から巻きに沿ってピーリングを受
古生物学者の多くは、いまでもこれらが
けたものも含まれている。
水流による結果だと信じている。しか
これらの化石記録をまとめると、中生
12
代にはほとんど破片化した二枚貝、巻貝
日本以外の地域でも中生代後半から新生
の殻が存在しなかったのに、新生代にな
代初期の貝殻層のデータを取る必要があ
って増加したのは、水流などの物理的な
り、われわれは大西洋岸のデータを最近
作用とは考えにくく、むしろ中生代末か
集め始めたところである。Vermeij は巻
ら新生代にかけて殻を割るタイプの捕食
貝の殻形態から、熱帯太平洋の方が熱帯
者が増加してきたためとするのがもっと
大西洋に比べて一般に捕食の程度が大き
も妥当である。これは、すでに Vermeij
い、と推測しているが、これを検証でき
(1997)により、
「中生代の海洋変革」と
るかどうかに興味がある。また第二の問
して提唱されている、捕食者の増加によ
題では、特定のグループの捕食者、被食
る海洋底生動物の形態、生態の大きな変
者の化石記録をある程度にわたって時間
化の一つとしてとらえることができる。
的に追跡できる必要がある。そして捕食
特に、殻を割るタイプの捕食者として有
者、被食者のサイズや破片化の有無、程
名な、十脚目の甲殻類(カニ類、シャコ
度の変化を知る必要がある。このように
類など)
、そして真骨魚類の多くの科が
この二枚貝、巻貝の破片化の仕事は始ま
中生代の後半、もしくは第三紀に入って
ったばかりであるが、種間関係を地史的
から増加してきたことと深い関係がある
に追跡することによってさらに新たな展
だろう。つまりそれまで二枚貝や巻貝は
開があると信じている。
比較的平和な海に生息していたのが、多
くの捕食者の登場により危険きわまりな
い環境に変化した、というシナリオであ
る。
次なる課題は、破片化現象がいつ頃、
またどのような海洋環境から始まり、強
くなっていったのか、また捕食者と被食
者の間で Vermeij の提唱するようなエス
カレーションが存在したのかを化石記録
から探ることである。第一の問題では、
文 献
Oji, T. and Okamoto, T. 1994. Arm autotomy
and arm branching pattern as anti-predatory
adaptations in stalked and stalkless crinoids.
Paleobiology 20 : 27-39.
Oji, T. 1996. Is predation intensity reduced
with increasing depth? Evidence from the west
Atlantic stalked crinoid Endoxocrinus parrae
( Gervais)and implications for the Mesozoic
marine revolution. Paleobiology 22 : 339-351.
Vermeij, G. J. 1977. The Mesozoic marine revolution : evidence from snails, predators, and
grazers. Paleobiology 3 : 245-258
“Society of Evolutionary Studies, Japan”News Vol. 1, No. 3
13
進化学 に関 する本 の紹介
お茶の水女子大学理学部生物学科
([email protected])
大野 乾(Susumu Ono)著
未完「先祖物語」−遺伝子と人類誕生の謎
洋土社、2000 年、定価 2500 円 + 税
オオノ進化論の三部作の最終を飾る「先祖物語」がこの12 月に発行された。本書は、
「大いなる仮説」
(洋土社、1991 年)と「続大いなる仮説」
(洋土社、1996 年)に続き、
大野乾氏が 1997 年から 2000 年 1 月に急逝するまでの間に月刊「実験遺伝学」に連載し
たエッセイシリーズである、
「先祖物語」がもとになっている。目次の内容を以下に示
したが、8 章には未掲載の遺稿の「ミトコンドリアによる遺伝法則」を掲載し、エンデ
ィングとして「進化は常に hindsight によって起こる」というエピメテウス的進化の話
が加えられ、再構成されている。総合研究大学院大学教授の高畑尚之氏による「解説」
では、オオノ進化論で扱われた中心的テーマをとりあげ、総括的な考察が述べられて
いる。
その一節を紹介する―
「生物進化の原則は、競争ではなく共存共栄であるという。先祖を問うことに
よって解き明かされるこの原則がオオノ進化論の真骨頂であり、われわれへ
の大きな遺産となった。……オオノ進化論は、競争から調和への転換が求め
