猫の慢性腎不全に対する自宅ケアについて ~オーナー様に対する

看護師発表会○-○
11月○日(○)
エンプレスホール 00:00~00:00
猫の慢性腎不全に対する自宅ケアについて
~オーナー様に対するアンケートをもとに~
○北斗 晴子1)、七重 浜子1)
はじめに
高齢猫の病気の中で、最も多い疾患の一つに慢性腎不全がある。慢性腎不全は徐々に進行
していく病気のため、終生まで様々な治療が必要となる。そのため内科的治療を行うこと
により、いかに進行を遅らせ臨床症状を緩和させるかが重要と思われる。主に治療には制
吐剤、吸着剤、食餌療法などがあるが、それらに皮下輸液治療を加えることもある。しか
し、提案する治療内容が必ずしもオーナー様の希望と一致しているとは限らない。特に皮
下輸液を自宅で行うことに対し、「オーナー様がどのように感じられているか?」につい
てアンケートをとり、その心情を理解するとともに私たちにできることは何かを考える。
方法
自宅で皮下輸液を行っているオーナー様11名を対象とした。
(1ヶ月以上継続している方)
アンケート内容及び結果
1. 猫ちゃんは皮下輸液を嫌がりますか?
・嫌がる→6名
・嫌がらない→2名
・慣れた→3名
2. 実際に皮下輸液を始めてみてどうですか?
・大変だが何とか続けられる→6名
・それほど苦ではない→4名
・できるならやめたい→1名
3. 2 で大変と答えられた方はどのような点にお困りですか?
・猫が痛がる
・自分以外にできる人がいない
・出掛けられない
…など
4. 腎不全対応フードを食べさせたことはありますか?
・処方食のみ使用→7名
・他の物と混ぜて使用→2名
・食べない→2名
5.
腎不全対応の自宅ケアとして、オーナー様にとって一番良いと思われるものはどの方
法になりますか?
・処方食のみ→1名
・皮下輸液のみ→2名
HSAVA‘s 22nd Annual Meeting 2014.11.1-2
看護師発表会○-○
11月○日(○)
エンプレスホール 00:00~00:00
・両方でも大丈夫→8名
6. 皮下輸液に関して、ご意見・ご要望はありますか?
・通院回数が減って楽になった
・元気な状態を維持できるので嬉しい
…など
考察
皮下輸液を行うことに対し、「猫が嫌がる」など様々な理由により大変と感じられるオ
ーナー様が多い中、やめたいと回答された方は11名中1名とわずかであった。また処方
食を使用するにあたり食べが悪く一定しないため、その他の方法を取り入れたいと考え、
皮下輸液を一緒に選択される方も数名いた。この結果から皮下輸液を自宅で行うことは、
苦難しつつも何らかの手応えを感じることができるため、治療法の一つとして受け入れら
れていると考えてよいのではないか。ただし、慢性腎不全の進行具合や状況によっては効
果が表れないこともある。オーナー様に治療内容を理解してもらえるよう指導への工夫が
必要となる。
まとめ
私たち動物看護師がオーナー様と獣医師との間に立ち、その心情を理解してアドバイス
できることがあるものと考える。今回のアンケート結果を活かし、丁寧かつ分かりやすい
指導を目指して日々努力していきたい。
1)北小獣動物病院:北斗市七重浜 2-14-21
Tel:0138-48-2225
HSAVA‘s 22nd Annual Meeting 2014.11.1-2