2 1年部の取組 みんなでよもう 「 お お き な か ぶ 」 (1)指導案 第1学年梅組 1 日 時 2 単元名 教材名 国語科学習指導案 平成19年9月13日(木) 2校時 場所:自教室 みんなでよもう 大きなかぶ 3 単元の構想 (1)目標 ○ 繰り返しながら高まっていく話の展開や言葉のリズムを楽しみながら、声に出して 読もうとする。 (関心・意欲・態度) ◎ 場面の様子や登場人物について、想像を広げながら読む。 (読むこと) ○ ○ 繰り返しの言葉や文章のリズムを考えながら声に出して読む。 目的や場面を考えながら自分の言葉で書く。 (読むこと) (書くこと) (2)指導にあたって ○ 本学級の児童(男子13名 女子15名)は、平仮名の練習に意欲的に取り組んで きた。読み書きができるようになったことで、本を読んだり、文を書いたりする活動 を楽しむ姿が見られるようになった 。「はなのみち」や「おむすびころりん」の学習 では、登場人物に付けた吹き出しに、気持ちやせりふを自由に想像して書き込み、発 表し合いながら場面の様子を読み取る楽しさを味わった。また、夏休み前から取り組 んでいる日記を書く活動を通して、自分の生活を振り返り、楽しかったことやうれし かったことを文章で表現する力も育ちつつある。 しかし、書く処理能力や読み取る理解力には個人差があり、自分の発想を生かして 相手に分かりやすく書いたり、場面の様子を想像を広げながら読んだりする力は十分 ではない。また、目的や場面などに応じた適切な表現ができにくい児童も多い。 ○ 本教材「大きなかぶ」は、おじいさんが願いを込めてまいたかぶの種が、大きく育 ち、人や動物が力を合わせて抜くという、栽培の喜び、協力の喜び、収穫の喜びにあ ふれた物語である。また、文章表現の面から見ても、繰り返しのあるリズミカルな文 章であり、児童にとって親しみやすいものである 。「まだまだ 」「それでも 」「とうと う」などの言語表現のおもしろさも味わいながら読みの工夫を楽しむことができる。 これらのことから、場面ごとに増えていく登場人物の会話を想像し、自分の言葉で 表現したことを動作化して、心情豊かな音読につなげることのできる教材として適し ている。 ○ 本教材の学習では、ワークシート集を活用し、場面ごとの読みを確実なものにした い。各場面で登場人物の会話を想像し、記述する場面を設定する。さらに、登場人物 になりきって日記を書くという活動を取り入れる。 本時は、とうとうかぶが抜けた最後の場面の学習である。ワークシート集を振り返 り、ねずみが登場する場面からかぶが抜けるまでを動作化と音読を組み合わせて表現 する。そして、心待ちにしていた大きなかぶが、みんなで協力したことによって抜け たときの登場人物の気持ちを読み取る。さらに、自分の好きな登場人物の立場でかぶ が抜けた日の喜びの日記を書き、友達と読み合うことでさまざまな思いがあることに 気付かせたい。 「大きなかぶ」は、幼児期にも触れたことのある親しみやすい教材で、自分の思い や考えをもって登場人物に同化、共感ができやすい。登場人物の会話や日記を書くと いう活動は、想像を広げながら読み、目的や場面を考えながら自分の言葉で表現しよ うとする力の育成につながると考えられる。 学 習 活 動 (児童 の意識 の流れ) 【 教 師 の 働 き掛 け 時数】 文を 全想 感 ○ み ん な で吉 に出 して読 も う. と 書 くこと の 関連 と育てたいた 1実のカ 範 嬢 【 次】 (全 9時 間 計 画 ) . る せ 殻 さ 単元 の 指 導計 画 一 人で抜 けな い ぐに ) い大 きなかぶ が で きてす ごいなっ 力 い っば い ひ っば ってい る顔 だね . . 力を合 わせ てひ っば った ら抜 けて 、 よか つたね . . ○ 声 に出 して 読 む カ 全 文 を 通 読 す る. 初 発 の 感想 を 7 t 表す る( よ る み ず 早 く芽 が 出 た ら い い な . 大 き く育 っ て ね . 