られた二十世紀末を敏感に捉え、未来のための思索を展開したのであった。
」
是非、一読をお勧めしたい本である。
各章のタイトル
本書の序として(井川洋二)
1. 先祖の数の問題
2. 動物は複数の細菌の細胞内寄生から始まった
3. 脊椎動物が脊椎動物たる理由
4. 人類の由来、ジャワ原人、北京原人、そしてネアンデルタール人の話
5. ヒトとチンパンジーはウマとロバよりも近縁であるという事実
6. ミッシングリンクを探す癖と先祖でありえないものまで先祖としたがる癖
7. ヒトをヒトたらしめたごく少数の突然変異
8. ミトコンドリアの遺伝法則
「先祖物語」のエンディング―エピメテウス的進化の話(大野 翠)
(高畑尚之)
解 説―未来への遺産“オオノ進化論”
あとがき(大野 翠)
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今年開催予定 の進化学 に関連 した会議 のおしらせ
3 月 14 日∼ 15 日
Genes and Minds Initiative : Workshop on Ape Genomics(Tokyo)
HomePage: http://sayer.lab.nig.ac.jp/GEMINI/{次の頁に詳しい案内があります}
3 月 14 日∼ 17 日
総合研究大学院大学 国際シンポジウム(葉山)
『21 世紀の総合ゲノム科学;一次配列情報から高次構造情報へ』
HomePage: http://www.cib.nig.ac.jp/others/soken-sympo.html
6 月 16 日∼ 17 日
日本動物分類学会第 37 回大会(札幌)
6 月 26 日∼ 30 日
SSE / ASN / SSB Evolution 2001(Knoxville, USA)
9 月 8 日∼ 12 日
国際発生生物学会大会(京都)
9 月 22 日∼ 24 日
日本遺伝学会第 73 回大会(東京)
HomePage: http://evolgen.biol.metro-u.ac.jp/iden2001/
9 月 26 日∼ 28 日
日本植物学会第 65 回大会(東京)
10 月 6 日∼ 8 日
日本動物学会第 72 回大会(福岡)
10 月 6 日∼ 8 日
日本生物物理学会第 39 回大会(大阪)
HomePage: http://bp2001.bpe.es.osaka-u.ac.jp/
10 月 25 日∼ 28 日
日本生化学会第 74 回大会(京都)
HomePage: http://edpex004.bcasj.or.jp/meetings/seika2001/
11 月 4 日∼ 6 日
Evolutionary Genomics(熱海)
12 月 9 日∼ 12 日
日本分子生物学会第 24 回大会(横浜)
HomePage: http://MBSJ.biol.kobe-u.ac.jp/annual-meet.html
12 月 18 日∼ 19 日
Genome Informatics Workshop 2001(Tokyo)
HomePage: http://giw.ims.u-tokyo.ac.jp/giw2001/index.html
“Society of Evolutionary Studies, Japan”News Vol. 1, No. 3
GEMINI - Genes and Minds Initiative
Workshop on Ape Genomics
March 14 and 15, 2001
Hotel Inter-Continental Tokyo Bay, Tokyo
= Speakers =
From Gene side :
Antoine Blancher, Purpan Hospital, Toulouse, France
Asao Fujiyama, National Institute of Genetics / RIKEN GSC, Mishima, Japan
Takashi Gojobori, National Institute of Genetics, Mishima, Japan
Jaap Goudsmit, Academic Medical Center, Netherlands
Wei Huang, Shanghai Second Medical University, China
Hidetoshi Inoko, Tokai University, Japan
Choong-Gon Kim, National Institute of Genetics, Japan
Yuji Kohara, National Institute of Genetics, Mishima, Japan
