UNIX/Linux クラスタ対応版 ・Microsoft、 Windows NT、 Windows、 Windows XP、 Windows Server 2003、 Visual C++、 Visual Basic は 、 米 国 Microsoft Corporation の 米 国 お よ び そ の 他 の 国 に お け る 登 録 商 標 ま た は 商 標 で す 。 ・OS/400、 OS/390、 AIX は 、 米 国 に お け る 米 国 International 商標です。 Business Machines Corporation の 登 録 ・MSP、 XSP は 、 富 士 通 株 式 会 社 の 登 録 商 標 で す 。 ・VOS3 は 、 株 式 会 社 日 立 製 作 所 の オ ペ レ ー テ ィ ン グ シ ス テ ム の 名 称 で す 。 ・ORACLE は 、 ORACLE Corporation の 登 録 商 標 で す 。 ・UNIX は 、 The Open Group の 登 録 商 標 で す 。 ・Tandem、 Himalaya、 Nonstop は 、 Hewlett-Packard ・HP-UX は 、 Hewlett-Packard ・Solaris は 、 米 国 Sun す。 ・Linux は 、 Linus Company の 商 標 で す 。 Company の 登 録 商 標 で す 。 Microsystems,Inc. の 米 国 お よ び そ の 他 の 国 に お け る 商 標 ま た は 登 録 商 標 で Torvalds の 米 国 お よ び そ の 他 の 国 に お け る 登 録 商 標 ま た は 商 標 で す 。 ・Adobe Reader は Adobe Systems Incorporated(ア ド ビ シ ス テ ム ズ 社 )の 商 標 で す 。 ・CLUSTERPRO は 、 日 本 電 気 株 式 会 社 の 登 録 商 標 で す 。 ・Java お よ び す べ て の Java 関 連 の 商 標 お よ び ロ ゴ は 、 米 国 Sun 他の国における商標または登録商標です。 Microsystems,Inc. の 米 国 お よ び そ の ・C4S(R)は 、 株 式 会 社 シ ー フ ォ ー テ ク ノ ロ ジ ー の 登 録 商 標 で す 。 ・VERITAS Cluster Server は 、 米 国 Symantec Corporation の 米 国 内 お よ び そ の 他 の 国 に お け る 登 録 商標または商標です。 ・MC/ServiceGuard は 、 Hewlett-Packard Company の 登 録 商 標 で す 。 ・DNCWARE お よ び ClusterPerfect は 、 東 芝 ソ リ ュ ー シ ョ ン 株 式 会 社 の 登 録 商 標 で す 。 ・SteelEye お よ び LifeKeeper は 、 米 国 お よ び そ の 他 の 国 に お け る SteelEye 商標です。 ・OpenSSL Technology, Inc の 登 録 License Copyright (c) 1998-2003 The OpenSSL Project. All rights reserved. "This product includes software developed by the OpenSSL Project for use in the OpenSSL Toolkit. (http://www.openssl.org/)" ・SSLeay License Copyright (C) 1995-1998 Eric Young ([email protected]) All rights reserved. "This product includes cryptographic software written by Eric Young ([email protected])" ・その他の製品名等の固有名詞は、各メーカーの商標または登録商標です。 お願い ・本書の一部、または全部を無断で他に転載することを禁じます。 ・本書および本製品は、予告なしに変更されることがあります。 Copyright(c)1992-2007 SAISON INFORMATION SYSTEMS CO.,LTD. All Rights Reserved. HULFT クラスタ対応版 はじめに 本書は、HULFTクラスタ対応版をクラスタ構成システム上で稼動させるために必要な環境設定など について述べたものです。クラスタ構成システムの設計、構築に携わっている方および、HULFTクラ スタ対応版の導入から運用を担当する方を対象に解説しています。 ・本書の構成 本書は、以下の章で構成されています。 第1章 第2章 第3章 第4章 第5章 第6章 付録1 クラスタ環境下でのHULFT クラスタ対応版の機能 インストール手順・環境設定 クラスタ対応版のユーティリティ クラスタ対応版の運用と留意点 運用例 用語集 ・本書の表記について <製品名称について> ・UNIX版とLinux版に相違はありません。Linux版をご利用の場合は、本文中のUNIXをLinuxに読 み換えてご利用ください。 ・「HULFT for UNIX/Linux」と「HULFT-SAN for UNIX/Linux」、およびそのクラスタ対応版を 総称して、HULFTと表記しています。 ・各製品を示す場合は、その製品名を表記します。 <コマンドやコントロールカードの解説> [] 大かっこ。このかっこで囲まれた項目は、省略可能であることを示しています。 {} 中かっこ。かっこ内の項目の中から一つを選択する必要があることを示していま す。 …… 繰り返し記号。必要に応じて繰り返し入力する項目を示します。繰り返し記号は単 一の語の後ろにある場合もあれば、大かっこまたは中かっこで囲まれたグループの 後ろに示されている場合もあります。形式の中での大かっこまたは中かっこで囲ま れた部分は一つの単位とみなすので、繰り返しを指定するときは、その単位で繰り 返します。 │ 縦線。選択項目の区切りに使われます。 カンマ(,)、等号(=)などの記号は表示されている位置に入力します。 <コマンドや管理情報の設定値> 英大文字 英大文字(A∼Z)が設定可能であることを示しています。 英小文字 英小文字(a∼z)が設定可能であることを示しています。 英字 英大文字(A∼Z)および、英小文字(a∼z)が設定可能であることを示しています。 英数字 英字(A∼Z,a∼z)および、数字(0∼9)が設定可能であることを示しています。 HULFT クラスタ対応版 ・利用方法 HULFTのマニュアルは、HULFTをご利用になる方やそのご利用形態により以下のように分冊されて います。ファイル名、格納場所等については、インストールCD内のreadmeを参照してください。 「HULFT機能説明書」 HULFTの 機 能 に つ い て 述 べ た も の で す 。 HULFTを 初 め て ご 利 用 に な る 方 お よ び 、 HULFTの 導 入 を 担当される方を対象に説明しております。 「HULFT Ver.6 新機能・非互換説明書」 新 製 品 の 機 能 説 明 、 お よ び 旧 バ ー ジ ョ ン と の 非 互 換 等 に つ い て 述 べ た も の で す 。 HULFT製 品 の 新規導入、バージョンアップ、レベルアップ、リビジョンアップ、製品移行を行う方を対象 に説明しております。 「HULFT UNIX/Linux 導入マニュアル」 HULFTの イ ン ス ト ー ル か ら 環 境 設 定 、 フ ァ イ ル 転 送 (疎 通 テ ス ト )ま で の 手 順 に つ い て 述 べ た も の で す 。 HULFTを 初 め て ご 使 用 に な る 方 や 、 バ ー ジ ョ ン ア ッ プ 、 レ ベ ル ア ッ プ 、 リ ビ ジ ョ ン アップを実施される方を対象に説明しております。 「HULFT UNIX/Linux アドミニストレーション・マニュアル」 HULFTを UNIX/Linux上 で 稼 動 さ せ る た め に 必 要 な 環 境 設 定 に つ い て 述 べ た も の で す 。 ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・ シ ス テ ム の 設 計 、 構 築 に 携 わ っ て い る 方 お よ び 、 HULFTの 導 入 を 担 当 す る 方 を 対 象に説明しております。 「HULFT UNIX/Linux オペレーション・マニュアル」 HULFTを UNIX/Linux上 で 稼 動 さ せ る た め に 必 要 な 環 境 設 定 に つ い て 述 べ た も の で す 。 ア プ リ ケーション・システムの設計、構築に携わっている方および、日常的にシステムの運用をす る方を対象に説明しております。 「HULFT UNIX/Linux コマンドリファレンス」 HULFTの コ マ ン ド 集 で す 。 ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・ シ ス テ ム の 設 計 、 構 築 に 携 わ っ て い る 方 お よ び、日常的にシステムの運用に携わっている方を対象に説明しております。 「HULFT UNIX/Linux エラーコード・メッセージ」 HULFTの エ ラ ー コ ー ド お よ び メ ッ セ ー ジ 内 容 に つ い て 述 べ た も の で す 。 ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・ シ ステムの設計、構築に携わっている方および、日常的にシステムの運用に携わっている方を 対象に説明しております。 「HULFT 使用例」 HULFTの 使 用 例 に つ い て 述 べ た も の で す 。 HULFTを 初 め て ご 使 用 に な る 方 か ら 、 HULFTを 使 用 し たシステムの設計、管理、運用に携わる方を対象に説明しております。 以下の製品は、上記のマニュアルに加えて各製品のマニュアルをお読みください。 ・HULFT for UNIX/Linux クラスタ対応版 ・HULFT for UNIX/Linux PPPサーバ・オプション ・HULFT for UNIX/Linux エクスチェンジャ・オプション ・HULFT-SAN for UNIX/Linux ・HULFT-SAN for UNIX/Linux クラスタ対応版 以下の製品は、各製品のマニュアルをお読みください。 ・HULFT FireWall ・HULFT スケジューラ for UNIX ・HULFT データ変換 for UNIX (Ver.5) ・HULFT データ変換 Standard for UNIX/Linux Ver.6 ・HULFT データ変換 Pro for UNIX/Linux Ver.6 HULFT クラスタ対応版 目 次 第 1 章 クラスタ環境下での H U L F T ............................................. 1-1 1.1 HULFTクラスタ対応版とは ............................................ 1-2 1.1.1 1.1.2 1.1.3 1.2 1.2.1 1.2.2 クラスタ構成システムの種類 ................................................ 1-2 クラスタ対応版の稼動形態 .................................................. 1-3 クラスタ対応版の運用形態 .................................................. 1-4 HULFTクラスタ対応版の概要 .......................................... 1-5 クラスタ対応のアプリケーションとして必要とされる機能 ...................... 1-5 クラスタ対応のHULFTとして必要とされる機能 ................................. 1-6 第 2 章 クラスタ対応版の機能 ................................................. 2-1 2.1 管理情報・履歴の耐障害強化機能 ..................................... 2-2 2.1.1 2.1.2 2.2 2.2.1 2.2.2 2.2.3 2.3 2.4 2.4.1 2.4.2 2.5 2.5.1 2.5.2 2.6 2.6.1 2.6.2 管理情報の2重化 ........................................................... 2-2 履歴ファイルの修復 ........................................................ 2-2 起動同期機能 ....................................................... 2-3 起動同期モード ............................................................ 2-3 生存監視モード ............................................................ 2-4 生存・相互監視モード ...................................................... 2-5 生存確認機能 ....................................................... 2-6 終了同期機能 ....................................................... 2-7 処理同期モード ............................................................ 2-7 強制終了モード ............................................................ 2-9 自動再配信拡張機能 ................................................ 2-10 フェイルオーバ後自動再配信機能 ........................................... 2-10 フェイルオーバ後自動再集信機能 ........................................... 2-12 システム動作環境設定問い合わせ・再設定機能 ....................... 2-14 システム動作環境設定再設定機能 ........................................... 2-14 システム動作環境設定問い合わせ機能 ....................................... 2-14 第 3 章 インストール手順・環境設定 .......................................... 3-1 3.1 クラスタ対応版の導入にあたり ....................................... 3-2 3.1.1 3.1.2 3.1.3 3.1.4 3.2 3.2.1 3.2.2 3.3 3.4 3.5 3.6 クラスタ対応版の動作環境 .................................................. 3-2 クラスタ構成システムにおけるホスト名について .............................. 3-3 クラスタ構成システムと相手マシンとの接続について .......................... 3-4 HULFT-SAN クラスタ対応版の動作環境 ........................................ 3-5 インストール手順 ................................................... 3-6 クラスタ対応版の導入先決定 ................................................ 3-6 クラスタ対応版のインストール .............................................. 