甘 くて お い しい か ぶ に な れ . お ば あ さん に 、 喜 ん で t ) らい た い な . さ 持 ヽ 気 せ解 のさ 理 ん こを さ起 い い い願 じ思 る ・ おをな る ち 切せ 〇 お じい さん は 、 どん な 気 持 ち で 種 を植 え て い る の だ ろ うc 登場 人物 を書 き出す /登 場 人物 とかぶ が 抜 け る関係 に つ い て ば文 ・ つの す やど出 なき ヽ かう書 なとを かう 現 なと表 り章 ね ヽ だこ んね い犬 物ご ・ 人ま な 場 ヽい 登ん た さみ ヽ をあ て 人ば つ るおな く ヽ に てん ん 出さ さ にいい 話 じじ おお お 音読 発表 会 を しよ う. の想 支 店 のろ る に つど し す 物 ヽ . 車印 ” る中中 車”韓 車 掛 示 しすな ヽ 章 に音 と 掲 像援 り文さ こ 登場 人物 の 気持 ちを想 像 しなが ら読 〔 ) う. お じい さん の 願 い を読み取 る. O 相 手 や 目的 を者 え な が ら書 くカ 種 を まいた時 のお じい さ ムンの 願 い の こ t ) つた 日記 を 書 くこ すち理 長待 を 生 心と ン身≡ ︼ り穫 る る の いん てさ ″、い 育 じ↑ v 挿 絵 か ら登 場 人物 の気持 ちを読み取 るこ かぶ を抜 くの を手伝 うね こや ねず み の 気持 ちを考 え よ う. ○ 揚 面 の様 子 を想 像 し ながら読むカ ワ ー ク シ ー ト集 の 絵 の 吹 き 出 しに登 場 人物 の 会 話 を考 え て 書 くc 犬 ぼ くの 出番 だね. 力 い っば い 頑 張 る より 割な せ 役 しさ 化を ヽ し作 習 通動 練 を て読 文 め音 全決 ら ・ を がる 〇 ねず み ぼ くの こ と、食 べ な い でねc ぼ く、小 さい け ど頑 張 るよ. 立備磐 年W i 気が分か る 1 う に │ たして 吉読十 る: 品 だ ! r 方 をい れ使 O まご 楽 しそ う. 頑 張 るわ, す ご く大 き い か ら 抜 けな いね 。 ヤ 卵 車 、 ど 却 な 湖 お ば あ さん す ごい な , り っ ば な か ぶ ね 。 私 もひ つ は つ て み ま し ょ う. だめ だか。 抜 け な い わね. ばえ お考 やを ん話 さ会 いの し, ド ん″ \ お ヽ皇 中 あて 登像 卜 考 れ技 仕 想 一 入演 の か ぶ を抜 くお じい さんや お ば あ さん は 、 どん な気 持 ちだ ろ うE かぶ を抜 くの を手伝 う、孫 や 犬の気 t D らを考 え よ うc か ぶ の 収 穫 を心 待 らに して い る状 況 を かき記 お じい さん の 絵 日記 を書 こ う. お じい さん 大 き く育 って うれ しい な。 1 人 で は抜 けな い ぞ. おばル) さんに子伝って│ ) r , ぅ ぉ それ ぞれ の立場 代 岡比 V や っ と芽 が 出たぞ。う れ しい な あc た っぶ り水や 肥料 をや ろ うこ 大 き くな あれ. 葉 っば を虫に 食 べ られ な い よ うに、 しっか り世話 を しよ う. かぶ がふ く らん で きた よ うだ な. も う少 しだ 。 く収 い生 つのて せ ゆぶ しさ か に解 〇 かぶ が大 き くな る様子 を想像 しよ う. 。 文 力 、 吾く と 路彊 ○ かぶ の 種 を植 えた 日のお じい さん の 日記 を書 こ う い よい よか ぶ が ワ ー クシ ー ト集 の 絵 の 吹 き出 しに 登 場 人物 の 会話 を考 え て 書 く. け そ うだ とい うみ た な の 期 待 を読 み 取 つ て音 読 す るc かぶ が 抜 けた ときの みん な の 気持 ちを想 像 しよ うt た ち由 し持 自 習気 ヽ 学やせ は中 噂 荘 こ面 振 書 場をに O ね た 。 fい つ・ ・ う な た 。 にけ ね と ぶぬ うが より c か ヽ ・ なら ね べあ う 派た cい食 てと 立 せねご でれ が わだすなく り ヽ ら合 ぶ は ん てあ かを か力 み て て た力 な の ド 育れ き んう ん く て ヽ 育 あ 大 さ そさ て にた に み し い つ 切 つ当 ず いじ伝 大 や本 ね おお 手 全文 を読 み返 す. / ワ ー ク シ ー ト集 合 読 み 返 し、 今 まで の 登 場 人物 の 思 い を振 か ぶ が 抜 け た 日の 日記 を 書 こ う。 