Hans Lehrach, Max-Planck Institute for Molecular Genetics, Germany
Wen-Hsuing Li, University of Chicago, USA
Svante Paabo, Max-Planck-Institute of Evolutionary Anthropology, Germany
Hong-Seok Park, Genome Research Center, Korea
Maryellen Ruvolo, Harvard University, USA
Naruya Saitou, National Institute of Genetics, Mishima, Japan
Yoshiyuki Sakaki / Hidemi Watanabe, University of Tokyo / RIKEN GSC, Japan
Caro-Beth Stewart, University at Albany-SUNY, USA
Sumio Sugano, University of Tokyo, Japan
Naoyuki Takahata, Graduate University for Advanced Studies, Hayama,Japan
Shih-Feng Tsai, Institute of Genetics, Taiwan
Ajit Varki, University of California at San Diego, USA
Jean Weissenbach, Genoscope, Evry, France
Tetsuo Yamamori, National Institute of Basic Biology, Okazaki, Japan
Marie-Laure Yaspo, Max-Planck Institute for Molecular Genetics, Germany
From Mind side :
Dan Geschwind, UCLA School of Medicine, USA
Okihide Hikosaka, Juntendo University School of Medicine, Tokyo, Japan
Tadashi Isa, National Institute of Physiology, Okazaki, Japan
Mitsuo Kawato, ATR, Kyoto, Japan
Tetsuro Matsuzawa, Kyoto University Primate Research Institute, Inuyama, Japan
Tsutomu Nakada, Niigata University, Niigata, Japan
Nobuyuki Nukina, RIKEN Brain Science Institute, Wako, Japan
Kuniyoshi Sakai, University of Tokyo, Japan
Shinsuke Shimojo, California Institute of Technology, USA
Keiji Tanaka, RIKEN Brain Science Institute, Wako, Japan
Manabu Tanifuji, RIKEN Brain Science Institute, Wako, Japan
From Bone side :
Ralph L. Holloway, Columbia University, USA
Gen Suwa, University of Tokyo Museum, Japan
Workshop organizers :
Yoshiyuki Sakaki(RIKEN Genomic Sciences Center)
Nobuyuki Nukina(RIKEN Brain Science Institute)
Naruya Saitou(National Institute of Genetics)
More information on GEMINI workshop :
Email: [email protected]
Web Home Page: http://sayer.lab.nig.ac.jp/GEMINI/
If you are interested in attending this workshop, please contact us at the above email address.
15
16
*)平成 12 年 9 月 11 以降 12 月 25 日に登録された会員
氏 名
三井 英也
辻本 善之
児島 宏之
鈴木 麗璽
細田 徹治
小泉 政啓
森本 元
岡本 典子
北村 雄一
滋野 修一
田中 嘉成
赤坂 舞子
堂前 雅史
平川 美夏
三橋 雅子