3-7 クラスタ対応版の環境設定編集 ...................................... クラスタ対応版の起動 .............................................. クラスタ対応版でのH U L F T 疎通テスト ................................ クラスタ対応版の停止 .............................................. I 3-10 3-10 3-10 3-10 HULFT クラスタ対応版 第 4 章 クラスタ対応版のユーティリティ ...................................... 4-1 4.1 起動同期機能 ....................................................... 4-2 4.1.1 4.1.2 4.2 4.2.1 4.2.2 4.3 4.3.1 4.3.2 4.4 4.4.1 4.4.2 4.4.3 4.4.4 起動同期コマンド .......................................................... 4-2 起動同期コマンドの使用例 .................................................. 4-3 生存確認機能 ....................................................... 4-4 生存確認コマンド .......................................................... 4-4 生存確認コマンドの使用例 .................................................. 4-5 終了同期機能 ....................................................... 4-6 終了同期コマンド .......................................................... 4-6 終了同期コマンドの使用例 .................................................. 4-7 システム動作環境設定問い合わせ・再設定機能 ........................ 4-8 問い合わせ・再設定可能項目 ................................................ 4-8 システム動作環境設定問い合わせコマンド ................................... 4-11 システム動作環境設定再設定コマンド ....................................... 4-12 システム動作環境設定問い合わせ・再設定コマンドの使用例 ................... 4-13 第 5 章 クラスタ対応版の運用と留意点 ........................................ 5-1 5.1 クラスタ対応版の運用における制限事項 .............................. 5-2 5.1.1 5.1.2 5.2 5.2.1 5.2.2 5.2.3 5.3 5.3.1 5.4 5.4.1 5.4.2 5.5 5.6 HULFTで使用するファイル・実行ジョブ等の格納先 ............................ 5-2 予期せぬフェイルオーバ時における注意 ...................................... 5-2 終了同期要求発行時の動作 ........................................... 5-3 配信デーモン終了同期要求受付時の動作 ...................................... 5-3 集信デーモン終了同期要求受付時の動作 ...................................... 5-5 要求受付デーモン終了同期要求受付時の動作 .................................. 5-6 管理情報の二重化について ........................................... 5-7 二重化された管理情報ファイル名 ............................................ 5-7 自動再配信拡張機能の留意点 ......................................... 5-8 フェイルオーバ後自動再配信の留意点 ........................................ 5-8 フェイルオーバ後自動再集信の留意点 ........................................ 5-9 監視のしくみの相違点 .............................................. 5-11 クラスタ対応版への接続時の留意点 ................................. 5-12 第 6 章 運用例 ............................................................... 6-1 6.1 運用例概要 .......................................................... 6-2 6.2 システム構成・運用計画の作成 ....................................... 6-4 6.2.1 6.2.2 6.2.3 6.3 6.3.1 6.3.2 6.3.3 システム構成 .............................................................. 6-4 運用計画の作成 ............................................................ 6-4 作業フロー ................................................................ 6-5 HULFTの導入 ......................................................... 6-6 HULFTの導入環境決定 ....................................................... 6-6 HULFTのインストール ....................................................... 6-7 クラスタソフトウェアへの設定 .............................................. 6-7 II HULFT クラスタ対応版 6.4 6.4.1 6.4.2 6.5 6.6 仮運用の開始 ....................................................... 6-8 バックアップシステム側(集信側)の設定 ...................................... 6-8 各社サーバ(配信側)の設定 .................................................. 6-9 正式版への移行 .................................................. 6-10 本番運用の開始 .................................................... 6-11 付録 1 用語集 .............................................................. 付 1-1 付1.1 クラスタに関わる用語集 ........................................... 付1-2 III HULFT クラスタ対応版 IV HULFT クラスタ対応版 第1章 クラスタ環境下での HULFT 本章では、クラスタのしくみ・種類について概略を 述べ、HULFTクラスタ対応版の概要について説明し ます。 1 - 1 HULFT クラスタ対応版 1.1 HULFTクラスタ対応版とは 1.1.1 クラスタ構成システムの種類 クラスタリングとは、2台以上のコンピュータ(サーバ)をあたかも1台のように見せる仮想化技術 のことを指します。この方法を使用することで、大量の処理を複数サーバに分割して処理すること で全体の処理時間を短縮する、もしくはあるひとつのサーバ障害が発生しても、他のサーバが代替 することで業務を継続することが可能になります。 このようなクラスタリングを使用したシステム(クラスタ構成システム)には主に次のタイプがあ ります。 High Performance Computing(ハイパフォーマンス)型 / HPCクラスタ 複数台のサーバが協調動作することにより全体の処理能力を向上させる機能です。 High Scalability(スケーラビリティ)型 / ロードバランシングクラスタ クライアントからの要求を、複数のサーバに負荷がなるべく均等になるように処理を分散し て割り当てる機能です。 High Availability(アベイラビリティ)型 / HAクラスタ・フェイルオーバクラスタ 2台以上のサーバでディスクを共有し、通常稼動時は主系(以下運用系)サーバが処理を行い ます。運用系サーバに障害が発生した場合、代替(以下待機系)サーバがデータや処理を引き 継ぎます(フェイルオーバ機能)。 障害が起こった場合でもシステムの停止時間を最小限に抑えるように設計されたシステムで す。 HULFTクラスタ対応版は、これらのクラスタ構成システムのうち、High Availability 型(HAクラ スタ・フェイルオーバクラスタ)の環境でHULFTを動作させることを目的とした製品です。 1 - 2 HULFT クラスタ対応版 1.1.2 クラスタ対応版の稼動形態 HULFTクラスタ対応版は、フェイルオーバ型クラスタ構成のシステムを管理するクラスタソフト ウェア上で動作します。 そのクラスタソフトウェア上で動作するHULFTクラスタ対応版は、運用・待機系ノードで動作さ せ、フェイルオーバが発生した場合でも、通信先から1つのHULFTとして見え、ノードの切り替え を意識する必要がありません。 以下に、フェイルオーバ型クラスタ構成システム上で動作するHULFTクラスタ対応版の代表的な 稼動形態を示します。 HULFT HULFT 障害発生 クラスタソフトウェア 相互監視(ハートビート) フェイルオーバ 運用系サーバ 待機系サーバ HULFTクラスタ対応版 共有ディスク HULFTクラスタ対応版 図1.1 HULFTクラスタ対応版の稼動形態例 1 - 3 HULFT クラスタ対応版 1.1.3 クラスタ対応版の運用形態 フェイルオーバ型クラスタは、運用形態により片方向スタンバイ型、双方向スタンバイ型とに 分類されます。HULFTクラスタ対応版は、その両方の形態で動作可能です。 (1)片方向スタンバイ型(Active-Stanby型) 片方のサーバを運用系とし処理を稼動させ、もう片方のサーバを待機系とし処理を稼動させ ない運用形態です。 HULFT HULFT 障害発生 図1.2 片方向スタンバイ構成でのHULFT (2)双方向スタンバイ型(Actvie-Active型) 複数のサーバで処理を稼動させ、相互に待機系とする運用形態です。 HULFT HULFT HULFT 障害発生 HULFT 図1.3 双方向スタンバイ構成でのHULFT 詳細については、「3章 インストール手順・環境設定」「6章 運用例」を参照してください。 1 - 4 HULFT クラスタ対応版 1.2 HULFTクラスタ対応版の概要 1.2.1 クラスタ対応のアプリケーションとして必要とされる機能 HULFTクラスタ対応版は、クラスタ構成システム下で動作するアプリケーションとして、通常の HULFTに加え以下の機能を追加しました。 (1)耐障害性 クラスタ環境では、フェイルオーバが発生した場合、処理が待機系サーバに引き継がれま す。このため、アプリケーションは終了時に共有ディスクへ必要なデータを保存し終了するこ とが必要です。さらに、定期的にディスクに保存されていることも必要とされます。 また、障害発生時にアプリケーションが更新していたファイルは、フェイルオーバの発生要 因やタイミングによってはデータの一部が破損してしまうような状況が起こりえます。アプリ ケーションはこの状態から復旧するしくみを備えておく必要がありますが、クラスタ環境では 加えてこの状態から自動的に復旧するしくみも必要とされます。 HULFTクラスタ対応版では、このような耐障害性機能を追加した管理情報・履歴ファイルを 提供します(管理情報・履歴の耐障害強化機能)。 (2)起動のしくみ アプリケーションは、クラスタ構成システムを管理するクラスタソフトウェア上で動作しま す。したがって、クラスタソフトウェアがアプリケーションを起動できるしくみを提供する必 要があります。その際、起動のしくみは監視対象プロセスが正常に起動するまで待つ(同期を とる)必要があります。また、クラスタソフトによっては、起動プロセスの生存そのものを監 視条件とするタイプもあり、その場合には起動プロセスはアプリケーションが終了するまで生 存し続けている必要があります。 HULFTクラスタ対応版は、そのようなクラスタソフトウェアからでもHULFTを確実に起動でき るしくみを提供します(起動同期機能)。 (3)監視のしくみ クラスタソフトウェアがアプリケーションの生存を監視するには、生存確認のしくみが必要 とされます。 これにはプロセスIDに対して単にプロセスの生存を確認するといった方法もありますが、 HULFTクラスタ対応版では、HULFTに直接問い合わせて監視でき、さらに動作可能な状態で確実 にプロセスが生存していることがわかるしくみを提供します(生存確認機能)。 1 - 5 HULFT クラスタ対応版 (4)停止のしくみ 監視アプリケーションに異常が発生した場合、フェイルオーバを行い待機系サーバへ処理を 引き継ぐために運用系サーバの処理を中断させます。その際、クラスタソフトウェアが監視ア プリケーションの中断を正常に行えなかった場合は、より強制的な手段でアプリケーションを 終了させます。このような場合には、アプリケーションの管理しているデータなどが破壊され てしまう可能性があります。そのため、アプリケーションは瞬時に全ての処理を正常に停止さ せるしくみを提供する必要があります。 また、停止のしくみが監視プロセスの終了を待たない(同期がとれていない)場合、まだ共有 ディスクにアクセスしているにもかかわらず、強制的にディスクがアンマウントされてしまう 可能性もあります。 HULFTクラスタ対応版では、このような状況に対応するため、HULFTを同期をとって停止でき るしくみを提供します(終了同期機能)。 1.2.2 クラスタ対応のHULFTとして必要とされる機能 HULFTクラスタ対応版は、クラスタ構成システム下で動作するHULFTとしてシステムの可用性を より高めるために、通常のHULFTに加え以下の機能を拡張・追加しました。 (1)フェイルオーバ後、転送再開の自動化 集配信時にフェイルオーバが起こった場合、高可用性システムとして、フェイルオーバ後に 転送が自動で再開されることが必要です。 HULFTクラスタ対応版は、通常のHULFT(Ver.6以降)の自動再配信機能を拡張し、データ転送 中における異常発生時のフェイルオーバ後には、自動で再配信・再集信を行う機能を提供しま す(自動再配信拡張機能)。 (2)システム動作環境設定の動的反映 HULFTのデーモンプロセスを停止せずに、設定値を変更する機能を提供します(システム動作 環境設定問い合わせ・再設定機能)。 詳細については、「第2章 クラスタ対応版の機能」を参照してください。 1 - 6 HULFT クラスタ対応版 第2章 クラスタ対応版の機能 本章では、HULFTクラスタ対応版の機能について説 明します。 2 - 1 HULFT クラスタ対応版 2.1 管理情報・履歴の耐障害強化機能 2.1.1 管理情報の2重化 HULFTクラスタ対応版は、使用する各管理情報ファイルを2重化します。 クラスタ対応版が管理情報ファイルの更新中(登録、変更、削除を含む)に何らかの原因でフェ イルオーバが発生しても、再起動時にリカバリ処理を行うので、管理情報が破壊され、HULFTが再 起動できないということはありません。 