友達 の発 表 を聞 き 感想 を発表す る, 【7】 本時その 7 ︼発 た読 き音 イ、 ヽ c つに る 取とす みもを 読 を会 のけ 表 つ ね る 訳均 . ょ ︻ た レ 劫 J ね c お だ よ ヽ 手して 上 いし ヽこを が つ 読 葉 ど音 一 ら 百 。 の よが 孫 しな の こし んと を さ ん役 ︵ V つの r O 孫 巾力車 達とら 友 いが よな 〇 音 読 発表 会 を しよ う. か ぶ が 抜 け た 日の 日 記 を登場 人物 にな つて 書 く, 5 本 単元 の 評 価 基 準 評価 A の ポイ ン ト 関心 ・意欲 ・態 度 ○ ○ 読 む こ 書 く と こ と 堕ミなが ら読 む。 婚が好弊雰 嬰言葉断 の リ ズム を楽 しみ な が ら、 は ○ り返 しの ○ 場 面 の 様 子 や 登場 人物 につ い て 、話 の ① 目 的 や 場 面 を 考 え な が ら叙 述 に 沿 l y _ 圏 ιア 浩 あ 卜 ち , r 白 谷 ナか 名 │ ア相 梅 か 庁 │ ギ つた 内容 を 自分 の 言葉 で 書 く。 言葉 や 文章 の リ ズム を考 え 繰 なが らは っ き りと声 に出 して読 む。 っ き り と声 に 出 して音 読 しよ う とす る。 6 本 時 の指 導 (1)日 標 ○ 場 面 の 様 子や 登場 人物 の 気持 ち を想像 しなが ら読 む。 ○ 目 的や 場 面 を考 えなが ら、登場 人物 に同化 して書 く。 (2)準 備 ワー クシー ト 挿 絵 登 場 人物 の 絵 お 面 (3)展 開 学 習 活 動 児 前 時 ま で の 学 習 を振 返 る。 (3分 ) す ① 学 習 の め あて を確認 る。 動 作化 や せ りえ、を入 れ なが ら普読 をす る。 (5分 ) 童 の 意 識 の 流 れ 今 ま で み ん な で 大切 に 育 て て きた か ぶ を、 力 を合 わせ て 抜 い た ん だね 。 教 師 の 働 き掛 け ( 〇) 評 価 ( ◎) ○ ワ ー クシー ト集 を振 り返 り、 今 ま で の か ぶ の 生 長 や 登場 人 物 の 気 持 ち を想 起 させ る。 か ぶ が 抜 けた ときのみ ん な の 気持 ち を想 像 しよ うぅ 場 面 の様 子 が よ く分 か る よ うに音 読 しよ う。 O 工 夫 を して 音 読 させ る。 ① 役 害1 演技 に よ り、雰 囲気 を 味 わ わせ 、想 像 を広 げ させ る。 わ た しがね こに な っ て 、ねず み を 呼 ぶ よ。 のん き さ と く 黒 板 に 例 を示 し 、 自分 の カ で は書 き に く い 児 童 の 支 援 を す る。 す ナ 人 か ヽい > 場 書 ら て集 登 ら が いト だ が な書 一 ヽ ○ 友 達 の 日記 の よ い と 見 付 け な が ら聞 く こ と させ る。 「 読 む こ とJ の 活 動 の 関連 は 、児童 の 考 え る力 を の ばす こ とに有 効 で あ ったか 。 を解 ろ理 こを 分) ○ ん な えて シ ク 軽触 猪任・ 斡郷 豹師υ 動、 譜喘 般 。 目 情。 ヵ 物﹄錫る ○ ◎ に で出 よ ん ま いみ さ今思て をい い ヽ じ てと書 お つこ て 。 な のし う ねず み に な って 役 に立 て て うれ し か つた こ とを書 い てみ よ う。 友達 の 日記 を聞 い て 、感 想 を発表 しよ う。 発 表 す る。 7 研 究 の視 点 ○ 「 書 く こ とJ と ね こにな っ て ね ず み と協 力 し てか ぶ を抜 い た こ とを書 い てみ よ う。 場 面 の 様 子 を叙 述 に即 して 読 み 取 って い るか。 (観 察) たた か ぶ が 抜 けた 日の 日記 を書 こ う ◎ 抜だ のる 物き 人で 切 に 育 て た か ら、立 派 なかぶ に な つたね 。 つた あ、 力 を合 わせ た ら、ぬ けた よ。 当に 大 きな かぶ だね。 ず み さん の 力はす ごい ね。 い しそ う。 み ん な で 食 べ よ うね。 じい さん 育 て て くれ て あ りが と う。 伝 って くれ て あ りが と う。 