広瀬 美紀
高橋 一彰
谷垣 岳人
近藤喜代太郎
河本 英夫
高畑 尚之
石井 一郎
藤井 信之
有川 智己
山野上祐介
小松 英司
嶋村 正樹
相良 純一
英字氏名
Mitsui Hideya
Tsujimoto Yoshiyuki
Kojima Hiroyuki
Suzuki Reiji
Hosoda Tetsuharu
Koizumi Masahiro
Morimoto Gen
Okamoto Noriko
Kitamura Yuuichi
Shigeno Shuichi
Tanaka Yoshinari
Akasaka Maiko
Doramae Masashi
Hirakawa Mika
Mitsuhashi Masako
Hirose Miki
Takahashi Kazuaki
Tanigaki Taketo
Kondo Kiyotaro
Kawamoto Hideo
Takahata Naoyuki
Ishii Ichiro
Fujii Nobuyuki
Arikawa Tomotsugu
Yamanoue Yuusuke
Komatsu Eiji
Shimamura Masaki
Sagara Jun-ichi
井ノ瀬利明
乾井貴美子
湯浅 創
松野 健治
河合 渓
泉 洋平
任 鳳蓉
長尾 香織
村主 節雄
増井 亮磨
土佐 幸雄
佐藤 栄壱
中村 剛之
平井 康富
長井 康夫
Inose Toshiaki
Inui Kimiko
Yuasa Hajime
Matuno Kenji
Kawai Kei
Izumi Yohei
Fengrong Ren
Nagao Kaori
Suguri Setsuo
Masui Ryoma
Tosa Yukio
Sato Eiichi
Nakamura Takeyuki
Hirai Yasutomi
Nagai Yasuo
所 属
山梨大学大学院教育学研究科
京都府立大学農学部生物資源化学科
味の素(株)発酵技術研究所
名古屋大学大学院人間情報学研究科
御坊商工高校
熊本大学医学部解剖学第一講座
東邦大学大学院理学研究科生物学専攻
筑波大学生命環境科学研究科
専門分野
原核生物、生物物理
原核生物、分子生物、分子進化
原核生物、分子生物
人工生命
系統
人類、脊椎動物、発生、形態、系統・分類
脊椎動物、生態
植物、形態、系統・分類
岡山大学付属臨海実験所
横浜国立大学環境科学研究センター
千葉大学園芸学部遺伝育種学研究室
東京大学大学院総合文化研究科
科学技術振興事業団
東京大学大学院理学系研究科
北里大学大学院医療系研究科
北里大学理学部化学科
京都大学大学院理学研究科
放送大学 教養学部
東洋大学
総合研究大学院大学
上福岡総合病院
信州大学理学部生物科学科
東京大学大学院理学系研究科
国立科学博物館新宿分館
千代田デイムス・アンド・ムーア株式会社
広島大学大学院理学研究科
東京大学大学院農学生命科学研究科
無脊椎動物、発生、形態
無脊椎動物、理論、遺伝、生態
植物、遺伝
脊椎動物、行動
情報
無脊椎動物、系統・分類
行動学
科学
無脊椎動物、系統、生態
医学、分子進化
理論、生態
人類、理論、分子進化、遺伝、集団遺伝学
筑波大学第二学群生物資源学類
奈良女子大学人間文化研究科
北海道大学大学院理学研究科
東京理科大学基礎工学部
鹿児島大学多島圏研究センター
岡山大学資源生物科学研究所
東京医科歯科大学
JT 医薬探索研究所
香川県医科大学医学部医動物学講座
北里大学大学院医療系研究科
神戸大学農学部
東京大学大学院
栃木県立博物館
京都府立医科大学
植物、系統・分類
脊椎動物、形態、系統・分類
植物、理論、発生、形態、系統・分類、生態、生物物理、情報
植物、形態
人類、脊椎動物、無脊椎動物、菌類、原核生物、ウイルス、理論、
分子生物、分子進化、系統・分類、遺伝、生物物理、情報
無脊椎動物、生態
無脊椎動物、分子生物、発生、形態、遺伝
無脊椎動物、遺伝、生態
無脊椎動物、生態
ウイルス、理論、分子研究、遺伝、情報
人類、分子生物
無脊椎動物、系統・分類
無脊椎動物、形態
分子生物
脊椎動物、分子進化
無脊椎動物、形態、系統・分類
脊椎動物、古生物
人類、理論、分子生物、分子進化、系統・分類、情報
日本進化学会ニュース Vol. 2, No. 1
発 行: 2001 年 2 月 20 日発行
編 集:日本進化学会ニュース編集委員会
印刷所:タック株式会社
発行所:株式会社クバプロ
〒 102-0072
千代田区飯田橋 4-6-5 TH 第 4 ビル 4F
TEL:03-3238-1689 FAX:03-3238-1837
http://www.kuba.co.jp/
e-mail:[email protected]
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