2.1.2 履歴ファイルの修復 HULFTの履歴ファイルは、集配信・要求受付履歴すべて固定長のレコードフォーマットになって います。もし履歴の書き込み途中でフェイルオーバが発生した場合、従来のHULFTでは、レコード フォーマットが崩れてしまう可能性があり、一度フォーマットが崩れてしまうと以降の履歴には 正常にアクセスすることができませんでした。 クラスタ対応版では、その崩れてしまったレコードフォーマットの修復処理を行います。 異常発生 書き込みに失敗した レコード以降の 履歴は読み出せない フォーマットが崩れてしまった 履歴ファイル 図2.1 従来のHULFTの履歴ファイル 書き込みに失敗した レコードを削除 図2.2 HULFTクラスタ対応版の履歴ファイル 2 - 2 HULFT クラスタ対応版 2.2 起動同期機能 従来のHULFTでは、デーモンの起動を行うとすぐ実行プログラムは終了します。そのため、クラス タソフトウェアからはHULFTの各デーモンが確実に起動し、常駐していることまでは確認できません でした。 クラスタ対応版では、クラスタソフトウェア側でデーモンが正常に起動し、常駐を開始できたこ とを確実に知ることができます(起動同期モード)。また、クラスタソフトウェアからデーモンが起 動中であること、常駐しているかどうかを監視することもできます(生存監視モード)。さらに、生 存監視モードでデーモン監視中に、万が一、その監視を行うプロセスが強制終了させられた場合に 備えることもできます(生存・相互監視モード)。 このように起動同期機能には、起動同期モード、生存監視モード、生存・相互監視モードの3通り があり、どのモードで起動するかは、クラスタソフトウェアや運用方針により異なります。詳細に ついては「HULFT UNIX/Linux クラスタ対応版設定例」マニュアルを参照してください。 また指定方法については、クラスタ対応版専用の起動同期ユーティリティに各モードのオプショ ンを使用してデーモンを起動させます。詳細については「第4章 クラスタ対応版のユーティリ ティ」を参照してください。 2.2.1 起動同期モード デーモンが正常に起動できたことを確認することができます。 起動同期モードでのデーモン起動の流れを図2.3で説明します。 ①起動要求 各デーモン起動同期 コマンド 各デーモン ② ③ 正常起動 図2.3 起動同期(起動同期モード) ①起動同期コマンド起動 各デーモン起動同期コマンドは、各デーモンへデーモン起動要求を発行します。 ②デーモンの起動 デーモンが、起動します。 ③デーモン起動の通知 デーモンは起動後、起動同期コマンドに結果を通知し、起動同期コマンドは終了しま す。 2 - 3 HULFT クラスタ対応版 2.2.2 生存監視モード デーモンが正常に起動し、さらに生存しているかどうかをデーモン終了まで監視します。 生存監視モードでのデーモン起動の流れを図2.4で説明します。 ①起動要求 各デーモン起動同期 コマンド 各デーモン ② 正常起動 ④ デーモン終了要求 コマンドなど ③ 終了 図2.4 起動同期(生存監視モード) ①起動同期コマンド起動 各デーモン起動同期コマンドは、各デーモンへデーモン起動要求を発行します。 ②デーモンの起動 デーモンが、起動します。 ③デーモンの終了 デーモンは終了依頼を受け、終了します。 ④デーモン終了の通知 デーモンは終了後、起動同期コマンドに結果を通知し、起動同期コマンドは終了しま す。 2 - 4 HULFT クラスタ対応版 2.2.3 生存・相互監視モード 「2.2.2 生存監視モード」でデーモンを起動した場合に、その起動同期ユーティリティが異常 終了していないかを監視することもできます。このモードでは起動同期コマンドが異常終了した 場合、デーモンを強制終了させます。起動同期コマンドが強制終了される環境でない限りは、生 存監視モードを指定してください。 生存・相互監視モードでのデーモン起動の流れを図2.5で説明します。 ①起動要求 各デーモン起動同期 コマンド 各デーモン ③ ユーザによる 強制終了など ② ① 常時監視 各デーモン起動同期 監視プロセス 正常起動 ④強制終了依頼 終了 図2.5 起動同期(生存・相互監視モード) ①起動同期コマンド起動 各デーモン起動同期コマンドは、各デーモンへデーモン起動要求を発行します。その 際、起動同期コマンド監視プロセスも起動されます。この監視プロセスは、デーモン 起動同期コマンドの生存を常時監視します。 ②デーモンの起動 デーモンが、起動します。 ③デーモン起動同期コマンドの異常終了 デーモン起動同期コマンドが何らかの強制終了依頼を受けた場合、異常終了します。 ④起動同期コマンド監視プロセスからの強制終了依頼 常時監視をしている起動同期コマンド監視プロセスは、コマンドの異常終了を検知 し、ただちにデーモンを強制終了させます。 【備考】 ・デーモンが異常終了した場合も、起動同期コマンド(生存監視または生存・相互監 視モード)は終了します。 ・起動同期コマンド監視プロセスが何らかの強制終了依頼を受けた場合は、監視プ ロセスのみが異常終了し、デーモンは強制終了されません。 2 - 5 HULFT クラスタ対応版 2.3 生存確認機能 クラスタ対応版では、HULFTの配信・集信・要求受付デーモンがそれぞれ正常に動作していること を確認することができます。 本機能を使用するかどうかは、クラスタソフトウェアや運用形態により異なります。詳細につい ては「HULFT UNIX/Linux クラスタ対応版設定例」マニュアルを参照してください。 指定方法については、クラスタ対応版専用の生存確認ユーティリティを使用します。詳細につい ては「第4章 クラスタ対応版のユーティリティ」を参照してください。 ①生存確認 各デーモン生存確認 コマンド 各デーモン ②確認結果 図2.6 生存確認 ①生存確認コマンド起動 各デーモン生存確認コマンドは、各デーモンへ生存確認依頼を発行します。 ②デーモン生存確認結果の通知 デーモンは正常に起動中であれば、各デーモン生存確認コマンドに「0」を返しま す。正常に起動していない場合は「0」以外のコードを返します。 【備考】ユーティリティの返すコードの詳細については、「HULFT UNIX/Linux エラーコー ド・メッセージ」マニュアルを参照してください。 2 - 6 HULFT クラスタ対応版 2.4 終了同期機能 クラスタソフトウェアがフェイルオーバ処理を行う場合、最後まで終了できなかった監視対象プ ロセスに対し強制終了シグナルなどを発行して強制終了させます。しかし強制的に終了させられた プロセスは正常な終了処理を行うことができず、特に資源に対してアクセスを行っていた場合は、 システムファイルなどに不整合が生じる可能性があります。 クラスタ対応版では、そういったフェイルオーバ時に、デーモンを正常に終了させることができ ます。HULFTの処理中の各プロセスが処理を全て行ってからデーモンを正常に終了させる方法(処理 同期モード)と、各プロセスが処理中であっても処理を強制的に終了・停止させ、デーモンを正常に 終了させる方法(強制終了モード)があります。 このように、終了同期機能には、処理同期モード、強制終了モードの2通りがあり、どのモードで 終了させるかは、クラスタソフトウェアや運用方針により異なります。詳細については「HULFT UNIX/Linux クラスタ対応版設定例」マニュアルを参照してください。 また指定方法については、クラスタ対応版専用の終了同期ユーティリティに各モードのオプショ ンを使用してデーモンを終了させます。詳細については「第4章 クラスタ対応版のユーティリ ティ」を参照してください。 2.4.1 処理同期モード 処理中のプロセスが存在するときは、処理の終了を待ってデーモンは終了します。 処理同期モードでのデーモン終了処理の流れを図2.7で説明します。 フェイルオーバ 各デーモン終了同期 コマンド ①終了要求 各デーモン 処理中 各プロセス ②処理完了 ⑤ ④ 終了 ③ 履歴 ファイル 図2.7 終了同期(処理同期モード) ①終了同期コマンド起動 各デーモン終了同期コマンドは、各デーモンへ終了要求を発行します。 ②処理の完了 デーモン終了要求を受け付けた時点で、処理中のプロセスが存在した場合はその処理 の終了を待ちます。 ③履歴情報の記録 各処理プロセスは処理終了後、その処理結果を履歴ファイルに書き込みます。 ④プロセス・デーモンの終了 各処理プロセス終了後、デーモンは終了します。 ⑤デーモン終了の通知 デーモンは終了後、各終了同期コマンドに結果を通知します。 2 - 7 HULFT クラスタ対応版 【注意】処理同期モードを実行した後、デーモンが終了するまでに依頼可能な処理は次の とおりです。下記以外の要求は、拒否または無視されます。 ・配信 強制終了依頼(hulclustersnd -stop -f) 配信キャンセルコマンド(utlscan) 未配信状態キューの変更コマンド(utlschange) 再配信待ちのリストの削除コマンド(utlresendrm) ・集信/要求受付 強制終了依頼(hulclusterrcv/obs -stop -f) 2 - 8 HULFT クラスタ対応版 2.4.2 強制終了モード 処理の終了を待たずに、各プロセス・デーモンを直ちに強制終了させます。 強制終了モードでのデーモン終了処理の流れを図2.8で説明します。 フェイルオーバ 各デーモン終了同期 コマンド ①終了要求 ② 各デーモン 処理中 各プロセス ⑤ ③ ④ 強制終了 履歴 ファイル 図2.8 終了同期(強制終了モード) ①終了同期コマンド起動 各デーモン終了同期コマンドは、各デーモンへ終了要求を発行します。 ②処理プロセスの強制終了 デーモン終了要求を受け付けた時点で、処理中のプロセスが存在してもその処理を強 制的に終了させます。 ③履歴情報の記録 各処理プロセスは強制終了依頼を受け、その処理結果を履歴ファイルに書き込みま す。このとき処理結果は強制終了依頼による異常終了となります。 【備考】このとき各プロセスの履歴の完了コードは以下のとおりです。 ・配信デーモン強制終了時「590」 ・集信デーモン強制終了時「591」 ・要求受付デーモン強制終了時「592」 詳細については「HULFT UNIX/Linux エラーコード・メッセージ」マニュアル を参照してください。 ④プロセス・デーモンの強制終了 各処理プロセス終了後、デーモンも強制終了されます。 【注意】配信プロセスがfifo形式ファイルのメッセージログの読み出し待ちで「配信 待ち」の状態のとき強制終了モードで配信デーモンの終了を行うと、メッ セージログの読み出しが行われるまで配信プロセスが終了しないため、配信 デーモンは強制終了できません。 fifo形式ファイルのメッセージログについては「HULFT UNIX/Linux オペレー ション・マニュアル」を参照してください。 ⑤デーモン終了の通知 デーモンは終了後、各終了同期コマンドに結果を通知します。 【備考】処理同期モードで終了依頼を受けたデーモン(処理の終了待ち状態)に、さら に強制終了モードで終了依頼を発行した場合は、強制終了モードで終了しま す。 【注意】強制終了要求によって異常終了した転送は、異常時ジョブの設定がされてい ても実行しません。ただし、相手側の異常時ジョブは実行します。 2 - 9 HULFT クラスタ対応版 2.5 自動再配信拡張機能 2.5.1 フェイルオーバ後自動再配信機能 クラスタ対応版では配信中(データ転送中)にフェイルオーバが発生した際、切り替わった待機 系ノードで自動再配信を行うことができます。フェイルオーバ後自動再配信の対象となるのは、 終了同期機能(強制終了モード)で配信が異常終了した場合のみです。 フェイルオーバ後自動再配信機能の流れを図2.9で説明します。 配信側 HULFT クラスタ対応版 ③ 異常発生 ② ④ 終了同期要求 (強制終了モード) ① 配信デーモン 強制終了 ⑤ 起動同期要求 集信側 HULFT 配信デーモン 起動 図2.9 フェイルオーバ後自動再配信機能 ①異常の検知 クラスタソフトウェアがクラスタ内(フェイルオーバするグループ内)の異常を検知し ます。 ②配信デーモンの強制終了 配信側クラスタ対応版(運用系ノード)は、配信中のプロセスを終了同期・強制終了 モードで終了させ、配信デーモンを終了させます。 ③フェイルオーバ 運用系ノードから待機系ノードへ処理が引き継がれます。 ④配信デーモンの起動 切り替わったノードで、起動同期要求により配信デーモンは起動します。 ⑤フェイルオーバ後自動再配信 ②で強制終了された転送は、転送を再開するために新しく配信プロセスを生成し、集 信側へ接続して自動再配信を行います。 2 - 10 HULFT クラスタ対応版 【備考】 ・フェイルオーバ後自動再配信の対象となる配信側エラーコードは、「590-000」で す。 ・フェイルオーバ後自動再配信を行わない場合は、配信デーモン起動時のパラメー タに「--noautoretry」を指定してください。詳細は、「オペレーション・マニュ アル 第1章 HULFTの起動と終了」を参照してください。 【注意】配信側エラーコード「590-271」の場合は、自動再配信は行いません。 これは、配信側は既にデータ転送は終了していて、最後の終期化処理中(配信は未 完了)の状態で強制終了依頼を受けた場合です。 2 - 11 HULFT クラスタ対応版 2.5.2 フェイルオーバ後自動再集信機能 クラスタ対応版では集信中(データ転送中)にフェイルオーバが発生した際、切り替わった待機 系のノードで自動再集信を行うことができます。 この機能はVer.6以降のHULFTに搭載されている自動再配信機能(「アドミニストレーション・マ ニュアル」参照)を発展させた機能で、集信側のクラスタ対応版でフェイルオーバが発生する際、 配信側のHULFTに自動再配信を行ってもらうように通知します。フェイルオーバ後自動再集信の対 象となるのは、終了同期機能(強制終了モード)で集信が異常終了した場合です。 フェイルオーバ後自動再集信機能の流れを図2.10で説明します。 配信側 HULFT ② ⑤ ⑦ 終了同期要求 (強制終了モード) ① 集信デーモン 強制終了 起動同期要求 ⑥ ③ 集信デーモン 起動 ④ 集信側 UNIX/Linux クラスタ対応版 異常発生 図2.10 フェイルオーバ後自動再集信機能 ①異常の検知 クラスタソフトウェアがクラスタ内(フェイルオーバするグループ内)の異常を検知し ます。 ②集信デーモンの強制終了 集信側クラスタ対応版(運用系)は、集信中のプロセスを終了同期・強制終了モードで 終了させ、集信デーモンを終了させます。 ③配信側への通知 集信側のクラスタ対応版は、異常が起こり強制終了モードで処理が終了したことを配 信側のHULFTへ通知し、接続を切ります。 ④フェイルオーバ 運用系ノードから待機系ノードへ処理が引き継がれます。 ⑤集信デーモンの起動 切り替わったノードで、起動同期要求により集信デーモンは起動します。 ⑥集信側クラスタ対応版への接続 配信側HULFTは、システム動作環境設定の「ソケット接続リトライ待ち時間」後、集 信側のクラスタ対応版(待機系ノード)へ接続し、ファイル転送(自動再配信)を行いま す。 2 - 12 HULFT クラスタ対応版 ⑦フェイルオーバ後自動再集信 配信側HULFTが自動再配信を実行することで、集信側クラスタ対応版はフェイルオー バ後自動再集信を行うことができます。 配信側HULFTは、①∼⑥をシステム動作環境設定の「自動再配信リトライ回数」分繰 り返します。 【備考】 ・フェイルオーバ後自動再配信の対象となる集信側(クラスタ対応版)エラーコード は、「591-000」です。 ・フェイルオーバ後自動再集信機能に対応した配信側HULFTについては、「5.4.2 フェイルオーバ後自動再集信機能の留意点」を参照してください。 2 - 13 HULFT クラスタ対応版 2.6 システム動作環境設定問い合わせ・再設定機能 2.6.1 システム動作環境設定再設定機能 アプリケーションがクラスタ環境下で生存確認の対象として動作している場合、アプリケーショ ンを再起動させるとフェイルオーバが発生してしまいます。通常のHULFTでは、システム動作環境設 定の設定値はデーモン起動時に有効になるため、一旦クラスタシステムの運用を始めてしまうと変 更することができませんでした。 クラスタ対応版では、システム動作環境設定の設定値をデーモンを停止せずに変更することがで きます。 このシステム動作環境設定再設定機能は、クラスタ対応版専用のユーティリティを使用して設定 値を変更します。使用方法については「第4章 クラスタ対応版のユーティリティ」を参照してくだ さい。 2.6.2 システム動作環境設定問い合わせ機能 システム動作環境設定再設定機能と付随して、クラスタ対応版では、動作中のデーモンに対して システム動作環境設定の設定値を確認することができます。 