場を先 登ち 出 各持 き 気引 感 じた こ とを書 く。 (20分 ) ・大 ・や ・本 ・ね ・お ・お ・手 ○ ② み ん な の 気持 ち を考 え る。 (7分 ) (2) 授業の実際 学習活動と教師の支援 1 前時までの学習を振り 返る。 ・ ワークシート集を読み 返し、かぶを育てるおじ いさんの気持ちを確認す る。 児童の反応 いっぱいかぶがで きたらいいなあ。 わしのかぶから、 はがでてきた。 みずもやらんとの う。 犬さん、ねこさ ん、はたけをふ まないでね。 ねこは、ねずみをよんできました。 学習のめあてを確認す る。 ① 動作化やせりふを入 ほんとにおい ねずみさん、きて かけないなら れながら音読をする。 いくよ。 ・ かぶが抜けたときの にゃあ。 気持ちを想像する手だ てとして、代表の児童 が演技をし、それに合 うんとこしょ、どっこいしょ。 わせてクラス全員で最 後の場面を音読させる。 おじいさんが ねずみが、「ぼ ② みんなの気持ちを考 「ありがと くてつだってよ える。 う。」といっ かったチュウ。」 ・ かぶが抜けた時に、 たよ。 っていったよ。 どの登場人物がなんと 言ったのか、どんな気 持ちだったのかを考え、 意見を出し合わせる。 ねこが、「いま までそだてたか いがあったね。」 っていったよ。 3 感じたことを書く。 2 ・ 登場人物に同化してい くことができていない児 童には、日記の主語の部 分が「ぼくは」や「わし は」 になることを教える。 発表する。 友達の発表を聞いた後 で感想や気付いたことな どを発表させる。 犬のにっきをかこ う。かぶがぬけて、 うれしいワン。・・ 4 ・ まごのにっきをかき ました。かぶがぬけ てよかったよ。かぶ のスープができるか な。・・・ (3)成果と課題 ア 論理的思考力を育てるための手だて 本単元の学習では、場面の様子や登場人物について想像を広げながら音読をするために、 ワークシート集を活用し、各場面ごとに登場人物のせりふを記述したり日記を書いたりし ながら読みを深めてきた。特に、日記を書く活動は、登場人物に同化し、内面や場面設定 を正確に読み取っていなければ、叙述に即した上で自分の思いを文章化するということは できない。各場面ごとにせりふや会話をワークシート集に書き込み、それを基に動作化を 取り入れながら音読を楽しむなどの「読むために書く」活動を繰り返すことで目標に迫っ ていきたいと考えた。この単元の中では、日記を書く時間を 3 度設定した。 イ 成果 ・ ワークシート集の活用によって、児童が学習の見 通しをもって取り組み、自分の考えが蓄積していく 喜びを味わえた。 ・ 根拠をはっきりさせた上で、自分で想像したこと を書く活動を毎時間繰り返すことは、物語を読み深 めるという点において有効であった。 ・ 場面ごとに、登場人物のせりふを想像し、吹き出 しに書き込む活動によって、登場人物に同化して書 くことに慣れ、登場人物の心情などを読み取る力が 高まった。 ウ 課題 ・ かぶが抜けたときの登場人物の気持ちを、板書して 〈おばあさんとまごのせりふ〉 おくことを日記を書くための手だてとした。しかし、 本時までに書く力が育ってきていたので、板書して おいたことは、かえって自由な思考の妨げになった のではないかとも考えられる。 ・ 単元全体として、書く量が多く、8時間扱いの単 元では負担となったので、ワークシート集の精選を する必要がある。 〈かぶが抜けた日の犬の日記〉 (本時) 本とともだちになろう「ずうっと、ずっと、大すきだよ」 (1) 指導案 第1学年桜組国語科学習指導案 1 2 日 時 単元名 教材名 目 標 3 4 指導者 自教室 森田宏美 平成19年11月16日(金) 第5校時(14:00 ~ 14:45) 本とともだちになろう ずうっと、ずっと、大すきだよ ○ 易しい読み物に、興味をもって読む。(関心・意欲・態度) ◎ 場面の様子や登場人物の行動や心情について、想像を広げながら読む。(読むこと) ◎ 物語の内容に対して、自分の感じたことや考えたことを文に書く。(書くこと) ○ 友達に紹介したい本を選んで、紹介文を書く。(書くこと) 指導観 本学級の児童は男子13名、女子15名、計28名である。全体的に明るく元気で、国語科の 学習に対して意欲的に取り組む児童が多い。