日本人商工部会と当地関係省庁のビジネス環境改善に関する意見交換

2016 年 3 月
在タンザニア大使館作成
日本人会商工部会と当地関係省庁とのビジネス環境改善に関する
意見交換会概要
1.目的
日本企業がタンザニアで起業・事業展開する上で直面する問題点をタンザニアの関係省
庁と共有し、不透明な就労規制や通関手続き等の明確化・適正化を要請するとともに、
日本企業の円滑な事業活動への支援につき申し入れを行う
2.参加者
第一回:2016年2月18日 産業貿易投資省
第二回:2016年2月22日 タンザニア歳入庁(TRA)
第三回:2016年2月26日 内務省入国管理局
第四回:2016年3月2日 タンザニア投資センター(TIC)
第五回:2016年3月8日 首相府付き労働・雇用担当局
タンザニア側:次官、担当局長、担当課長、担当官等
日本側:タンザニア日本人会商工部会 関心会員企業、大使館・JICA職員
3. 日本人会商工部会からの改善要望とタンザニア政府の応答振り
(1)通関業務の透明化・適正化
要望
・不正輸入の取締り強化と公正な競争環境の提供
・アンダーインボイス等の嫌疑解消
・通関所要時間の短縮
回答
・マグフリ新政権(2015年11月発足)はタンザニア歳入庁(TRA)含む多数の機関で汚職疑惑
のある職員を停職処分にし、不正輸入の取締まり強化を実施。
・輸入インボイスの精査は不正輸入を防止するための措置。地場産業保護の目的もあるた
め、輸出前の申告情報にアクセスできるような仕組みがあれば、適切な対応が可能。
・通関手続きの重複を解消し整合性を取って通関時間の短縮に取り組んでいる。
(2) 税務行政の手続き・運用の改善
要望
・頻繁な税務監査によって生じる企業の負担の軽減。
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・タンザニア政府の文書発行遅延により生じる、確定申告の遅延及びそれに伴う多額のペ
ナルティ発生の回避。
回答
・定期監査は地方事務所の管轄であり、TRA本部から出向くことはないが、個別の事案に
よっては、調査が重複することもありうる。
・必要な文書を発行するべき省庁が先ず迅速に対応する必要があるが、TRAからも働きか
けは可能。
(3)各種査証・許可取得手続きの簡素化・条件明瞭化
要望
・最近の就労許可証(ワークパーミット)や商用査証(ビジネスビザ)に関する制度改正
の内容確認
・法改正を含む各種制度の変更が外国企業への事前通知や公開情報なしに改正される現状
の改善、及び不透明な運用制度の改善
回答
・入国者の滞在日数及び入国目的・業務内容によって必要な査証・許可は異なる。
・内務省入国管理局では、入国管理に関する質問に応答すべくホットラインを設立し、ウェブサ
イトでも情報公開予定。
商用査証(B-class)について
・CTA(Carrying on Temporary Assignment: 90日間有効の短期商用パス)は2015年中に廃
止され、CTAの代替になる制度規則は現在存在しない。
・90日以内の短期商用滞在であれば、商用査証(Bクラス:滞在許可付)を取得し入国する
(就労許可証取得は不要)。
・「商用」の定義はケースによるが、当地法人と雇用関係にない、例えば邦人企業の本社・
関連会社から派遣されている職員が、用務・会議出席、機器の据付・メンテナンス等の一
時的な業務で90日以内の滞在をする場合は、商用査証のみで入国可能。
・新規事業立ち上げで入国する際には、商用査証で入国し、先ず営業登録・実施許諾局
(BRELA)での企業登録が必要。
・その他個別のケースに応じて在外公館の査証担当官等の判断により適当な査証が付与さ
れる。
就労許可証について
・就労目的(短期・長期)で入国する場合は、入国前に雇用主に当たる当地現地法人(邦人企業
含む)が該当者の就労許可証を取得し、その後同法人が右就労許可証を示して当該人の滞在許可
証(Resident Permit)を当地で取得する。この新規被雇用者はそのコピーを持って駐日タンザ
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ニア大使館又は空港にて一般査証(シングル、50USD)を取得し、入国する。入国後、新規被雇用
者はパスポートと就労及び滞在許可証の原本を持って入国管理局に出向き、承認を受ける。
・TIC を通じて投資事業登録をした場合適用されるインセンティブの一つには企業登録や就労許
可証の取得が同一の窓口で管理できるワン・ストップ・サービスがある。
・就労許可証の取得が滞在許可証の発行根拠となるため、労働当局の手続きの遅延により有効期
限内に更新手続きが終了しない場合、期限を超えて滞在が可能な猶予期間を 1 か月設けている
(ただし、その間の労働は不可)。
商用査証(B-class Visa)
就労許可証(Work Permit)
発給機関
入国管理局長官
首相府付き労働・雇用担当長官
対象者
商用目的の短期滞在者(90 日以 就労目的の滞在者(短期・長期)
内)
申請者
入国者個人
タンザニアで事業登録されている法人
発給場所
在外公館(東京)及び入国地点 タンザニア首相府付き労働・雇用担当局
(陸・空路)
有効日数
90 日間
(短期)6 か月間又は(長期)2 年間
発給所要日数(目安)
1 日(On arrival 可)
10 営業日前後
料金
250 USD
(短期)500 USD、(長期)1,000 USD
更新
原則不可
可能(タンザニア国内)
滞在許可証の取得
商用査証は滞在許可付きであ 就労許可取得後、要取得 (発給所要日
(長期滞在査証)
るため、取得不要
数は 14 営業日)
料金は滞在許可証の種類によって異な
るが、商用は 2 年間で 2,050 USD
その他
・インターン(無給与)は、90日以内の活動であれば、観光査証でなく商用査証を取得す
る。90日以上の滞在の場合には就労許可を取得する。(インターンに対し、宿泊、食事、
最小限のアローワンスを提供することは給与とは見なされない。)
(4)外国企業のビジネスライセンス料金
要望
・高額な外国企業のビジネスライセンス料金の緩和措置(例:建設分野の外国企業の場合
は毎年2万ドル)。
回答
・本件制度は1997年から導入されており、業種により金額が異なる。
・ODA事業では払い戻し(refund)により負担が軽減されている。
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(5)外国人雇用規制法
(注:2015年4月に「外国人雇用規制法」が成立したが関連規則(regulation)が未策定のため発効されていない)
要望
・タンザニア人雇用優先規制及び日本人若手職員の当地での就労機会条件の緩和
回答
・タンザニア人の雇用及び技術取得・普及の機会を創出するのが目的であるため理解いた
だきたい。
・他方、該当邦人企業職員に対する雇用背景について明確な説明を文章で提出していただ
ければ、申請企業の意向を尊重し適切に処理する。
・TIC及びEPZA(輸出加工区庁)を経由して投資事業登録を行った外国企業には外国人雇用の
ための5名分の枠の割当がある。
*当館注:本書は意見交換会に基づき作成しており、関係機関の担当官によって実際の対応
が異なる可能性もあると考えております。当館も引き続き内容の確認を続け、順次アップ
デートを行いますが、本内容と相違する対応があった場合には、当館までフィードバック
いただけると幸いです。
連絡先:商務担当窓口
電話:+255-22-2115827(7:30~16:30 日本時間で13:30~22:30)
メール:[email protected]
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