このシステム動作環境設定問い合わせ機能は、クラスタ版専用のユーティリティを使用して設定 値を問い合わせます。使用方法については「第4章 クラスタ対応版のユーティリティ」を参照して ください。 2 - 14 HULFT クラスタ対応版 第3章 インストール手順・環境設定 本章では、HULFTクラスタ対応版のインストール方 法・環境設定について説明します。 3 - 1 HULFT クラスタ対応版 3.1 クラスタ対応版の導入にあたり 本節では、クラスタ構成システムにHULFTクラスタ対応版をインストールするための環境・準備に ついて説明します。 HULFTのインストール環境準備「HULFT UNIX/Linux 導入マニュアル 第1章 導入にあたり」と合わ せてお読みください。 3.1.1 クラスタ対応版の動作環境 (1)必須環境 ① HULFTクラスタ対応版は、フェイルオーバ型クラスタ構成のシステムを管理するクラスタソ フトウェア上で動作します。 クラスタシステムを構築するには、両ノードから接続されたディスクとして利用されるディ スクアレイ装置や、両ノードを接続し相互監視するためのLAN(ハートビート)やLANカードな ど追加ハードウェアが必要となります。 各クラスタソフトウェアがサポートするハードウェア環境で、クラスタソフトウェアが正常 に動作している必要があります。 NIC 相互監視(ハートビート) NIC クラスタソフトウェア ファイバーチャネル・ SCSIカード ファイバーチャネル・ SCSIカード 共有ディスク 図3.1 クラスタ環境構成例 【注意】NFSマウントのディスクは、HULFTでは使用しないでください。ローカルマウント のディスクを使用してください。 ② 各クラスタソフトにより下記のリソースが任意の1つのグループに設定され、HULFTが動作す るそれぞれのノードで、参照・利用可能であることが必要です。具体的な名称については、 各クラスタソフトウェアにより異なります。双方向スタンバイ構成でHULFTを動作させる場 合は、下記のリソース・グループがそれぞれ別途必要となります。 ・仮想IPアドレス ・仮想ホスト名 ・共有ディスクまたはミラーディスク 3 - 2 HULFT クラスタ対応版 (2)稼動形態 HULFTクラスタ対応版は、フェイルオーバ型クラスタ構成のシステム上で片方向スタンバイ (Active-Stanby)・双方向スタンバイ(Active-Active)構成のどちらの構成でもHULFTは動作可 能で、運用系・待機系サーバで動作します。 片方向スタンバイ構成の場合は、クラスタシステム上で1つのHULFTが動作します。 双方向スタンバイ構成の場合は、クラスタシステム上で複数のHULFTが動作し、HULFTがファ イルオーバするグループはそれぞれ別のサービスになります。1台のノードで複数のHULFTを動 作させます。 3.1.2 クラスタ構成システムにおけるホスト名について クラスタ対応版では、システム動作環境設定の「自ホスト名(myhostname)」を仮想IPアドレス に関連付けられた名前(仮想ホスト名)で指定する必要があります。 仮想ホスト名の名称・設定などについては、クラスタソフトウェアの設定をご確認ください。 3 - 3 HULFT クラスタ対応版 3.1.3 クラスタ構成システムと相手マシンとの接続について 相手マシンから、HULFTの自ホスト名で通信できる必要があります。仮想IPアドレスと関連付け られたHULFTの自ホスト名をDNSまたは、hostsファイルなどに登録し、自ホスト名で仮想IPアドレ スが引けるように設定をしてください。フェイルオーバが発生した場合でも、HULFTは同一のIPア ドレス(仮想IPアドレス)、ホスト名(仮想ホスト名)でアクセスできるようにします。 <設定例> ・HULFTの自ホスト名 ・仮想IPアドレス ・運用系サーバ ノード名 実IPアドレス ・待機系サーバ ノード名 実IPアドレス uxcluster 172.16.10.10 uxcluster1 172.16.10.11 uxcluster2 172.16.10.12 仮想IPアドレス ⇔ HULFTの自ホスト名「uxcluster」 待機系ノード 運用系ノード ノード名:uxcluster2 実IPアドレス:172.16.10.12 ノード名:uxcluster1 実IPアドレス:172.16.10.11 クラスタ構成システム 図3.2 ホスト名とIPアドレスの構成例 <相手側のhostsファイル記述例> 172.16.10.10 uxcluster 【注意】相手ホスト側の履歴・ログなどに実IPアドレスやノード名が表示されることがあ りますが、これによりHULFTが異常な動作をすることはありません。この現象の回 避方法については、「5.6 クラスタ対応版への接続時の留意点」を参照してくだ さい。 3 - 4 HULFT クラスタ対応版 3.1.4 HULFT-SAN クラスタ対応版の動作環境 「HULFT-SAN for UNIX/Linux クラスタ対応版」の場合、SAN環境も転送経路とすることができ ます。そのため、通常のクラスタ環境で使用するディスク装置(共有ディスク、またはミラーディ スク)とは別に、転送用のディスク装置にクラスタ環境下のノード全てと相手側ホストとで接続で きる環境も必要となります。 LAN XLデータムーバ 共有ディスク 転送用ボリューム XLデータムーバ HULFT-SAN SAN XLデータムーバ クラスタ構成システム HULFT-SAN クラスタ対応版 図3.3 HULFT-SANクラスタ環境での稼動形態(XLD方式) SAN転送環境構築上、以下の留意点があります。詳細は、「HULFT-SANマニュアル」を参照して ください。 ・転送用ボリュームのデバイス名 データ転送用ボリュームのデバイス名は、クラスタ環境下の各ノードで同一にする必 要があります。また、通信基盤のXLデータムーバの転送用ボリューム初期化時には、 上記デバイス名で初期化を行ってください。 ・転送用ボリュームの初期化 通信基盤のXLデータムーバの転送用ボリューム初期化時には、クラスタ構成システム でのホスト名(仮想ホスト名)を指定する必要があります。 【注意】HULFT-SANクラスタ対応版をクラスタ環境で使用する場合、転送方式は、SAN(XLD) 方式のみの対応です。 3 - 5 HULFT クラスタ対応版 3.2 インストール手順 本節では、クラスタ構成システムにHULFTクラスタ対応版をインストールする手順について説明し ます。 HULFTのインストール手順「HULFT UNIX/Linux 導入マニュアル 第2章 インストール方法」と合わ せてお読みください。 3.2.1 クラスタ対応版の導入先決定 クラスタ環境下でHULFTの動作環境を決定します。 その際、HULFTの実行モジュール格納ディレクトリ(HULEXEP)は、各ノードのローカルディスク を指定してください。その際、両ノードでHULEXEPの指定ディレクトリは、同一である必要があり ます。 また、環境設定ファイル格納ディレクトリ(HULPATH)は、フェイルオーバ時にノードが切り替 わった際でも環境を引き継ぐために共有ディスクもしくはミラーディスク上のディレクトリを指 定してください。 待機系ノード 運用系ノード ローカルディスク ローカルディスク 実行モジュール (HULEXEP) 実行モジュール (HULEXEP) /usr/local/HULFT/bin /usr/local/HULFT/bin 環境設定ファイル 履歴ファイル (HULPATH) /mnt/shareddisk/HULFT/etc 共有ディスク 図3.4 クラスタ対応版の導入先例 3 - 6 HULFT クラスタ対応版 3.2.2 クラスタ対応版のインストール クラスタ対応版のインストールは、運用系・待機系サーバそれぞれに対して行います。 インストールの形態によりインストール手順・方法が異なります。 運用系ノードにインストールする場合は、ローカルディスクに実行モジュール(HULEXEP)、マウン トされている共有ディスクに環境設定ファイル類(HULPATH)と、全てをインストールします。 それに対し、待機系ノードにインストールする場合は、実行モジュールだけをインストールしま す。マウントされていない共有ディスクには、環境設定ファイル類のインストールは行いません。 次に3通りの形態におけるインストール手順を説明します。そのインストール手順に従って、 HULFTインストーラでそれぞれのノードにクラスタ対応版をインストールします。 稼動形態は、片方向スタンバイ構成で説明します。片方向スタンバイ構成では1台のノードへ1回 のインストールを行うのに対し、双方向スタンバイ構成においては、起動させるHULFTの数分のイン ストールを実行します。 インストールの方法については、「導入マニュアル」を参照してください。 (1) 新規インストール手順 HULFTクラスタ対応版を新規でインストールする手順です。 この手順は、以下の場合に行います。 ・正式版新規インストール ・テスト版インストール 次にその手順を説明します。 ①運用系ノードへ インストール ②待機系ノードへ インストール 共有ディスク 図3.5 新規インストール手順 ①クラスタ対応版を、運用系のノードへ新規インストールを行う。 ②クラスタ対応版を、待機系のノードへ新規インストールを行う。 3 - 7 HULFT クラスタ対応版 (2) 通常アップグレードインストール手順 HULFT(デーモン)を停止させ、環境を引き継いでインストールする手順です。 この手順は、以下の場合に行います。 ・HULFT(クラスタ対応版以外)からHULFTクラスタ対応版へのリビジョン/レベルアップ/ バージョンアップ ・HULFTクラスタ対応版のレベルアップ 次にその手順を説明します。 ②運用系ノードへ インストール ③待機系ノードへ インストール ①HULFTの停止 共有ディスク 図3.6 通常アップグレードインストール手順 ①動作中のHULFTを停止させる。 ②クラスタ対応版を、運用系のノードへアップグレードインストールを行う。 ③クラスタ対応版を、待機系のノードへアップグレードインストールを行う。 3 - 8 HULFT クラスタ対応版 (3) クラスタ対応版アップグレードインストール手順 実際に運用を行っているHULFT(デーモン)を停止せずに、環境を引き継いでインストールす る手順です。この手順は、以下の場合に行います。 ・HULFTクラスタ対応版からHULFTクラスタ対応版へのリビジョンアップ ・テスト版から正式版への移行 次にその手順を説明します。 ①待機系ノードへ インストール 共有ディスク ②ノードを切り替える ③待機系ノードへ インストール 共有ディスク 図3.7 クラスタ対応版からのアップグレードインストール手順 ①クラスタ対応版を、待機系ノード(共有ディスクにマウントされていないノード)へアッ プグレードインストールをする。 ②ノードを切り替える。 ③クラスタ対応版を、切り替えた待機系ノードへアップグレードインストールを行う。 ④再びノードを元の状態へ戻す。 3 - 9 HULFT クラスタ対応版 3.3 クラスタ対応版の環境設定編集 クラスタ対応版での環境設定について説明します。 通常のHULFTの環境設定に加え、以下のシステム動作環境設定項目に対して注意が必要です。 詳細については「導入マニュアル 第3章 HULFTの環境設定編集」を参照してください。 ・「fifoパス」,「pidファイル作成パス」 共有ディスクまたはミラーディスクではなく、各ノードのローカルディスクを指定します。 ・「自ホスト名」 仮想ホスト名を指定します。 3.4 クラスタ対応版の起動 「導入マニュアル 第4章 HULFTおよびオプション製品・関連製品の起動」を参照してください。 3.5 クラスタ対応版でのHULFT疎通テスト 「導入マニュアル 第5章 HULFT疎通テスト」を参照してください。 3.6 クラスタ対応版の停止 「導入マニュアル 第6章 HULFTおよびオプション製品・関連製品の終了」を参照してください。 3 - 10 HULFT クラスタ対応版 第4章 クラスタ対応版のユーティリティ 本章では、HULFTクラスタ対応版のユーティリティ の使用方法について説明します。 4 - 1 HULFT クラスタ対応版 4.1 起動同期機能 4.1.1 起動同期コマンド クラスタ対応版でHULFTの各デーモンを起動するには、デーモン起動同期コマンドを実行しま す。配信・集信・要求受付デーモン起動コマンドは同一のパラメータを使用します。 ・配信デーモン起動同期コマンド hulclustersnd -start [-m] [-endwait [-mutual]] [-o hulsndd option] ・集信デーモン起動同期コマンド hulclusterrcv -start [-m] [-endwait [-mutual]] [-o hulrcvd option] ・要求受付デーモン起動同期コマンド hulclusterobs -start [-m] [-endwait [-mutual]] [-o hulobsd option] パラメータ説明 -m メッセージの表示(省略可) メッセージを出力します。 省略すると引数チェックエラー以外のメッセージは出力されません。 -endwait 生存監視モード(省略可) デーモンが正常に起動し、さらにデーモン終了までを監視します。 省略すると起動同期モードでデーモンを起動します。 -mutual 生存・相互監視モード(省略可) このパラメータを指定する場合は「-endwait」を指定する必要があります。 デーモンが正常に起動し、さらにデーモン終了までを監視し、さらに本ユーティリ ティが異常終了した場合は、デーモンを強制終了させます。 省略すると生存監視モードでデーモンを起動します。 -o hulft-daemon option デーモン起動時のオプション・パラメータ指定(省略可) デーモン起動時に指定するのパラメータを指定します。 本パラメータはコマンドの最後に指定してください。 指定可能なデーモン起動時のオプション・パラメータ(hulft-daemon option)は以下 のとおりです。 hulsndd option [-d] [-c] [-l [list] │-f [fifo] │-s] [--noautoretry] hulrcvd option [-l [list] │-f [fifo] │-s] hulobsd option [-l list] 【備考】デーモン起動時に指定するオプション・パラメータの詳細については「オペレー ション・マニュアル 第1章 HULFTの起動と終了」を参照してください。 4 - 2 HULFT クラスタ対応版 4.1.2 起動同期コマンドの使用例 (1)デーモンを起動同期モードで起動 hulclustersnd -start (配信デーモン) hulclusterrcv -start (集信デーモン) hulclusterobs -start (要求受付デーモン) (2)デーモンを生存監視モードで起動 hulclustersnd -start -endwait (配信デーモン) hulclusterrcv -start -endwait (集信デーモン) hulclusterobs -start -endwait (要求受付デーモン) 【備考】このときデーモンが終了するまでコマンドに結果は返って来ません。 (3)デーモンを起動同期モード、かつトレースログ出力を行うように起動 hulclustersnd -start -o -l /mnt/share/hulft/hulsndlog (配信デーモン) hulclusterrcv -start -o -l /mnt/share/hulft/hulrcvlog (集信デーモン) hulclusterobs -start -o -l /mnt/share/hulft/hulobslog (要求受付デーモン) (4)配信デーモンを起動同期モード、かつフェイルオーバ後自動再配信を行わないように起動 hulclustersnd -start -o --noautoretry 4 - 3 HULFT クラスタ対応版 4.2 生存確認機能 4.2.1 生存確認コマンド クラスタ対応版でHULFTの各デーモンの生存確認を行うには、デーモン生存確認コマンドを実行 します。本コマンドが正常に終了するときには、各デーモンが正常に動作していることが保証さ れます。配信・集信・要求受付デーモン生存確認コマンドは同一のパラメータを使用します。 ・配信デーモン生存確認コマンド hulclustersnd -status [-m] [-timeout timeout] ・集信デーモン生存確認コマンド hulclusterrcv -status [-m] [-timeout timeout] ・要求受付デーモン生存確認コマンド hulclusterobs -status [-m] [-timeout timeout] パラメータ説明 -m メッセージの表示(省略可) メッセージを出力します。 