今では平仮名の読み書きの学習を終了し、漢字や片 仮名の学習も進み、文字を読むことに慣れてきている。朝読書が始まる前から図書室などで借り た本を用意し、黙々と読んでいる姿を見かけるなど読書を好んでいる児童が多い。。 これまでに、「はなのみち」や「おむすびころりん」、「大きなかぶ」、「くじらぐも」の学習を 通して、動作化したり言葉を補ったりするなどして、話を楽しみながら、内容の大体をつかむ学 習をしてきた。また、場面の様子などについて想像を広げながら読んだり、文章のリズムに注意 しながら声に出して読んだりしてきた。そして、教師による読み聞かせや、自ら絵本などを読む 活動を通して、お話の世界に親しむことの楽しさも経験している。しかし、叙述に即して一つ一 つの語句や表現に注意しながら読むことのできる児童はまだ少ない。 一方、「書く」活動では、2学期に入り、車について説明的文章を書いたり、楽しかったことを 絵日記に書いたりするなど書く機会も増えている。生活科では、アサガオを観察したことやどん ぐり拾いに行ったことなどを文に表した。しかし、個人差が大きく、自分の思いを詳しく書くこ とができる児童もいれば、板書をノートに書き写すことがやっとの児童もいる。 ○ 本単元は、これまでに培った読みの力を定着させるとともに、主体的に教材を読み進め、読書 の楽しさを体験し、読書に親しみを深めることができるようになることをねらいとしている。 教材「ずうっと、ずっと、大すきだよ」は、小さい頃から共に育ち、成長してきた、愛犬「エ ルフ」と主人公「ぼく」との心の交流を中心として、そこに満ちる深い愛、命の慈しみを描いた 物語である。語り手である「ぼく」の成長と照らしながら、エルフの成長を描いているこの物語 は、時間的な順序がはっきりしており、話のあらすじがつかめやすい。また、「ぼく」の思いを想 像しながら読み深めていけるような挿絵も多く、お話の世界に浸って味わうことに適した教材で ある。 本教材は、「ぼく」が読者に語りかけるような文章で書かれており、児童が「ぼく」になりきっ てあらすじを押さえながら物語を読み進めることで内容が理解しやすくなり、想像を膨らませる ことができると思われる。その際、叙述と結び付けることによって、確かな読みの力として身に 付けさせることができる。さらに、物語の面白さや好きなところについて話し合ったり、紹介し 合ったりすることで、多様な意見や考え方に触れ、易しい読み物を読み味わう楽しさを感じるこ とができる。そうすることによって、今後の読書生活を豊かにすることができると思われる。 そして、この作品に触れて内容の面白さに気付き、それを伝え合うために論理的に書く活動を 位置付け、考えさせる場を設定することにより言葉の力を育てることができると考える。 ○ 本時は、これまでの学習を振り返り、一人一人が発表する場面である。そこで、本時において は、まず、挿絵と文章を対応させたり読み取ったことを結びつけたりしながら、大体の物語の内 容を思い起こさせる。そして、心に残っている場面や好きな場面を友達に紹介する文を書かせる。 その際、「わたしは、~です。そのわけは、~です。」「~が、~したことが、~と思いました。 そのわけは、~からです。」など、自分の感じたことを書く文体や例文を提示する。そうすること によって、児童が、その例文を使って紹介したい内容に対して自分の感じたことや考えたことを しっかりと述べることができるようにさせたい。次に、感想の交流を通して、人によっていろい ろな感じ方や考え方があることにも気付かせたい。そして、友達とお薦めの本を紹介し合い、そ れを聞いて考えを述べ合う活動につなぎ、楽しんで読書しようとする態度を育てたい。 ○ 6 本単元の評価基準 評価Aのポイント 関心・意欲・態度 読 む こ と 書 く こ と ○ 物語を楽しんだ後、好き ○ 一つ一つの語句や表現に注意 ○ 自分の感じたことや自分の な本を進んで選び、紹介し しながらあらすじを押さえ、場 考えを叙述をもとに書く。 ようとしている。 面ごとに想像を広げながら読む。○ 教科書に示された観点に 沿って、紹介する事柄を集め、 自分の考えを相手意識をもっ て楽しく紹介文を書く。 7 本時の指導 (1) 目標 ○ 物語の内容に対して、自分の感じたことや考えたことを文に表すことができる。 (2) 準備物 挿絵、ワークシート (3) 展開 学 習 活 動 児 童 の 意 識 の 流 れ 教師の働きかけ(○)評価(◎) 1 挿絵を見ながら物 ○ 挿絵を見ながら、前時まで 語を振り返る。 ・ この絵は、エルフが赤ちゃんだっ に読み取ってきたことを想起 たときの絵だな。 させる。 ・ エルフはいたずらもしたけれど、 みんなは、エルフのことが大好きだ ったな。 ・ エルフは年をとってずいぶん太っ たな。 2 学習のめあてを確 認する。 3 心に残ったことを 発表する。 ・ 「ぼくは、エルフのあったかいおな かを、いつもまくらにするのがすきだ った」というところがすきだよ。 ・ 「わたしは、エルフがかいだんも上 れなくなった」ところがかなしかった よ。 ○ 4 紹介文を書く。 ・ 書いたことを発 表する。 ・ そのわけは、とてもげんきだったの に、としをとってしまったからです。 ・ エルフもうれしかっただろうなと おもったからです。 ・ かぞくのみんなが、すごくかなしい きもちになっただろうなとおもったか らです。 ○ 5 次時の学習の確認 をする。 「おきにいりの」ほんをしょうかいを しよう。 8 ○ こころにのこったことを しょうかいしよう。 紹介するときは、 「『だれが、 何をした』ところが~だった」 という言い方で選んだ部分を 紹介するようにする。 自分の感じたことを文体を 例にして書かせる。 ○ 人によっていろいろな感じ 方や考え方があることに気付 かせる。 ◎ 物語の内容に対して、自分 の感じたことや考えたことを 文に表すことができたか。 研究の視点 文の書き方を示したことで、自分の感じたことや理由を明確にして書くことができたか。 5 単元の指導計画 学 【次】 【 一次】 一次 】 ・ ・ ・ (全8時間計画) 習 活 動(児童の意識の流れ) 教師の働き掛け 【 時数 】 ○ 「ずうっと、ずっと、大すきだよ」を読もう。 エルフがいたずらをするところがおもしろいな。 「ぼく」はエルフのことがすごく好きだったんだろうな。 エルフが死んですごくかわいそうでした。 読むこと と 書くこと の関連と育てたい言葉の力 全文を通読し、よ かったと思うところ、 かわいそうだと思っ たところを発表させ るようにする。 全文を通読する。 ○ 場面の様子を読む力 初発の感想を書く。 初発の感想を発表する。 「ぼく」がエルフをどれだけ大切にしていたのか考えよう。 【1】 【 二次】 二次 】 ○ 「 ぼく」とエルフは、どのくらい仲がよかったのか考えよう。 ・ ・ ・ ・ いっしょに大きくなった。 あたたかいおなかをまくらにするのがすきだった。 いっしょにゆめをみた。 まいにちいっしょにあそんだ。 挿絵と文章を対応 させながら、「ぼく」 とエルフがしたこと を書かせる。 ○ なるべく児童が自 分の力で読むように し、難しいところは 個別に指導したり、 全員で取り組んだり する。 叙述に即して読む力 ○ 「ぼく」とエルフ の仲がよかった様子 が分かる叙述を見つ ける。 「ぼく」とエルフが したことを書く。 ○ 語と語、文の続き 方に注意して書く力 エルフが年をとっていくときの「ぼく」の気持ちを考えよう。 「 ぼ く 」 の 心配 な 気持ちを読み取る。 「ぼく」が心配したのはなぜだろう。 ・ ・ ・ エルフがつらそうな顔をしているから心配だな。 年をとって寝ていることが多くなったから。 病気になったと思ったから。獣医さんにできること は何もなかったから。 ・ 散歩を嫌がるようになったから。 ・ 階段も上れなくなったから。 ○ エルフの様子を想 像 さ せ 、「 ぼ く 」 が 何を心配し、どんな 気持ちでそういう言 葉を投げかけたのか を読み取らせたい。 「ぼく」がエルフ のためにしてあげた ことを読み取る。 「ぼく」はエルフにどんなことをしてあげたのかな。 ○ ・ 柔らか い枕 をやっ て、エルフ 「ずうっと大好きだよ 」っていっ てやった。 ・ 階段をだっこして上ってあげた。 動作化や音声化を 通して、「ずうっと」 のほうが、「ずっと」 より、長く、深く、 強く「すき」だとい うことを実感させる。 それぞれの立場でエル フが死んでしまった悲し みを読み取る。 エルフが死んでしまったときの気持ちを考えよう ・ 「ぼく」 エルフが死んだ のは、悲しいけれ どいつも言ってあ げていたから、少 しは平気だよ。 ・ お母さん すきならすきと 言っていればよか ったわ。