ネオマフォームDHを施工した界壁の遮音性能について

平成 17 年 1 月 17 日
ネオマフォームDHを施工した界壁の遮音性能について
旭化成建材株式会社
断熱材事業部
1.目的
ネオマフォームDH(断熱補強用高性能フェノールフォーム
厚 12mm)にて界壁部分の
断熱補強を行った隣戸間の遮音性能を確認する。
2.試験方法
JIS A 1417:2000「建築物の空気音遮断性能の測定方法」に準拠して測定を行う。
音源室に設置したスピーカ及び雑音発生器よりノイズを発生させ、音源室・受音室各々
で積分騒音計を用いて音圧レベルを読み取り、音圧レベル差を算出する(図−1参照)。
この測定結果より JIS A 1419:2000「建築物及び建築部材の遮音性能の評価方法
第1
部:空気音遮断性能」(附属書1:等級曲線による評価)に従って遮音等級D値(Dr値)
を求める。
3.測定対象界壁の概要
測定対象界壁の概要を図−2に示す。
音源室
ALC(t=100)
受音室
RAMSA WS-A200
RAMS
A
現場発泡ウレタン
石膏ボード(GL工法)
600
スピーカ
【部屋】
RION SF-05
65.7
RION NA-27
【部屋】
180
ネオマフォームDH(t=12)打込
表面モルタル(t=2∼3)しごき
雑音発生器
積分騒音計
図−1
試験方法概要
204
図−2
測定対象界壁の概要
4.測定結果(図−3)
試験結果より、ネオマフォームDHにて界壁部分の断熱補強を行った隣戸間の遮音性能
はD−50であり、RC壁(180mm)と同等程度であった。
また、500Hz近傍にて遮音性能が若干低下しているが、これは、柱部および外壁部
に施工されたGL工法の影響と思われる。なお、参考としてRC壁(180mm)の質量則に基
づいて算出した遮音性能(拡散入射)を併せて示す。
音圧レベル差(dB)
63
125
250
500
1000
2000
4000
ネオマフォームDH(実測値)
40.0
41.7
49.1
49.5
57.9
62.8
63.9
RC壁 180mm(計算値)
35.1
40.6
46.1
51.7
57.3
63.0
68.7
80
70
D-55
60
D-50
D-45
透過損失(dB)
50
D-40
D-35
40
30
20
ネオマフォームDH
RC壁 180mm(参考)
10
0
63
125
250
500
周波数(Hz)
図−3
測定結果
1000
2000
4000
5.まとめ
ネオマフォームDHにて界壁部分の断熱補強を行った隣戸間の遮音性能を測定し、D−
50であることを確認した。これは、建築学会の遮音性能基準による適用等級(集合住宅)
1級であり、実用上問題のないレベルと考えられる。
以上
【参考資料】
出典:日本建築学会「建築物の遮音性能基準と設計指針」(第ニ版)
室間平均音圧レベル差に関する適用等級
建築物
室用途
集合住宅
居室
ホテル
客室
部位
隣戸間界壁
〃
界床
客室間界壁
〃
界床
適用等級
特級
1級
2級
3級
D−55
D−50
D−45
D−40
D−55
D−50
D−45
D−40
D−50
D−45
D−40
D−35
業務上プライバシー
客間仕切壁
を要求される室
テナント間界壁
学校
普通教室
客間仕切壁
D−45
D−40
D−35
D−30
病院
病院(個室)
〃
D−50
D−45
D−40
D−35
事務所
適用等級の意味
適用等級
遮音性能の水準
性能水準の説明
特級
遮音性能上とくにすぐれている
特別に高い性能が要求された場合の性能水準
1級
遮音性能上すぐれている
建築学会が推奨する好ましい性能水準
2級
遮音性能上標準的である
一般的な性能水準
3級
遮音性能上やや劣る
やむを得ない場合に許容される性能水準