省略すると引数チェックエラー以外のメッセージは表示されません。 -timeout timeout デーモンからの応答待ち時間(秒)(省略可) 「10」から「60」の間で指定します。この時間に至るとたとえデーモンの生存確認中 であっても処理を戻します。その場合、生存確認結果はコマンドには戻りませんので 注意してください。 省略すると「10」が設定されます。 4 - 4 HULFT クラスタ対応版 4.2.2 生存確認コマンドの使用例 (1)配信デーモンの生存確認(生存している場合) # hulclustersnd -status -m hulclustersnd: Alive. # echo $? 0 (2)配信デーモンの生存確認(生存していない場合) # hulclustersnd -status -m hulclustersnd: FIFO interprocess communication error. # echo $? 112 (3)集信デーモンの生存確認(生存していない場合) # hulclusterrcv -status -m hulclusterrcv: Socket connect error. # echo $? 113 4 - 5 HULFT クラスタ対応版 4.3 終了同期機能 4.3.1 終了同期コマンド クラスタ対応版でHULFTの各デーモンを停止するには、デーモン終了同期コマンドを実行しま す。本コマンドが正常に終了するときは、各デーモンが終了していることが保証されます。配 信・集信・要求受付デーモン終了同期コマンドは同一のパラメータを使用します。 ・配信デーモン終了同期コマンド hulclustersnd -stop [-t│-f] [-m] [-timeout timeout] ・集信デーモン終了同期コマンド hulclusterrcv -stop [-t│-f] [-m] [-timeout timeout] ・要求受付デーモン終了同期コマンド hulclusterobs -stop [-t│-f] [-m] [-timeout timeout] パラメータ説明 -t 処理同期モード(省略可) 実行中の処理がすべて終了するまで待ち、全ての処理プロセス終了後デーモンは終了 します。 -f 強制終了モード(省略可) 実行中の処理プロセスを強制終了し、デーモンは終了します。 -m エラーメッセージの表示(省略可) エラーメッセージを出力します。 省略すると引数チェックエラー以外のエラーメッセージは表示されません。 -timeout timeout デーモンからの応答待ち時間(秒)(省略可) 「10」から「3600」の間で指定します。この時間に至るとたとえデーモン終了処理中 (依頼中)であっても処理を戻します。その場合、デーモンの終了結果はコマンドに は戻りませんので注意してください。 処理同期モードを指定した場合、省略すると「300」が設定されます。 強制終了モードを指定した場合、省略すると「10」が設定されます。 【備考】「-t」と「-f」は同時に指定できません。両方を省略すると強制終了モードで動 作します。 【注意】処理同期モードで終了依頼を発行後、処理の終了待ち状態のとき、さらに強制終 了依頼が発行された場合は強制終了依頼は受け付けられ、直ちに終了します。 4 - 6 HULFT クラスタ対応版 4.3.2 終了同期コマンドの使用例 (1)配信中の転送が全て終了した時点で、配信デーモンを終了させる場合 (配信が全て完了するか、または300(秒)経つまでコマンドに結果は返って来ない) hulclustersnd -stop -t (2)配信中の転送がある場合でも強制終了し、配信デーモンを終了させる場合 hulclustersnd -stop -f 4 - 7 HULFT クラスタ対応版 4.4 システム動作環境設定問い合わせ・再設定機能 4.4.1 問い合わせ・再設定可能項目 配信、集信、要求受付デーモンで、再設定および問い合わせが可能な項目を表4.1で説明します。 以下の①∼④は表4.1内の問い合わせ・再設定可能項目について表しています。 ①「○」 問い合わせのみ可能な項目 ②「◎」 再設定、問い合わせの両方が可能な項目 ③「×」 再設定、問い合わせが不可能な項目 ④「−」 デーモンは使用していない項目 【注意】表4.1中(※)の「ジョブ終了待ち時間(jobwtimeout)」「ログ切り替え値 (logdelcount)」については、配信プロセス・集信プロセス・要求受付プロセスそ れぞれが、値を使用するときにシステム動作環境設定「$HULPATH/hulenv.conf」 から取得しています。デーモン起動時には値を取得していません。 クラスタ運用時には、直接システム動作環境設定を変更することで次の処理から 値を反映することができます。 4 - 8 HULFT クラスタ対応版 <表4.1> 問い合わせおよび再設定可能項目一覧 項目名 起動関連 ワークファイル作成パス fifoパス 集信ポートNo. 要求受付ポートNo. 配信プロセスの多重度 集信プロセスの多重度 配信デーモンのコード pidファイル作成パス コード変換関連 漢字コード種 JIS年度 タブの処理 スペースの扱い KEIS全角スペースモード 外字テーブル使用 外字未登録時処理 属性変換関連 パック・ゾーン変換 ASCII用符号部 EBCDIC用符号部 Xタイプの変換 集配信関連 暗号化方式 集信オープンモード 転送グループチェック 動的パラメータ指定 メッセージ動的パラメータ指定 集信多重度オーバーリトライ 配信転送後異常時の処置 再配信待ちキューの削除条件 集信ファイル最大サイズ 自ホスト名 通信関連 ソケット接続リトライ回数 ソケット接続リトライ待ち時間 自動再配信リトライ回数 ソケット通信応答待ち時間 ソケットバッファサイズ 要求受付応答待ち時間 IPバージョン その他 ユーティリティ応答待ち時間 ジョブ終了待ち時間 ログ切り替え値 状況表示選択 管理画面のセキュリティ トレース出力モード トレース出力ファイル名 トレース出力ファイルサイズ XML0バイト集信フラグ HULFTManagerパスワードチェック タグ名 配信 集信 要求受付 tmpdir fifopath rcvport obsport sndpsnum rcvpsnum sddkeynum piddir − × − − ◎ − × ○ ○ − ○ − − ◎ − − − − − ○ − − − − knjcode jistype tabchange spcode keisspmode gaijifile gaijierr ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ○ ○ ○ − ○ − ◎ ○ ○ − − − − − − pschg psascii psebcdic xmode ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ − − − − ciphertype rcvfilewait tgrpchk dynparam msgdynparam rcvover_rty enderrmode resenddel rcvmaxfilesize myhostname ◎ − − − ◎ ◎ ○ ◎ − ◎ ◎ ○ ◎ − ◎ − − − ◎ − − − − − ◎ − − − − − retrycnt retrytime sockerr_autoretry socktime socksize obssocktime ipversion ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ − ◎ − − − ◎ ○ − ○ − − − − × ◎ ○ utlwait jobwtimeout logdelcount statusdisplay admcheck tlogmode tlogfile tlogsize xmlsw passwdcheck 4 - 9 − − − −(※) ◎ −(※) −(※) −(※) −(※) − − − − − − ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ − ○ − − − − HULFT クラスタ対応版 <表4.2> 問い合わせおよび再設定可能項目一覧(2) 項目名 SAN関連 ダンプレベル ダンプファイル作成パス LAN転送切り替えフラグ 共有ボリュームオープンリトライ回数 共有ボリュームオープンリトライ待ち時間 入出力バッファサイズ 集信出力サイズ HULFT-SAN V5 製品区分 タグ名 raiddumplevel raiddumpdir fsan_lanchange fsan_retrycnt fsan_retrytime fsan_iosize fsan_writesize san_ver5 4 - 10 配信 集信 要求受付 ◎ ◎ ◎ ◎ − ◎ ◎ − − − − ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ − − − − − − − − HULFT クラスタ対応版 4.4.2 システム動作環境設定問い合わせコマンド HULFTの各デーモンが採用しているシステム動作環境設定の項目を問い合わせるには、各デーモ ンのシステム動作環境設定問い合わせコマンドを使用します。 本コマンドにて、各デーモンが採用しているシステム動作環境設定の項目をファイルに出力し ます。 ・配信デーモンシステム動作環境設定問い合わせコマンド hulclustersnd -query outfilename [-m] [-a] [-timeout timeout] ・集信デーモンシステム動作環境設定問い合わせコマンド hulclusterrcv -query outfilename [-m] [-a] [-timeout timeout] ・要求受付デーモンシステム動作環境設定問い合わせコマンド hulclusterobs -query outfilename [-m] [-a] [-timeout timeout] パラメータ説明 outfilename 問い合わせ結果出力ファイル名(省略不可) 256バイト以内の英数字で指定します。ファイル名は絶対パスで指定してください。 出力される形式は、「システム動作環境設定ファイル(hulenv.conf)」と同様の形式 になります。 -m エラーメッセージの表示(省略可) エラーメッセージを出力します。 省略すると引数チェックエラー以外のエラーメッセージは表示されません。 -a 各デーモンの再設定・問い合わせ可能な項目と設定値の取得(省略可) 各デーモンが再設定・問い合わせ可能な項目(表4.1①②に該当する項目)と設定値を ファイルに出力します。 省略すると各デーモンが問い合わせのみ可能な項目と設定値(表4.1②)を出力しま す。 -timeout timeout デーモンからの応答待ち時間(秒)(省略可) 「10」から「3600」の間で指定します。この時間に至るとたとえデーモンへの問い合 わせ中であっても処理を戻します。その場合、システム動作環境設定問い合わせ結果 はコマンドには戻りませんので注意してください。 省略すると「10」が設定されます。 【備考】「outfilename」 で指定するファイル名には「-a」,「-m」および「-timeout」は 使用できません。 4 - 11 HULFT クラスタ対応版 4.4.3 システム動作環境設定再設定コマンド 各デーモンが採用しているシステム動作環境設定の項目を再設定するには、各デーモンのシス テム動作環境設定再設定コマンドを使用します。 本コマンドにて、各デーモンが採用するシステム動作環境設定の項目をファイルから取得しま す。 ・配信デーモンシステム動作環境設定再設定コマンド hulclustersnd -set [-f infilename] [-m] [-timeout timeout] ・集信デーモンシステム動作環境設定再設定コマンド hulclusterrcv -set [-f infilename] [-m] [-timeout timeout] ・要求受付デーモンシステム動作環境設定再設定コマンド hulclusterobs -set [-f infilename] [-m] [-timeout timeout] パラメータ説明 -f infilename 再設定ファイル名(省略可) 256バイト以内の英数字で指定します。ファイル名は絶対パスで指定してください。 省略すると「システム動作環境設定ファイル(hulenv.conf)」が使用されます。 -m エラーメッセージの表示(省略可) エラーメッセージを出力します。 省略すると引数チェックエラー以外のエラーメッセージは表示されません。 -timeout timeout 配信デーモンからの応答待ち時間(秒)(省略可) 「10」から「3600」の間で指定します。この時間に至るとたとえ配信デーモンへの再 設定中であっても処理を戻します。その場合、システム動作環境設定再設定結果はコ マンドには戻りませんので注意してください。 省略すると「10」が設定されます。 【備考】 ・「infilename」で指定するファイル名には「-m」,「-timeout」は使用できませ ん。 ・「トレース出力モード(tlogmode)」に「1」または「2」を指定したときには、 「トレース出力ファイル名(tlogfile)」も再設定する必要があります。 ・再設定ファイル内に再設定が不可能な項目が含まれていた場合でも、エラーには なりません。再設定可能な項目のみ採用されます。 【注意】 ・「-f infilename」を指定し再設定を行った場合には、システム動作環境設定ファ イルにはその変更した設定値は反映されません。 ・デーモンに引数を指定して起動している場合、引数で指定した値を再設定するこ とで変更可能です。ただし、起動中の引き数の値を意図せず変更してしまわぬよ う、項目には注意して再設定してください。 4 - 12 HULFT クラスタ対応版 4.4.4 システム動作環境設定問い合わせ・再設定コマンドの使用例 例)「配信多重度」を「10」から「5」に変更する場合 (1) 一時的に設定を変更する場合(現在起動中のデーモンのみ有効) 問い合わせを行ったファイルを編集し、再設定を行います。 ①問い合わせコマンドを使用して、配信デーモンの再設定・問い合わせ可能な項目と設定値 を「/tmp/envfile」に取得 # hulclustersnd -query /tmp/envfile -a -m ②「/tmp/envfile」をviなどのエディタで編集し、再設定を行いたい項目の設定値を変更 # vi /tmp/envfile # hulsnddd system environmental setting # by hulclustersnd query option # 2004/03/31 16:57:09.061 sndpsnum = 5 ← sndpsnum「配信多重度」を「5」に変更 #knjcode query only knjcode = E #jistype query only jistype = 83 ・ ・ ・ ③配信デーモンに再設定コマンドを使用して変更した設定値を反映 # hulclustersnd -set -f /tmp/envfile -m 【備考】この場合、デーモンの再起動・フェイルオーバの発生後には、設定値は元に戻り ます。 (2) 恒久的に設定を変更する場合(現在のみではなく次回以降起動するデーモンにも有効) システム動作環境設定ファイル「$HULPATH/hulenv.conf」を編集し、再設定を行います。 ①管理画面などからシステム動作環境設定の「配信多重度」を「5」に変更 ②配信デーモンに再設定コマンドを使用して変更した設定値を反映 # hulclustersnd -set -m 4 - 13 HULFT クラスタ対応版 ∼・∼・∼・∼・∼・∼・∼・∼・∼ メモ ∼・∼・∼・∼・∼・∼・∼・∼ 4 - 14 HULFT クラスタ対応版 第5章 クラスタ対応版の運用 と留意点 本章では、クラスタ環境におけるHULFTクラスタ対 応版の運用、詳細事項、留意点などについて説明し ます。 5 - 1 HULFT クラスタ対応版 5.1 クラスタ対応版の運用における制限事項 HULFTクラスタ対応版をクラスタシステム上で運用するにあたり制限事項・注意事項などを説明し ます。 HULFTにおける次の制限事項・注意事項を考慮し運用してください。 5.1.1 HULFTで使用するファイル・実行ジョブ等の格納先 (1)集配信ファイル 集配信するファイルは、両方のノードが参照できる共有ディスク等を指定してください。 (2)デーモンの出力するログ(トレースログ・メッセージログ) デーモン起動時の指定するログ(トレースログ・メッセージログ)は、両方のノードが参照で きる共有ディスク等を指定してください。 (3)起動ジョブ 配信前ジョブ、集配信後起動するジョブは、両方のノードが参照できる共有ディスク等、も しくは、各々のサーバのローカルディスクに同様に参照できる形式で格納してください。 (4)HULFTの要求発行 業務アプリケーションなどから配信要求や送信要求を行う場合など、HULFTの操作コマンド およびユーティリティは、動作している各々のノードで要求発行を行う必要があります。 要求発行を行う業務アプリケーションをHULFTと同じフェイルオーバするグループに設定し てください。 5.1.2 予期せぬフェイルオーバ時における注意 HULFTクラスタ対応版は、突然の電源切断や任意の時点でフェイルオーバがいつ発生するか予期 できません。 そのための注意事項を以下に記述します。 (1)履歴ファイル フェイルオーバのタイミングにより集配信などの処理が完了した場合でも、履歴ファイルが 出力されていない場合がありますのでご注意ください。 5 - 2 HULFT クラスタ対応版 5.2 終了同期要求発行時の動作 5.2.1 配信デーモン終了同期要求受付時の動作 配信デーモンへ終了同期要求を発行した場合、配信デーモンが配信処理を行っていない場合 は、処理同期モード、強制終了モードともに配信デーモンは直ちに終了します。 しかし、配信デーモンが配信処理を行っている場合、また、集信側となんらかの処理のやり取 りを行っている場合には、処理同期モード、強制終了モードでの配信デーモン終了同期要求受付 時の動作がそれぞれ異なります。 その動作の詳細を表5.1で説明します。 <表5.1> 処理中における配信デーモン終了同期要求受付時の動作 処理同期モード 配信デーモンの終了 デーモン終了後の のしかた 配信側処理 強制終了モード 配信デーモンの終了 デーモン終了後の のしかた 配信側処理 配信待ち状態 配信待ちレコードを 削除し、終了 配信待ちレコードを 保存し、終了 再配信待ち状態 再配信待ちレコード を保存し、終了 再配信待ちレコード を保存し、終了 配信側処理 配信前ジョブ 実行中(※1) 集信側処理 ジョブはデーモンの ジョブの終了を待た ジョブの終了を待た 終了とは非同期に実 ずに即終了 ずに即終了 行(※2) 転送終了後、正常 転送の終了を待ち、 転送を強制終了し、 集信中(転送中) 時・異常時ジョブは 終了 終了 実行 ジョブは最後まで実 行・転送は行われな い 配信履歴「590」で異 常終了(※3) CSV連携中 処理の終了を待ち、 終了 配信処理を強制終了 配信履歴「590-271」 し、終了 で異常終了(※4) XML連携中 処理の終了を待ち、 終了 配信処理を強制終了 配信履歴「590-271」 し、終了 で異常終了(※4) 集信正常時 ジョブ実行中 (集信完了通知 「J」) ジョブの終了を待 ち、終了 配信処理を強制終了 配信履歴「590-271」 し、終了 で異常終了(※4) 配信中 ジョブはデーモンの ジョブの終了を待た ジョブを強制終了 終了とは非同期に実 ずに即終了 し、終了 行(※2) ジョブはデーモンの ジョブの終了を待た ジョブを強制終了 終了とは非同期に実 ずに即終了 し、終了 行(※2) 配信正常時 ジョブ実行中 配信異常時 ジョブ実行中 配信は正常終了 接続中・待機中 集信へのリトライの 終了を待ち、終了 集信への接続を強制 配信履歴「590」で異 終了し、終了 常終了(※3) 自動再配信待ち 状態 集信へのリトライの 終了を待ち、終了 自動再配信待ちレ コードを削除し、 終了 集信正常時 ジョブ実行中 (集信完了通知 「T」) 削除されたレコード は再配信待ちに入る ジョブはデーモンの ジョブの終了を待た ジョブの終了を待た ジョブは最後まで実 終了とは非同期に実 行 ずに即終了 ずに即終了 行(※2) 集信異常時 ジョブ実行中 5 - 3 HULFT クラスタ対応版 ※1:配信前ジョブは、配信要求時には配信要求コマンド「utlsend」、送信要求時には要求受 付プロセスが実行しますので、配信デーモンとは非同期に実行されます。 ※2:デーモン終了後、非同期ジョブの実行中にフェイルオーバが発生した場合は、ジョブは最 後まで実行せずクラスタソフトウェアによって終了される可能性があります。 ※3:配信履歴「590-000」の場合は、フェイルオーバ後自動再配信の対象となります。 ※4:配信履歴「590-271」の場合は、配信ファイルの転送は終了しているため自動再配信は行 いません。 5 - 4 HULFT クラスタ対応版 5.2.2 集信デーモン終了同期要求受付時の動作 集信デーモンへ終了同期要求を発行した場合、集信デーモンが集信処理を行っていない場合 は、処理同期モード、強制終了モードともに集信デーモンは直ちに終了します。 しかし、集信デーモンが集信処理を行っている場合、処理同期モード、強制終了モードでの集 信デーモン終了同期要求受付時の動作がそれぞれ異なります。 その動作の詳細を表5.2で説明します。 <表5.2> 処理中における集信デーモン終了同期要求受付時の動作 配信側処理 集信側処理 処理同期モード 集信デーモンの終了 デーモン終了後の のしかた 集信側処理 強制終了モード 集信デーモンの終了 デーモン終了後の のしかた 集信側処理 配信待ち状態 再配信待ち状態 配信前ジョブ 実行中 集信中(転送中) CSV連携中 配信中 XML連携中 転送終了後、正常 転送の終了を待ち、 転送を強制終了し、 時・異常時ジョブは 終了 終了 実行 転送終了後、正常 CSV連携処理の終了を CSV連携処理を強制終 時・異常時ジョブは 待ち、終了 了し、終了 実行 転送終了後、正常 XML連携処理の終了を XML連携処理を強制終 時・異常時ジョブは 待ち、終了 了し、終了 実行 集信正常時 ジョブ実行中 (集信完了通知 「J」) ジョブの終了を待 ち、終了 集信正常時 ジョブ実行中 (集信完了通知 「T」) ジョブはデーモンの ジョブの終了を待た ジョブを強制終了 終了とは非同期に実 ずに即終了 し、終了 行(※1) 集信異常時 ジョブ実行中 ジョブはデーモンの ジョブの終了を待た ジョブを強制終了 終了とは非同期に実 ずに即終了 し、終了 行(※1) ジョブを強制終了 し、終了 集信履歴「591」で異 常終了(※2) 集信履歴「591」で異 常終了(※2) 集信履歴「591」で異 常終了(※2) 集信履歴「591」で異 常終了(※2) 配信正常時 ジョブ実行中 配信異常時 ジョブ実行中 接続中・待機中 自動再配信待ち 状態 集信は正常終了 ※1:デーモン終了後、非同期ジョブの実行中にフェイルオーバが発生した場合は、ジョブは最 後まで実行せずクラスタソフトウェアによって終了される可能性があります。 集信後正常時ジョブの終了を待って集信デーモンを終了させるには、集信完了通知を 「J」に設定してください。 ※2:集信履歴「591-000」の場合は、フェイルオーバ後自動再集信の対象となります。 5 - 5 HULFT クラスタ対応版 5.2.3 要求受付デーモン終了同期要求受付時の動作 要求受付デーモンへ終了同期要求を発行した場合、要求受付デーモンが要求受付処理を行って いない場合は、処理同期モード、強制終了モードともに要求受付デーモンは直ちに終了します。 しかし、要求受付デーモンが要求受付処理を行っている場合、処理同期モード、強制終了モー ドでの要求受付デーモン終了同期要求受付時の動作がそれぞれ異なります。 その動作の詳細を表5.3で説明します。 <表5.3> 処理中における要求受付デーモン終了同期要求受付時の動作 要求受付側処理 送信要求受付中 (SEND) 再送要求受付中 (RESEND) ジョブ実行結果通知実行中 (HULSNDRC) リモートジョブ実行中 (HULRJOB) リモートジョブ(同期指定) 実行中(HULRJOB) 処理同期モード 要求受付デーモンの デーモン終了後の 終了のしかた 要求受付側処理 強制終了モード 要求受付デーモンの デーモン終了後の 終了のしかた 要求受付側処理 処理の終了を待ち、 終了 処理を強制終了し、 要求受付履歴「592」 終了 で異常終了 転送終了後、正常 処理の終了を待ち、 処理を強制終了し、 時・異常時ジョブは 終了 終了 実行 転送終了後、正常 処理の終了を待ち、 処理を強制終了し、 時・異常時ジョブは 終了 終了 実行 ジョブはデーモンの (処理)ジョブを強制 処理(ジョブ)の終了 終了とは非同期に実 終了し、終了 を待たずに即終了 行(※1) 要求受付履歴「592」 で異常終了 要求受付履歴「592」 で異常終了 要求受付履歴「592」 で異常終了 処理(ジョブ)の終了 を待ち、終了 (処理)ジョブを強制 要求受付履歴「592」 終了し、終了 で異常終了 集信後ジョブ結果通知実行中 処理の終了を待ち、 (HULJOB) 終了 処理を強制終了し、 要求受付履歴「592」 終了 で異常終了 HULFT Manager接続中 (HULADMIN) 処理の終了を待ち、 終了 処理を強制終了し、 要求受付履歴「592」 終了 で異常終了 HULFT Manager接続・ XML連携情報取得中 (HULADMIN) 処理の終了を待ち、 終了 処理を強制終了し、 要求受付履歴「592」 終了 で異常終了(※2) ※1:デーモン終了後、非同期ジョブの実行中にフェイルオーバが発生した場合は、ジョブは最 後まで実行せずクラスタソフトウェアによって終了される可能性があります リモートジョブの終了を待って要求受付デーモンを終了させるには、リモートジョブを同 期モードで実行させてください。 ※2:XML連携情報取得中の強制終了時、別のHULADMINサービスが実行されているため要求受付 履歴は2つ出力されます。 5 - 6 HULFT クラスタ対応版 5.3 管理情報の二重化について 5.3.1 二重化された管理情報ファイル名 クラスタ対応版では、$HULPATH下に正および副の管理情報が作成されます。 正の管理情報ファイル名は、従来どおりの名称です(「アドミニストレーション・マニュアル」 参照)。正、副管理情報ファイル名の一覧を表5.4で表します。 <表5.4> 管理情報ファイル名 ファイル名 説明 xxxx.idx 正管理情報インデックスファイル xxxx.dat 正管理情報データファイル xxxx.bk.idx xxxx.bk.dat xxxx.updating.master xxxx.updating.backup .#xxxx.lock 副管理情報インデックスファイル 正ファイルに異常がある場合は、こちらが参照される。 副管理情報データファイル 正ファイルに異常がある場合は、こちらが参照される。 正ファイル編集中ファイル 正ファイルを編集するときこのファイルが作成され、編集 が正常に終わると削除される。 副ファイル編集中ファイル 副ファイルを編集するときこのファイルが作成され、編集 が終わると削除される 管理情報ロックファイル このファイルに対してロックを取得できたプロセスのみ、 管理情報ファイルへの変更を行うことができる。 5 - 7 HULFT クラスタ対応版 5.4 自動再配信拡張機能の留意点 5.4.1 フェイルオーバ後自動再配信の留意点 (1) 自動再配信の対象となる終了コード フェイルオーバ後自動再配信の対象となる配信履歴エラーコードは、「590-000」のみで す。再配信待ちレコードが複数存在する場合でも、自動再配信が行われるのは該当コードのみ です。 (2) 自動再配信の配信方法 自動再配信はすべてチェックポイント再配信として配信されます。 先頭から送り直したい場合は次の方法で配信を行ってください。 ① 配信デーモン起動時に自動再配信抑止オプション"--noautoretry"を指定して自動再配 信を行わないようにする。 ② 「utlsend -r [hostname] [fileID] -np」を手動で実行 (3) 配信待ち状態で強制終了されたレコードについて 配信デーモンが強制終了モードにより強制終了した場合、配信待ち状態のレコードはすべて 未配信の状態で残ります。このため次回デーモン起動時に配信待ち状態だったレコードはすべ て自動で配信が行われます。 もし、配信待ち状態のレコードを自動で配信させたくない場合は、配信デーモン起動時に未 配信クリアオプション"-d"を指定してください。 (4) 自動再配信の対象となるレコードと未配信の状態の配信の行われる順番について 自動再配信の対象となる再配信待ちレコードと未配信のレコードが存在する場合、再配信待 ちレコードが優先して配信が行われます。 5 - 8 HULFT クラスタ対応版 5.4.2 フェイルオーバ後自動再集信の留意点 (1) 自動再集信の対象となる条件 自動再集信機能はHULFT Ver.6以降の自動再配信機能を拡張した機能です。自動再集信の対 象となる条件は、次のすべての条件を満たす場合のみです。 ① 集信側履歴の完了コードが「591」 ② 配信側がHULFT6で、かつ次の条件(表5.5)を満たす場合 <表5.5> 自動再集信を行う配信側HULFTの条件 配信側HULFTのOS 終了コード 完了コード 詳細コード UNIX/Linux 250 591 Windows 450 591 Mainframe 16 591 OS400 700 591 【注意】配信側HULFTは、Ver.6でもOSやリビジョンにより自動再集信対象外の場合もあり ます。対象のバージョン・リビジョンについては、「新機能・非互換説明書」を 参照してください。 ③ 配信側「自動再配信リトライ回数(※)」が0より大きい場合 【備考】 ・(※)「自動再配信リトライ回数」は、異常が発生した場合、自動再配信を試みる 回数です。ネットワークエラーによる自動再配信の回数と、集信側フェイルオー バ発生による自動再配信の回数を合わせたものになります。 ・上記の条件を満たさない場合は、自動再集信は実行されません。相手配信側HULFT で再配信待ちとなります。 (2) フェイルオーバにかかる時間の設定 自動再集信は、相手配信側HULFTに自動再配信を行ってもらうよう通知することで実行され ます(以下、配信側をUNIX/Linux版とした場合を例に取り説明します)。 配信側は集信側から自動再集信の対象となるエラーコードを受け取った場合、システム動作 環境設定で指定した時間「ソケット接続リトライ待ち時間(※1)」(自動再配信待ち状態の時 間)だけ待ってから自動再配信を開始します。 さらに、このとき接続できない場合は最大で、「ソケット接続リトライ待ち時間(※1)」× 「ソケット接続リトライ回数(※2)」だけ待ちます。 この最大時間を過ぎてしまうと、配信側はソケットエラーとなり自動再配信を行いません。 あらかじめフェイルオーバにかかる時間を測定した上で、配信側の(※1)の時間、(※2)の回 数を設定してください。 5 - 9 HULFT クラスタ対応版 <設定例> クラスタ環境下にある集信側クラスタ対応版HULFTで、フェイルオーバが発生してから集 信が起動できるまでの平均時間が2分(120秒)の場合 相手配信側HULFT(UNIX/Linux版の場合)の設定 ・「ソケット接続リトライ待ち時間」 :30[秒](=自動再配信待ち状態の時間) ・「ソケット接続リトライ回数」 :5[回] 配信側が自動再配信を行う場合に待つ最大時間は、 (自動再配信待ち状態の時間)+ (ソケット接続リトライ待ち時間)×(ソケット接続リトライ回数) = 30+30×5 = 180 このように、180[秒] > 120[秒] となるように設定することをお奨めします。 【備考】上記の配信側の説明はUNIX/Linux版の場合ですが、他機種についてはシステム動 作環境設定の以下の項目値を採用します。 <表5.6> (※1),(※2)に相当する他機種のシステム動作環境設定の項目名 配信側HULFTのOS UNIX/Linux Windows Mainframe OS400 (※1)で指定する時間 ソケット接続リトライ待ち時間 (※2)で指定する回数 ソケット接続リトライ回数 コネクション接続リトライ間隔 コネクション接続リトライ回数 自動再配信時、集信多重度オーバー 接続エラー時リトライ回数 時のリトライ間隔 コネクションリトライ間隔 コネクションリトライ回数 5 - 10 HULFT クラスタ対応版 5.5 監視のしくみの相違点 クラスタ対応版では、監視のしくみを分類すると以下の2通りの方法があります。 ① 起動同期機能(生存監視モードまたは生存・相互監視モード)による監視 ② 生存確認機能による監視 ①を用いる場合と②を用いる場合の相違点をまとめると表5.7のようになります。 <表5.7> 監視のしくみによる相違点 監視のしくみ 長所 短所 監視対象のデーモンが終了した ①起動同期機能 場合は即座にわかる (生存監視または 生存・相互監視モード) デーモンの監視にかかる処理の 負荷がない デーモンが正常に処理できる状 態(※)で常駐していることまで はわからない 監視対象のデーモンが正常に処 理できる状態(※)で常駐してい ることがわかる デーモンに異常が発生した場合 でも、次に確認を行うまで異常 が発生していることがわからな い 監視を行う際にデーモンに若干 の負荷がかかる ②生存確認機能 ※「正常に処理できる状態」とは、集配信・要求受付のすべての処理が依頼可能であることを 意味します。 どちらのしくみを使用するかは、クラスタソフトウェアの機能や運用方針により異なります。 ご使用のクラスタソフトウェアが①、②のどちらでも構築可能な場合は、表5.7を参考に運用方針 に合った方法を選択してください。 5 - 11 HULFT クラスタ対応版 5.6 クラスタ対応版への接続時の留意点 クラスタ構成システムのHULFTクラスタ対応版から接続を受ける側(相手側)で次のプログラムを 使用する場合の注意点です。 <表5.8> 接続時の留意点対象プログラム クラスタ側接続プログラム名 相手側接続受付対象 配信要求コマンド(utlsend) 集信 送信要求コマンド(utlrecv) 要求受付 ジョブ実行結果通知コマンド(hulsndrc) 要求受付 リモートジョブ実行コマンド(utlrjob) 要求受付 クラスタ構成システムにおいては、本来個々のノードを意識せずに、仮想IPアドレスを用いて サービスが行われます。HULFTは自ホスト名(myhostname)に仮想IPアドレスに対応するホスト名を 設定することによりこの問題を解決しています。 しかし相手側では、トレースログや、接続側(クラスタ対応版側)から自ホスト名の情報を受け 取る前に起こったエラーなどは、一部の情報に個々のノード名・実IPアドレスが表示されてしま う場合があります。 <例> ・相手側トレースログ 接続側(クラスタ対応版側)の実IPアドレス、ノード名が出力 ・相手側要求受付履歴 要求受付定義ファイル($HULPATH/service.db)に登録されていないサービス要求を受け付 け、エラーになった場合にノード名が出力 相手側(要求受付側) IPアドレス:172.16.20.10 utlsend, utlrecvなど クラスタ側から接続するサービス 仮想IPアドレス(172.16.10.10) ⇔ HULFTの自ホスト名「uxcluster」 UNIX サーバ UNIX サーバ ノード名:uxcluster2 実IPアドレス:172.16.10.12 ノード名:uxcluster1 実IPアドレス:172.16.10.11 クラスタ構成システム 図5.1 接続時の留意点 5 - 12 HULFT クラスタ対応版 なお、この現象によりHULFTの各プログラムが異常な動作をすることはありません。 業務に支障をきたさない場合は特に対応する必要はありません。 この現象における回避策として次のような方法があります。 例1) 相手側サーバのhostsファイルを編集 相手側サーバのhostsファイルに、個々のノードの実IPアドレスに対して仮想IPアドレスに 対応する仮想ホスト名(HULFTの自ホスト名)を追加します。 <設定例> 172.16.10.11 172.16.10.12 uxcluster uxcluster 例2) クラスタ側クライアントノードのルーティングテーブルを編集 個々のノードのルーティングテーブルを編集し、接続元IPアドレスが仮想IPアドレスになる よう設定を行います。 <設定例> Linuxでルーティングテーブルを編集する場合 ノード切り替え時に下記のコマンドを起動するように設定します。 (eth0:0に仮想IPアドレスが割り振られているとき) # route add -host 172.16.20.10 dev eth0:0 5 - 13 HULFT クラスタ対応版 ∼・∼・∼・∼・∼・∼・∼・∼・∼ メモ ∼・∼・∼・∼・∼・∼・∼・∼ 5 - 14 HULFT クラスタ対応版 第6章 運用例 本章では、クラスタ環境におけるHULFTクラスタ対 応版の運用例について説明します。 6 - 1 HULFT クラスタ対応版 6.1 運用例概要 本章では、簡単なシステム構成例を元に、HULFTクラスタ対応版の運用のしかたの例を説明しま す。 次に示すシステムは、システムの一部をHULFTで行うことを想定した例です。 <システム案件(例)> バックアップサービスシステムの構築 各サーバから業務データファイルをバックアップサーバへ送るバックアップサービスシステ ムを構築します。 (1)各サーバにはすでにHULFTが導入されているため、バックアップシステムとのデータのやり 取りにはHULFTを用いる。 (2)バックアップするデータは、昼夜問わず送られてくる。 (3)集められたデータは毎日午前2時にバックアップメディアに保管する。 (4)データは重要な業務データであるため、全てのデータが確実にバックアップが取られている 必要がある。 (5)本番前に1ヶ月HULFTクラスタ対応版の評価を行いたい。1ヶ月試用して問題がなければHULFT を採用し、本番運用に入る。 6 - 2 HULFT クラスタ対応版 B社 A社 HULFT HULFT バックアップを行いたい 重量な業務データが昼夜 を問わず送られてくる WAN バックアップサービス データセンタ バックアップサーバ HULFT クラスタ対応版 バックアップ システム 図6.1 運用形態例 6 - 3 HULFT クラスタ対応版 6.2 システム構成・運用計画の作成 6.1のシステム案件を実現するために、システム構成、運用計画を作成します。 6.2.1 システム構成 システム案件を満たすためには、24時間365日の連続運用が必要です。 そのためにシステムをクラスタ化し、障害発生時でもシステムダウン時間を最小限にします。 クラスタは、2ノードのUNIXサーバで構成し、A社のデータは、処理Aで共有ディスクのA区画 へ、B社のデータは、処理Bで共有ディスクのB区画へデータを集めます。 ノードを有効に利用するために、片方向スタンバイ構成ではなく、HULFTクラスタ対応版を1台 のノードでA,B2つの処理を行うようにし、両方のノードを双方向スタンバイ(Active-Active)構成 のシステムで運用します。 server1 server2 処理A 処理B 区画A 処理Aの運用系 処理Bの待機系 区画B 処理Bの運用系 処理Aの待機系 図6.2 システム構成図(双方向スタンバイ構成) 6.2.2 運用計画の作成 (1)通常運用時 ①システム案件(3)では、受信したバックアップデータは、バックアップディレクトリへコ ピーします(HULFTの後続ジョブを利用)。 ②ネットワークの通信量を還元するために、昼間は通信量を少なくし、夜間は通信量を多 くするような運用を行います(クラスタ対応版のシステム動作環境設定再設定機能を利 用)。 ③システム案件(5)を行うために、本番前の1ヶ月動作確認には、HULFTクラスタ対応版のテ スト版を用いて運用します。その後本番運用では、HULFTクラスタ対応版の正式版を用い て運用します。テスト版から正式版への移行は、システムを停止せずに行います(クラス タ対応版のアップグレードインストール)。 ④HULFTのログ出力は、始めは出力するようにし、本番運用後1週間後には行わないよう設 定を変更します(クラスタ対応版のシステム動作環境設定再設定機能を利用)。 (2)障害発生時の対応 ⑤システム案件(2),(4)を満たすためには、フェイルオーバが発生し、処理が待機系へ引き 継がれた後、データ転送中であった転送が自動で再開されるようにします(クラスタ対応 版の自動再集信機能を利用)。 6 - 4 HULFT クラスタ対応版 6.2.3 作業フロー HULFTの導入環境決定 HULFTのインストール ・・・システムに必要なハードウェアや HULFTの導入環境の設定 (「第3章 インストール手順・環境設定」参照) ・・・HULFTのテスト版インストール HULFTの導入 クラスタソフトへの設定 ・・・クラスタソフトに応じたHULFTの設定 (「第5章 各クラスタソフトの設定例」参照) 仮運用の開始 ・・・通常運用・障害発生時の運用 正式版への移行 ・・・クラスタシステムを停止せずHULFTをテスト版から正式版へ移行 (「導入マニュアル」参照) 本番運用の開始 ・・・HULFTのシステム動作環境設定の変更 6 - 5 HULFT クラスタ対応版 6.3 HULFTの導入 6.3.1 HULFTの導入環境決定 HULFTを双方向スタンバイ構成で動作させる場合のHULFTの導入環境について決定します。 この場合、1つのノードで2つのHULFTを動作できる状態にします。 処理A,処理Bを行う環境をそれぞれ環境A,環境Bとすると、環境A,環境BのそれぞれにHULFTをイ ンストールします。 この場合、それぞれの環境で、以下の別のリソースが必要です。 ・仮想IPアドレス ・仮想ホスト名 ・ディスク(別の論理パーティッションが指定可能なもの) また、HULFTを動作させる上でも、以下の項目は、それぞれ別のものを指定します。 ・実行モジュール格納ディレクトリ(HULEXEP) ・環境設定ファイル類格納ディレクトリ(HULPATH) ・pidファイル作成パス ・集信ポート№ ・要求受付ポート№ ・fifoパス <表6.1> 導入環境決定例 仮想IPアドレス 仮想ホスト名 (HULFTの自ホスト名) ディスク HULEXEP HULPATH pidファイル作成パス 環境A 環境B 172.16.10.10 172.16.10.20 serverA serverB /mnt/shareddiskA /mnt/shareddiskB /usr/local/hulftA/bin /usr/local/hulftB/bin /mnt/shareddiskA/hulft/etc /mnt/shareddiskB/hulft/etc /usr/local/hulftA/tmp /usr/local/hulftB/tmp 集信ポート№ 30000 40000 要求受付ポート№ 31000 41000 /usr/local/hulftA/tmp /usr/local/hulftB/tmp fifoパス 6 - 6 HULFT クラスタ対応版 6.3.2 HULFTのインストール 表6.1の決定事項を元に、バックアップサーバにHULFTクラスタ対応版のテスト版をインストー ルします。この場合、1つのノードに運用系ノード、待機系ノードと2回インストールを行いま す。 HULFTのインストール手順・方法については、「3.2.2(1)新規インストール」および「導入マ ニュアル」を参照してください。 6.3.3 クラスタソフトウェアへの設定 表7.1の決定事項を元に、クラスタへHULFTの環境Aと環境Bをそれぞれ別のフェイルオーバする グループで登録します。 次に運用計画④の設定を行う場合のデーモンの起動のしかたを記述例に示します。 登録方法、設定方法については、「HULFT UNIX/Linux クラスタ対応版設定例」マニュアルを参 照してください。 <記述例> hulclusterrcv -start -o -l /mnt/shareddiskA/hulft/rcv_log 6 - 7 HULFT クラスタ対応版 6.4 仮運用の開始 6.4.1 バックアップシステム側(集信側)の設定 (1)運用計画①の設定(管理情報の設定) ・ 集信ファイルは共有ディスク上に指定します。 ・ 転送が正常終了した場合は、バックアップディレクトリへ集信ファイルをコピーするジョブ (ジョブID:BACKUP)を設定します。 ジョブは、コピーするシェルスクリプトなどをジョブ起動情報で登録します。 詳細の登録方法については「オペレーション・マニュアル」を参照してください。 <設定例> 集信管理情報更新 ファイルID Ctr+p:管理情報複写 Ctr+d:管理情報削除 ESC :キャンセル TAB :項目移動 : BACKUP_A ファイル名 : オーナー名 : パーミッション : オ−ナ− グル−プ その他 EBCDICコードセット: 登録モ−ド : 異常時の処置 : 集信形態 : 世代管理 : 正常時ジョブID : 転送グループID : 集信完了通知 : エクスチェンジャ : /mnt/shareddiskA/hulft/rcvdata backup グル−プ名 : backup 読 み 書 き 実 行 0:権限無し 1:権限有り 1 1 0 1 1 0 1 1 0 A (A:KN B:AL C:AC D:AP E:LOW F:EX G:NEC V:U1 W:U2 X:U3) N (N:新規作成 R:置き換え M:追加) K (D:削除 K:保持 R:復元) S (S:単一集信 M:複数集信) N (N:無 Y:有) 世代管理数 : 0 BACKUP 異常時ジョブID : SERVER_A 暗号キー : KEJr023gjeKIEJGedmg0 J (T:受信完了 J:正常時ジョブ完了) N (N:無 Y:有) コメント : A社からのバックアップデータの受信処理 6 - 8 HULFT クラスタ対応版 (2)運用計画②の設定(通信量の制御) 集信多重度を変更することで、通信量を制御することが可能です。 昼間は集信多重度を低く設定し、夜は高くするようなジョブを、HULFTスケジューラやスケ ジュール機能を用いてスケジューリングします。 以下にそのジョブ(シェルスクリプト)の例を示します。 ユーティリティの使用方法については、「4.4.3 システム動作環境設定再設定コマンド」 を参照してください。 <記述例> 集信多重度を「3」に変更するシェルスクリプト例 #!/bin/sh # 環境設定 HULPATH=/mnt/shareddiskA/hulft/etc;export HULPATH HULEXEP=/export/home/hulft/bin;export HULEXEP PATH=$HULEXEP:$PATH;export PATH # 集信多重度「rcvpsnum」を「3」に再設定する echo "rcvpsnum = 3" > /tmp/tmp_hulenv.conf システム動作環境設定再設定 コマンド hulclusterrcv -set -f /tmp/tmp_hulenv.conf exit $? 6.4.2 各社サーバ(配信側)の設定 (1)運用計画②の設定 システム動作環境設定「集信多重度オーバリトライ」を「1」に設定します。 【備考】この機能は、配信側HULFTはVer.6以上で利用できます。 (2)運用計画⑤の設定 システム動作環境設定「自動再配信リトライ回数」を自動再配信を行う回数を設定します。 「0」以外の値を設定します。 「5.4.2 フェイルオーバ後自動再集信の留意点」を参照してください。 6 - 9 HULFT クラスタ対応版 6.5 正式版への移行 1ヶ月の試用期間で問題なく動作することを確認したため、バックアップシステムのHULFTをテス ト版から正式版へ移行します。 「3.2.2(3) クラスタ対応版アップグレードインストール手順」を応用します。 図6.3でその手順を説明します。 server1 処理A 処理B 処理Aの運用系 処理Bの待機系 server2 処理Bの運用系 処理Aの待機系 区画A 区画B ①ノードを切り替える ②待機系ノードへ インストール 処理A server1 処理Aの待機系 処理Bの待機系 区画A 処理B server2 処理Bの運用系 処理Aの運用系 区画B ④待機系ノードへ インストール ③ノードを切り替える server1 処理A 処理Bの運用系 処理Aの運用系 処理B server2 区画A 処理Aの待機系 処理Bの待機系 区画B 図6.3 アップグレードインストール方法 ① ② ③ ④ ⑤ 処理Aのノードを切り替え、server1を処理A、処理Bともに待機系にする。 server1へ処理AのHULFT、処理BのHULFTをアップグレードインストールを行う。 処理A、処理Bともにノードを切り替え、server2を待機系にする。 server2へ処理AのHULFT、処理BのHULFTをアップグレードインストールを行う。 処理Bのノードを切り替え、元の運用形態へ戻す。 インストール方法については「導入マニュアル」を参照してください。 6 - 10 HULFT クラスタ対応版 6.6 本番運用の開始 本番運用後正常にバックアップシステムが動作していれば、運用計画④より、HULFTのトレースロ グ出力を行わないように設定を変更します。 システム動作環境設定「トレース出力モード(tlogmode)」を「0」に恒久的に変更します。 <設定例> ①管理画面などから「トレース出力モード」を「0」に変更 ②変更を動作中の集信デーモンへ反映 hulclusterrcv -set 以上で運用例は終了です。 