もういた ずらを見ることも なくなってさびし くなるわ。 ・ 家族 いたずらをし たときはすごく 叱ったけれど、 本当はすごくす きだったんだよ。 ○ 「ぼく」と家族の 思いの違いを考えな がら吹き出しに書か せる。 「ぼく」や家族の気持ちを 考えて吹き出しに書く。 ○叙述に即して書く力 エルフがいなくなった後の「ぼく」の気持ちを考えよう いらないと言った 「ぼく」の気持ちを 読み取る。 「となりの子」が子犬をくれると言ったのに、いらないと言っ たのはなぜだろう。 ・ ・ ・ ・ ・ エルフの代わりにはならないと思ったから。 エルフのようにかわいいと思わないから。 エルフが悲しむといけないから、ほしくないと思った。 エルフのことを忘れたくないから。 エルフよりいい犬がいるはずがないと思ったから。 ○ 「まいばん、きっといってやる」のはなぜだろう。 ・ ・ ・ 断ったのはその犬 がかわいくないから ではなく、エルフの ことを気にしてのこ とであるということ を、叙述をもとにし て気付かせる。 毎晩言ってやろうと思 った僕の気持ちを読み取 る。 喜んでくれるから。 うれしい気持ちになるから。 自分もうれしくなるから。 あらすじを読む。 心に残ったところを紹介し、発表しよう。 好きな場面に対し て、自分の考えを書 く紹介文を書く。 ○ 【5 全文を通し、心に 残ったところをワー 本時その5】 本時その5 】 クシートに書かせる。 自分の書いた文を ○ これまで学習した 場面の様子や気持ち 読む。 を振り返らせ、なぜ、 そ の 場 面 が 心 に 残 っ ○ 自分の文章や友達の ているのか理由を書 文章の良さを見つける力 かせる。 ○ 【 三次】 三次 】 「わたしのおすすめの本」の紹介カードを作ろう。 発表会をしよう。 【2】 あらかじめ児童が 今までに読んだ本を 聞き取っておき、で きるだけ本を集めて おく。 ○ 紹介カードには、 本の題名、登場人物、 お話の中であったこ とは必ず書くように する。 ○ 自分の考えを明確 にして書く力 本を紹介する内容 を考えて書く。 ○ 書く内容に合わせて 必要な事柄を集める力 6 本単元の評価基準 評価Aのポイント 関心・意欲・態度 読 む こ と 書 く こ と ○ 物語を楽しんだ後、好き ○ 一つ一つの語句や表現に注意 ○ 自分の感じたことや自分の な本を進んで選び、紹介し しながらあらすじを押さえ、場 考えを叙述をもとに書く。 ようとしている。 面ごとに想像を広げながら読む。○ 教科書に示された観点に 沿って、紹介する事柄を集め、 自分の考えを相手意識をもっ て楽しく紹介文を書く。 7 本時の指導 (1) 目標 ○ 物語の内容に対して、自分の感じたことや考えたことを文に表すことができる。 (2) 準備物 挿絵、ワークシート (3) 展開 学 習 活 動 児 童 の 意 識 の 流 れ 教師の働きかけ(○)評価(◎) 1 挿絵を見ながら物 ○ 挿絵を見ながら、前時まで 語を振り返る。 ・ この絵は、エルフが赤ちゃんだっ に読み取ってきたことを想起 たときの絵だな。 させる。 ・ エルフはいたずらもしたけれど、 みんなは、エルフのことが大好きだ ったな。 ・ エルフは年をとってずいぶん太っ たな。 2 学習のめあてを確 認する。 3 4 5 こころにのこったことを しょうかいしよう。 心に残ったことを 発表する。 ・ 「ぼくは、エルフのあったかいおな ○ 紹介するときは、 「『だれが、 かを、いつもまくらにするのがすきだ 何をした』ところが∼だった」 った」というところがすきだよ。 という言い方で選んだ部分を ・ 「わたしは、エルフがかいだんも上 紹介するようにする。 れなくなった」ところがかなしかった よ。 紹介文を書く。 ・ 書いたことを発 表する。 ・ そのわけは、とてもげんきだったの ○ 自分の感じたことを文体を に、としをとってしまったからです。 例にして書かせる。 ・ エルフもうれしかっただろうなと ○ 人によっていろいろな感じ おもったからです。 方や考え方があることに気付 ・ かぞくのみんなが、すごくかなしい かせる。 きもちになっただろうなとおもったか ◎ 物語の内容に対して、自分 らです。 の感じたことや考えたことを 文に表すことができたか。 「おきにいりの」ほんをしょうかいを しよう。 次時の学習の確認 をする。 8 研究の視点 文の書き方を示したことで、自分の感じたことや理由を明確にして書くことができたか。 ○ (2) 授業の実際 学習活動と教師の支援 1 挿絵を見ながら物語を振り返る。 ・ あらすじを確認しながら、自分が 心に残ったところはどこか考えさ せる。 児童の反応 エルフが亡くな って、悲しんでい る場面です。 エルフの 好きな庭に 埋めたんだ よね。 2 階段を上れなくなっ たエルフをだっこし て運んであげている ところです。 「ぼく」が一 緒に寝たかっ たんだよね。 学習のめあてを確認する。 こころにのこったところをしょう かいしよう。 3 心に残ったことを発表する。 ・ 次時の活動につなげるために、な ぜ、そこが好きなのか問いかける。 紹介文を書き、発表する。 ・ 自分の感じたことを「『だれが、 何をした』ところが∼でした。なぜ なら、∼です。」という文体を例に して書くようにする。更に自分の思 いの付け足しをさせる。 「エルフ、ずうっと、 ずっと、大すきだよ」 と言ってやるところが 好きです。 エルフが亡くなった ところが、悲しい気持 ちになりました。 4 5 次時の学習の確認をする。 「おきにいりの本」をしょうかいし よう。 「相性が通じる」 という言い方はお かしいんだな。ど ういう風に書こう かな。 (3) ア 成果と課題 論理的思考力を育てるための手だて 以前の読解力は、文章の内容を正しく読み取ることを重視していた。しかし、今では、 内容を正しく読み取ったうえで、自分の意見を述べるところまでが求められている。しか し、1年生では、自分の思っていることや考えていることを論理的に表現する方法を知ら ない児童が多い。そこで、文体を例示することにより、抵抗なく自分の意見を論理的に述 べることができるのではないかと考えた。 例えば、「わたしは、∼のところがこころにのこりました。なぜなら、・・・からです。」 や、 「ぼくは、∼のところがすきです。なぜかというと、 ・・・からです。」など、文型を提 示した。つまり、「∼」の部分に読み深めた場面を選んで表し、 「・・・」の箇所でその場 面での自分の思いや考えを豊かな言葉で述べることができることを意図したのである。 イ 成 果 文型を例示することにより、 ほとんどの児童が抵抗なく、順 序を考えながら紹介文を書くこ とができた(資料1、2、3) 。 (資料1) (資料2) (資料3) また、A 児においては、書くことに抵抗があり、 表したいことがあっても、それをどのように表現 したらよいのか分からないために、自分の思いを うまく人に伝えることができない傾向にあった。 しかし、文型を示すことで、顔の表情から自分が 寂しくなったと感じたことを、表すことができた (資料4)。 (資料4) B児は、自分の思いがありすぎて、焦点を 絞って表すことが苦手な児童であるが、うれ しい気持ちに焦点を当てて、その理由を論理 的に説明している(資料5)。 以上のことから、文型を示し、具体的にそ の根拠を書かせたことにより、自分の思いを 論理的に表すことができるようになったと考 える。 (資料5) ウ 課 題 C児は、自分の過去の体験や自分のもってい る知識と照らし合わせながら物語を読み取るこ とのできる児童である。その子なりの読みを期 待していたが、文型の中に無理に入れようとし たために、その子のもつ独自性を生かすことが できなかった。しかし、文型を身に付けること は表現力を育てるために必要な力であると考え る。そこで、今後は、自分の思いを説得力をも って相手に伝えたり論理的に表したりする言葉 の力を身に付けさせたい(資料6)。 ( (資料6) ・ 「私は、エルフが亡くなったところがいいと思いました。」と書いている児童がいた。 「私 は、∼のところが『心に残りました。』 」と、はっきり決めた方がよかったのではないかと 考える。教師が不用意な助言をしたことにより、かえって混乱させた。一人一人の児童の 実態を的確にとらえ、計画的に意図的な助言を考えておかなければならない。 ・ 児童の意識の中に、どうして自分の考えを文にしなければならないのかという目的意識 が薄かった。書くことに対する児童の必要感を生かす場面設定をし、その個に応じた言葉 かけをする必要があった。
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