6 - 11 HULFT クラスタ対応版 ∼・∼・∼・∼・∼・∼・∼・∼・∼ メモ ∼・∼・∼・∼・∼・∼・∼・∼ 6 - 12 HULFT クラスタ対応版 付録 1 用語集 付1 - 1 HULFT クラスタ対応版 付1.1 クラスタに関わる用語集 ・クラスタリング 独立して動作するコンピュータをあたかも1台のマシンとして動作させる技術。 ・クラスタソフトウェア クラスタリングを制御するソフトウェア。ディスクやネットワークなどのリソースやソフト ウェアの監視を行い、異常を感知した場合にはフェイルオーバを行う。 ・運用系(サーバ/ノード) HAクラスタ・フェイルオーバクラスタ環境で通常稼動時に処理を行うサーバ。主系、アク ティブ(サーバ)などともいう。 ・待機系(サーバ/ノード) HAクラスタ・フェイルオーバクラスタ環境で、運用系に障害が発生した場合に稼動するサー バ。代替系、予備系、スタンバイ(サーバ)などともいう。 ・フェイルオーバ 障害が発生した場合に運用系サーバから待機系サーバに処理を引き継ぐ機能。 ・フェイルバック フェイルオーバ発生後、通常時の運用系サーバが復旧し、元の運用形態に処理を戻す機能。 フェイルオーバの反義語。 ・ノード クラスタを構成する個々のサーバ。 ・片方向スタンバイ構成 処理が1つであり、待機系では処理が動作しないスタンバイ構成形態。Active-Stanby構成と もいう。 ・双方向スタンバイ構成 処理が2つ以上で、それぞれのサーバが運用系かつ待機系である形態。Active-Active構成と もいう。 ・仮想IPアドレス ユーザーがノードの切替を意識せずに処理を行えるように、クラスタソフトウェアが割り当 てるIPアドレス。通常は機能(例:データベース、WWW)ごとに固有のIPアドレスが割り振ら れる。フローティングIPアドレス、リロケータブルIPアドレスまたは、パッケージ専用IPアド レスなどともいう。 ・仮想ホスト名 仮想IPアドレスに関連付けられたホスト名。パッケージ名ともいう。 ・ハートビート 互いのノードの生存を確認するために、ノード間で一定間隔ごとにやり取りされる信号。 ・共有ディスク 複数のノードから読み書きが可能なディスク。 付1 - 2 HULFT クラスタ対応版 ・ミラーリング サーバのローカルディスク同士が常に同じデータを持つようにする方式。 ・オンライン サービスが起動している状態。 ・オフライン サービスが休止している状態。 付1 - 3 HULFT クラスタ対応版 ∼・∼・∼・∼・∼・∼・∼・∼・∼ メモ ∼・∼・∼・∼・∼・∼・∼・∼ 付1 - 4 HULFT クラスタ対応版 索 引 A N Active-Active .......................... 3-3 Active-Active 構成 .................... 付 1-2 Active-Stanby .......................... 3-3 Active-Stanby 型 ........................ 1-4 Active-Stanby 構成 .................... 付 1-2 Actvie-Active 型 ........................ 1-4 NFS マウント ............................ 3-2 P pid ファイル作成パス ................... 3-10 X F XL データムーバ ......................... 3-5 fifo パス .............................. 3-10 ア H アクティブサーバ ..................... 付 1-2 アベイラビリティ ....................... 1-2 HA クラスタ ............................. 1-2 High Availability 型 .................... 1-2 High Performance Computing ............. 1-2 High Scalability ....................... 1-2 hulclusterobs -query .................. 4-11 hulclusterobs -set .................... 4-12 hulclusterobs -start ................... 4-2 hulclusterobs -status .................. 4-4 hulclusterobs -stop .................... 4-6 hulclusterrcv -query .................. 4-11 hulclusterrcv -set .................... 4-12 hulclusterrcv -start ................... 4-2 hulclusterrcv -status .................. 4-4 hulclusterrcv -stop .................... 4-6 hulclustersnd -query .................. 4-11 hulclustersnd -set .................... 4-12 hulclustersnd -start ................... 4-2 hulclustersnd -status .................. 4-4 hulclustersnd -stop .................... 4-6 HULEXEP ................................ 3-6 HULFT-SAN クラスタ対応版の動作環境 ..... 3-5 HULFT クラスタ対応版とは ................ 1-2 HULFT クラスタ対応版の概要 .............. 1-5 HULFT のインストール .................... 6-7 HULFT の導入 ............................ 6-6 HULFT の導入環境決定 .................... 6-6 HULPATH ................................ 3-6 イ インストール手順 ....................... 3-6 ウ 運用計画の作成(運用例) ................. 6-4 運用系サーバ ......................... 付 1-2 運用における制限事項 ................... 5-2 運用例概要 ............................. 6-2 オ オフライン ........................... 付 1-3 オンライン ........................... 付 1-3 カ 各社サーバ(配信側)の設定(運用例) ....... 6-9 仮想 IP アドレス .................. 付 1-2, 3-2 仮想ホスト名 .................... 3-2, 付 1-2 片方向スタンバイ ....................... 3-3 片方向スタンバイ構成 ................. 付 1-2 片方向スタンバイ型 ..................... 1-4 稼動形態 ............................... 3-3 仮運用の開始(運用例) ................... 6-8 監視のしくみの相違点 .................. 5-11 管理情報の 2 重化 ........................ 2-2 管理情報の 2 重化について ................ 5-7 管理情報ファイル名 ..................... 5-7 管理情報・履歴の耐障害強化機能 ......... 2-2 I HULFT クラスタ対応版 システム動作環境設定問い合わせ機能 .... 2-14 システム動作環境設定問い合わせコマンド 4-11 システム動作環境設定問い合わせ・再設定機能 ................................. 2-14, 4-8 システム動作環境設定問い合わせ・再設定コマン ドの使 .............................. 4-13 実 IP アドレス ........................... 3-4 自動再集信の対象となる条件 ............. 5-9 自動再配信拡張機能 .................... 2-10 自動再配信拡張機能の留意点 ............. 5-8 自動再配信の対象となる終了コード ....... 5-8 自動再配信の配信方法 ................... 5-8 自ホスト名 ....................... 3-3, 3-10 集信デーモン終了同期要求受付時の動作 ... 5-5 終了同期機能 ...................... 2-7, 4-6 終了同期コマンド ....................... 4-6 終了同期コマンドの使用例 ............... 4-7 終了同期要求発行時の動作 ............... 5-3 主系サーバ ...................... 1-2, 付 1-2 処理同期モード ......................... 2-7 新規インストール手順 ................... 3-7 キ 起動同期機能 ........................... 2-3 起動同期コマンド ....................... 4-2 起動同期コマンドの使用例 ............... 4-3 起動同期モード ......................... 2-3 強制終了モード ......................... 2-9 共有ディスク .................... 3-2, 付 1-2 ク クラスタ対応 HULFT として必要とされる機能 1-6 クラスタ構成システム ................... 1-2 クラスタ構成システムと相手マシンとの接続につ いて ................................. 3-4 クラスタ構成システムにおけるホスト名について 3-3 クラスタ構成システムの種類 ............. 1-2 クラスタソフトウェア ................. 付 1-2 クラスタソフトウェアへの設定 ........... 6-7 クラスタ対応アプリケーションとして必要とされ る機能 ............................... 1-5 クラスタ対応版アップグレードインストール手順 ..................................... 3-9 クラスタ対応版からのアップグレードインストー ル .................................. 6-10 クラスタ対応版での HULFT 疎通テスト ..... 3-10 クラスタ対応版のインストール ........... 3-7 クラスタ対応版の運用形態 ............... 1-4 クラスタ対応版の稼動形態 ............... 1-3 クラスタ対応版の環境設定編集 .......... 3-10 クラスタ対応版の起動 .................. 3-10 クラスタ対応版の停止 .................. 3-10 クラスタ対応版の動作環境 ............... 3-2 クラスタ対応版の導入先決定 ............. 3-6 クラスタ対応版の導入にあたり ........... 3-2 クラスタリング .................. 1-2, 付 1-2 ス スケーラビリティ ....................... 1-2 スタンバイサーバ ..................... 付 1-2 セ 正式版への移行 ........................ 6-10 生存確認機能 ...................... 2-6, 4-4 生存確認コマンド ....................... 4-4 生存確認コマンドの使用例 ............... 4-5 生存監視モード ......................... 2-4 生存・相互監視モード ................... 2-5 接続時の留意点 ........................ 5-12 ソ サ 双方向スタンバイ ....................... 3-3 双方向スタンバイ構成 ................. 付 1-2 双方向スタンバイ型 ..................... 1-4 作業フロー(運用例) ..................... 6-5 シ タ システム構成(運用例) ................... 6-4 システム構成・運用計画の作成(運用例) ... 6-4 システム動作環境設定再設定機能 ........ 2-14 システム動作環境設定再設定コマンド .... 4-12 待機系サーバ .................... 1-2, 付 1-2 代替系サーバ ......................... 付 1-2 代替サーバ ............................. 1-2 II HULFT クラスタ対応版 ツ ミ 通常アップグレードインストール手順 ..... 3-8 ミラーディスク ......................... 3-2 ミラーリング ......................... 付 1-3 テ ヨ ディスクアレイ装置 ..................... 3-2 転送用ボリュームの初期化 ............... 3-5 転送用ボリュームのデバイス名 ........... 3-5 要求受付デーモン終了同期要求受付時の動作 5-6 予期せぬフェイルオーバ時における注意 ... 5-2 予備系サーバ ......................... 付 1-2 ト リ 問い合わせ・再設定可能項目 ............. 4-8 履歴ファイルの修復 ..................... 2-2 リロケータブル IP アドレス ............. 付 1-2 ノ ノード ............................... 付 1-2 ノード名 ............................... 3-4 ハ ハートビート .................... 3-2, 付 1-2 配信デーモン終了同期要求受付時の動作 ... 5-3 ハイパフォーマンス ..................... 1-2 バックアップシステム側(集信側)の設定(運用例) 6-8 パッケージ専用 IP アドレス ............. 付 1-2 パッケージ名 ......................... 付 1-2 ヒ 必須環境 ............................... 3-2 フ ファイル・実行ジョブ等の格納先 ......... 5-2 フェイルオーバ ....................... 付 1-2 フェイルオーバ後自動再集信の留意点 ..... 5-9 フェイルオーバ後自動再配信の留意点 ..... 5-8 フェイルオーバにかかる時間の設定 ....... 5-9 フェイルオーバ機能 ..................... 1-2 フェイルオーバクラスタ ................. 1-2 フェイルオーバ後自動再集信機能 ........ 2-12 フェイルオーバ後自動再配信機能 ........ 2-10 フェイルバック ....................... 付 1-2 フローティング IP アドレス ............. 付 1-2 ホ 本番運用の開始(運用例) ................ 6-11 III HULFT クラスタ対応版 IV HULFT UNIX/Linux Ver.6 クラスタ対応版 2004年 3月 1日 第1版発行 2007年 6月 1日 第8版発行 株式会社 セゾン情報システムズ
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